四半期報告書-第12期第1四半期(令和4年1月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/05/10 15:07
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
2022年を迎えるとともに、国内では従来株に比べ感染力の高いオミクロン株の流行が急拡大し、新型コロナウイルス感染症の流行は第6波に突入しました。2月はじめには全国の一日あたりの感染者数が10万6500人を超えピークとなり、その後は減少に転じたものの、未だ感染の収束は見えていません。そのような中、重症化率が比較的低いオミクロン株の特性や医療逼迫の状況、経済の再開などを考慮し、政府は3月半ばにまん延防止等重点措置を解除し、社会生活も通常に戻りつつあります。諸外国においては、日本に先立って規制が解除された国が多く、新型コロナと共存しながら経済を再開させる動きが進んでいます。製薬業界においては、国内の企業も早期の承認申請を目指してワクチン開発を進める一方、開発の重点は感染防止のためのワクチンから治療を目的とする経口薬等へも拡大しています。
再生医療分野では、2022年1月に米国メリーランド大学の研究チームが、遺伝子を操作して拒絶反応が起こりにくくしたブタの心臓を人間に移植することに世界で初めて成功したと発表しました。また、国内においては、京都大学iPS細胞研究所において設立以来所長を務められた京都大学の山中伸弥教授が3月に退任されるなどの動きが見られました。
このような状況のもと、当社グループは体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野において研究開発を推進いたしました。
体性幹細胞再生医薬品分野においては、脳梗塞急性期及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療薬の承認取得に向け、それぞれ治験を実施し、どちらも2021年に患者組み入れを完了しております。脳梗塞急性期では、2022年3月末にすべての治験登録患者の投与後365日後データの収集が完了しました。ARDSでは、同じく2022年3月末に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との承認申請に向けた再生医療等製品申請前相談を実施いたしました。
iPSC再生医薬品分野においては、遺伝子編集技術により特定機能を強化した他家iPS細胞由来のナチュラルキラー細胞(eNK細胞)を用いた次世代がん免疫に関する研究を進めています。また、遺伝子編集技術を用いた免疫拒絶のリスクの少ない次世代iPS細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell:以下、UDCと言います。)を用いた新たな治療薬の研究や細胞置換を必要とする疾患に対する治療法の研究を進めております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上収益は11百万円(前年同期比15.4%増)、営業損失は1,429百万円(前年同期は1,405百万円の営業損失)、税引前四半期損失は1,415百万円(前年同期は1,033百万円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は1,460百万円(前年同期は1,029百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
(2)財政状態の状況
① 資産、負債及び資本の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,474百万円減少し、22,497百万円となりました。流動資産は1,488百万円減少し、14,941百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の減少1,626百万円であります。非流動資産は14百万円増加し、7,556百万円となりました。主な要因は、使用権資産の増加219百万円、その他の金融資産の減少327百万円であります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ383百万円増加し、15,709百万円となりました。流動負債は129百万円減少し、5,913百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債の減少307百万円であります。非流動負債は512百万円増加し、9,796百万円となりました。主な要因は、リース負債の増加122百万円、その他の非流動負債の増加202百万円であります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べて1,857百万円減少し、6,788百万円となりました。主な要因は、四半期損失1,461百万円の計上及びその他の資本の構成要素の減少451百万円であります。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金と言います。)は、前連結会計年度末と比べて1,626百万円減少し、13,500百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は1,365百万円(前年同期は1,310百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税引前四半期損失1,415百万円、金融収益193百万円及び金融費用184百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は276百万円(前年同期は320百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出72百万円及び投資有価証券の取得による支出111百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は4百万円(前年同期は30百万円の資金の使用)となりました。これは、リース負債の返済による支出52百万円及びSaiseiファンドにおける外部投資家からの払込による収入48百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間においては、体性幹細胞再生医薬品、iPSC再生医薬品の各分野において、以下のとおり研究開発を推進いたしました。
