有価証券報告書-第14期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:08
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181項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは経営理念に基づき、技術を深化・進化させ続け、お客さまとの連携を通じた新たな価値の創造により、社会問題の解決に貢献する企業を目指しております。安全・安心・快適な生活と社会の持続可能な発展を支え、人々の笑顔があふれる未来を創るための信頼される企業として、「サステナブル社会」に貢献してまいります。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは2027中期経営計画の初年度において、SQCファースト改革を経営の基軸に据え、コア事業の再生と強靭化、成長ストーリーの再構築、経営基盤の強化を通じた中長期的価値創造の土台づくりに取り組みました。
SQCファースト改革につきましては、グループ全体で安全・品質・コンプライアンスを最優先とする企業風土の再構築を進める中、新たな羅針盤として「東光高岳グループ新経営理念(パーパス・ビジョン・クレド)」を制定し、全従業員への浸透を図ってまいりました。また、公表している36件のアクションプランを推進しつつ、執行側による月次モニタリングおよび取締役会への定期報告を通じて進捗管理を行うとともに、社員意識調査等を活用した意識浸透度の把握にも継続的に取り組み、ガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化を進めました。
コア事業の再生と強靭化においては、特別高圧受変電設備プラントを構成する大型変圧器およびガス絶縁開閉装置を中心に、技術・品質および事業構造の抜本的な改善に着手しました。また、今後も需要が高水準で継続することが見込まれることを踏まえ、SQCファーストの確保と工場DX・自動化による生産能力の増強を指向し、新たな建屋建設を含む小山事業所再編の構想を策定しました。また、各種製品の製造・検査工程におけるチェックシート電子化や設備自動化を進めております。これらの取り組みと堅調な需要環境を背景に、コア事業は安定的に収益を確保いたしました。
成長ストーリーの再構築においては、第2世代スマートメーター関連事業、EVインフラ事業、半導体検査事業を注力事業と位置付け、積極的なリソース投入を進めました。第2世代スマートメーター関連事業では、連結子会社である東光東芝メーターシステムズにおいて自動化率100%の製造ラインの整備により、全国仕様統一化に対応した高品質かつ安定的な製品供給体制を構築しています。さらに、蓮田地区に新設したスマートメーターアセンブリーセンター(SMAC)において、一部電力会社向けに第2世代スマートメーターの最終組立および通信・計量ユニット間のペアリングを行う事業を開始しました。これらにより、スマートメーターの製造から物流、取付工事、データ活用に至るサプライチェーン全体に関与する体制を整えました。EVインフラ事業においては、「SERA」ブランドの展開を加速させるとともに、次世代超急速充電器「SERA-400(400kW)」の開発を進め、製品ラインアップの拡充を図りました。また、工事・メンテナンス体制を担う連結子会社ミントウェーブとの連携や、コト売りビジネスの推進を通じて、ワンストップでのEV充電インフラサービスの提供に取り組みました。半導体検査事業では、生成AIの普及に伴う半導体需要の拡大を背景に、最先端半導体の進化に対応した新製品の開発および早期市場投入に向けた取り組みを進めるとともに、国内外での顧客基盤拡大を図りました。
経営基盤の強化においては、グループガバナンスの強化、人的資本投資の拡充、DXの推進および財務基盤の強化に取り組みました。人的資本面では、成長を支える人財の確保と育成を進めるとともに、新たな人事制度の導入を通じて、挑戦と共創を促進する組織づくりを進めました。DXでは、工場、デスクワーク、営業・設計、データ活用などを対象としたDXロードマップに基づき、生産性向上と業務高度化を推進しました。財務面では、SQC確保や工場DX、注力事業の基盤構築に向け、前中期経営計画を大きく上回る総額470億円の投資計画を策定し、資本効率の向上に向けた取り組みを進めております。
当社グループは、2027中期経営計画の達成に向け、足元の業績進捗および事業環境の変化を適切に反映しながら、引き続きSQCファーストを基盤としつつ、コア事業の収益力向上と成長分野の拡大を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
このような状況下、当社グループは次の取り組みを実施しております。
<1>「SQCファースト改革」の取り組み状況について
当社グループは、一連の不適切事案に対し、背景を含めた徹底的な真因究明と再発防止策の検討を進め、同時に調査・検証委員会より受領しました各報告書(中間報告書、追加報告書、最終報告書)での提言等も踏まえ、安全・品質・コンプライアンス(以下「SQC」)を最優先とする企業へ再生するための改革策(以下「SQCファースト改革」)を2024年10月28日に策定し、当社グループ一丸となって、推進しております。
「SQCファースト改革」は、不適切事案の4つの真因に対する再発防止策として改革①~④で構成され、各改革に対して具体的なアクションプランを策定しました。進捗においては、執行側による毎月の進捗会議で取り組み状況を確認、顕在化された課題について迅速に対応しております。また、取締役会へは半期に一度、取り組み状況を報告し、監督側でのモニタリングを行っております。
なお、当社グループへの「SQCファースト改革」の浸透・定着度合いは、毎年実施しております社員意識調査のなかで確認し、アクションプランの進捗とともに、今後定期的に報告してまいります。


