有価証券報告書-第13期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しております。
なお、金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)及び(デリバティブ取引関係)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社を取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積り額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
④ 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
なお、貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑤ 支払備金の計上方法
保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、未だ支払っていないもののために必要な金額を支払備金として計上しております。この支払備金には、当社が未だ支払事由の発生の報告を受けていないが、支払事由が既に発生したと認める保険金等の支払のために必要なものを含みます。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑥ 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
保険数理計算に使用される基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく異なる場合、あるいは基礎率を変更する必要がある場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑦ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に記載のとおりであります。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度においては、事業費が減少したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は修正後通期業績予想1,110億円を94億円上回る1,204億円(通期業績予想比8.5%増)となりました。当連結会計年度の期末配当につきましては、1株当たり68円の普通配当に4円の特別配当を加え、1株当たり72円とすることを決定いたしました。
営業面においては、超低金利の長期化等の当社を取り巻く厳しい環境により、個人保険の保有契約年換算保険料は4兆6,771億円(前期比3.8%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)と前連結会計年度に比べ1,823億円の減少となったものの、保障重視の営業活動を進めたことから、第三分野については、保有契約年換算保険料が7,531億円(同0.3%増)(受再している簡易生命保険契約を含む)と前連結会計年度と比べ21億円の増加となりました。
資産運用面においては、低金利環境下で運用収益を確保していくため、ERMの枠組みの中で資産運用の多様化を積極的に進めており、その結果、外国証券等の収益追求資産を総資産の13.8%まで拡大しました。
① 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の総資産額は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。
a.資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。主な資産構成は、有価証券58兆4,515億円(同2.8%減)、貸付金6兆7,860億円(同11.0%減)及び金銭の信託2兆7,875億円(同1.0%減)となっております。
b.負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ3兆582億円減少し、71兆7,698億円(前期比4.1%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は67兆937億円(同4.1%減)となりました。
c.純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ1,320億円増加し、2兆1,351億円(前期比6.6%増)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は4,566億円(同13.1%増)となりました。
② 経営成績の状況及び分析・検討
a.経常収益
経常収益は、前連結会計年度と比べ362億円減少し、7兆9,166億円(前期比0.5%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入3兆9,599億円(同6.5%減)、資産運用収益1兆2,044億円(同6.2%減)、その他経常収益2兆7,522億円(同13.2%増)となっております。
(a) 保険料等収入
保険料等収入は、保有契約の減少等により、前連結会計年度に比べ2,765億円減少し、3兆9,599億円(前期比6.5%減)となりました。
(b) 資産運用収益
資産運用収益は、有価証券や貸付金から生じる利息及び配当金等収入並びに金銭の信託運用益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ801億円減少し、1兆2,044億円(前期比6.2%減)となりました。
(c) その他経常収益
その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ3,203億円増加し、2兆7,522億円(前期比13.2%増)となりました。
b.経常費用
経常費用は、前連結会計年度と比べ80億円増加し、7兆6,517億円(前期比0.1%増)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が6兆8,688億円(同0.3%減)、資産運用費用が1,460億円(同37.6%増)、事業費が5,198億円(同2.6%減)、その他経常費用が1,170億円(同2.5%増)等となっております。
(a) 保険金等支払金
保険金等支払金は、前連結会計年度並みの6兆8,688億円(前期比0.3%減)となりました。
(b) 資産運用費用
資産運用費用は、有価証券売却損が減少したものの、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ399億円増加し、1,460億円(前期比37.6%増)となりました。
(c) 事業費
事業費は、新契約に係る業務委託手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ136億円減少し、5,198億円(前期比2.6%減)となりました。
(d) その他経常費用
その他経常費用は、前連結会計年度に比べ28億円増加し、1,170億円(前期比2.5%増)となりました。
c.経常利益
経常利益は、金融派生商品費用の増加によりキャピタル損失が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ443億円減少し、2,648億円(前期比14.3%減)となりました。
提出会社の経常利益等の明細については、「(参考4) 健全性の状況 (1) 基礎利益」の(経常利益等の明細(基礎利益))に記載のとおりであります。
d.特別損益
特別損益は、価格変動準備金について、前連結会計年度においては繰り入れを行った一方で、当連結会計年度においては戻し入れを行いました。この結果、当連結会計年度の特別損益は175億円となり、前連結会計年度に比べ618億円利益が増加しました。
e.契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、契約者配当を支払う有配当契約が減少したことにより、前連結会計年度に比べ59億円減少し、1,118億円(前期比5.1%減)となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ159億円増加し、1,204億円(前期比15.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益の増加の主な要因は、経常利益が減少したものの、価格変動準備金の戻し入れを行ったこと及び契約者配当準備金繰入額が減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、保有契約の減少等により保険料等収入が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ2,932億円支出増の2兆6,917億円の支出となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの支出増に対応し、有価証券等の運用資産の減少額が増加したことから、6,854億円収入増の2兆6,530億円の収入となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったこと等から、前連結会計年度に比べ945億円収入増の579億円の収入となりました。
d.現金及び現金同等物の残高
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、上記a.~c.の要因により、期首から192億円増加し、9,177億円となりました。
e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の設備投資を含む当面の設備投資及び株主還元などは自己資金又は社債の発行による調達資金で賄う予定であります。
(3) 目標とする経営指標の達成状況等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載しております3つの主要定量目標のうち、保有契約年換算保険料(個人保険)については、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したことを主たる要因として、2018年6月末、9月末、12月末及び2019年3月末においてそれぞれ4.82兆円、4.78兆円、4.73兆円及び4.67兆円と推移しており、かかる状況を踏まえると、当連結会計年度末時点においては同中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標値の達成は困難であると認識しております。一方で、超低金利環境下において、保障を重視した営業戦略への転換を図ってきた結果、保障性商品の販売占率が拡大するとともに、第三分野商品の販売も好調に推移しており、商品収益性を示す新契約価値の維持及び新契約マージンの向上につながっております。また、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額については、2018年度において200.86円及び72円と期初予想を上回る進捗となっており、引き続き中期経営計画の目標達成を目指してまいります。
なお、新契約価値及び新契約マージンの詳細については、「(参考5) 当社のEV」をご参照ください。
(4) 生産、受注及び販売の状況
生命保険事業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(参考1) 当社の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(1) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(2) 新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(3) 保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(4) 新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(参考2) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
(注) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
(参考3) 当社の資産運用の状況
(1) 一般勘定資産の構成
(注) 1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(2) 一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%)
(注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(参考4) 健全性の状況
(1) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
当社の当事業年度における基礎利益は、3,771億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円)
(注) 1.金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額(前事業年度:55,010百万円、当事業年度:64,865百万円)を「その他キャピタル費用」に計上し、基礎利益に含めております。
2.「その他臨時費用」には、保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた額(前事業年度:197,929百万円、当事業年度:179,882百万円)を記載しております。
(2) 連結ソルベンシー・マージン比率
生命保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
この比率が200%を下回った場合は、当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円)
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
(3) 負債中の内部留保(危険準備金及び価格変動準備金)の積立状況
生命保険会社では、大災害の発生、金融資産の価格変動等、生命保険事業の経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたる健全で安定的な経営を確保するために、危険準備金と価格変動準備金を積み立てることとしております。
当連結会計年度末における残高は危険準備金1兆9,627億円、価格変動準備金8,974億円となり、合計で2兆8,602億円となりました。
(単位:億円)
(4) 連結実質純資産額
