有価証券報告書-第87期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 9:00
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149項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、当社の事業は投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、セグメントごとの分析については記載を省略しております。
(1) 財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ68億83百万円増加し、265億94百万円となりました。
現金・預金が27億30百万円、預託金が19億81百万円、信用取引資産が13億88百万円、短期差入保証金1億16百万円それぞれ増加し、募集等払込金が70百万円減少したこと等により流動資産は61億41百万円増加し、209億73百万円となりました。投資その他の資産が6億72百万円、有形固定資産が70百万円それぞれ増加したこと等により固定資産は7億42百万円増加し、56億21百万円となりました。
② 負債
信用取引負債が25億48百万円、預り金が22億41百万円、受入保証金が5億9百万円、未払法人税等が2億3百万円、繰延税金負債が1億21百万円、未払金が91百万円、賞与引当金が46百万円それぞれ増加したこと等により負債合計は57億91百万円増加し、134億9百万円となりました。
③ 純資産
利益剰余金が7億99百万円、その他有価証券評価差額金が2億92百万円それぞれ増加したことにより純資産は10億91百万円増加し、131億84百万円となりました。また、顧客からの預り金の増加によって負債が増加したため、自己資本比率は49.6%(前事業年度末は61.4%)となりました。
当社は、金融機関等からの借入れは、信用取引にかかる借入れ及び一時的な資金繰りに必要な借入れを除いて行わない方針であります。信用取引でのお客様への金銭等の貸付は、証券金融会社から借り入れるほか、自己資金を充てています。固定資産の取得についても自己資金で賄っております。当事業年度は弥生支店の改修工事に伴って有形固定資産が70百万円の増加(前事業年度は、99百万円の減少)となりました。また、投資有価証券の取得及び値上がりにより投資その他の資産が6億72百万円の増加(前事業年度は、1億60百万円の増加)となりました。その結果、固定資産は7億42百万円の増加(前事業年度は、72百万円の増加)となっております。
また、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加により純資産は131億84百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
当事業年度における我が国経済は、物価の継続的な上昇が個人消費に及ぼす影響や、米国の通商政策の影響等による景気下押しリスクが依然として残っているものの、国内の雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により景気は緩やかに回復しました。しかしながら、中東情勢の影響による景気下押しリスクが顕在化し、先行き不透明な状況が続きました。
国内の株式市場において4月初旬は、トランプ米政権による各国への予想を上回る相互関税の発表や中国の報復措置を背景にリスクオフの姿勢が強まり、7日に日経平均株価は30,792円の安値を付けました。その後、米中両政府が関税引下げに合意したことで過度な警戒感が後退し、日経平均株価は反発し上昇基調へと転じました。7月下旬には、日米関税交渉が税率15%で合意したことにより市場に安心感が広がると日経平均株価は急騰し、国内企業の底堅い決算や米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ期待が加わり、連日で史上最高値を更新しました。10月には、自民党総裁選で高市早苗氏が勝利すると、積極的な財政政策への期待が高まり日経平均株価はさらに上昇し、10月後半には史上初の50,000円台を突破しました。その後は過熱感を意識した利益確定売りや日中関係の悪化が投資家心理を冷やし、日経平均株価は48,200円台まで下落しました。11月下旬には米株高の流れを受けて反発に転じ、再び50,000円台を回復しました。日本銀行が金融政策決定会合で政策金利をおよそ30年ぶりの水準となる0.75%に引き上げたものの、株式市場への影響は限定的で、1月に衆院解散の観測が浮上すると日経平均株価はさらに上昇し、54,000円台を突破しました。その後は長期金利の急騰や円高の進行が相場を押し下げましたが、2月初旬に衆院選で与党が圧勝すると、高市政権の経済政策への期待が高まり、国内の株式市場は大幅に上昇しました。2月26日には59,332円の史上最高値を更新しました。しかし、米国とイスラエルによるイラン攻撃により流れは一転し、中東情勢の混乱や原油価格の急騰を背景に日経平均株価は連日で大幅下落となりました。3月の月間の下落幅は過去最大を記録し、日経平均株価は51,063円で当事業年度を終えました。
このような状況の中、当社は地域密着型の対面営業を行う証券会社として、株式営業や債券販売、投資信託販売を中心に営業を展開しました。株式営業においては、「情報シャトル特急便」、「Imamura Report」等当社作成の情報誌や専門調査機関の作成するレポートを活用した投資情報の提供のほか、資産形成に関するセミナーの開催等、お客様のニーズにお応えする提案・サポート等を積極的に行いました。債券販売においては、米ドル建て社債や円建て社債等を取り扱いました。投資信託販売においては、新たに取扱いを開始した「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」等の販売が好調であり、当事業年度末の株式投資信託の預り資産残高は、前事業年度末と比較し38.6%増加し、1,066億47百万円と過去最高を更新しました。
当事業年度における新たな取組みとして、「家族サポート証券口座の開始」、「パスキー認証の導入」、「営業店舗のリニューアル」及び「スマホアプリの提供開始」を実施しました。
家族サポート証券口座は、お客様の認知判断能力が低下した際に事前に任意代理契約を締結したご家族が代わりにお取引等をいただける、ご高齢のお客様向けサービスです。また、パスキー認証の導入により、インターネット株式取引iRootのセキュリティ向上を図りました。さらに、地域に根差しお客様に寄り添う証券会社として、ご来店いただきやすい店舗を目指し、石川県金沢市の弥生支店をリニューアルオープンしました。加えて、スマホアプリ『今村証券iPortal』の提供を開始し、お客様の資産管理を支援する体制をより一層強化しました。
