有価証券報告書-第14期(2023/03/01-2024/02/29)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の状況)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,956,394千円増加し、9,651,423千円となりました。これは主に、関係会社株式の取得により現金及び預金が1,825,084千円減少した一方で、子会社株式取得に係る前払いにより仮払金が3,198,530千円増加、RBKJの商品拡充により商品が743,504千円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて146,289千円減少し、2,130,890千円となりました。これは主に、関係会社株式が170,762千円増加した一方で、繰延税金資産が264,513千円減少したことによるものであります。
c. 負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,336,558千円増加し、5,374,886千円となりました。これは主に、短期借入金が1,600,000千円増加したことによるものであります。
d. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて473,546千円増加し、6,407,427千円となりました。これは主に、自己株式が615,165千円増加(純資産の減少)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,001,796千円増加したことによるものであります。
(経営成績の状況)
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれんの償却額
2.当社グループでは、2020年2月期よりのれんの償却が発生しておりますが、今後とも事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討していく方針であり、のれんの償却が増加する可能性があります。この点を考慮し、EBITDAを参考指標として開示しております。
3.ECモール事業の受託型については販売された商品の手数料を、プラットフォーム事業についてはサービスの手数料を売上高として計上しております。
4.( )内は商品取扱高に対する割合を記載しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました出荷件数、平均出荷単価、平均商品単価は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
各事業部の業績は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるマクロ経済環境は、昨年度対比新型コロナウィルス感染症の需要供給面への影響が解消したものの、第3四半期及び第4四半期は、猛暑により秋冬物の動きが伸び悩みました。また、消費者物価指数の上昇、各国の金融政策の変更に伴う景気減速懸念、地政学リスクの高まりなど、依然不透明感も解消しておりません。
一方で、当社グループの主たる事業領域であるファッションEC市場に関しては、2022年度は前年比+5%、ファッション市場全体に占めるEC割合、いわゆるEC化率も21.6%まで増加し(経済産業省調べ)引き続き成長して行く市場であると見込まれています。またECだけでなく店舗や物流などあらゆる領域をデジタル化を通じて効率化していくDX(デジタルトランスフォーメーション)需要も年々増加し、流通小売市場における国内DX投資額は2020年から30年までの10年間で5.6倍と大幅に増えて行く事が見込まれています(富士キメラ総研調べ)。
このような状況下、当社グループはECモール事業、プラットフォーム(DX)事業、ブランド事業という相互補完的かつ各々が競争優位性を有する3つの事業を展開しております。
ECモール事業における主軸のサービス「靴を買うならロコンド」でおなじみのLOCONDO.jpではウェブ広告等を通じた認知度向上とブランド数や品揃えの充実という需要供給両面での向上に引き続き努めて参りました。加えて当社グループは様々な消費者ニーズを捉えるためM&Aを通じた「多モール展開」戦略を実行しておりますが、現在はアパレルメインのFashion Walker、サッカー専門店のSWS、海外バイヤーの販売プラットフォームであるwajaと合計4つのECモールを展開し、これらも同様に需要供給両面での向上を進めて参りました。なお、これらのウェブサイトは全て異なるものの、その裏側であるITインフラや物流インフラは全て一元化されているため、複数のモールを効率的に運営できるのが当社グループの強みになります。
プラットフォーム(DX)事業においては、自社公式EC運営(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗POSレジ(LOCOPOS)、店舗欠品フォロー(LOCOCHOC)、基幹システム(LoCORE)など、ファッション業界において必要とされるITインフラと物流インフラを全て有しているため一括受託(ALL-IN-ONE)が可能である事、またe-3PLにおきましては他のEC企業ではどこも対応できていない、百貨店や卸への出荷も全て対応できる事が当社グループの強みになります。さらにECモール事業における新機能や改修がシームレスにBOEM、LOCOPOS、LOCOCHOCに展開される体制を敷いているため、利用企業様については低コストで最新鋭の技術を享受頂ける事も本プラットフォームサービスの強みになっております。
