有価証券報告書-第43期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 15:51
【資料】
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【項目】
115項目

対処すべき課題


当社グループは、社会とともに持続的な発展を遂げるため「エンジニアリング企業として『水資源の最適解』を提供し、いつでもどこでもだれもが水と共に安心して生きることができる社会を願い、たゆまぬ挑戦を続ける」という理念のもと、お客様、地域社会、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様の期待にお応えし、社会から信頼され、社会に貢献し続ける企業グループを目指します。
当社グループの主要事業である国内の上下水道事業においては、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化が進んでおり、その維持管理及び更新が喫緊の課題となっております。一方で、多くの自治体では、人口減少等に起因する財政難や人材不足の問題が顕在化しております。このような状況下において、公共のインフラ整備では民間の資金等を活用するPFI(注)等による官民連携が図られており、今後は上下水道事業の民営化、広域化による合理化が進むものと予想されております。海外における上下水道市場では、一部の新興国において不透明感があるものの、全体の市場としては底堅く伸張すると想定されています。
こうした事業環境のなか、当社グループは、変化を先取りし成長し続ける企業グループを目指し、「成長分野の拡大」、「収益力の向上」、「コーポレート・ガバナンスの強化」を実行してまいります。
①成長分野の拡大
(国内運営事業への進出)
国内の上下水道事業の官民連携が進むなか、PPP事業で培った経験と、当社グループの技術を補完する企業との戦略的提携により事業領域を拡大し、設計・建設から維持管理・運営までを包括的に最適化したトータルソリューションを提供できる企業への成長を目指します。
(海外事業の拡大)
海外事業においては、安定した市場成長が見込まれる欧米を戦略エリアに位置付け、事業拡大に注力します。当社は、平成28年1月に米国の水処理エンジニアリング会社であるAqua-Aerobic Systems, Inc.を傘下に入れました。今後は同社の米国内での販売網や納入実績を基盤として、当社のオゾン処理システム、セラミック膜ろ過システム、高速ろ過システム等の販売力をより一層強化します。将来の市場成長が見込まれるアジア等の発展途上地域では、官民連携を通じた事業基盤づくりに取り組みます。
②収益力の向上
持続的な事業の発展のため、市場の変化を的確に把握した新しいソリューション・製品を継続的に提供し、受注機会を創出してまいります。また、開発段階から設計・調達・建設・運営までの一元管理によるコストの最適化や業務の効率化など、全社的なコストダウン及び経費削減の取り組みを継続的に行うことにより、収益力の向上を図ってまいります。
③コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、ステークホルダーとの信頼関係を深め、誠実にその使命を果たすという基本理念の実現に向けて、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。業務執行に対する監督体制を強化し、透明性の高い経営を目指すとともに、内部統制機能の強化及びコンプライアンスを推進し、企業価値の持続的向上を実現する体制の構築に努めてまいります。
(注) PFI(Private Finance Initiative):公共施設などの設計・建設、維持管理、運営、それらに要する資
金調達に民間を活用する公共事業の手法。