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、1,087百万円(前年同期は841百万円)であります。
① 体性幹細胞再生医薬品分野
当第1四半期連結累計期間において、体性幹細胞再生医薬品を用いて、日本国内における脳梗塞急性期及びARDSに対する治療薬(開発コード:HLCM051)の開発を進めました。
<炎症>脳梗塞急性期に対する治療薬の開発においては、有効性及び安全性を検討するプラセボ対照二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相試験(治験名称:TREASURE試験)を実施しております。2022年3月末にすべての治験登録患者の投与後365日後データの収集が完了し、今後はデータ解析のための準備が整い次第、盲検化されているHLCM051投与群/プラセボ群の割付情報を明らかにし(キーオープン)、データ解析・評価後、評価項目の結果(トップラインデータ)の公表を進めてまいります。
ARDSに対する治療薬の開発においては、肺炎を原因疾患としたARDS患者を対象に、有効性及び安全性を検討する第Ⅱ相試験(治験名称:ONE-BRIDGE試験)を実施しました。2021年8月と11月に、ONE-BRIDGE試験におけるHLCM051投与後90日と180日の評価項目のデータの一部を発表し、有効性並びに安全性について良好な結果が示されました。これらを経て、3月末にPMDAと承認申請に向けての指導及び助言を受けるための再生医療等製品申請前相談を実施いたしました。その中で、本製品の有効性及び安全性に関する一定の合意は得られたものの、承認申請にあたってはデータ補強が必要との助言を受け、規制当局と継続的に協議を進めてまいります。上記事項への対応を速やかに進め、承認申請に向け取り組んでまいります。
② iPSC再生医薬品分野
当第1四半期連結累計期間において、がん免疫療法、細胞置換療法に関する研究開発を進めました。
<がん免疫>eNK細胞を用いて、固形がんを対象にしたがん免疫療法の研究を進めております。これまで当社グループが培ってきたiPS細胞を取り扱う技術と遺伝子編集技術を用いることで、殺傷能力を高めたeNK細胞の作製に成功しており、更に大量かつ安定的に作製する製造工程を開発するなど、次世代がん免疫療法を創出すべく自社研究を進めております。公益財団法人神戸医療産業都市推進機構が設置した細胞加工製造用施設(Cell Processing Center:CPC)に当社向けCPCを整備し、2022年中の稼働に向けた準備を進めています。
現在までの研究の成果として、国立研究開発法人国立がん研究センターとの共同研究において、複数種類のがん腫に由来するJ-PDX(Patient-Derived Xenograft:患者腫瘍組織移植片)サンプルにより、eNK細胞が認識する特定の分子候補の発現をRNAシーケンシングと免疫染色で確認しています。また、自社研究において、eNK細胞(開発コード:HLCN061)が肺がん細胞生着マウスモデルに対して抗腫瘍効果を有することを確認しております。更に、国立大学法人広島大学大学院と、HLCN061を用いた肝細胞がんに対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めております。
<細胞置換>iPSCプラットフォームとして、遺伝子編集技術を用いた、HLA型に関わりなく免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞、UDCに関する研究を進めております。患者の免疫細胞に認識されにくいiPS細胞を作製することで拒絶反応を抑制し、有効性と安全性を高めた再生医療等製品を開発するための次世代技術プラットフォームの確立を目指しております。現在、UDCの臨床株及びマスターセルバンクが完成し、様々な細胞に分化できる能力を有することの確認など具体的な臨床応用に向けた研究を進めております。細胞治療への応用としては、網膜を構成する細胞の1つで特に光に反応する視細胞に関し、UDCからの分化誘導が可能なことを確認し、疾患動物モデルを用いた評価を進めています。また、国立研究開発法人国立国際医療研究センターと、血糖値に応じてインスリンを生産・分泌し血液中の糖の調整を担う膵臓β細胞に関し、UDCからの作製に成功しています。
眼科領域において、iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞(開発コード:HLCR011)を用いた治療法開発に向けて治験への準備を進めており、現在、住友ファーマ株式会社(旧:大日本住友製薬株式会社)が主体となって治験の準備が進められています。
肝疾患領域において、機能的なヒト臓器をつくり出す3次元臓器(開発コード:HLCL041)を用いた治療法開発に向けた研究を進めており、2022年4月より、国立大学法人東京大学医科学研究所再生医学分野と、肝疾患に対する肝臓原基*を用いた治療法の実用化に向け、UDCを用いた肝臓原基の製造法確立を目的とした共同研究を開始しました。
* 肝臓の基となる立体的な肝臓の原基。肝細胞に分化する前の肝前駆細胞を、細胞同士をつなぐ働きを持つ間葉系細胞と、血管をつくり出す血管内皮細胞に混合して培養することで形成されます。
なお、当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
以下の表は、当第1四半期連結会計期間末現在の当社グループの開発品並びにその適応症、市場、開発段階及び進捗状況を示しております。
<体性幹細胞再生医薬品分野>0102010_001.png
0102010_002.png(*)Retinal Pigment Epithelium:網膜色素上皮細胞

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