ブランド事業においては、2020年以降、様々なインフルエンサーとコラボレーションブランド企画を展開し、売上増とジェイドグループの認知度向上の2つを実現しながらインフルエンサーマーケティングノウハウを蓄積して参りました。さらに、前連結会計年度からは伊藤忠商事株式会社との新設子会社であるRBKJ株式会社(出資比率はジェイドグループ66%、伊藤忠商事34%)を通じてグローバルスポーツブランドのReebok国内販売権を獲得し、ReebokのEC、直営店舗、卸事業を展開して参りました。Reebok事業の展開に際しては、弊社のプラットフォーム事業を活用し、PMI(Post Merger Integration: 買収後の統合)を予定通り行うことでスムーズな事業の立ち上げを実現するとともに、ECモール事業で培ったSNSマーケティングノウハウを活用する事でブランドの更なる知名度向上を実現してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度においてはReebok事業が牽引し、商品取扱高は25,914,970千円(前年同期比9.7%増)で着地致しました。売上高は13,356,170千円(前年同期比27.6%増)となりました。売上総利益は10,000,631千円(前年同期比19.7%増)となりました。当社グループは実質的な成長度合や収益性を評価するため、売上総利益から変動費用を差し引いた「限界利益(= 商品取扱高 × 限界利益率)」という指標を重視しておりますが、限界利益は商品取扱高の増加、および物流フローの効率化やウェブ広告の効率化、各種手数料の引き下げ等の変動費用の抑制、及びReebok事業が順調に開始されたことで5,264,878千円(前年同期比30.4%増)で着地できました。限界利益から「固定費用」を差し引いた数値が各種利益項目になりますが、固定費用面はReebok事業の開始に伴う賃料等の増加によって当連結会計年度の地代家賃等は1,647,047千円(前年同期比16.3%増)と増加しましたが、広告宣伝費を中心にコストコントロールを進めた結果、532,412千円の増加に留めることができました。なお、マガシークの買収に伴い、2025年3月よりロコポートIを新たに稼働させることとなることで、2025年度から賃料は年間約500,000千円増加することを見込んでおりますが、マガシーク社も含めたジェイドグループとしての効率化を実現することで通期業績への影響を緩和できるように取り組んでまいる所存です。結果、EBITDAは1,878,733千円(前年同期比60.6%増)、営業利益は1,685,233千円(前年同期比70.0%増)、経常利益は1,705,344千円(前年同期比76.9%増)と、倉庫家賃増の影響を受けながらも増益で着地できました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,001,796千円(前年同期比20.4%減)となりました。
なお、2024年度にはマガシーク、FASCINATE、BRANDELI、TCB jeansもグループの一員となります。弊社は、2018年からファッションEC市場における『圧倒的な2位』を目指すと中期ビジョンとしてお伝えしてまいりましたが、本株式取得によってグループ取扱高は286億円(2024年2月期、親子相殺前)から約600億円(マガシーク2024年3月期見込値を含む概算値)と2倍の規模へと拡大する事で、この中期ビジョンを実現する事ができます。
さらにマガシーク買収を通じて、日本の通信業界を牽引する携帯電話会社が「集客」を支援し、日本のファッション業界を牽引する総合商社が「品揃え」を支援するという、ECにとっての2大重要要素を、各業界のリーディングカンパニーが支える完璧なバックアップ体制が構築されることとなります。「ファッションEC業界の取扱高1位を目指すためのパートナーシップの構築」という、将来に向けた大きな価値を得られたとも言え、その実現を目指してまいります。
各事業別の業績は以下のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業セグメントは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.「自社モール」とは、「LOCONDO.jp」「FASHIONWALKER」「SPORTS WEB SHOPPERS」「waja bazar」の取扱高等になります。
3.「他社モール」とは、「楽天市場」及び「Yahoo!ショッピング」など他社モールにて展開する取扱高等になります。
4.ECモール事業の受託型に係る売上高については、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました受託型商品取扱高比率は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
a.ECモール事業
ECモール事業につきましては、複数ブランドをジェイドグループの屋号でもって、通販サイト経由で販売する事業で、販売在庫の中には受託型と買取型の2種類があります。一部の海外輸入ブランドや当社が自社開発しているD2Cブランドは買取型に当たります。商品取扱高は商品の販売価格を基に記載しておりますが、売上高は買取型については商品の販売価格を計上し、受託型については販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SPORTS WEB SHOPPERS」、「waja bazar」の運営、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」など他社モールへの出店を行っており、当連結会計年度においては出店ブランド数3,283となり、商品取扱高は16,243,358千円(前年同期比6.4%減)、売上高は7,071,988千円(前年同期比3.2%減)となりました。
b.プラットフォーム事業
プラットフォーム事業につきましては、ブランドの自社公式EC支援(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗の欠品及び品揃え補強(LOCOCHOC)の運営等を行っております。「BOEM」における支援ブランド数は当連結会計年度末時点で33ブランドとなりました。これにより、当連結会計年度の商品取扱高は7,463,011千円(前年同期比33.5%増)、売上高は4,154,598千円(前年同期比67.9%増)となりました。
なお、倉庫受託(e-3PL)に関しては、ユーザーへの販売を伴わない商品補充等の出荷も含まれるため、その出荷額は商品取扱高には含めておりません。
c.その他事業(店舗・卸等)
店舗・卸事業につきましては、主にRBKJにて、リアル店舗での販売及び小売店への販売を行なっております。
