有価証券報告書-第10期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルスが世界的に流行し、我が国においても2020年4月に政府の緊急事態宣言が発令され、一年を通じて健康・福祉、医療、経済、あらゆる社会活動が制限・停滞を余儀なくされました。政府は、医療と経済のバランスを取った政策を模索したものの、感染者数は、いまだに高い状態で推移しています。医療分野においては、感染第一波の拡大期の厳しい状況を経て、臨床現場の対応能力強化は進みましたが、それを超える勢いで感染者数が増加しております。製薬業界においては、新型コロナウイルスのワクチンや重症肺炎を対象とした治療薬の開発・治験が、国内外において進められ、海外の複数の国においてワクチンが緊急的に承認され、接種が始まっています。
一方、再生医療分野では研究・開発の進捗が見られました。2020年1月、大阪大学の澤教授らの研究グループにより、医師主導治験において、虚血性心筋症の患者さんへ国内1例目となる他家iPS細胞から作製した心筋細胞シートの移植が行われました。2020年8月には、慶應義塾大学の福田教授らの研究グループによる、拡張型心筋症の患者さんへの他家iPS細胞由来心筋細胞の移植に関する臨床応用計画も発表され、深刻なドナー不足にある疾患に対する新たな治療法の可能性が高まりつつあります。2020年10月には、神戸市立神戸アイセンター病院により、網膜色素変性の患者さんに対し、他家iPS細胞由来網膜シート移植が実施されました。
このような状況のもと、当社は体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野において開発を推進いたしました。
体性幹細胞再生医薬品分野においては、脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療法の承認取得に向け、それぞれ治験を実施しております。
iPSC再生医薬品分野においては、遺伝子編集技術を用いた免疫拒絶のリスクの少ない次世代iPS細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell:以下、UDCと言います。)の作製、NK細胞を用いた次世代がん免疫分野に向けた研究活動、眼科分野及び肝疾患分野での開発を進めております。
また、現在開発中である医薬品の将来的な販売活動に向けた準備を行うため、2020年4月には営業・マーケティング部を新設、2020年6月には再生医療研究の強化のため、研究施設を増設しました。さらに、2021年1月からは、米国Saisei Ventures LLCを通じ、いくつかの有望なベンチャー企業への投資活動を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,423百万円減少し、23,171百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ2,070百万円増加し、15,320百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末と比べ4,493百万円減少し、7,851百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上収益は27百万円(前期比69.1%減)、営業損失は4,183百万円(前期は4,297百万円の営業損失)、税引前当期損失は5,378百万円(前期は4,559百万円の税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は5,512百万円(前期は4,806百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金といいます。)は、前連結会計年度末と比べて4,372百万円減少し、13,923百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は3,945百万円(前期は4,859百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税引前当期損失5,378百万円の計上、減価償却費及び償却費229百万円の計上、金融費用1,182百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,216百万円(前期は32百万円の資金の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出311百万円、投資有価証券の取得による支出833百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は803百万円(前期は11,423百万円の資金の獲得)となりました。これは、長期借入れによる収入2,500百万円、長期借入金の返済による支出2,000百万円、新株の発行による収入441百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社は、医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,423百万円減少し、23,171百万円となりました。
流動資産は4,370百万円減少し、15,007百万円となりました。主な要因は、当期損失の計上等による現金及び現金同等物の減少4,372百万円であります。非流動資産は1,947百万円増加し、8,165百万円となりました。主な要因は、研究生産設備の拡充等による有形固定資産の増加328百万円、本社オフィス移転等による使用権資産の増加225百万円、Athersys, Inc.の株式を追加取得したこと等によるその他の金融資産の増加1,405百万円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,070百万円増加し、15,320百万円となりました。
流動負債は722百万円増加し、2,686百万円となりました。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権相当額の公正価値が増加したこと等によるその他の金融負債の増加637百万円であります。非流動負債は1,348百万円増加し、12,634百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金の増加961百万円であります。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ4,493百万円減少し、7,851百万円となりました。主な要因は、減資及び欠損填補を実施したこと等による資本金の減少7,831百万円及び資本剰余金の減少7,754百万円、当期損失の計上及び欠損填補を実施したこと等による利益剰余金の増加10,597百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は27百万円(前連結会計年度比69.1%減)となりました。当社グループが認識している売上収益は、主に実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入に関するものであります。前連結会計年度においては、BBG250を含有する眼科手術補助剤に係る実施許諾契約の譲渡対価として受領したマイルストン収入が発生していたため、当連結会計年度において、前連結会計年度と比較して売上収益が減少しております。
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き、既存パイプラインの研究開発が進捗し、治験に使用する医薬品の調達や、商用化に向けた生産体制の構築を進めております。その結果、研究開発費は2,986百万円(前連結会計年度比7.1%減)、販売費及び一般管理費は1,239百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。
(営業損失)
当連結会計年度においては、売上収益を27百万円計上した一方、売上原価が無く、研究開発費2,986百万円、販売費及び一般管理費1,239百万円、その他の収益14百万円を計上した結果、営業損失は4,183百万円(前連結会計年度は4,297百万円の営業損失)となりました。