実質純資産額とは、資産全体を時価評価して求めた資産の合計から、危険準備金や価格変動準備金等の資本性の高い負債を除いた負債の合計を引いたものであり、決算期末の保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標のひとつであります。この数値がマイナスになると業務停止命令等の対象となることがあります(ただし、満期保有目的の債券及び責任準備金対応債券の含み損を除いた額がプラスとなり、かつ、流動性資産が確保されている場合には、原則として業務停止命令等の措置は取られないこととなっております。)。当連結会計年度末における連結実質純資産額は13兆5,357億円となりました。
(単位:億円)
(5) 追加責任準備金
追加責任準備金とは、加入時の計算基礎で計算した積立額では、逆ざや等により保険金等の支払いに不足する額として追加して積み立てている責任準備金であります。当連結会計年度末における追加責任準備金は5兆8,801億円を積み立てております。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
(単位:億円)
(6) リスク管理債権の状況
貸付金のうち、返済状況が正常でない債権をリスク管理債権といいますが、当社において、リスク管理債権に該当するものはありません。
(参考5) 当社のEV
(1) EVの概要
① EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
② EEVについて
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、2004年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。
2016年5月には、CFOフォーラムによってEEV原則の改正が公表され、EVに2016年1月から施行された欧州ソルベンシーⅡ等の計算で用いた計算手法及び前提の使用が許容されるようになりました。
③ EEVの計算手法
今回のEEVの計算には、市場整合的手法を用いております。この手法は、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
(2) 簡易生命保険契約について
当社は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、当社が受再しております。
当社は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EEVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように郵政管理・支援機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来において戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。
(3) EEVの計算結果
当社のEEVは以下のとおりであります。
(単位:億円)
① 修正純資産
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、株主に帰属すると考えられる価値であります。当期純利益による増加を主な理由として、当事業年度末における修正純資産は前事業年度末から増加しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 1.計算対象に子会社を含めているため、連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.保険契約に係らない有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
当事業年度末の修正純資産を計算する際に除いた保険契約に係る部分は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 1.連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.保険契約に係る部分(②)は、簡易生命保険契約に係る部分を計上しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
3.有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
② 保有契約価値
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。新契約の獲得を主な理由として、当事業年度末における保有契約価値は前事業年度末から増加しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
将来利益の計算において保険契約に係る資産は簿価評価しております。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円)
③ 新契約価値
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(医療特約の切替加入契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
(4) 前事業年度末EEVからの変動要因
(単位:億円)
① 前事業年度末EEVの調整
当社は当事業年度において408億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
② 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
③ 期待収益(リスク・フリー・レート分)
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち当事業年度分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート(△0.134%)分に相当する収益が発生しております。
④ 期待収益(超過収益分)
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。当年度の超過収益を計算するために使用した期待収益率は、「付録B EEV計算における主な前提条件 (1) 経済前提」をご参照ください。
⑤ 保有契約価値からの移管
当事業年度に実現が期待されていた利益が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、前事業年度末の保有契約から期待される当事業年度の利益と、当事業年度に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた当事業年度の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
⑦ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支が変化することによる影響であります。
⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。
主に為替リスクのヘッジに伴う資産運用費用の増加により、修正純資産は179億円減少しております。
主に国内金利の低下により、保有契約価値は789億円減少しております。
(5) 感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
感応度1から4について、修正純資産の増減額は以下のとおりであります。また、感応度5から11については、保有契約価値のみの増減額となります。
(単位:億円)
(注) 参考値として、保有契約に係る資産の含み損益も加えた増減額(税引後に換算)を示しております。なお、EEVの計算にあたって、保険契約に係る部分の資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
新契約価値の感応度
(単位:億円)
① 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させて保有契約価値を再計算しております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
② 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、リスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。ただし、50bp低下前のリスク・フリー・レートが0%を下回る場合はその値をそのまま使用しております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
③ 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし)
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、感応度2と異なり、リスク・フリー・レートの正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
④ 感応度4:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
⑤ 感応度5:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
⑥ 感応度6:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑦ 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑧ 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑨ 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
⑩ 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
⑪ 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
(6) 注意事項
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
(7) その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
付録A EEVの計算手法
当社が当事業年度末のEEVを計算するために使用した方法及び前提は市場整合的手法であり、EEV原則とその指針(ガイダンス)に準拠しております。
(1) 対象事業
計算の対象範囲は、当社及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。
なお、当社は生命保険事業のみを取り扱っております。
また、当社は日本郵政グループの一員ですが、本計算は当社単独の計算となっております。
(2) 修正純資産の計算方法
修正純資産は、貸借対照表の純資産の部の金額に対して、以下の調整を加えて計算しております。
なお、修正純資産から必要資本を控除したものがフリー・サープラスと呼ばれております。
① 修正純資産は、原則として時価評価するため、貸借対照表において時価評価されていない満期保有目的の債券等の有価証券、不動産及び劣後債等についても時価評価を行い、これらの含み損益を税引後に換算したうえで修正純資産に加えております。
なお、保険契約に係る資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
② 負債のうち、純資産に加算することが妥当と考えられるものについては、税引後に換算した上で修正純資産に加えております。具体的には、危険準備金、価格変動準備金及び一般貸倒引当金であります(ただし、危険準備金及び価格変動準備金については簡易生命保険契約に係るものを除いております。「(参考5)当社のEV (2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。)。
③ 退職給付の未積立債務については、未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異の合計額を税引後に換算した上で修正純資産に反映しております。
④ 自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を修正純資産に加えております。これは、当該信託が保有する当社株式が、将来当社の退職者へ給付され、自己株式として扱われなくなる予定であるものの、その帳簿価額が自己株式として純資産の部合計から控除されていることから、これを調整するものであります。
(3) 保有契約価値の計算方法
保有契約価値は、確実性等価将来利益現価から、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用を控除することにより算出しております。
(4) 確実性等価将来利益現価
確実性等価将来利益現価は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づき、将来キャッシュ・フローを決定論的手法により計算したもので、将来利益をリスク・フリー・レートで割り引いた現在価値であります。
将来利益の計算において、保険契約に係る資産の運用収益を簿価評価しておりますが、リスク・フリー・レートによる割引現在価値は資産時価と一致しております(この取扱いは「EEV原則の指針(ガイダンス)G10.11」のとおりであります。)。なお、EEV及び新契約価値における確実性等価将来利益現価の計算では、将来の資産運用リスクのプレミアム(例えば、株式や債券等に期待されるリスク・フリー・レートを超過する利回り)は反映されておりません。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(参考5)当社のEV (2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
この価値には、契約者配当等のオプションと保証の本源的価値も反映しておりますが、オプションと保証の時間価値は反映されず、別途、計算しております。
(5) オプションと保証の時間価値
オプションと保証の時間価値は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づいた値(確実性等価将来利益現価)と、市場で取引されているオプション価格と整合的な前提により確率論的に計算された将来の税引後利益現価の平均との差として計算しております。
オプションと保証の時間価値は、以下のような要素を勘案しております。
① 有配当保険に係る配当オプション
有配当保険においては、発生した損益に対して、株主への分配可能な利益には、非対称性が存在しております。例えば、利益が発生した場合には、契約者配当を支払うことから、利益のすべてが株主には帰属しておりません。一方、損失が発生した場合には、契約者に追加の負担が生じないため、損失のすべてが株主負担となります。契約者配当は、収益状況に応じた一定割合を還元するように設定しているため、シナリオによって異なった金額となります。
② 動的解約