当該事業の当連結会計年度の商品取扱高は2,208,600千円(前年同期比226.4%増)、売上高は2,129,583千円(前年同期比212.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,809,197千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は814,529千円となりました。これは主に棚卸資産が751,171千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上1,656,693千円によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は3,567,005千円となりました。これは主に、子会社株式取得に係る前払金の支出3,198,750千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は948,971千円となりました。これは主に自己株式の取得による支出669,231千円の一方で、短期借入金の増加1,600,000千円によるものであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ECモール事業における買取型及び店舗・卸等事業における商品の仕入費用及び商品を販売するために投下する広告宣伝費、商品を保管する倉庫の賃借料等の販売費、一般管理費があります。また、設備投資資金需要として倉庫の設備増強及びEC基幹システムへの投資等があります。
加えて、当社グループは、競争が激化するファッションEC市場において、既存サービス等との相乗効果が期待できる場合や、新サービスを導入することにより将来的な事業展開につながる可能性があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討をしていく方針であり、これらの施策のための資金需要があります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
販売実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討の内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、当社グループは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の動向等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態の状況)
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,956,394千円増加し、9,651,423千円となりました。これは主に、関係会社株式の取得により現金及び預金が1,825,084千円減少した一方で、子会社株式取得に係る前払いにより仮払金が3,198,530千円増加、RBKJの商品拡充により商品が743,504千円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて146,289千円減少し、2,130,890千円となりました。これは主に、関係会社株式が170,762千円増加した一方で、繰延税金資産が264,513千円減少したことによるものであります。
c. 負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,336,558千円増加し、5,374,886千円となりました。これは主に、短期借入金が1,600,000千円増加したことによるものであります。
d. 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて473,546千円増加し、6,407,427千円となりました。これは主に、自己株式が615,165千円増加(純資産の減少)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,001,796千円増加したことによるものであります。
(経営成績の状況)
| (単位:千円) | |||||
| 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 対前年 増減率 | |||
| 商品取扱高 | 23,629,586 | (100.0%) | 25,914,970 | (100.0%) | 9.7% |
| 売上高(注)3 | 10,464,483 | (44.3%) | 13,356,170 | (51.5%) | 27.6% |
| 売上総利益 | 8,353,695 | (35.4%) | 10,000,631 | (38.6%) | 19.7% |
| EBITDA(注)1、2 | 1,169,494 | (4.9%) | 1,878,733 | (7.2%) | 60.6% |
| 営業利益 | 991,248 | (4.2%) | 1,685,233 | (6.5%) | 70.0% |
| 経常利益 | 963,944 | (4.1%) | 1,705,344 | (6.6%) | 76.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,258,432 | (5.3%) | 1,001,796 | (3.9%) | △20.4% |
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれんの償却額
2.当社グループでは、2020年2月期よりのれんの償却が発生しておりますが、今後とも事業の成長加速のためM&Aを積極的に検討していく方針であり、のれんの償却が増加する可能性があります。この点を考慮し、EBITDAを参考指標として開示しております。
3.ECモール事業の受託型については販売された商品の手数料を、プラットフォーム事業についてはサービスの手数料を売上高として計上しております。