(当期損失)
当連結会計年度においては、社債利息502百万円(うち461百万円は償却原価法による計上)、借入金に係る支払利息36百万円、及び転換社債型新株予約権付社債の新株予約権相当額を当期末時点の公正価値で評価したことに伴い発生した評価損637百万円が発生したこと等により、1,182百万円を金融費用に計上いたしました。さらに、金融収益1百万円、持分法による投資損失14百万円、法人所得税費用を135百万円計上した結果、当期損失は5,513百万円(前連結会計年度は4,807百万円の当期損失)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。当連結会計年度においては、主に既存パイプラインを進捗させるための研究開発活動に伴う営業活動によるキャッシュ・フローは3,945百万円の支出となりました。さらに、当連結会計年度はAthersys, Inc.の株式を833百万円で追加取得する等により、投資活動によるキャッシュ・フローは1,216百万円の支出となりました。一方、長期借入金の残高が2,500百万円から3,000百万円に増加したこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、803百万円の収入となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、13,923百万円となりました。キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(3)並行開示情報
当社は、2018年2月に米国に子会社であるHealios NA, Inc.を、同年6月に子会社である株式会社器官原基創生研究所を設立いたしましたが、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第2項により、当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性が乏しいものとして日本基準に準拠して連結財務諸表を作成しておりませんので、並行開示情報は記載しておりません。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.初度適用」をご参照ください。
当事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(転換社債型新株予約権付社債の区分処理及び負債部分の事後測定)
転換社債型新株予約権付社債について、日本基準では一括して負債計上しておりましたが、IFRSでは当該金融商品に資本部分が含まれる場合、当該部分を資本剰余金として計上しております。また、負債部分にデリバティブが組み込まれており、組込デリバティブの区分処理の要件を満たす場合には当該組込デリバティブを社債から分離してその他の金融負債として計上し、公正価値で測定しております。当該金融商品の事後測定として、IFRSでは社債は実効金利法を用いた償却原価により測定しており、組込デリバティブは公正価値で測定しております。
IFRSでは日本基準に比べて、金融費用が社債の償却原価測定の影響により461百万円、組込デリバティブの公正価値測定の影響により637百万円増加しております。
(無形資産)
医薬品の開発・販売に関するライセンス契約の支払対価について、日本基準では発生時に費用処理しておりましたが、IFRSでは無形資産の定義を満たすものを無形資産として計上しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産が3,930百万円増加しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、当社グループは当連結会計年度から、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルスが世界的に流行し、我が国においても2020年4月に政府の緊急事態宣言が発令され、一年を通じて健康・福祉、医療、経済、あらゆる社会活動が制限・停滞を余儀なくされました。政府は、医療と経済のバランスを取った政策を模索したものの、感染者数は、いまだに高い状態で推移しています。医療分野においては、感染第一波の拡大期の厳しい状況を経て、臨床現場の対応能力強化は進みましたが、それを超える勢いで感染者数が増加しております。製薬業界においては、新型コロナウイルスのワクチンや重症肺炎を対象とした治療薬の開発・治験が、国内外において進められ、海外の複数の国においてワクチンが緊急的に承認され、接種が始まっています。
一方、再生医療分野では研究・開発の進捗が見られました。2020年1月、大阪大学の澤教授らの研究グループにより、医師主導治験において、虚血性心筋症の患者さんへ国内1例目となる他家iPS細胞から作製した心筋細胞シートの移植が行われました。2020年8月には、慶應義塾大学の福田教授らの研究グループによる、拡張型心筋症の患者さんへの他家iPS細胞由来心筋細胞の移植に関する臨床応用計画も発表され、深刻なドナー不足にある疾患に対する新たな治療法の可能性が高まりつつあります。2020年10月には、神戸市立神戸アイセンター病院により、網膜色素変性の患者さんに対し、他家iPS細胞由来網膜シート移植が実施されました。
このような状況のもと、当社は体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野において開発を推進いたしました。
体性幹細胞再生医薬品分野においては、脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療法の承認取得に向け、それぞれ治験を実施しております。
iPSC再生医薬品分野においては、遺伝子編集技術を用いた免疫拒絶のリスクの少ない次世代iPS細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell:以下、UDCと言います。)の作製、NK細胞を用いた次世代がん免疫分野に向けた研究活動、眼科分野及び肝疾患分野での開発を進めております。
また、現在開発中である医薬品の将来的な販売活動に向けた準備を行うため、2020年4月には営業・マーケティング部を新設、2020年6月には再生医療研究の強化のため、研究施設を増設しました。さらに、2021年1月からは、米国Saisei Ventures LLCを通じ、いくつかの有望なベンチャー企業への投資活動を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,423百万円減少し、23,171百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ2,070百万円増加し、15,320百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末と比べ4,493百万円減少し、7,851百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上収益は27百万円(前期比69.1%減)、営業損失は4,183百万円(前期は4,297百万円の営業損失)、税引前当期損失は5,378百万円(前期は4,559百万円の税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は5,512百万円(前期は4,806百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金といいます。)は、前連結会計年度末と比べて4,372百万円減少し、13,923百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は3,945百万円(前期は4,859百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税引前当期損失5,378百万円の計上、減価償却費及び償却費229百万円の計上、金融費用1,182百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,216百万円(前期は32百万円の資金の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出311百万円、投資有価証券の取得による支出833百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は803百万円(前期は11,423百万円の資金の獲得)となりました。これは、長期借入れによる収入2,500百万円、長期借入金の返済による支出2,000百万円、新株の発行による収入441百万円等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社は、医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 医薬品事業 | 27 | △69.1 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 大日本住友製薬株式会社 | △11 | △13.0 | 27 | 100.0 |