経済の状況等に応じて、契約者はさまざまな行動を取るオプションを有しております。ここでは、金利水準により契約者の解約行動が変化することを反映しております。
(6) 必要資本を維持するための費用
保険会社は健全性維持のために負債の額を超えて必要資本を保有する必要があります。この必要資本に係る運用収益に対する税金と資産運用管理のための費用を認識しております。
EEV原則において、この必要資本は、法定最低水準以上であることが求められ、さらに、内部の目的を達成するために必要となる金額とすることが認められております。日本における法定最低水準の資本要件はソルベンシー・マージン比率200%であることを踏まえ、当社では、必要資本を維持するための費用の計算にあたり、ソルベンシー・マージン比率600%に相当する金額を必要資本としております。
なお、日本におけるソルベンシー・マージン基準では、一定の範囲内で、全期チルメル式責任準備金相当額超過額をマージンに反映することが規定されており、本計算においてもこれを反映しております。また、保有契約価値の計算において、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金に加え、保険契約に係るその他有価証券評価差額金、一般貸倒引当金及び劣後債を含めて評価しており、これらの準備金等がマージンに含まれるため、当社の前事業年度末及び当事業年度末における必要資本はゼロとなりました。ただし、これらの準備金等は将来において戻入されることを想定しているため、将来における必要資本は必ずしもゼロではありません。
(7) ヘッジ不能リスクに係る費用
EEV原則では、「EVは対象事業のリスク全体を考慮した上で、対象事業に割り当てられた資産から発生する分配可能利益の中の株主分の現在価値」と定義されており、すべてのリスクを勘案してEEVを計算することが求められております。
一部のリスクについては、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提だけではEEVに与えるさまざまな影響を十分に反映できない場合があり、EEVの計算において、ヘッジ不能リスクに係る費用として認識するという補正が必要となります。このような例として、オペレーショナル・リスクや大災害リスク等が挙げられております。
また、将来、剰余が発生した場合には税金を支払いますが、損失が発生した場合には税金はゼロとなります。この場合でも、税務上の欠損金の多くは翌年度以降に繰り越すことにより回収可能と考えられますが、繰越期間内に回収できないリスクが存在しております。
さらに、計算に用いるリスク・フリー・レートのうち、超長期の金利には十分な取引のある市場が存在しないことにより、価値の不確実性が存在しております。
当社では、簡易モデルによってヘッジ不能リスクに係る費用を推定しております。
(8) 新契約価値の計算方法
当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値であります。
計算対象は、新契約及び特約の中途付加であり、既契約の更新は含めておりません。2017年10月2日の無配当傷害医療特約及び無配当総合医療特約の販売開始に伴い、中途付加時の切替加入(注)を認めております。この切替加入契約の新契約価値としては、旧特約の価値からの正味増加分を反映しております。また、経済前提は2018年12月末時点のもの、非経済前提は保有契約価値と同一の期末時点のものを用いております。
新契約価値の評価について、当社では、実際の契約者配当の水準を、保有契約全体の損益に基づいて決定していることを踏まえ、新契約を獲得した場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVと、新契約を獲得しなかった場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVの差とするマージナル方式としております。マージナル方式では、新契約獲得に伴う分散効果によるリスクの軽減の影響等も新契約価値として評価されております。
(注) 医療特約の約款に定められている医療特約の中途付加と同時に旧特約を解約する場合の特則を適用して加入すること。
付録B EEV計算における主な前提条件
(1) 経済前提
① リスク・フリー・レート
a.参照金利
確実性等価将来利益現価の計算においては、当社の保有資産等を考慮し、リスク・フリー・レートとして、評価日時点の国債を使用しております。
b.超長期の金利の補外方法
参照金利のない超長期の金利は、終局金利を用いて補外しております。
具体的には終局金利として3.5%を仮定し、日本国債の流動性等を踏まえ補外開始年度を30年目と設定しております。31年目以降のフォワード・レートは補外開始年度以降30年間で終局金利の水準に収束するようにSmith-Wilson法により補外しております。
計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
(データ:財務省 補正後)
新契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
(データ:財務省 補正後)
② 経済シナリオ(リスク中立シナリオ)
a.金利モデル
金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、豪ドルを通貨とする確率論的αβρ-LIBOR マーケットモデル(注)を構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。オプションと保証の時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。
シナリオのキャリブレーションに使用した金利スワップションのインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。
(注) 当事業年度末EEV及び当事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルを変更しております。前事業年度末EEV及び前事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルは1ファクターHull-Whiteモデルによります。
金利スワップション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
b.株式・通貨のインプライド・ボラティリティ
主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。シナリオのキャリブレーションに使用したインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。なお、当社が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比(2018年12月31日:94.0%、2019年3月31日:95.2%)を下記の日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。
株式オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Markit 補正後)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Markit 補正後)
通貨オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
(データ:Bloomberg)
c.相関係数
前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元に当社の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。
相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。
主要な変数間の相関係数は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算で使用
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
新契約価値の計算で使用
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
③ 将来の資産構成
当社の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。
また、当社の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び豪ドル建から構成されるとみなしております。
④ 期待収益計算上の期待収益率
「前事業年度末EEVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(リスク・フリー・レート分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。
期待収益(超過収益分)の計算に用いる期待収益率は、前事業年度末における資産占率に上記の期待収益率を乗じることにより算出しております。会社全体における資産占率考慮後の期待収益率は、0.078%であります。
(2) 非経済前提
保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して(最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提)予測しております。
① 事業費
a.事業費の前提は、事業費実績を基に算出し、子会社に係るルック・スルー調整を行っております。また、将来、経常的に発生しないと考えられる一時費用(将来の業務効率化に資する施策の経費)を控除する一方、追加的に発生すると考えられる費用を加算する調整を行っております。
なお、将来の事業費の改善については織り込んでおりません。
b.翌事業年度から、従来当社が日本郵便株式会社に支払っていた手数料の一部に相当する額を、郵政管理・支援機構への拠出金として拠出することになります。これを踏まえ、将来の事業費前提については、拠出金の拠出とそれに伴う手数料の見直しを反映しております。
c.将来の消費税については、2019年9月までは8%、2019年10月以降は10%としております。
d.将来のインフレ率はリスク・フリー・レートの補外開始年度(経過30年)まではゼロとしております。リスク・フリー・レートの補外開始年度を超える期間についてはフォワード・レートの上昇に応じてインフレ率が上昇し、終局水準を2%としております。
② 契約者配当
現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。
なお、郵政管理・支援機構への再保険配当については、郵政管理・支援機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。
③ 実効税率
直近の実効税率に基づき、以下の実効税率を用いております。
2018年3月期 : 28.24%
2019年3月期以降 : 28.00%
(参考6) 主要な財務数値等の新旧区分別実績
当社は、郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを受再しております。また、当該再保険契約に基づき、簡易生命保険契約及びそこから生じた利益を他の保険契約と区分して管理しており、過年度の実績の推移は下表のとおりであります。
下表における旧区分の数値は、上記に基づき算出した簡易生命保険契約に係るものであり、新区分の数値は、全体から旧区分の数値を差し引いたものであります。よって、下表は当社の内部管理上の数値であり、企業会計原則に則って作成される数値ではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しております。
なお、金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)及び(デリバティブ取引関係)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社を取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積り額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
④ 貸倒引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。
将来、債務者の財務状況が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
なお、貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑤ 支払備金の計上方法
保険契約に基づいて支払義務が発生した保険金等のうち、未だ支払っていないもののために必要な金額を支払備金として計上しております。この支払備金には、当社が未だ支払事由の発生の報告を受けていないが、支払事由が既に発生したと認める保険金等の支払のために必要なものを含みます。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑥ 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
保険数理計算に使用される基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく異なる場合、あるいは基礎率を変更する必要がある場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑦ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に記載のとおりであります。
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度においては、事業費が減少したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は修正後通期業績予想1,110億円を94億円上回る1,204億円(通期業績予想比8.5%増)となりました。当連結会計年度の期末配当につきましては、1株当たり68円の普通配当に4円の特別配当を加え、1株当たり72円とすることを決定いたしました。
営業面においては、超低金利の長期化等の当社を取り巻く厳しい環境により、個人保険の保有契約年換算保険料は4兆6,771億円(前期比3.8%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)と前連結会計年度に比べ1,823億円の減少となったものの、保障重視の営業活動を進めたことから、第三分野については、保有契約年換算保険料が7,531億円(同0.3%増)(受再している簡易生命保険契約を含む)と前連結会計年度と比べ21億円の増加となりました。
