有価証券報告書-第8期(令和2年2月1日-令和3年1月31日)

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2021/04/28 15:24
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(以下、当社及びSanBio, Inc.(米国カリフォルニア州マウンテンビュー市)の2社を指します。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度(2020年2月1日~2021年1月31日)における日本経済は、緊急事態宣言発令など新型コロナウイルス感染症拡大にも関わらず、比較的底堅い経済が続いていることに加え、欧米が先行していたワクチン接種も国内で開始され、今後、公衆衛生上の制限措置が緩和されつつ経済活動の加速が見込める状況まできています。次に、米国を含む世界に目を向けると、有効なワクチンが世界的に広く利用可能になる一方で、コロナ禍に起因する景気後退は非常に深刻であり、2021年の実質GDPの水準はほとんどの国で2019年の水準を下回ると言われており、予断を許さない状況が予想されます。
日本の再生医療業界においては、2014年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進化が進むなか、2015年9月には、新制度の早期承認制度下で初めてとなる国内の再生医療等製品に対しての条件及び期限付き販売の承認がされるなど、再生医療等製品の実用化が現実となりつつあります。また、米国においては2016年12月に、21st Century Cures Act(21世紀治療法)が可決されました。新しい法制度のもと、再生医療が先進治療として新たなカテゴリー(Regenerative Medicine Advanced Therapy:RMAT)として識別されるとともに、今後、再生医療関連製品に係る承認制度の整備や新薬承認のスピードアップが図られていくことが予想されます。
このような環境のもと、当社グループは、中枢神経系疾患に対する新しい治療薬として当社グループ独自の再生細胞薬SB623の事業化を目指し、日米を中心に開発を進めています。2021年2月1日には、アジア地域の販路拡大を目指し、当社グループにおけるアジア初となる子会社、SanBio Asia Pte. Ltd.をシンガポールに設立しました。
SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、日米でのフェーズ2臨床試験(被験者61名)において、2018年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成。」という良好な結果を得て、2019年4月には、国内で厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けました。現在、国内では、早期に製造販売承認申請を目指し、先駆け審査指定制度の枠組みにおいて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を活発に進めています。これに並行して、SB623国内製造販売承認後の販売体制構築に向けた準備も順調に進めています。引き続き、一日も早いSB623国内製造販売承認に向けて、PMDAとの協議を進めていきます。次に、慢性期脳梗塞プログラムについては、慢性期脳梗塞に伴う運動機能障害を呈する患者163例を対象とした米国でのフェーズ2b臨床試験(STR-02試験)において、2019年1月に「SB623投与6カ月後にFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)がベースラインから10ポイント以上改善した患者の割合(主要評価項目)において、SB623投与群がコントロール群と比較して統計学的な有意差を示さず、主要評価項目を未達。」という結果を公表しました。しかし、2020年9月には、STR-02試験の追加解析として、梗塞巣サイズが一定量未満の患者77名(当試験組み入れ患者全体の47%)を対象に、複合FMMSエンドポイントを用いてSB623の投与から6カ月後における有効性を評価したところ、偽手術群26名のうち19%の改善に対し、SB623投与群51名のうち49%において改善が見られ、統計学的に有意な結果(P値=0.02)を得ました。今後、経営資源の選択と集中によりSB623の価値最大化を図るため、SB623慢性期外傷性脳損傷の一日も早い国内承認申請に向けた準備と並行し、脳梗塞プログラムと脳出血プログラムの国内における開発準備も優先していきます。両プログラムの具体的な臨床試験デザインや開発内容については、確定次第速やかに公表する予定です。
このような状況のなか、当連結会計年度は、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認申請に向けた製造関連の費用が主なものとなり、研究開発費4,071百万円を計上した結果、営業損失は5,801百万円(前連結会計年度は営業損失5,486百万円)、また、為替相場の変動による為替差損が発生したため、営業外費用として為替差損634百万円を計上したことにより、経常損失は6,530百万円(前連結会計年度は経常損失5,146百万円)。さらに、保有投資有価証券の売却により特別利益として投資有価証券売却益3,318百万円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は3,385百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失5,157百万円)となりました。
なお、当社グループは他家幹細胞を用いた再生細胞事業の単一セグメントであるため、セグメント別の業績記載を省略しています。
b. 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、13,131百万円(前連結会計年度末は14,626百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,494百万円減少いたしました。これは、現金及び預金が1,165百万円、前渡金が268百万円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、211百万円(前連結会計年度末は979百万円)となり、前連結会計年度末に比べて767百万円減少いたしました。これは、投資有価証券が824百万円減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、2,468百万円(前連結会計年度末は1,175百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,293百万円増加いたしました。これは、短期借入金が500百万円、1年内返済予定の長期借入金が475百万円、未払費用が236百万円、未払法人税等が171百万円増加したことが主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、2,525百万円(前連結会計年度末は3,500百万円)となり、前連結会計年度末に比べて975百万円減少いたしました。これは、長期借入金が975百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、8,349百万円(前連結会計年度末は10,930百万円)となり前連結会計年度末に比べて2,580百万円減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失3,385百万円を計上した一方で、その他の包括利益累計額が692百万円増加したことが主な要因であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,480百万円(前連結会計年度末は13,646百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,165百万円減少いたしました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は5,215百万円(前連結会計年度は5,717百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失3,211百万円、投資有価証券売却益3,318百万円の減算、前渡金の減少額256百万円、未払費用の増加額253百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は4,180百万円(前連結会計年度は114百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出96百万円、無形固定資産の取得による支出42百万円、投資有価証券の売却による収入4,318百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は56百万円(前連結会計年度は7,022百万円の収入)となりました。これは主に、資金調達費用の支払による支出56百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社グループは他家幹細胞を用いた再生細胞事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年2月1日
至 2021年1月31日)
前年同期比
(%)
他家幹細胞を用いた再生細胞事業(千円)--
合計(千円)--

