四半期報告書-第4期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/09 13:15
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26項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループは、あらゆるコンテンツの価値を高めるプラットフォーマーとしての飛躍を目指し、出版から総合メディア企業を目指す㈱KADOKAWAと、ネットとリアルの融合を目指すIT企業㈱ドワンゴの創造性を結集しながら、魅力あるコンテンツをあらゆるメディアにマルチ展開させて収益を最大化させるメディアミックス戦略を積極展開しております。
当第3四半期連結累計期間における各セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
Webサービス事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は223億20百万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1億39百万円(前年同期比94.1%減)となりました。
ポータルでは、日本最大級の動画プラットフォームである「niconico」における「ニコニコプレミアム会員」のサービス収入を柱とし、ウェブサイト上のバナー等の広告、有料動画等の関連収益を計上しております。「ニコニコプレミアム会員」の減少が続き当第3四半期末で214万人となったことに加え、「niconico」の新バージョン(く)(読み方:クレッシェンド)や様々な最先端の機能の開発投資負担が先行したことが主な減益要因となりました。
ライブでは、競合する他の動画サービスとの差別化を図るべく、「ネットとリアルの融合」をテーマに各種ライブイベントの企画・運営、ライブハウス「ニコファーレ」の運営等を行っております。平成29年4月に開催した「ニコニコ超会議2017」の2日間の会場来場者数は15万4,601人と過去最高を記録、8月に開催した世界最大級のアニソンライブ「Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-」には3日間で8万1千人を集め、インターネット文化やコンテンツの価値をリアルのイベントで共有することへの関心の高さを確認できました。また、ニコニコ動画で人気のクリエイター陣が関わるNHN PlayArt㈱との共同プロジェクト「#コンパス〜戦闘摂理解析システム〜」や人気動画配信者のライブツアー関連の事業が収益に貢献しております。
モバイルでは、シングル楽曲/着うた®などの配信を行う総合エンタテインメントサイト「dwango.jp(ドワンゴジェイピー)」や、アニメ総合ポータルサイト「animelo」からの収益を計上しております。有料会員数は減少しておりますが、外注費や広告宣伝費等の固定費削減に努め、収益性を維持しております。
出版事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は829億96百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)は38億2百万円(前年同期比38.2%減)となりました。
電子書籍・電子雑誌では、㈱NTTドコモが運営する雑誌読み放題サービス「dマガジン」、総合電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」、他社の電子書籍ストアでの販売がいずれも好調で、出版業界の厳しい環境の下、増収に貢献しました。
書籍では、「ブラタモリ」「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」「いのちの車窓から」「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」等、ノンフィクション分野における新機軸のジャンルや児童書で多数のヒット作品が生まれました。しかしながら、平成32年4月にフル稼働を予定している製造・物流一体の最新鋭工場や出版分野での新規事業の準備費用等の負担や、前年同期に歴史的ヒットを記録したアニメ「君の名は。」関連書籍の反動により減益となりました。
雑誌では、創刊30周年を迎えて月刊化した「レタスクラブ」のほか、地域情報誌、テレビ情報誌も堅調でした。販売や広告売上の減少が続く市場環境の下でWebメディアへの移行などビジネスモデルの転換を進めており、Webサイトのページビューや広告収入の増加といった成果につながっております。
映像・ゲーム事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は341億7百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益(営業利益)は19億85百万円(前年同期比25.7%減)となりました。
映像では、実写作品は「ナミヤ雑貨店の奇跡」が好調であったものの、その他の作品は概して勢いを欠きました。アニメ作品は、「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」、「劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」の劇場収入、既存作品のパッケージソフトや配信権の販売がいずれも好調でした。しかしながら、前年同期比では記録的なヒットを記録した「君の名は。」の反動が主な減益要因となりました。
ゲームでは、コンソールゲーム「ARK: Survival Evolved」「DARK SOULSⅢ」の販売、アプリゲーム「天華百剣 -斬-」「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」からの収益、「ダンガンロンパ」シリーズの旧作を中心としたSteamでの販売が好調でした。
その他事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は148億82百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント損失(営業損失)は4億61百万円(前年同期 営業損失7億70百万円)となりました。
その他事業では、ネットとリアルを融合させた双方向性を特長とする教育プログラムの提供や、クリエイティブ分野で活躍する人材を国内外で育成するスクール運営を行う教育事業、キャラクター商品の企画・制作・販売やアイドルCDのeコマース等のMD(物販)事業を主に行なっております。東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成32年を収益化の目途として、インバウンド事業の準備も進めております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,518億75百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益29億43百万円(前年同期比60.2%減)、経常利益34億55百万円(前年同期比54.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益17億5百万円(前年同期比69.5%減)となりました。
なお、株主還元の充実及び資本効率の向上を図るため、平成29年8月24日開催の定時取締役会において平成29年12月29日までを対象期間、2,500千株、30億円をそれぞれ上限とする自己株式の取得を決議したことに伴い、2,281,400株、2,999,948,800円の取得を完了しました。
(2)財政状態の分析
①資産、負債、純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて66億88百万円減少し、2,402億61百万円となりました。自己株式の取得、支払手形及び買掛金並びに賞与の支払等により現金及び預金が減少しました。
負債は、前連結会計年度末に比べて50億63百万円減少し、1,301億61百万円となりました。返済により長期借入金が減少したことに加えて、支払手形及び買掛金並びに賞与引当金が減少しました。
純資産は、前連結会計年度末に比べて16億24百万円減少し、1,101億0百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加した一方で、配当金の支払等により資本剰余金が減少し、さらに自己株式の取得により株主資本が減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、賞与及び法人税等の支払等により、13億55百万円の支出(前年同期は15億42百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預け入れや有形固定資産及び無形固定資産の取得等により、80億35百万円の支出(前年同期は92億31百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済及び自己株式の取得等により、57億93百万円の支出(前年同期は377億5百万円の収入)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて151億88百万円の支出となり、現金及び現金同等物の当四半期末残高は、759億52百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループでは、Webサービス事業における動画コミュニティサービスや映像・ゲーム事業におけるパッケージゲーム開発等において研究開発をしております。当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は97百万円であります。
(6)従業員数
提出会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員は93名減少し、169名となりました。セグメントごとの内訳としては、出版事業で68名、その他で14名、全社(共通)で11名それぞれ減少しております。これは主として、会社分割によって新設した連結子会社㈱Gzブレインへの出向・転籍によるものです。
なお、従業員数は就業人員数(当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む。)であります。