資産運用面においては、低金利環境下で運用収益を確保していくため、ERMの枠組みの中で資産運用の多様化を積極的に進めており、その結果、外国証券等の収益追求資産を総資産の13.8%まで拡大しました。
① 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の総資産額は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。
a.資産の部
資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆9,262億円減少し、73兆9,050億円(前期比3.8%減)となりました。主な資産構成は、有価証券58兆4,515億円(同2.8%減)、貸付金6兆7,860億円(同11.0%減)及び金銭の信託2兆7,875億円(同1.0%減)となっております。
b.負債の部
負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ3兆582億円減少し、71兆7,698億円(前期比4.1%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は67兆937億円(同4.1%減)となりました。
c.純資産の部
純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ1,320億円増加し、2兆1,351億円(前期比6.6%増)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は4,566億円(同13.1%増)となりました。
② 経営成績の状況及び分析・検討
a.経常収益
経常収益は、前連結会計年度と比べ362億円減少し、7兆9,166億円(前期比0.5%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入3兆9,599億円(同6.5%減)、資産運用収益1兆2,044億円(同6.2%減)、その他経常収益2兆7,522億円(同13.2%増)となっております。
(a) 保険料等収入
保険料等収入は、保有契約の減少等により、前連結会計年度に比べ2,765億円減少し、3兆9,599億円(前期比6.5%減)となりました。
(b) 資産運用収益
資産運用収益は、有価証券や貸付金から生じる利息及び配当金等収入並びに金銭の信託運用益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ801億円減少し、1兆2,044億円(前期比6.2%減)となりました。
(c) その他経常収益
その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ3,203億円増加し、2兆7,522億円(前期比13.2%増)となりました。
b.経常費用
経常費用は、前連結会計年度と比べ80億円増加し、7兆6,517億円(前期比0.1%増)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が6兆8,688億円(同0.3%減)、資産運用費用が1,460億円(同37.6%増)、事業費が5,198億円(同2.6%減)、その他経常費用が1,170億円(同2.5%増)等となっております。
(a) 保険金等支払金
保険金等支払金は、前連結会計年度並みの6兆8,688億円(前期比0.3%減)となりました。
(b) 資産運用費用
資産運用費用は、有価証券売却損が減少したものの、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ399億円増加し、1,460億円(前期比37.6%増)となりました。
(c) 事業費
事業費は、新契約に係る業務委託手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ136億円減少し、5,198億円(前期比2.6%減)となりました。
(d) その他経常費用
その他経常費用は、前連結会計年度に比べ28億円増加し、1,170億円(前期比2.5%増)となりました。
c.経常利益
経常利益は、金融派生商品費用の増加によりキャピタル損失が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ443億円減少し、2,648億円(前期比14.3%減)となりました。
提出会社の経常利益等の明細については、「(参考4) 健全性の状況 (1) 基礎利益」の(経常利益等の明細(基礎利益))に記載のとおりであります。
d.特別損益
特別損益は、価格変動準備金について、前連結会計年度においては繰り入れを行った一方で、当連結会計年度においては戻し入れを行いました。この結果、当連結会計年度の特別損益は175億円となり、前連結会計年度に比べ618億円利益が増加しました。
e.契約者配当準備金繰入額
契約者配当準備金繰入額は、契約者配当を支払う有配当契約が減少したことにより、前連結会計年度に比べ59億円減少し、1,118億円(前期比5.1%減)となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益に、特別損益、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ159億円増加し、1,204億円(前期比15.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益の増加の主な要因は、経常利益が減少したものの、価格変動準備金の戻し入れを行ったこと及び契約者配当準備金繰入額が減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、保有契約の減少等により保険料等収入が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ2,932億円支出増の2兆6,917億円の支出となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローの支出増に対応し、有価証券等の運用資産の減少額が増加したことから、6,854億円収入増の2兆6,530億円の収入となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入があったこと等から、前連結会計年度に比べ945億円収入増の579億円の収入となりました。
d.現金及び現金同等物の残高
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、上記a.~c.の要因により、期首から192億円増加し、9,177億円となりました。
e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の設備投資を含む当面の設備投資及び株主還元などは自己資金又は社債の発行による調達資金で賄う予定であります。
(3) 目標とする経営指標の達成状況等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載しております3つの主要定量目標のうち、保有契約年換算保険料(個人保険)については、保険料の値上げなどにより貯蓄性商品の新契約の獲得実績が想定以上に減少したことを主たる要因として、2018年6月末、9月末、12月末及び2019年3月末においてそれぞれ4.82兆円、4.78兆円、4.73兆円及び4.67兆円と推移しており、かかる状況を踏まえると、当連結会計年度末時点においては同中期経営計画における保有契約年換算保険料(個人保険)の目標値の達成は困難であると認識しております。一方で、超低金利環境下において、保障を重視した営業戦略への転換を図ってきた結果、保障性商品の販売占率が拡大するとともに、第三分野商品の販売も好調に推移しており、商品収益性を示す新契約価値の維持及び新契約マージンの向上につながっております。また、1株当たり当期純利益及び1株当たり配当額については、2018年度において200.86円及び72円と期初予想を上回る進捗となっており、引き続き中期経営計画の目標達成を目指してまいります。
なお、新契約価値及び新契約マージンの詳細については、「(参考5) 当社のEV」をご参照ください。
(4) 生産、受注及び販売の状況
生命保険事業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(参考1) 当社の保険引受の状況
(個人保険及び個人年金保険は、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(1) 保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
| 区分 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
| 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
| 個人保険 | 17,921 | 52,359,711 | 18,095 | 53,001,882 |
| 個人年金保険 | 1,333 | 2,742,555 | 1,268 | 2,329,471 |
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
(2) 新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
| 個人保険 | 1,739 | 5,464,124 | 1,711 | 5,563,886 |
| 個人年金保険 | 0 | 3,002 | 0 | 1,974 |
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
(3) 保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
| 区分 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | |
| 個人保険 | 3,367,381 | 3,363,941 | |
| 個人年金保険 | 491,191 | 452,478 | |
| 合計 | 3,858,573 | 3,816,419 | |
| うち医療保障・ 生前給付保障等 | 382,107 | 410,929 | |
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(4) 新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 個人保険 | 376,237 | 351,398 | |
| 個人年金保険 | 264 | 171 | |
| 合計 | 376,502 | 351,570 | |
| うち医療保障・ 生前給付保障等 | 59,205 | 61,618 | |
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
(参考2) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(1) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
| 区分 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
| 件数 | 保険金額・年金額 | 件数 | 保険金額・年金額 | |
| 保険 | 12,484 | 33,077,177 | 11,048 | 29,143,116 |
| 年金保険 | 1,940 | 682,804 | 1,708 | 590,874 |
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(2) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
| 区分 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | |
| 保険 | 1,492,160 | 1,313,229 | |
| 年金保険 | 656,195 | 572,367 | |
| 合計 | 2,148,356 | 1,885,597 | |
| うち医療保障・ 生前給付保障等 | 368,845 | 342,190 | |
(注) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。
(参考3) 当社の資産運用の状況
(1) 一般勘定資産の構成
| 区分 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |||
| 現預金・コールローン | 1,159,191 | 1.5 | 1,061,343 | 1.4 | ||
| 買現先勘定 | - | - | - | - | ||
| 債券貸借取引支払保証金 | 3,296,222 | 4.3 | 2,792,202 | 3.8 | ||
| 買入金銭債権 | 176,069 | 0.2 | 354,958 | 0.5 | ||
| 商品有価証券 | - | - | - | - | ||
| 金銭の信託 | 2,814,873 | 3.7 | 2,787,555 | 3.8 | ||
| 有価証券 | 60,131,893 | 78.3 | 58,452,565 | 79.1 | ||
| 公社債 | 53,576,426 | 69.7 | 51,128,759 | 69.2 | ||
| 株式 | 196,379 | 0.3 | 206,568 | 0.3 | ||
| 外国証券 | 4,347,564 | 5.7 | 5,284,936 | 7.2 | ||
| 公社債 | 4,235,485 | 5.5 | 5,108,788 | 6.9 | ||
| 株式等 | 112,079 | 0.1 | 176,147 | 0.2 | ||
| その他の証券 | 2,011,524 | 2.6 | 1,832,301 | 2.5 | ||
| 貸付金 | 7,627,147 | 9.9 | 6,786,074 | 9.2 | ||
| 保険約款貸付 | 135,314 | 0.2 | 144,566 | 0.2 | ||
| 一般貸付 | 919,051 | 1.2 | 991,309 | 1.3 | ||
| 機構貸付 | 6,572,781 | 8.6 | 5,650,198 | 7.6 | ||
| 不動産 | 83,920 | 0.1 | 91,087 | 0.1 | ||
| うち投資用不動産 | - | - | - | - | ||
| 繰延税金資産 | 954,136 | 1.2 | 1,021,999 | 1.4 | ||
| その他 | 589,747 | 0.8 | 557,248 | 0.8 | ||
| 貸倒引当金 | △695 | △0.0 | △459 | △0.0 | ||
| 合計 | 76,832,508 | 100.0 | 73,904,576 | 100.0 | ||