(注)1.相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年2月1日
至 2020年1月31日)
当連結会計年度
(自 2020年2月1日
至 2021年1月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
大日本住友製薬株式会社447,226100.0--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、今般発生している新型コロナウィルス感染症の流行が、会計方針及び見積り並びに経営成績等に与えた影響は軽微でありました。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産の残高は、13,131百万円(前連結会計年度末は14,626百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,494百万円減少いたしました。これは、現金及び預金が1,165百万円、前渡金が268百万円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産の残高は、211百万円(前連結会計年度末は979百万円)となり、前連結会計年度末に比べて767百万円減少いたしました。これは、投資有価証券が824百万円減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債の残高は、2,468百万円(前連結会計年度末は1,175百万円)となり、前連結会計年度末に比べて1,293百万円増加いたしました。これは、短期借入金が500百万円、1年内返済予定の長期借入金が475百万円、未払費用が236百万円、未払法人税等が171百万円増加したことが主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債の残高は、2,525百万円(前連結会計年度末は3,500百万円)となり、前連結会計年度末に比べて975百万円減少いたしました。これは、長期借入金が975百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、8,349百万円(前連結会計年度末は10,930百万円)となり前連結会計年度末に比べて2,580百万円減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失3,385百万円を計上した一方で、その他の包括利益累計額が692百万円増加したことが主な要因であります。
b. 経営成績の分析
(事業収益)
北米において大日本住友製薬株式会社と締結していたSB623の共同開発及び販売ライセンス契約を前連結会計年度に合意解消したことから、当連結会計年度は事業収益を計上していません(前連結会計年度は447百万円)。
(営業損益)
当連結会計年度における営業損失は、研究開発費4,071百万円、その他の販売費及び一般管理費1,730百万円等の計上により、5,801百万円(前連結会計年度は営業損失5,486百万円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度における経常損失は、為替相場の変動による為替差損として営業外費用634百万円等の計上により、6,530百万円(前連結会計年度は経常損失5,146百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、保有投資有価証券の売却により特別利益3,318百万円等の計上により、3,385百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失5,157百万円)となりました。
c. キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、再生細胞薬SB623の製品化の実現に向けて、先行して研究開発に資金を充当しています。当連結会計年度は、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの承認申請に向けた製造関連の費用が主なものとなり、研究開発費4,071百万円を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローは、5,215百万円の支出となりました。この営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスに対し、今後も継続した研究開発事業を進めるために、当連結会計年度は保有投資有価証券の売却により4,318百万円を獲得したこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、4,180百万円の収入となりました。これらが資金の主な動きとなり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、12,480百万円となりました。

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