有価証券報告書-第15期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/24 15:39
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが取り組む再生医療分野では、政府による健康・医療戦略推進における創薬力強化や基盤技術開発、産業化推進に向けた開発・製造受託(CDMO)の拠点整備等への支援が進められています。また、細胞医学の研究分野では、制御性T細胞の発見による大阪大学の坂口志文特任教授によるノーベル生理学・医学賞の受賞など、新たな治療法の開発に光が当たりました。
このような状況のもと、当社グループは体性幹細胞再生医薬品分野及びiPSC再生医薬品分野において研究開発を推進しました。
体性幹細胞再生医薬品分野においては、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳梗塞急性期及び外傷の治療薬HLCM051(骨髄由来体性幹細胞/invimestrocel)の承認取得に向け、それぞれの治験結果に基づき、準備を進めています。
ARDSについては、既に日本国内で完了した第2相試験(治験名称:ONE-BRIDGE試験)と米英で実施した第2相試験(MUST-ARDS試験)の良好な結果に加え、米国を中心として実施するグローバル第3相試験(REVIVE-ARDS試験)を検証試験とすることを前提に、国内での条件及び期限付承認申請に向けた準備を進めています。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と承認後の製品の製造法や品質管理、臨床パートに関しても概ね合意しています。2025年4月にはPMDAと、REVIVE-ARDS試験において、国内被検者の組み入れが可能である点について合意しました。同じく2025年4月には、米国Healios NA, Inc.のCSO(Chief Scientific Officer)として、HLCM051の開発に豊富な経験を有するSarah Busch博士を迎え、グローバル治験に向けた準備を含むARDS治療薬開発の体制強化を図っています。2025年12月に発表の通り、REVIVE-ARDS試験の最初の患者組み入れは日本国内で行う予定であり、その後米国を中心としたグローバルでの治験実施を加速してまいります。2026年1月には、REVIVE-ARDS試験の一部として日本国内で先行して実施する治験に向けた治験計画届出書をPMDAに提出し、提出後14日のレビュー期間を経て、本試験を開始する準備が整いました。条件及び期限付承認の申請並びに承認取得、その後の製品販売に向けた準備を継続して進めてまいります。
脳梗塞急性期については、日本国内での条件及び期限付承認申請につき、引き続き規制当局との協議を続け、日本及び米国での治験データに基づき治療薬の開発推進に向けた方針を検討してまいります。
外傷については、米国において米国国防総省とメモリアル・ハーマン基金により、156人の患者を対象とした第2相試験(MATRICS-1試験)を実施しています。外傷は米国における45歳未満の死亡原因の第1位、全死亡原因の第3位であり、HLCM051の承認後には、米軍等において大規模に採用される可能性があります。
2025年7月に、経済産業省 令和6年度補正予算「再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備投資支援事業費補助金」において当社の申請事業が採択されました。当社グループは、今後、本事業における新技術導入促進枠としての助成を受けながら、プロセス開発等機能、製造機能、品質管理機能を有した再生医療等製品を製造するサービス提供(CDMO事業)を推進してまいります。なお、2017年2月に締結した株式会社ニコンとの業務・資本提携については、本事業への注力に鑑み、2025年10月をもって解消いたしました。また、2025年10月、Minaris Advanced TherapiesとHLCM051の商用生産に向けた協力体制について発表いたしました。当社独自の3Dバイオリアクター製造プロセスを利用し、コスト削減と大量生産により安定した細胞治療薬の商用生産を目指します。
iPSC再生医薬品分野においては、遺伝子編集技術により特定機能を強化した他家iPS細胞由来のナチュラルキラー細胞(以下、「eNK®細胞」といいます。)を用いた次世代がん免疫細胞療法に関する研究を進めています。また、遺伝子編集技術を用いた免疫拒絶のリスクの少ない次世代iPS細胞、ユニバーサルドナーセル(Universal Donor Cell:以下、「UDC」といいます。)を用いた新たな治療薬の研究や細胞置換を必要とする疾患に対する治療法の研究を進めています。
2025年1月に、株式会社Akatsuki Therapeutics(以下、「Akatsuki社」といいます。)と、eNK®細胞を用いた次世代がん免疫細胞療法の研究・開発を推進するための共同事業契約及びライセンスオプション契約を締結しました。これまで当社が単独で実施してきたeNK®細胞の研究開発業務は、当社グループ全体の資源の効率的活用及び資金の機動的調達の観点より、Akatsuki社が主導し、当社はAkatsuki社より研究開発業務を受託します。
眼科領域において、株式会社RACTHERA(住友ファーマ株式会社(以下、「住友ファーマ」といいます。)より、再生・細胞医薬事業を承継。以下、「RACTHERA社」といいます。)とiPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞を用いた治療法開発を共同で進めています。
また、安定した収益源の確保を目指し、再生医療等製品の生産に伴い今後大量に産出される培養上清の活用に向けた取り組みを進めています。2026年1月に、培養上清の本格生産に対応するため、神戸バイオメディカル創造センター(BMA)内に細胞加工製造用施設を本格稼働させました。一般社団法人AND medical group(以下、「AND medical社」といいます。)との間で、2024年4月に共同研究契約を締結し、2025年1月には原材料を当社からAND medical社に供給するための供給契約を締結しました。また、2026年1月には、アルフレッサ株式会社との間で、培養上清の継続的な売買に向けた取引基本合意書を締結しました。このほか、複数の有力な取引先との販売に向けた交渉を進めています。
なお、今後の研究活動の継続に向けた事業体制の適正化に向け、経営資源の再配分、固定費削減を中心とした合理化施策の実施、財務基盤の強化を目指した資金調達等に継続的に取り組んでいます。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,863百万円増加し、17,054百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し、12,155百万円となりました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,815百万円増加し、4,899百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益は104百万円(前期比81.4%減)、営業損失は3,340百万円(前期は2,843百万円の営業損失)、税引前当期損失は2,126百万円(前期は4,061百万円の税引前当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は2,217百万円(前期は4,235百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金と言います。)は、前連結会計年度末と比べて2,007百万円増加し、5,679百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は3,165百万円(前期は1,817百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税引前当期損失2,126百万円及び金融収益1,415百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,114百万円(前期は1,418百万円の資金の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出960百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は6,335百万円(前期は77百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、新株の発行による収入5,001百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社は、医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業104△81.4