なお、前述のとおり、当社は投資信託の預り資産を増加させストックからの収益を増やすことで株式市況に左右されにくい収益基盤の確立を図っており、その経営指標として“受益証券による経費カバー率”を採用し、「2029年3月期末までに36%超(長期的には、50%超)」の達成を目指しています。その他、『預り資産の増加が、お客様の満足度向上と収益の拡大に結びつく』ことを当社としての共通認識とし、その経営指標として「2032年3月期までに“預り資産”4,752億円」及び「“新たなお客様の獲得”5年間で15,000口座(単年度では、3,000口座)」の達成を目指しています。当事業年度の各指標の実績につきましては、“受益証券による経費カバー率”31.7%(前事業年度は、27.7%)、“預り資産”4,329億円(前事業年度末は、3,361億円)、“新たなお客様の獲得”3,897口座(前事業年度は、3,926口座)となりました。
その結果、当事業年度の営業収益は49億14百万円(前年同期比17.4%増)、純営業収益は48億81百万円(同17.0%増)、経常利益は14億66百万円(同44.1%増)、当期純利益は10億55百万円(同38.8%増)となりました。
当事業年度における主な収益及び費用の状況は次のとおりであります。
① 受入手数料
当事業年度の受入手数料の合計は47億94百万円(前年同期比30.1%増)となりました。その内訳は次のとおりであります。
イ 委託手数料
株券に係る委託手数料は36億7百万円(同34.0%増)となり、受益証券を含めた委託手数料の合計は36億52百万円(同33.6%増)となりました。
ロ 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は0百万円(同73.2%減)となりました。
ハ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は5億98百万円(同12.9%増)となりました。
ニ その他の受入手数料
その他の受入手数料は5億43百万円(同29.5%増)となりました。
② トレーディング損益
トレーディング損益は19百万円(前年同期比95.6%減)となりました。
③ 金融収支
金融収益が1億円(前年同期比69.0%増)、金融費用が32百万円(同111.0%増)となった結果、差し引き金融収支は67百万円(同54.0%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は34億74百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等67百万円(前年同期比23.6%増)、営業外費用は、雑損等8百万円(同65.1%減)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益1億19百万円(前年同期比35.5%増)、特別損失は、固定資産除売却損等30百万円(同120.4%増)となりました。
当事業年度の受入手数料の合計は47億94百万円(前年同期比30.1%増)で、その商品別内訳は、株券36億12百万円(同33.8%増)、債券1百万円(同38.7%増)、受益証券10億96百万円(同20.5%増)、その他84百万円(同11.9%増)であります。当事業年度は、国内外の堅調な株式相場を背景に株券部門及び受益証券部門の手数料が増加しました。一方、トランプ米政権の政策等の影響により、米ドル建て社債を取り巻く環境が変化し、先行きが不透明な状況が続いたこと等から、トレーディング損益は大幅に減少し、19百万円(同95.6%減)となりました。また、特別利益として投資有価証券売却益1億19百万円(同35.5%増)を計上しました。その結果、当事業年度は前事業年度と比較し営業収益、当期純利益ともに増加しました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ27億30百万円増加し、89億27百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、33億7百万円の資金増加(前事業年度は、11億84百万円の資金減少)となりました。これは、税引前当期純利益15億56百万円、減価償却費1億40百万円を計上したことに加え、信用取引負債の増加25億48百万円、預り金の増加22億41百万円、受入保証金の増加5億9百万円、未払金の増加91百万円、募集等払込金の減少70百万円、賞与引当金の増加46百万円等により資金が増加した一方、顧客分別金信託の増加19億80百万円、信用取引資産の増加13億88百万円、短期差入保証金の増加1億16百万円、法人税等の支払額3億16百万円等により資金が減少した結果であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出2億50百万円、有形固定資産の取得による支出2億22百万円、投資有価証券の売却による収入1億30百万円等により3億49百万円の資金減少(前事業年度は、3億5百万円の資金減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額により2億55百万円の資金減少(前事業年度は、4億85百万円の資金減少)となりました。
当事業年度の株式市場は、日経平均株価が史上最高値を更新する等、右肩上がりの堅調な相場が続きました。その結果、税引前当期純利益を計上したことに加え、預り金の増加や受入保証金の増加等により資金が増加したことから、営業活動によるキャッシュ・フローは33億7百万円の資金増加(前事業年度は11億84百万円の資金減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入があったものの、自己資金での投資有価証券の取得や弥生支店の改修工事等の有形固定資産の取得による支出が前事業年度よりも増加し、資金減少額は3億49百万円となり、前事業年度と比較し僅かに拡大しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の期末配当金が1株当たり30円、当事業年度の中間配当金が20円と減少したため、資金減少額は2億55百万円となり、前事業年度と比較し縮小しました。なお、前事業年度より中間配当を実施しております。
これらの結果、当事業年度末の資金は期首に比べ増加し89億27百万円となり、依然として高水準を維持しております。また、当社では資金を手許現金や要求払預金等とし、十分な流動性を確保しております。
なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社の業績は経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けることから、将来に対する予測が困難であります。そのような状況のもと、当社は、今後の事業展開の資金需要及び一時的な業績不振に陥った場合にも柔軟な営業戦略の推進を維持できるよう備えるとともに、株主の皆様への継続的かつ安定的な利益還元を目指してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を必要とします。経営者は、過去の実績やそれぞれの状況等を勘案し合理的と考えられる仮定を用いて見積りを行っておりますが、見積り及び仮定については特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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