| 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | 100 | 113.0 | - | - |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,423百万円減少し、23,171百万円となりました。
流動資産は4,370百万円減少し、15,007百万円となりました。主な要因は、当期損失の計上等による現金及び現金同等物の減少4,372百万円であります。非流動資産は1,947百万円増加し、8,165百万円となりました。主な要因は、研究生産設備の拡充等による有形固定資産の増加328百万円、本社オフィス移転等による使用権資産の増加225百万円、Athersys, Inc.の株式を追加取得したこと等によるその他の金融資産の増加1,405百万円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,070百万円増加し、15,320百万円となりました。
流動負債は722百万円増加し、2,686百万円となりました。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権相当額の公正価値が増加したこと等によるその他の金融負債の増加637百万円であります。非流動負債は1,348百万円増加し、12,634百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金の増加961百万円であります。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ4,493百万円減少し、7,851百万円となりました。主な要因は、減資及び欠損填補を実施したこと等による資本金の減少7,831百万円及び資本剰余金の減少7,754百万円、当期損失の計上及び欠損填補を実施したこと等による利益剰余金の増加10,597百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は27百万円(前連結会計年度比69.1%減)となりました。当社グループが認識している売上収益は、主に実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入に関するものであります。前連結会計年度においては、BBG250を含有する眼科手術補助剤に係る実施許諾契約の譲渡対価として受領したマイルストン収入が発生していたため、当連結会計年度において、前連結会計年度と比較して売上収益が減少しております。
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き、既存パイプラインの研究開発が進捗し、治験に使用する医薬品の調達や、商用化に向けた生産体制の構築を進めております。その結果、研究開発費は2,986百万円(前連結会計年度比7.1%減)、販売費及び一般管理費は1,239百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。
(営業損失)
当連結会計年度においては、売上収益を27百万円計上した一方、売上原価が無く、研究開発費2,986百万円、販売費及び一般管理費1,239百万円、その他の収益14百万円を計上した結果、営業損失は4,183百万円(前連結会計年度は4,297百万円の営業損失)となりました。
(当期損失)
当連結会計年度においては、社債利息502百万円(うち461百万円は償却原価法による計上)、借入金に係る支払利息36百万円、及び転換社債型新株予約権付社債の新株予約権相当額を当期末時点の公正価値で評価したことに伴い発生した評価損637百万円が発生したこと等により、1,182百万円を金融費用に計上いたしました。さらに、金融収益1百万円、持分法による投資損失14百万円、法人所得税費用を135百万円計上した結果、当期損失は5,513百万円(前連結会計年度は4,807百万円の当期損失)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。当連結会計年度においては、主に既存パイプラインを進捗させるための研究開発活動に伴う営業活動によるキャッシュ・フローは3,945百万円の支出となりました。さらに、当連結会計年度はAthersys, Inc.の株式を833百万円で追加取得する等により、投資活動によるキャッシュ・フローは1,216百万円の支出となりました。一方、長期借入金の残高が2,500百万円から3,000百万円に増加したこと等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、803百万円の収入となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、13,923百万円となりました。キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(3)並行開示情報
当社は、2018年2月に米国に子会社であるHealios NA, Inc.を、同年6月に子会社である株式会社器官原基創生研究所を設立いたしましたが、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第2項により、当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性が乏しいものとして日本基準に準拠して連結財務諸表を作成しておりませんので、並行開示情報は記載しておりません。
(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
前事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 36.初度適用」をご参照ください。
当事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(転換社債型新株予約権付社債の区分処理及び負債部分の事後測定)
転換社債型新株予約権付社債について、日本基準では一括して負債計上しておりましたが、IFRSでは当該金融商品に資本部分が含まれる場合、当該部分を資本剰余金として計上しております。また、負債部分にデリバティブが組み込まれており、組込デリバティブの区分処理の要件を満たす場合には当該組込デリバティブを社債から分離してその他の金融負債として計上し、公正価値で測定しております。当該金融商品の事後測定として、IFRSでは社債は実効金利法を用いた償却原価により測定しており、組込デリバティブは公正価値で測定しております。
IFRSでは日本基準に比べて、金融費用が社債の償却原価測定の影響により461百万円、組込デリバティブの公正価値測定の影響により637百万円増加しております。
(無形資産)
医薬品の開発・販売に関するライセンス契約の支払対価について、日本基準では発生時に費用処理しておりましたが、IFRSでは無形資産の定義を満たすものを無形資産として計上しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、無形資産が3,930百万円増加しております。