| うち外貨建資産 | 4,748,512 | 6.2 | 5,513,137 | 7.5 | ||
(注) 1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
(2) 一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 現預金・コールローン | 0.00 | 0.00 | |
| 買現先勘定 | - | - | |
| 債券貸借取引支払保証金 | - | - | |
| 買入金銭債権 | 0.91 | 0.23 | |
| 商品有価証券 | - | - | |
| 金銭の信託 | 4.75 | 3.31 | |
| 有価証券 | 1.48 | 1.42 | |
| うち公社債 | 1.54 | 1.51 | |
| うち株式 | 6.68 | 1.42 | |
| うち外国証券 | 0.85 | 0.83 | |
| 貸付金 | 2.04 | 2.00 | |
| うち一般貸付 | 1.26 | 1.28 | |
| 不動産 | - | - | |
| 一般勘定計 | 1.51 | 1.42 | |
| うち海外投融資 | 1.01 | 0.94 | |
(注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(参考4) 健全性の状況
(1) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
当社の当事業年度における基礎利益は、3,771億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円)
| 項目 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |
| 基礎利益 | (A) | 386,199 | 377,176 |
| キャピタル収益 | 131,942 | 117,883 | |
| 金銭の信託運用益 | 95,189 | 78,902 | |
| 売買目的有価証券運用益 | - | - | |
| 有価証券売却益 | 36,468 | 38,981 | |
| 金融派生商品収益 | - | - | |
| 為替差益 | 284 | - | |
| その他キャピタル収益 | - | - | |
| キャピタル費用 | 151,046 | 201,626 | |
| 金銭の信託運用損 | - | - | |
| 売買目的有価証券運用損 | - | - | |
| 有価証券売却損 | 65,733 | 62,255 | |
| 有価証券評価損 | - | - | |
| 金融派生商品費用 | 30,301 | 73,381 | |
| 為替差損 | - | 1,124 | |
| その他キャピタル費用 | 55,010 | 64,865 | |
| キャピタル損益 | (B) | △19,103 | △83,743 |
| キャピタル損益含み基礎利益 | (A)+(B) | 367,096 | 293,433 |
| 臨時収益 | 139,678 | 151,592 | |
| 再保険収入 | - | - | |
| 危険準備金戻入額 | 139,678 | 151,592 | |
| 個別貸倒引当金戻入額 | - | - | |
| その他臨時収益 | - | - | |
| 臨時費用 | 197,929 | 179,882 | |
| 再保険料 | - | - | |
| 危険準備金繰入額 | - | - | |
| 個別貸倒引当金繰入額 | - | - | |
| 特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | |
| 貸付金償却 | - | - | |
| その他臨時費用 | 197,929 | 179,882 | |
| 臨時損益 | (C) | △58,250 | △28,289 |
| 経常利益 | (A)+(B)+(C) | 308,845 | 265,143 |
(注) 1.金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額(前事業年度:55,010百万円、当事業年度:64,865百万円)を「その他キャピタル費用」に計上し、基礎利益に含めております。
2.「その他臨時費用」には、保険業法施行規則第69条第5項の規定により責任準備金を追加して積み立てた額(前事業年度:197,929百万円、当事業年度:179,882百万円)を記載しております。
(2) 連結ソルベンシー・マージン比率
生命保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
この比率が200%を下回った場合は、当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円)
| 項目 | 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | ||
| ソルベンシー・マージン総額 | (A) | 5,595,880 | 5,647,874 | |
| 資本金等 | 1,554,624 | 1,631,920 | ||
| 価格変動準備金 | 916,743 | 897,492 | ||
| 危険準備金 | 2,114,348 | 1,962,755 | ||
| 異常危険準備金 | - | - | ||
| 一般貸倒引当金 | 60 | 45 | ||
| (その他有価証券評価差額金(税効果控除前)・繰延ヘッジ損益(税効果控除前))×90%(マイナスの場合100%) | 501,809 | 568,785 | ||
| 土地の含み損益×85%(マイナスの場合100%) | △2,896 | △2,336 | ||
| 未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額 | 5,218 | 4,569 | ||
| 全期チルメル式責任準備金相当額超過額 | 506,467 | 489,649 | ||
| 負債性資本調達手段等 | - | 100,000 | ||
| 全期チルメル式責任準備金相当額超過額及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額 | - | - | ||
| 控除項目 | △495 | △5,006 | ||
| その他 | - | - | ||
リスクの合計額![]() | (B) | 988,803 | 949,323 | |
| 保険リスク相当額 | R1 | 147,403 | 142,209 | |
| 一般保険リスク相当額 | R5 | - | - | |
| 巨大災害リスク相当額 | R6 | - | - | |
| 第三分野保険の保険リスク相当額 | R8 | 63,087 | 59,172 | |
| 少額短期保険業者の保険リスク相当額 | R9 | - | - | |
| 予定利率リスク相当額 | R2 | 150,450 | 141,866 | |
| 最低保証リスク相当額 | R7 | - | - | |
| 資産運用リスク相当額 | R3 | 792,075 | 763,194 | |
| 経営管理リスク相当額 | R4 | 23,060 | 22,128 | |
| ソルベンシー・マージン比率 (A)/{(1/2)×(B)}×100 | 1,131.8% | 1,189.8% | ||
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
(3) 負債中の内部留保(危険準備金及び価格変動準備金)の積立状況
生命保険会社では、大災害の発生、金融資産の価格変動等、生命保険事業の経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたる健全で安定的な経営を確保するために、危険準備金と価格変動準備金を積み立てることとしております。
当連結会計年度末における残高は危険準備金1兆9,627億円、価格変動準備金8,974億円となり、合計で2兆8,602億円となりました。
(単位:億円)
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | |
| 危険準備金 | 21,143 | 19,627 |
| 価格変動準備金 | 9,167 | 8,974 |
| 合計 | 30,310 | 28,602 |
(4) 連結実質純資産額
実質純資産額とは、資産全体を時価評価して求めた資産の合計から、危険準備金や価格変動準備金等の資本性の高い負債を除いた負債の合計を引いたものであり、決算期末の保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標のひとつであります。この数値がマイナスになると業務停止命令等の対象となることがあります(ただし、満期保有目的の債券及び責任準備金対応債券の含み損を除いた額がプラスとなり、かつ、流動性資産が確保されている場合には、原則として業務停止命令等の措置は取られないこととなっております。)。当連結会計年度末における連結実質純資産額は13兆5,357億円となりました。
(単位:億円)
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) |
| 129,048 | 135,357 |
(5) 追加責任準備金
追加責任準備金とは、加入時の計算基礎で計算した積立額では、逆ざや等により保険金等の支払いに不足する額として追加して積み立てている責任準備金であります。当連結会計年度末における追加責任準備金は5兆8,801億円を積み立てております。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
(単位:億円)
| 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) |
| 59,304 | 58,801 |
(6) リスク管理債権の状況
貸付金のうち、返済状況が正常でない債権をリスク管理債権といいますが、当社において、リスク管理債権に該当するものはありません。
(参考5) 当社のEV
(1) EVの概要
① EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
② EEVについて
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、2004年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。
2016年5月には、CFOフォーラムによってEEV原則の改正が公表され、EVに2016年1月から施行された欧州ソルベンシーⅡ等の計算で用いた計算手法及び前提の使用が許容されるようになりました。
③ EEVの計算手法
今回のEEVの計算には、市場整合的手法を用いております。この手法は、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
(2) 簡易生命保険契約について
当社は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、当社が受再しております。
当社は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EEVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように郵政管理・支援機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来において戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。
(3) EEVの計算結果
当社のEEVは以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 前事業年度末 (2018年3月末) | 当事業年度末 (2019年3月末) | 増減 | ||
| EEV | 37,433 | 39,257 | 1,824 | |
| 修正純資産 | 21,364 | 22,371 | 1,006 | |
| 保有契約価値 | 16,068 | 16,886 | 818 | |
| 前事業年度 (2018年3月期) | 当事業年度 (2019年3月期) | 増減 | |
| 新契約価値 | 2,267 | 2,238 | △29 |
① 修正純資産
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、株主に帰属すると考えられる価値であります。当期純利益による増加を主な理由として、当事業年度末における修正純資産は前事業年度末から増加しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 前事業年度末 (2018年3月末) | 当事業年度末 (2019年3月末) | 増減 | ||
| 修正純資産 | 21,364 | 22,371 | 1,006 | |
| 純資産の部計(注1) | 15,958 | 16,755 | 796 | |
| 価格変動準備金(注2) | 2,512 | 2,356 | △155 | |
| 危険準備金(注2) | 4,492 | 4,712 | 219 | |
| その他(注3) | 503 | 730 | 227 | |
| 上記項目に係る税効果 | △2,102 | △2,184 | △81 | |
(注) 1.計算対象に子会社を含めているため、連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.保険契約に係らない有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
当事業年度末の修正純資産を計算する際に除いた保険契約に係る部分は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 会社合計 ① | 保険契約に 係る部分 ② | 修正純資産 ①-② | ||
| 修正純資産 | 102,412 | 80,040 | 22,371 | |
| 純資産の部計(注1) | 16,755 | ― | 16,755 | |
| 価格変動準備金(注2) | 8,974 | 6,618 | 2,356 | |
| 危険準備金(注2) | 19,627 | 14,914 | 4,712 | |
| その他(注3) | 90,287 | 89,556 | 730 | |
| 上記項目に係る税効果 | △33,232 | △31,048 | △2,184 | |
(注) 1.連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を加えております。
2.保険契約に係る部分(②)は、簡易生命保険契約に係る部分を計上しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
