訂正有価証券報告書-第28期(平成27年3月1日-平成28年2月29日)

【提出】
2016/06/30 9:27
【資料】
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【項目】
124項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、当社グループの根幹である食品関連は僅かに増加いたしましたが、IT・工業材関連をはじめ、その他の用途区分については減収となりました。主な要因は、中国経済の鈍化によるIT・工業材関連の伸び悩みや原油価格の下落に伴う販売価格の下落等であり、前連結会計年度に比べて966百万円(3.1%)減少し、30,413百万円となりました。
② 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、売上高は減少したものの、着実に利益確保を図り、昨年に引き続き、改善活動による無駄・ロスの削減を徹底し、生産の効率化等による製造原価の低減、販売費及び一般管理費の削減を推進したこと等により、前連結会計年度に比べて114百万円(11.6%)増加し、1,100百万円となりました。
③ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、三国紙工株式会社を持分法適用関連会社としたことに伴う持分法による投資利益79百万円を計上したものの、円高の進行により前連結会計年度は為替差益80百万円だったものが、当連結会計年度は為替差損44百万円となった影響や株式公開費用34百万円を計上したこと等により、前連結会計年度に比べて2百万円(0.2%)の増加にとどまり、1,167百万円となりました。
④ 当期純利益
当連結会計年度の当期純利益は、配送センターの一部売却等による固定資産売却益61百万円及び法人税等517百万円(前年同期比64百万円減)を計上したこと等により、前連結会計年度に比べて94百万円(15.9%)増加し、691百万円となりました。
(3)財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ324百万円減少し、23,497百万円となりました。
流動資産につきましては、電子記録債権が478百万円、たな卸資産が115百万円それぞれ増加したものの、現金及び預金が141百万円、受取手形及び売掛金が1,152百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ794百万円減少し、12,086百万円となりました。
固定資産につきましては、持分法適用関連会社となった三国紙工株式会社の第三者割当増資の引受け等に伴い投資有価証券が260百万円、生産能力増強を目的とした設備投資等に伴い有形固定資産が247百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ470百万円増加し、11,411百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ684百万円減少し、13,999百万円となりました。
流動負債につきましては、電子記録債務が195百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が845百万円、未払法人税等が124百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ935百万円減少し、10,966百万円となりました。
固定負債につきましては、退職給付に関する会計基準等の適用に伴い退職給付に係る負債が269百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ250百万円増加し、3,032百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ360百万円増加し、9,498百万円となりました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ77百万円、当期純利益の計上及び退職給付に関する会計基準等の適用に伴う減少等により利益剰余金が370百万円増加したこと等によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ141百万円減少し、2,587百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,267百万円(前連結会計年度は、808百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,199百万円、減価償却費842百万円及び売上債権の減少額654百万円等による増加要因が、たな卸資産の増加額135百万円、仕入債務の減少額516百万円、未払消費税等の減少額175百万円及び法人税等の支払額577百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,454百万円(前連結会計年度は、1,737百万円の減少)となりました。これは、配送センターの一部売却等の有形固定資産の売却による収入95百万円等による増加要因が、生産加工設備等の有形固定資産の取得による支出1,499百万円及び持分法適用関連会社となった三国紙工株式会社の第三者割当増資の引受け等の投資有価証券の取得による支出165百万円等による減少要因を下回ったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、74百万円(前連結会計年度は、334百万円の増加)となりました。これは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入150百万円、短期借入金の純増額79百万円及び長期借入金の純増額56百万円等による増加要因が、配当金の支払額198百万円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
わが国経済は、政府の経済対策を背景に雇用情勢や企業収益は改善しているものの、全般的に足踏み状態となっています。消費者マインドは持ち直しつつありますが、この冬の暖冬の影響もあって、実際の個人消費にはさほど勢いがありません。また、外国人によるインバウンド消費はまだまだ活発な状況が続いており、景気を押し上げる要因となっていますが、中国をはじめとする海外経済の減速傾向や円安による物価上昇等、景気を下押しするリスクが存在し、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。
今後の見通しといたしましては、当社グループの属する業界におきましては、個人消費の影響が大きい食品業界は安定しているものの、IT業界や住宅業界の業績が不透明で、厳しい経営環境が続くものと思われます。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは「クリーン&セイフティ」を合言葉に、自然環境や労働環境に配慮した製品、技術の開発、素材の改良など、社会が必要とするものづくりに努め、常に顧客に満足いただけるものを供給し続けてまいります。
そして、当社グループが引き続き成長していくためには、①主力部門である食品関連における自社開発品の販売強化と顧客ニーズへの迅速な対応、②IT・工業材関連、医療・医薬関連におけるNSセパ(自社ブランド)の販売強化と徹底したクリーン環境での品質安定の推進、③建材関連、生活資材関連における連結子会社との連携による同業他社に負けない競争力の強化が重要であります。また、当社グループ事業の基盤となる従業員の成長を促す教育制度の継続とコンプライアンス遵守の体制を築き、社会に信用される企業にしてまいります。
当社グループでは目指す企業像として、「全天候型グローバル企業」を掲げ、その実現に向け対応しております。これは単に経済的な企業価値を追求するだけでなく、「人にやさしい、地球にやさしい」という社会的な企業価値を高めて、あらゆるステークホルダーから信頼される企業像を実現していこうというものです。
当社グループとしては継続的に事業構造を見直すことで、収益構造を改善するとともに、従来とは異なる成長領域を生み出し、多彩な領域と新陳代謝のあるバランスのとれた事業構造を目指しております。
そのために、常に新しい技術に取り組み、顧客に密着したマーケティング活動を行い、グローバル規模で顧客や社会のニーズを先取りしていくことを強力に推進してまいります。