有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2014/11/14 15:00
【資料】
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【項目】
111項目

対処すべき課題

(1) 当社グループの現状の認識
当社グループは、上下水道の機械設備・技術を保有する㈱NGK水環境システムズと、上下水道の電気設備・技術を保有する富士電機水環境システムズ㈱の統合により、幅広い技術を保有する会社としてトータルソリューションを提供しております。
当社グループは2社統合のシナジー効果の最大化を図るために、さまざまな施策を講じております。例えば、国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)に、機電融合技術を実証プラントへ導入するといった、他社技術とは差別化された技術・商品を開発し、受注拡大の基盤を構築しております。
こうした取り組みが奏功し、当社グループは国内の上下水道市場において着実に実績を積み上げていますが、今後の持続的な成長と収益の最大化を図るためには、市場環境変化への対応と事業ポートフォリオの最適化が必要であると考えております。
(2) 対処すべき課題とその取り組み
上下水道市場において、競合優位性を維持し、持続的な成長と収益の最大化を目指すために、当社グループは以下の事項を最重点施策として、優先的に取り組んでまいります。
① 国内市場環境変化への対応
上下水道市場は、公共事業としての底堅さはあるものの、上下水道の高い普及率や、人口減少による水道供給量や下水処理量の低下により、新規の上下水道施設建設は漸減的に縮小していくものと想定されます。
一方で、これまでに建設された多くの上下水道施設は、老朽化による更新時期を迎えているとともに、上下水道事業を運営している自治体では、上下水道技術者や施設管理人材が不足が懸念されております。今後、自治体では、民営化、広域化が進むものと予想され、官民連携による事業運営が求められていくと考えられます。
このような市場環境のなか、当社グループは、効率的、包括的かつ継続的な施設の更新や事業運営に貢献できるソリューションを提供していくため、差別化された技術の継続的な開発や全国の保守・点検サービス網の構築等を行ってまいりました。今後も、縮小する上下水道市場を勝ち抜き、安定した売上と利益を創出するために、市場環境変化に対応した社内体制づくりを進めるとともに、補完関係のある企業との戦略的提携を推進し、市場シェアの維持・拡大を図りながら、利益確保するビジネスモデルに変革してまいります。
② 海外事業の拡大
当社グループの事業構成比率のおよそ90%が国内上下水道事業であることから、事業ポートフォリオの最適化に取り組む必要があります。市場環境と当社グループの強みを活かし、今後の事業拡大及び投資を実行します。
海外事業を国内事業に次ぐ柱へと育てるため当社グループは将来にわたり市場拡大が期待できる海外での事業展開を目指してきました。今後も、当社グループが国内上下水道事業で積み上げてきた実績等を活用して、安定した市場成長が見込める欧米での事業拡大を目指し、マーケティングの強化をはかるとともに、補完関係のある企業との戦略的提携等を通じた独自製品・技術の納入に取り組んでまいります。また、将来の市場成長が見込めるアジアおよびその他の地域では、官民連携や政府開発援助(ODA)などを通じて、国内事業で積み上げてきた豊富な実績、技術、ノウハウ、パートナーシップを活かした事業基盤づくりに注力してまいります。