3.有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
② 保有契約価値
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。新契約の獲得を主な理由として、当事業年度末における保有契約価値は前事業年度末から増加しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
将来利益の計算において保険契約に係る資産は簿価評価しております。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円)
| 前事業年度末 (2018年3月末) | 当事業年度末 (2019年3月末) | 増減 | ||
| 保有契約価値 | 16,068 | 16,886 | 818 | |
| 確実性等価将来利益現価 | 21,055 | 21,315 | 259 | |
| オプションと保証の時間価値 | △3,537 | △2,979 | 558 | |
| 必要資本を維持するための費用 | △0 | △0 | 0 | |
| ヘッジ不能リスクに係る費用 | △1,448 | △1,449 | △0 | |
③ 新契約価値
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(医療特約の切替加入契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 前事業年度 (2018年3月期) | 当事業年度 (2019年3月期) | 増減 | ||
| 新契約価値 | 2,267 | 2,238 | △29 | |
| 確実性等価将来利益現価 | 2,463 | 2,399 | △63 | |
| オプションと保証の時間価値 | △141 | △75 | 65 | |
| 必要資本を維持するための費用 | ― | △0 | △0 | |
| ヘッジ不能リスクに係る費用 | △54 | △85 | △31 | |
なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 前事業年度 (2018年3月期) | 当事業年度 (2019年3月期) | 増減 | ||
| 新契約価値 | 2,267 | 2,238 | △29 | |
| 保険料収入現価(注) | 41,507 | 37,762 | △3,744 | |
| 新契約マージン | 5.46% | 5.93% | 0.46 | ポイント |
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
(4) 前事業年度末EEVからの変動要因
(単位:億円)
| 修正純資産 | 保有契約価値 | EEV | ||
| 前事業年度末EEV | 21,364 | 16,068 | 37,433 | |
| ① 前事業年度末EEVの調整 | △408 | ― | △408 | |
| 前事業年度末EEV(調整後) | 20,956 | 16,068 | 37,025 | |
| ② 当事業年度新契約価値 | ― | 2,238 | 2,238 | |
| ③ 期待収益(リスク・フリー・レート分) | △22 | 620 | 598 | |
| ④ 期待収益(超過収益分) | 19 | 419 | 438 | |
| ⑤ 保有契約価値からの移管 | 1,325 | △1,325 | ― | |
| うち前事業年度末保有契約 | 1,688 | △1,688 | ― | |
| うち当事業年度新契約 | △363 | 363 | ― | |
| ⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異 | 270 | △325 | △55 | |
| ⑦ 前提条件(非経済前提)の変更 | ― | △18 | △18 | |
| ⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異 | △179 | △789 | △968 | |
| 当事業年度末EEV | 22,371 | 16,886 | 39,257 | |
① 前事業年度末EEVの調整
当社は当事業年度において408億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
② 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
③ 期待収益(リスク・フリー・レート分)
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち当事業年度分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート(△0.134%)分に相当する収益が発生しております。
④ 期待収益(超過収益分)
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。当年度の超過収益を計算するために使用した期待収益率は、「付録B EEV計算における主な前提条件 (1) 経済前提」をご参照ください。
⑤ 保有契約価値からの移管
当事業年度に実現が期待されていた利益が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、前事業年度末の保有契約から期待される当事業年度の利益と、当事業年度に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた当事業年度の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
⑦ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支が変化することによる影響であります。
⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。
主に為替リスクのヘッジに伴う資産運用費用の増加により、修正純資産は179億円減少しております。
主に国内金利の低下により、保有契約価値は789億円減少しております。
(5) 感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
| 前提条件 | EEV | 増減額 |
| 当事業年度末EEV | 39,257 | ― |
| 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | 40,679 | 1,421 |
| 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | 37,129 | △2,128 |
| 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | 36,319 | △2,938 |
| 感応度4:株式・不動産価値10%下落 | 38,330 | △927 |
| 感応度5:事業費率(維持費)10%減少 | 41,072 | 1,814 |
| 感応度6:解約失効率10%減少 | 39,693 | 435 |
| 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下 | 40,464 | 1,207 |
| 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下 | 38,011 | △1,246 |
| 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更 | 39,257 | 0 |
| 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 38,577 | △680 |
| 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 38,487 | △770 |
感応度1から4について、修正純資産の増減額は以下のとおりであります。また、感応度5から11については、保有契約価値のみの増減額となります。
(単位:億円)
| 前提条件 | 増減額 | (参考)会社合計の 増減額(注) |
| 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | △729 | △25,693 |
| 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | 166 | 11,918 |
| 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | 769 | 27,986 |
| 感応度4:株式・不動産価値10%下落 | △63 | △1,733 |
(注) 参考値として、保有契約に係る資産の含み損益も加えた増減額(税引後に換算)を示しております。なお、EEVの計算にあたって、保険契約に係る部分の資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
新契約価値の感応度
(単位:億円)
| 前提条件 | 新契約価値 | 増減額 |
| 当事業年度新契約価値 | 2,238 | ― |
| 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | 2,695 | 456 |
| 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | 1,862 | △375 |
| 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | 1,586 | △651 |
| 感応度4:株式・不動産価値10%下落 | 2,238 | ― |
| 感応度5:事業費率(維持費)10%減少 | 2,399 | 161 |
| 感応度6:解約失効率10%減少 | 2,387 | 149 |
| 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下 | 2,369 | 131 |
| 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下 | 2,238 | △0 |
| 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更 | 2,238 | 0 |
| 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 2,253 | 14 |
| 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 2,238 | 0 |
① 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させて保有契約価値を再計算しております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
② 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、リスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。ただし、50bp低下前のリスク・フリー・レートが0%を下回る場合はその値をそのまま使用しております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
③ 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし)
a.リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、感応度2と異なり、リスク・フリー・レートの正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
b.リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
④ 感応度4:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
⑤ 感応度5:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
⑥ 感応度6:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑦ 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑧ 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
⑨ 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
⑩ 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
⑪ 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
(6) 注意事項
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
(7) その他の特記事項
当社では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
付録A EEVの計算手法
当社が当事業年度末のEEVを計算するために使用した方法及び前提は市場整合的手法であり、EEV原則とその指針(ガイダンス)に準拠しております。
(1) 対象事業
計算の対象範囲は、当社及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。
なお、当社は生命保険事業のみを取り扱っております。
また、当社は日本郵政グループの一員ですが、本計算は当社単独の計算となっております。
(2) 修正純資産の計算方法
修正純資産は、貸借対照表の純資産の部の金額に対して、以下の調整を加えて計算しております。
なお、修正純資産から必要資本を控除したものがフリー・サープラスと呼ばれております。
① 修正純資産は、原則として時価評価するため、貸借対照表において時価評価されていない満期保有目的の債券等の有価証券、不動産及び劣後債等についても時価評価を行い、これらの含み損益を税引後に換算したうえで修正純資産に加えております。
なお、保険契約に係る資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
② 負債のうち、純資産に加算することが妥当と考えられるものについては、税引後に換算した上で修正純資産に加えております。具体的には、危険準備金、価格変動準備金及び一般貸倒引当金であります(ただし、危険準備金及び価格変動準備金については簡易生命保険契約に係るものを除いております。「(参考5)当社のEV (2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。)。
