有価証券報告書-第15期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 13:55
【資料】
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【項目】
124項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、人々の生活様式や価値観が大きく変化した年となりました。国内においては、外出自粛、様々な施設等の休業や営業時短要請、出勤者数の抑制等により人々の移動や接触機会を減らし感染拡大の抑制と日常生活を両立させるニューノーマル時代へ移り、生活様式の大きな変容が求められています。
こうした状況下、「冷温水が簡単に利用できる」、「日本の良質な天然水が定期的に自宅まで配達される」、「災害に備えた備蓄水としての役割」といった利便性や安全性等によって、宅配水(ウォーターサーバー)への認知度が高まり、当社グループの事業環境へ好影響を及ぼしました。当社グループでは、お客様に安心・安全で高品質な飲料水を安定的に提供できる体制の構築に務めてまいりました。
また、当社グループでは脱炭素社会を目指すということをビジョンの一つと捉え、天然水という日本の資源を継続的に守り、育むために取り組みを行っております。水資源を使用する者の責任として、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて取り組み範囲を拡大させ、積極的に社会的責任を果たしてまいります。
当連結会計年度における当社グループの業績については、これまでの営業活動により獲得した保有契約件数が前連結会計年度末で100万件となり、宅配水事業の収益基盤は強固なものとなりました。こうした状況に加え、当連結会計年度は新型コロナウイルスの感染拡大による在宅時間の増加や内食需要の高まりにより、宅配水の需要が高まりました。2020年4月の緊急事態宣言発令時には、大型商業施設等の休業の影響を受け、デモンストレーション販売ができない状況に陥りましたが、感染拡大の防止策を講じた上でこれまでとは異なる施設でのデモンストレーション販売を行い、新たな営業チャネルの開拓に成功いたしました。また、テレマーケティングやWebによる営業も積極的に推進したことにより、平時とは異なる状況下においても営業活動を行うことができる体制を整えてまいりました。更に、長期にわたる宅配水の定期配送サービスの利用が安定的な収益基盤の構築につながることから、既存顧客の継続率の向上やお客様満足度向上のための各種付帯サービスの提供等を推進した結果、当連結会計年度末の保有契約件数は前連結会計年度末から22万件増加し、122万件となりました。
一方で、物流費や販売促進費等の増加が当社グループの利益押下げ要因となっているものの、顧客数の増加や宅配水の消費量の増加等によって各工場設備の稼働率の向上等による製造原価の低減や物流費の安定化につながる物流網の構築等によって各種費用の低減に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における連結業績につきましては、売上収益は56,339百万円(前年同期比23.9%増)、営業利益は4,394百万円(前年同期比136.3%増)、税引前利益は3,942百万円(前年同期比167.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,193百万円(前年同期は71%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
(金額:百万円)
セグメントの名称生産高前年同期比(%)
ホーム・オフィス・デリバリー事業4,327100.3
合計4,327100.3

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当社グループは、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(金額:百万円)
セグメントの名称販売高前年同期比(%)
ホーム・オフィス・デリバリー事業
(1)ナチュラルミネラルウォーター販売
直接販売・取次店35,613127.6
代理店・特約店・OEM3,563122.9
(1)小計39,176127.2
(2)ウォーターサーバー販売24194.0
(3)ウォーターサーバーレンタル7,157116.4
(4)その他5,809122.4
(1)~(4)合計52,386124.9
その他3,953113.1
総合計56,339123.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ19,338百万円増加し、61,793百万円となりました。
(資産)
流動資産は28,268百万円(前連結会計年度末比10,170百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、現金及び現金同等物の増加6,635百万円、営業債権及びその他の債権の増加1,982百万円、その他の金融資産の増加1,967百万円であります。非流動資産は33,525百万円(前連結会計年度末比9,167百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、有形固定資産の増加4,505百万円、繰延税金資産の増加1,536百万円及び新規契約の獲得に向けた各種営業費用の増加に伴う契約コストの増加2,686百万円であります。
(負債)
流動負債は21,756百万円(前連結会計年度末比2,865百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、営業債務及びその他の債務の増加1,749百万円、未払法人所得税の増加1,159百万円であります。非流動負債は29,494百万円(前連結会計年度末比12,622百万円の増加)となりました。主な増減要因としては、有利子負債の減少12,548百万円であります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は10,542百万円(前連結会計年度末比3,850百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、親会社の所有者に帰属する当期純利益3,193百万円であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は16,873百万円と前連結会計年度末(10,238百万円)に比べ6,635百万円増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、9,448百万円と前連結会計年度(6,659百万円)に比べ2,788百万円の増加となりました。その主な要因は、契約コスト2,686百万円による資金の流出、営業債権及びその他の債権の増加1,918百万円等があった一方で、税引前当期利益3,942百万円の計上、資金の支出を伴わない減価償却費及び償却費6,961百万円による資金の増加、営業債務及びその他の債務の増加2,564百万円等があったことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、5,487百万円と前連結会計年度(1,334百万円)に比べ4,152百万円の増加となりました。その主な要因は、債務保証に係る保証金の預け入れによる支出2,000百万円が発生したことと、新規顧客数の増加に伴うウォーターサーバーの取得数の増加、工場関連設備の投資実施及び顧客管理システムの改修等に伴い、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出3,360百万円が発生したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、2,659百万円となりました(前連結会計年度の財務活動により使用した資金は、1,831百万円)。その主な要因は、社債の発行及び銀行借入による長期有利子負債の収入12,752百万円があった一方で、金融機関等への返済に伴う短期有利子負債の支出2,000百万円及び長期有利子負債の支出8,658百万円があったことです。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、契約者へ貸与するウォーターサーバーの購入、各種設備投資のほか、営業活動に係るものであります。資金需要を満たすための資金は、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、多額の資金需要に対応する場合は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、金融機関からの借入及び社債発行等にて対応しております。将来の資金需要の可能性をふまえ、自己資本比率や流動比率等の指標への影響度等を総合的に勘案し、必要な資金を確保できる体制を整えてまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。