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
一般社団法人 AND medical group5810.46259.2
住友ファーマ株式会社--2726.3
Atlas Biologicals, Inc.--1413.6
Astellas Institute for Regenerative Medicine47084.0--

(注)前連結会計年度における住友ファーマ株式会社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,863百万円増加し、17,054百万円となりました。流動資産は2,166百万円増加し、6,441百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の増加2,007百万円であります。非流動資産は697百万円増加し、10,613百万円となりました。主な要因は、Saisei Bioventures, L.P.における投資有価証券の取得等によるその他の金融資産の増加709百万円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し、12,155百万円となりました。流動負債は126百万円減少し、3,224百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の減少123百万円、社債及び借入金の増加450百万円、デリバティブ負債の公正価値の変動に伴うその他の金融負債の減少413百万円であります。非流動負債は174百万円増加し、8,932百万円となりました。主な要因は、社債及び借入金の減少450百万円、Saiseiファンドにおける外部投資家持分の増加523百万円であります。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ2,815百万円増加し、4,899百万円となりました。主な要因は、新株の発行による5,036百万円の増加及び当期損失2,229百万円の計上であります。
③ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は104百万円(前連結会計年度比81.4%減)となりました。当社グループが認識している売上収益は、主に実施許諾契約等に基づく契約一時金及びマイルストン収入に関するものであります。前連結会計年度に計上したRPE細胞製造方法等に関するライセンス契約に基づく一時金収入の影響がなくなったこと等により、前連結会計年度と比較して売上収益が減少しております。
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度においては、体性幹細胞再生医薬品分野におけるARDS、脳梗塞急性期及び外傷に対する治療薬、iPSC再生医薬品分野におけるがん免疫療法を中心とした既存パイプライン並びに培養上清の活用に関する研究開発を推進した結果、研究開発費は2,024百万円(前連結会計年度は1,960百万円)となり、販売費及び一般管理費は1,265百万円(前連結会計年度は1,374百万円)となりました。
(営業損失)
当連結会計年度においては、売上収益を104百万円計上した一方、研究開発費2,024百万円、販売費及び一般管理費1,265百万円、その他の収益69百万円、その他の費用6百万円を計上した結果、営業損失は3,340百万円(前連結会計年度は2,843百万円の営業損失)となりました。
(当期損失)
当連結会計年度においては、Saiseiファンドにおける外部投資家持分への損益振替額923百万円、デリバティブ評価益390百万円が発生したこと等により、1,415百万円を金融収益に計上いたしました。また、有価証券売却損106百万円が発生したこと等により、200百万円を金融費用に計上いたしました。さらに、持分法による投資損失2百万円、法人所得税費用を103百万円計上した結果、当期損失は2,229百万円(前連結会計年度は4,227百万円の当期損失)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。当連結会計年度においては、主に既存パイプラインを進捗させるための研究開発活動に伴う営業活動によるキャッシュ・フローは3,165百万円の支出となりました。また、連結子会社であるSaisei Bioventures, L.P.における投資有価証券の取得等により、投資活動によるキャッシュ・フローは1,114百万円の支出となりました。さらに、新株式の発行、Saiseiファンドにおける外部投資家からの払込等の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、6,335百万円の収入となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、5,679百万円となりました。キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

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