③ 退職給付の未積立債務については、未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異の合計額を税引後に換算した上で修正純資産に反映しております。
④ 自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の帳簿価額を修正純資産に加えております。これは、当該信託が保有する当社株式が、将来当社の退職者へ給付され、自己株式として扱われなくなる予定であるものの、その帳簿価額が自己株式として純資産の部合計から控除されていることから、これを調整するものであります。
(3) 保有契約価値の計算方法
保有契約価値は、確実性等価将来利益現価から、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用を控除することにより算出しております。
(4) 確実性等価将来利益現価
確実性等価将来利益現価は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づき、将来キャッシュ・フローを決定論的手法により計算したもので、将来利益をリスク・フリー・レートで割り引いた現在価値であります。
将来利益の計算において、保険契約に係る資産の運用収益を簿価評価しておりますが、リスク・フリー・レートによる割引現在価値は資産時価と一致しております(この取扱いは「EEV原則の指針(ガイダンス)G10.11」のとおりであります。)。なお、EEV及び新契約価値における確実性等価将来利益現価の計算では、将来の資産運用リスクのプレミアム(例えば、株式や債券等に期待されるリスク・フリー・レートを超過する利回り)は反映されておりません。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「(参考5)当社のEV (2) 簡易生命保険契約について」をご参照ください。
この価値には、契約者配当等のオプションと保証の本源的価値も反映しておりますが、オプションと保証の時間価値は反映されず、別途、計算しております。
(5) オプションと保証の時間価値
オプションと保証の時間価値は、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提に基づいた値(確実性等価将来利益現価)と、市場で取引されているオプション価格と整合的な前提により確率論的に計算された将来の税引後利益現価の平均との差として計算しております。
オプションと保証の時間価値は、以下のような要素を勘案しております。
① 有配当保険に係る配当オプション
有配当保険においては、発生した損益に対して、株主への分配可能な利益には、非対称性が存在しております。例えば、利益が発生した場合には、契約者配当を支払うことから、利益のすべてが株主には帰属しておりません。一方、損失が発生した場合には、契約者に追加の負担が生じないため、損失のすべてが株主負担となります。契約者配当は、収益状況に応じた一定割合を還元するように設定しているため、シナリオによって異なった金額となります。
② 動的解約
経済の状況等に応じて、契約者はさまざまな行動を取るオプションを有しております。ここでは、金利水準により契約者の解約行動が変化することを反映しております。
(6) 必要資本を維持するための費用
保険会社は健全性維持のために負債の額を超えて必要資本を保有する必要があります。この必要資本に係る運用収益に対する税金と資産運用管理のための費用を認識しております。
EEV原則において、この必要資本は、法定最低水準以上であることが求められ、さらに、内部の目的を達成するために必要となる金額とすることが認められております。日本における法定最低水準の資本要件はソルベンシー・マージン比率200%であることを踏まえ、当社では、必要資本を維持するための費用の計算にあたり、ソルベンシー・マージン比率600%に相当する金額を必要資本としております。
なお、日本におけるソルベンシー・マージン基準では、一定の範囲内で、全期チルメル式責任準備金相当額超過額をマージンに反映することが規定されており、本計算においてもこれを反映しております。また、保有契約価値の計算において、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金に加え、保険契約に係るその他有価証券評価差額金、一般貸倒引当金及び劣後債を含めて評価しており、これらの準備金等がマージンに含まれるため、当社の前事業年度末及び当事業年度末における必要資本はゼロとなりました。ただし、これらの準備金等は将来において戻入されることを想定しているため、将来における必要資本は必ずしもゼロではありません。
(7) ヘッジ不能リスクに係る費用
EEV原則では、「EVは対象事業のリスク全体を考慮した上で、対象事業に割り当てられた資産から発生する分配可能利益の中の株主分の現在価値」と定義されており、すべてのリスクを勘案してEEVを計算することが求められております。
一部のリスクについては、最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提だけではEEVに与えるさまざまな影響を十分に反映できない場合があり、EEVの計算において、ヘッジ不能リスクに係る費用として認識するという補正が必要となります。このような例として、オペレーショナル・リスクや大災害リスク等が挙げられております。
また、将来、剰余が発生した場合には税金を支払いますが、損失が発生した場合には税金はゼロとなります。この場合でも、税務上の欠損金の多くは翌年度以降に繰り越すことにより回収可能と考えられますが、繰越期間内に回収できないリスクが存在しております。
さらに、計算に用いるリスク・フリー・レートのうち、超長期の金利には十分な取引のある市場が存在しないことにより、価値の不確実性が存在しております。
当社では、簡易モデルによってヘッジ不能リスクに係る費用を推定しております。
(8) 新契約価値の計算方法
当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値であります。
計算対象は、新契約及び特約の中途付加であり、既契約の更新は含めておりません。2017年10月2日の無配当傷害医療特約及び無配当総合医療特約の販売開始に伴い、中途付加時の切替加入(注)を認めております。この切替加入契約の新契約価値としては、旧特約の価値からの正味増加分を反映しております。また、経済前提は2018年12月末時点のもの、非経済前提は保有契約価値と同一の期末時点のものを用いております。
新契約価値の評価について、当社では、実際の契約者配当の水準を、保有契約全体の損益に基づいて決定していることを踏まえ、新契約を獲得した場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVと、新契約を獲得しなかった場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVの差とするマージナル方式としております。マージナル方式では、新契約獲得に伴う分散効果によるリスクの軽減の影響等も新契約価値として評価されております。
(注) 医療特約の約款に定められている医療特約の中途付加と同時に旧特約を解約する場合の特則を適用して加入すること。
付録B EEV計算における主な前提条件
(1) 経済前提
① リスク・フリー・レート
a.参照金利
確実性等価将来利益現価の計算においては、当社の保有資産等を考慮し、リスク・フリー・レートとして、評価日時点の国債を使用しております。
b.超長期の金利の補外方法
参照金利のない超長期の金利は、終局金利を用いて補外しております。
具体的には終局金利として3.5%を仮定し、日本国債の流動性等を踏まえ補外開始年度を30年目と設定しております。31年目以降のフォワード・レートは補外開始年度以降30年間で終局金利の水準に収束するようにSmith-Wilson法により補外しております。
計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
| 期間 | 2018年3月31日 | 2019年3月31日 |
| 1年 | △0.134% | △0.178% |
| 2年 | △0.137% | △0.183% |
| 3年 | △0.118% | △0.195% |
| 4年 | △0.118% | △0.211% |
| 5年 | △0.108% | △0.202% |
| 10年 | 0.043% | △0.081% |
| 15年 | 0.293% | 0.165% |
| 20年 | 0.542% | 0.358% |
| 25年 | 0.709% | 0.492% |
| 30年 | 0.778% | 0.538% |
| 40年 | 1.194% | 0.981% |
| 50年 | 1.620% | 1.446% |
| 60年 | 1.926% | 1.782% |
(データ:財務省 補正後)
新契約価値の計算に用いるリスク・フリー・レート
| 期間 | 前事業年度の新契約価値 (2017年9月30日) | 当事業年度の新契約価値 (2018年12月31日) |
| 1年 | △0.134% | △0.148% |
| 2年 | △0.120% | △0.139% |
| 3年 | △0.105% | △0.155% |
| 4年 | △0.093% | △0.158% |
| 5年 | △0.078% | △0.152% |
| 10年 | 0.062% | 0.014% |
| 15年 | 0.335% | 0.297% |
| 20年 | 0.599% | 0.530% |
| 25年 | 0.837% | 0.690% |
| 30年 | 0.899% | 0.765% |
| 40年 | 1.281% | 1.186% |
| 50年 | 1.689% | 1.614% |
| 60年 | 1.985% | 1.921% |
(データ:財務省 補正後)
② 経済シナリオ(リスク中立シナリオ)
a.金利モデル
金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、豪ドルを通貨とする確率論的αβρ-LIBOR マーケットモデル(注)を構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。オプションと保証の時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。
シナリオのキャリブレーションに使用した金利スワップションのインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。
(注) 当事業年度末EEV及び当事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルを変更しております。前事業年度末EEV及び前事業年度の新契約価値を計算するための金利モデルは1ファクターHull-Whiteモデルによります。
金利スワップション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 2018年3月31日 | 2019年3月31日 | ||||||||
| オプション期間 | スワップ 期間 | 日本円 | 米ドル | ユーロ | 豪ドル | 日本円 | 米ドル | ユーロ | 豪ドル |
| 5年 | 5年 | 21.4bp | 75.3bp | 62.8bp | 62.6bp | 20.7bp | 67.3bp | 47.9bp | 61.0bp |
| 5年 | 7年 | 22.8bp | 72.6bp | 62.5bp | 62.0bp | 21.8bp | 65.5bp | 48.2bp | 60.8bp |
| 5年 | 10年 | 25.2bp | 71.7bp | 61.7bp | 60.7bp | 23.6bp | 64.0bp | 48.5bp | 60.7bp |
| 7年 | 5年 | 24.6bp | 72.5bp | 64.3bp | 63.2bp | 24.2bp | 67.6bp | 51.8bp | 59.0bp |
| 7年 | 7年 | 25.9bp | 70.7bp | 63.8bp | 61.9bp | 25.0bp | 65.4bp | 51.7bp | 58.8bp |
| 7年 | 10年 | 27.4bp | 68.1bp | 62.9bp | 59.8bp | 25.9bp | 63.7bp | 51.3bp | 58.5bp |
| 10年 | 5年 | 28.0bp | 68.5bp | 63.7bp | 63.7bp | 28.0bp | 66.1bp | 54.5bp | 54.3bp |
| 10年 | 7年 | 29.2bp | 66.4bp | 63.3bp | 61.2bp | 28.8bp | 61.3bp | 54.2bp | 54.8bp |
| 10年 | 10年 | 30.3bp | 64.0bp | 62.4bp | 58.6bp | 29.1bp | 62.8bp | 53.6bp | 54.2bp |
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 前事業年度の新契約価値 (2017年9月30日) | 当事業年度の新契約価値 (2018年12月31日) | ||||||||
| オプション期間 | スワップ 期間 | 日本円 | 米ドル | ユーロ | 豪ドル | 日本円 | 米ドル | ユーロ | 豪ドル |
| 5年 | 5年 | 23.8bp | 77.0bp | 65.3bp | 70.8bp | 21.8bp | 79.0bp | 62.4bp | 54.5bp |
| 5年 | 7年 | 25.4bp | 76.2bp | 66.0bp | 73.6bp | 24.0bp | 76.4bp | 61.8bp | 57.0bp |
| 5年 | 10年 | 28.0bp | 75.3bp | 66.2bp | 76.2bp | 26.6bp | 74.0bp | 60.6bp | 59.8bp |
| 7年 | 5年 | 27.0bp | 76.5bp | 68.1bp | 72.3bp | 25.7bp | 76.0bp | 64.6bp | 54.3bp |
| 7年 | 7年 | 27.7bp | 75.2bp | 68.1bp | 75.0bp | 27.3bp | 74.5bp | 63.8bp | 56.4bp |
| 7年 | 10年 | 30.3bp | 73.5bp | 68.1bp | 78.5bp | 29.1bp | 72.1bp | 62.7bp | 58.2bp |
| 10年 | 5年 | 30.5bp | 75.9bp | 68.8bp | 73.1bp | 29.2bp | 71.6bp | 64.8bp | 54.1bp |
| 10年 | 7年 | 30.2bp | 74.0bp | 68.5bp | 76.9bp | 30.4bp | 71.3bp | 64.1bp | 54.4bp |
