訂正有価証券報告書-第31期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/04/28 15:30
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【項目】
112項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、政府の国土強靭化政策のもと、老朽化対策、防災・減災対策等の社会インフ
ラの整備が必要とされるなかで、震災復興事業、災害復旧事業への対応、さらに東京オリンピック・パラリンピック
の開催決定により市場の拡大に拍車がかかることが予想されます。しかしながら、財政再建の観点から中長期的には
公共事業の抑制に対応することも視野にいれた経営が求められております。
このような状況のなか、当社グループは、顧客ニーズに対して的確かつ効率的に応え、成長していくための経営上
の対処すべき課題について以下を掲げ取組んでおります。
(1) ワンストップサービスの充実・拡大による取引金額の増加
顧客の利便性を高めることにより取引金額増加を目指し、調査・試験項目の充実や品質の向上を図りワンストップサービスの業務範囲を拡大してまいります。
具体的には、防災関連の計測業務、道路や橋、トンネル等のインフラストック長寿命化診断業務の強化を行い、調査・試験領域を拡大することで、ワンストップサービスの充実を図り、1案件で複数の試験が受注できるようになることで、平均取引単価の増加を目指してまいります。
また、道路や鉄道の路盤およびトンネル壁面等の維持管理のための定期点検を目的として、長距離を従来より短時間で診断可能な高速移動型非接触3Dレーダ探査車両を用いた劣化調査業務の受注拡大も目指してまいります。
(2) 受注件数増加に向けた試験センター及び営業エリアの拡大
当社グループの特徴であり基幹業務である室内試験の更なる受注拡大と、効率的な受注体制を確立するため、中央試験センター(長野県千曲市)、東日本試験センター(仙台市宮城野区)の体制強化(設備・人員)に加え、西日本試験センター(山口県山口市)の新設により、受注能力の拡大を図ると同時に東日本、西日本地域での受注に対し、より効率的な対応を図ってまいります。
また、現在、東北から関西まで展開している支店網を中国地方、四国地方、九州地方へと展開し、新たな営業エリアでの受注拡大を進め、効率的な営業ブロック体制の構築を目指します。さらにWEBを利用した受注の強化を行い、営業エリア外からの受注にも注力してまいります。
(3) 人材の確保と育成による対応力の強化
当社グループの技術力の根源である土木技術者の不足は深刻な状況にありますが、当社グループはこれまでの好不況に拘わらず全国の土木工学系大学から人材を受け入れてきたパイプを生かし、新卒者向けのセミナーを本社のある長野県だけではなく、東京、大阪、名古屋等の大都市でも開催することで人材の確保に努めてまいります。また、採用後はOJTによるジョブローテーションによって個々の適性に合わせた人材教育を積極的に推進しており、技術力とサービス力の向上と人材の定着率向上に努め、今後の業容拡大に対応できる体制の構築を目指します。また、中途採用につきましては、専門スキル、知識を身につけ、当社の事業拡大に際して明確な職責を担える人材の確保に努めてまいります。
(4) 他社との差別化
当社グループの基幹業務である室内試験は、標準的な測定方法が定められており、測定方法並びに測定結果は各試験機関によって独自性があるものではありません。しかしながら、当社グループでは、試験データに分析・考察を加えることにより、顧客にとって有用な試験結果の提出を行っております。また、フィールド&サポート営業により顧客の抱える課題について総合的に対処することが可能となります。従って、当社グループでは、これまでの実績・経験値等を結集し、技術員・営業員のスキルを向上させることで、分析・考察の品質の維持・向上に努めます。さらに、当社グループの土木技術の研究体制を整備することで更なる品質の向上やワンストップサービスの業務範囲を拡大し、他社との差別化を図ってまいります。
(5) サービスの認知度向上
当社グループが今後も高い成長率を維持していくためには、当社グループが提供するサービスの認知度を向上させ、新規顧客を獲得することが必要不可欠であると考えております。今後は、積極的な広報活動をすることで当社グループそして当社グループの提供するサービスの認知度の向上に努めてまいります。
(6) 海外展開
当社グループの顧客による海外での事業展開が年々増えており、海外での試験総合サービスのニーズも拡大しつつあります。当社グループの長期的な成長を実現するためにも海外展開に取り組むべきであると認識しております。海外で当社グループが提供するサービスの中長期的な需要を見極めつつ、海外展開の進出方法、時期、規模を検討してまいります。
(7) 内部管理体制の強化
当社グループは、更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させるためには内部管理体制を強化していくことが重要な課題であると認識しております。「財務報告に係る内部統制報告制度」への対応の充実に努め、内部統制の充実及び強化を図ってまいります。
(8) コンプライアンス経営体制の強化
当社グループは、コンプライアンス経営に徹することの重要性を認識し、社内全体で行動規準を定めております。
役員及び従業員等は、行動規準を共有するとともに、常に倫理観と社会的良識を持って行動し、社会から信頼される会社として評価され、持続的に発展するように努めてまいります。また、定期的にコンプライアンス勉強会を開催しており、社内においてコンプライアンスの重要性を発信してまいります。