<2>「2027中期経営計画」の見直し
当社グループは、2027中期経営計画(以下、2027中計)において、2027年度の目標としていた営業利益90億円を、2025年度に前倒しで達成しました。また、2027中計で掲げていたPBR1倍、ROE8%以上についても、2025年度末時点でこれを上回る水準に到達しました。
国内電力需要の拡大を背景に、コア事業を中心とした堅調な事業環境は今後も継続すると見込んでおります。
こうした業績進捗および事業環境の変化を踏まえ、当社グループは2027中計の内容の一部について、見直しを行うこととしました。
当社グループは、引き続きSQCファーストを最優先に、電力機器・計量事業を中心としたコア事業で安定的に収益を創出しつつ、成長分野への投資と事業拡大を進めてまいります。
また、10年後を見据えた“SERAカンパニー”の実現に向け、モノづくりの深化・進化に加え、エンジニアリング、デジタル、サービスを組み合わせた新たな価値創出に取り組み、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
連結業績目標の見直し
足元の業績進捗および受注環境を踏まえ、2027年度の連結売上高・営業利益等について、2027中計上の目標水準を見直しました。
<業績目標の見直し>
見直し前(2025年4月25日公表)見直し後(2026年4月28日公表)
2024年度
実績
2025年度
計画
2027年度
目標
2025年度
実績
2026年度
計画
2027年度
目標
連結売上高1,066億円1,080億円1,200億円1,120億円1,150億円1,200億円
連結営業利益60億円62億円90億円97億円100億円110億円
親会社株主に帰属
する当期純利益
38億円39億円55億円66億円100億円※100億円※
ROE6.4%6.4%8.0%以上10.2%14.7%14%以上
ROIC6.6%6.6%8.0%以上10.0%9.8%10%以上
※固定資産の譲渡に伴い発生する特別利益の影響を含む

財務戦略~キャッシュアロケーションの考え方~
・当社グループは、「成長投資等による企業価値向上」と「資本効率改善と株主還元拡充」を同時にバランスよく達成することを目的として、キャッシュアロケーションを構築しております。
・2025年度の好業績に加え、今後も堅調な受注環境が期待でき、2027中計に織り込んだ水準を上回る収益性、および営業CF創出力が継続する見通しと判断しております。このため、営業CFの増分を株主還元に優先的に配分し、配当性向を現行の30%から40%へ引き上げるようにします。
・一方で、2027中計で示したSQC投資や成長投資(コア事業の工場DX・生産能力増強、注力事業の基盤構築、SERAカンパニー実現に向けたR&D等)により、当面は営業CFを上回る先行投資が必要であり、これに伴い生じる不足分の資金調達策について検討してきました。
・その一環として、当社保有の経営資源の効率を再評価した結果、不動産については事業シナジーが限定的で収益性も資本コスト(WACC)未満であることから、売却する方針とします。
・不動産の売却により得た資金は、2027中計で示したSQC投資や成長投資に充当します。当面は営業CFを上回る先行投資が見込まれるため、当該売却資金によって不足分を補う一方で、借入余力は中計期間以降の投資に備え留保することにします。
・また、売却資金の一部は、資本効率の改善と株主還元の拡充の観点から、自己株式取得へも充当していきます。
主要セグメントの取り組み