| 10年 | 10年 | 32.7bp | 69.7bp | 67.6bp | 81.6bp | 31.7bp | 67.1bp | 63.0bp | 53.8bp |
(データ:Bloomberg)
b.株式・通貨のインプライド・ボラティリティ
主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。シナリオのキャリブレーションに使用したインプライド・ボラティリティ(抜粋)は以下のとおりであります。なお、当社が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比(2018年12月31日:94.0%、2019年3月31日:95.2%)を下記の日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。
株式オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 通貨 | 原資産 | オプション期間 | 2018年3月31日 | 2019年3月31日 |
| 日本円 | 日経225 | 3年 | 18.5% | 17.8% |
| 4年 | 18.5% | 17.9% | ||
| 5年 | 18.6% | 17.9% | ||
| 米ドル | S&P 500 | 3年 | 18.6% | 17.4% |
| 4年 | 19.2% | 18.0% | ||
| 5年 | 19.9% | 18.5% | ||
| ユーロ | Euro Stoxx 50 | 3年 | 16.2% | 15.4% |
| 4年 | 16.4% | 15.7% | ||
| 5年 | 16.6% | 15.8% |
(データ:Markit 補正後)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 通貨 | 原資産 | オプション期間 | 前事業年度の新契約価値 (2017年9月30日) | 当事業年度の新契約価値 (2018年12月31日) |
| 日本円 | 日経225 | 3年 | 18.3% | 19.2% |
| 4年 | 18.7% | 19.0% | ||
| 5年 | 18.9% | 18.9% | ||
| 米ドル | S&P 500 | 3年 | 16.3% | 18.9% |
| 4年 | 17.3% | 19.3% | ||
| 5年 | 18.3% | 19.7% | ||
| ユーロ | Euro Stoxx 50 | 3年 | 17.2% | 16.6% |
| 4年 | 17.7% | 16.5% | ||
| 5年 | 18.2% | 16.4% |
(データ:Markit 補正後)
通貨オプション
保有契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 通貨 | オプション期間 | 2018年3月31日 | 2019年3月31日 |
| 米ドル | 10年 | 10.7% | 10.8% |
| ユーロ | 10年 | 11.0% | 11.0% |
| 豪ドル | 10年 | 15.8% | 15.6% |
(データ:Bloomberg)
新契約価値の計算に用いるインプライド・ボラティリティ
| 通貨 | オプション期間 | 前事業年度の新契約価値 (2017年9月30日) | 当事業年度の新契約価値 (2018年12月31日) |
| 米ドル | 10年 | 11.7% | 10.9% |
| ユーロ | 10年 | 12.5% | 11.5% |
| 豪ドル | 10年 | 15.8% | 15.7% |
(データ:Bloomberg)
c.相関係数
前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元に当社の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。
相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。
主要な変数間の相関係数は以下のとおりであります。
保有契約価値の計算で使用
| 金利 10年/ 日本円 | 金利 10年/ 米ドル | 金利 10年/ ユーロ | 金利 10年/ 豪ドル | 米ドル /日本円 | ユーロ /日本円 | 豪ドル /日本円 | 国内株式 インデッ クス /日本円 | 外国株式 インデッ クス /日本円 | |
| 金利10年 /日本円 | 1.00 | 0.54 | 0.49 | 0.41 | 0.40 | 0.31 | 0.23 | 0.36 | 0.35 |
| 金利10年 /米ドル | 0.54 | 1.00 | 0.77 | 0.78 | 0.46 | 0.55 | 0.48 | 0.52 | 0.58 |
| 金利10年 /ユーロ | 0.49 | 0.77 | 1.00 | 0.67 | 0.24 | 0.58 | 0.43 | 0.37 | 0.45 |
| 金利10年 /豪ドル | 0.41 | 0.78 | 0.67 | 1.00 | 0.36 | 0.55 | 0.59 | 0.49 | 0.54 |
| 米ドル /日本円 | 0.40 | 0.46 | 0.24 | 0.36 | 1.00 | 0.63 | 0.49 | 0.62 | 0.60 |
| ユーロ /日本円 | 0.31 | 0.55 | 0.58 | 0.55 | 0.63 | 1.00 | 0.75 | 0.62 | 0.77 |
| 豪ドル /日本円 | 0.23 | 0.48 | 0.43 | 0.59 | 0.49 | 0.75 | 1.00 | 0.68 | 0.84 |
| 国内株式 インデッ クス /日本円 | 0.36 | 0.52 | 0.37 | 0.49 | 0.62 | 0.62 | 0.68 | 1.00 | 0.80 |
| 外国株式 インデッ クス /日本円 | 0.35 | 0.58 | 0.45 | 0.54 | 0.60 | 0.77 | 0.84 | 0.80 | 1.00 |
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
新契約価値の計算で使用
| 金利 10年/ 日本円 | 金利 10年/ 米ドル | 金利 10年/ ユーロ | 金利 10年/ 豪ドル | 米ドル /日本円 | ユーロ /日本円 | 豪ドル /日本円 | 国内株式 インデッ クス /日本円 | 外国株式 インデッ クス /日本円 | |
| 金利10年 /日本円 | 1.00 | 0.54 | 0.49 | 0.40 | 0.37 | 0.25 | 0.18 | 0.33 | 0.31 |
| 金利10年 /米ドル | 0.54 | 1.00 | 0.77 | 0.75 | 0.43 | 0.42 | 0.35 | 0.44 | 0.47 |
| 金利10年 /ユーロ | 0.49 | 0.77 | 1.00 | 0.65 | 0.19 | 0.47 | 0.33 | 0.34 | 0.40 |
| 金利10年 /豪ドル | 0.40 | 0.75 | 0.65 | 1.00 | 0.39 | 0.53 | 0.56 | 0.46 | 0.52 |
| 米ドル /日本円 | 0.37 | 0.43 | 0.19 | 0.39 | 1.00 | 0.64 | 0.51 | 0.57 | 0.56 |
| ユーロ /日本円 | 0.25 | 0.42 | 0.47 | 0.53 | 0.64 | 1.00 | 0.78 | 0.60 | 0.77 |
| 豪ドル /日本円 | 0.18 | 0.35 | 0.33 | 0.56 | 0.51 | 0.78 | 1.00 | 0.64 | 0.82 |
| 国内株式 インデッ クス /日本円 | 0.33 | 0.44 | 0.34 | 0.46 | 0.57 | 0.60 | 0.64 | 1.00 | 0.80 |
| 外国株式 インデッ クス /日本円 | 0.31 | 0.47 | 0.40 | 0.52 | 0.56 | 0.77 | 0.82 | 0.80 | 1.00 |
(データ:日本円金利は財務省、その他はBloomberg)
③ 将来の資産構成
当社の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。
また、当社の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び豪ドル建から構成されるとみなしております。
④ 期待収益計算上の期待収益率
「前事業年度末EEVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(リスク・フリー・レート分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。
| 国債 | △0.134%:1年国債金利 |
| 短資 | △0.134%:1年国債金利 |
| 地方債 | △0.084%:1年国債金利+信用スプレッド(0.050%) |
| 政府保証債 | △0.094%:1年国債金利+信用スプレッド(0.040%) |
| 普通社債等 | △0.034%:1年国債金利+信用スプレッド(0.100%) |
期待収益(超過収益分)の計算に用いる期待収益率は、前事業年度末における資産占率に上記の期待収益率を乗じることにより算出しております。会社全体における資産占率考慮後の期待収益率は、0.078%であります。
(2) 非経済前提
保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して(最良推計(ベスト・エスティメイト)による前提)予測しております。
① 事業費
a.事業費の前提は、事業費実績を基に算出し、子会社に係るルック・スルー調整を行っております。また、将来、経常的に発生しないと考えられる一時費用(将来の業務効率化に資する施策の経費)を控除する一方、追加的に発生すると考えられる費用を加算する調整を行っております。
なお、将来の事業費の改善については織り込んでおりません。
b.翌事業年度から、従来当社が日本郵便株式会社に支払っていた手数料の一部に相当する額を、郵政管理・支援機構への拠出金として拠出することになります。これを踏まえ、将来の事業費前提については、拠出金の拠出とそれに伴う手数料の見直しを反映しております。
c.将来の消費税については、2019年9月までは8%、2019年10月以降は10%としております。
d.将来のインフレ率はリスク・フリー・レートの補外開始年度(経過30年)まではゼロとしております。リスク・フリー・レートの補外開始年度を超える期間についてはフォワード・レートの上昇に応じてインフレ率が上昇し、終局水準を2%としております。
② 契約者配当
現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。
なお、郵政管理・支援機構への再保険配当については、郵政管理・支援機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。
③ 実効税率
直近の実効税率に基づき、以下の実効税率を用いております。
2018年3月期 : 28.24%
2019年3月期以降 : 28.00%
(参考6) 主要な財務数値等の新旧区分別実績
当社は、郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを受再しております。また、当該再保険契約に基づき、簡易生命保険契約及びそこから生じた利益を他の保険契約と区分して管理しており、過年度の実績の推移は下表のとおりであります。
下表における旧区分の数値は、上記に基づき算出した簡易生命保険契約に係るものであり、新区分の数値は、全体から旧区分の数値を差し引いたものであります。よって、下表は当社の内部管理上の数値であり、企業会計原則に則って作成される数値ではありません。
| 回次 | 第9期 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | |
| 決算年月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | |
| 総資産 | (億円) | 849,119 | 815,436 | 803,364 | 768,325 | 739,045 |
| 旧区分 | 617,030 | 558,327 | 514,475 | 466,849 | 413,540 | |
| 新区分 | 232,089 | 257,108 | 288,888 | 301,475 | 325,505 | |
| 保有契約件数 | (千件) | 33,489 | 32,323 | 31,562 | 30,405 | 29,143 |
| 旧区分(保険) | 19,949 | 16,972 | 14,411 | 12,484 | 11,048 | |
| 新区分(個人保険) | 13,539 | 15,350 | 17,150 | 17,921 | 18,095 | |
| 保険料等収入 | (億円) | 59,567 | 54,138 | 50,418 | 42,364 | 39,599 |
| 旧区分 | 16,971 | 13,223 | 10,028 | 7,552 | 5,903 | |
| 新区分 | 42,595 | 40,915 | 40,390 | 34,812 | 33,695 | |
| 経常利益 | (億円) | 4,931 | 4,130 | 2,793 | 3,088 | 2,651 |
| 旧区分 | 3,771 | 2,580 | 1,852 | 1,370 | 1,139 | |
| 新区分 | 1,160 | 1,549 | 940 | 1,717 | 1,511 | |
| 当期純利益 | (億円) | 817 | 863 | 885 | 1,043 | 1,209 |
| 旧区分 | 369 | 328 | 260 | 168 | 167 | |
| 新区分 | 447 | 534 | 624 | 874 | 1,041 | |
| 危険準備金繰入額 | (億円) | △900 | △1,238 | △1,208 | △1,396 | △1,515 |
| 旧区分 | △1,671 | △1,711 | △1,728 | △1,737 | △1,735 | |
| 新区分 | 770 | 473 | 520 | 340 | 219 | |
| 価格変動準備金繰入額 | (億円) | 979 | 701 | 64 | 1,280 | △192 |
| 旧区分 | 721 | 89 | 126 | 170 | △36 | |
| 新区分 | 258 | 611 | △61 | 1,109 | △155 | |
| 追加責任準備金繰入額 | (億円) | △683 | △555 | △504 | △306 | △502 |
| 旧区分 | △683 | △555 | △504 | △476 | △466 | |
| 新区分 | - | - | - | 170 | △35 | |