*詳細については、以下のURLより“「2027中期経営計画」の見直しについて”をご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6617/tdnet/2796216/00.pdf
<3>“SERAカンパニー”への本格展開
当社は2025年4月、パーパス・ビジョン・クレドから構成される新経営理念を制定し、10年先の目指す姿(ビジョン)として“SERAカンパニー”を掲げました。“SERA”は、当社のEV用急速充電器の製品ブランドに由来し、Seamless, Energy, Relations & Activationの頭文字を組み合わせた言葉です。「シームレスにエネルギーをつなぎ、人と社会を活性化する存在でありたい」という思いを込めています。また、“SERA”はフランス語で未来を表す言葉であり、未来に向け進化し続ける当社の姿勢の象徴でもあります。
2026年度は、以下に示す「①経営戦略」、「②組織文化」の両面の観点から10年後の“SERAカンパニー”実現に向けた具体化と実行準備の取組みを進めてまいります。
“SERAカンパニー”が果たす2つの役割
①経営戦略としての“SERAカンパニー”
当社は、長年培ってきたモノづくり技術をさらに磨き、電力ネットワークの結節点の役割を果たし続けるとともに、社内外の力を結集して“点”から“線”へ、“線”から“面”へと価値をつなぎ、拡げ、高めることで、未来のエネルギーネットワークをデザインしていきます。
[“点”の深化・進化/モノづくりSERA]
長年培ってきたモノづくり技術をさらに磨きこみ、製品価値の深化や次世代製品への進化を通して、社会的役割を果たし続けます。
[“点”から“線”へ/バリューチェーンSERA/エンジニアリングSERA]
<バリューチェーンSERA>製品ライフサイクル、バリューチェーン全体に関わることで、全体最適を指向した事業運営、提供価値の最大化、新サービス創出などを実現します。
<エンジニアリングSERA>エンジニアリング力で当社・他社製品を束ねたシステムを一式提供し、さらにエネルギーマネジメントシステム(EMS)や運用・保守も含めたサービスなど、顧客ニーズに応じた最適なソリューションをワンストップで提供します。
[“線”から“面”へ/街づくりSERA]
再エネの地産地消や、地域全体で災害時の事業継続を支える取り組み(エリアBCP)などの地域社会におけるエネルギープラットフォーム上の課題解決に貢献し、安全・安心・快適な街づくりを支えるソリューションの提供を目指します。
[“点” “線” “面” の価値向上/デジタルSERA]
データ&デジタルの活用で電力ネットワークや顧客設備の運用・保守の高度化・効率化を支えるとともに、エネルギーの最適利用等の付加価値を創造します。
②組織文化としての“SERAカンパニー”
“SERA”は私たち自身、つまり東光高岳グループの社員一人ひとりと組織のありたい姿(組織文化)でもあります。経営理念のクレドを体現しつつ、“共創と挑戦”する組織への変革を推進していきます。
Seamless: 部門や会社を越えて、シームレスにつながる
Energy: 一人ひとりが持てるエネルギーを最大限に発揮する
Relations: 社内外の連携・共創を広げる
Activation: 社会・顧客と会社と社員自身の未来をイキイキとする
当社は、経営理念のパーパス「笑顔あふれる未来のため、確かな技術と共創で人と社会のエネルギーを支え続ける」の実現に向け、ビジョン「未来のエネルギーネットワークをデザインする“SERAカンパニー”へ」進化してまいります。また、未来につながる新たな価値の創造に、これからも果敢に挑み続けてまいります。

(3) 目標とする経営指標
2026年度の目標とする経営指標については以下の通りであります。
「2027中期経営計画」の見直しにつきましては、2026年4月28日に公表しております。
2023年度2024年度2025年度2026年度
(実績)(実績)(実績)(予想)
連結売上高1,073億円1,066億円1,120億円1,150億円
連結営業利益
(営業利益率)
82億円
(7.7%)
60億円
(5.7%)
97億円
(8.7%)
100億円
(8.7%)
親会社株主に帰属する当期純利益46億円38億円66億円100億円
ROE
<自己資本利益率>
8.3%6.4%10.2%14.7%

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