4.( )内は商品取扱高に対する割合を記載しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました出荷件数、平均出荷単価、平均商品単価は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
各事業部の業績は以下のとおりであります。
| (単位:千円) | ||||
| 前連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | ||||
| JADE | RBKJ | 相殺消去 | 連結 | |
| 商品取扱高 | 22,939,396 | 1,458,636 | △768,446 | 23,629,586 |
| (単位:千円) | ||||
| 当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | ||||
| JADE | RBKJ | 相殺消去 | 連結 | |
| 商品取扱高 | 23,199,229 | 5,497,900 | △2,782,159 | 25,914,970 |
当連結会計年度におけるマクロ経済環境は、昨年度対比新型コロナウィルス感染症の需要供給面への影響が解消したものの、第3四半期及び第4四半期は、猛暑により秋冬物の動きが伸び悩みました。また、消費者物価指数の上昇、各国の金融政策の変更に伴う景気減速懸念、地政学リスクの高まりなど、依然不透明感も解消しておりません。
一方で、当社グループの主たる事業領域であるファッションEC市場に関しては、2022年度は前年比+5%、ファッション市場全体に占めるEC割合、いわゆるEC化率も21.6%まで増加し(経済産業省調べ)引き続き成長して行く市場であると見込まれています。またECだけでなく店舗や物流などあらゆる領域をデジタル化を通じて効率化していくDX(デジタルトランスフォーメーション)需要も年々増加し、流通小売市場における国内DX投資額は2020年から30年までの10年間で5.6倍と大幅に増えて行く事が見込まれています(富士キメラ総研調べ)。
このような状況下、当社グループはECモール事業、プラットフォーム(DX)事業、ブランド事業という相互補完的かつ各々が競争優位性を有する3つの事業を展開しております。
ECモール事業における主軸のサービス「靴を買うならロコンド」でおなじみのLOCONDO.jpではウェブ広告等を通じた認知度向上とブランド数や品揃えの充実という需要供給両面での向上に引き続き努めて参りました。加えて当社グループは様々な消費者ニーズを捉えるためM&Aを通じた「多モール展開」戦略を実行しておりますが、現在はアパレルメインのFashion Walker、サッカー専門店のSWS、海外バイヤーの販売プラットフォームであるwajaと合計4つのECモールを展開し、これらも同様に需要供給両面での向上を進めて参りました。なお、これらのウェブサイトは全て異なるものの、その裏側であるITインフラや物流インフラは全て一元化されているため、複数のモールを効率的に運営できるのが当社グループの強みになります。
プラットフォーム(DX)事業においては、自社公式EC運営(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗POSレジ(LOCOPOS)、店舗欠品フォロー(LOCOCHOC)、基幹システム(LoCORE)など、ファッション業界において必要とされるITインフラと物流インフラを全て有しているため一括受託(ALL-IN-ONE)が可能である事、またe-3PLにおきましては他のEC企業ではどこも対応できていない、百貨店や卸への出荷も全て対応できる事が当社グループの強みになります。さらにECモール事業における新機能や改修がシームレスにBOEM、LOCOPOS、LOCOCHOCに展開される体制を敷いているため、利用企業様については低コストで最新鋭の技術を享受頂ける事も本プラットフォームサービスの強みになっております。
ブランド事業においては、2020年以降、様々なインフルエンサーとコラボレーションブランド企画を展開し、売上増とジェイドグループの認知度向上の2つを実現しながらインフルエンサーマーケティングノウハウを蓄積して参りました。さらに、前連結会計年度からは伊藤忠商事株式会社との新設子会社であるRBKJ株式会社(出資比率はジェイドグループ66%、伊藤忠商事34%)を通じてグローバルスポーツブランドのReebok国内販売権を獲得し、ReebokのEC、直営店舗、卸事業を展開して参りました。Reebok事業の展開に際しては、弊社のプラットフォーム事業を活用し、PMI(Post Merger Integration: 買収後の統合)を予定通り行うことでスムーズな事業の立ち上げを実現するとともに、ECモール事業で培ったSNSマーケティングノウハウを活用する事でブランドの更なる知名度向上を実現してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度においてはReebok事業が牽引し、商品取扱高は25,914,970千円(前年同期比9.7%増)で着地致しました。売上高は13,356,170千円(前年同期比27.6%増)となりました。売上総利益は10,000,631千円(前年同期比19.7%増)となりました。当社グループは実質的な成長度合や収益性を評価するため、売上総利益から変動費用を差し引いた「限界利益(= 商品取扱高 × 限界利益率)」という指標を重視しておりますが、限界利益は商品取扱高の増加、および物流フローの効率化やウェブ広告の効率化、各種手数料の引き下げ等の変動費用の抑制、及びReebok事業が順調に開始されたことで5,264,878千円(前年同期比30.4%増)で着地できました。限界利益から「固定費用」を差し引いた数値が各種利益項目になりますが、固定費用面はReebok事業の開始に伴う賃料等の増加によって当連結会計年度の地代家賃等は1,647,047千円(前年同期比16.3%増)と増加しましたが、広告宣伝費を中心にコストコントロールを進めた結果、532,412千円の増加に留めることができました。なお、マガシークの買収に伴い、2025年3月よりロコポートIを新たに稼働させることとなることで、2025年度から賃料は年間約500,000千円増加することを見込んでおりますが、マガシーク社も含めたジェイドグループとしての効率化を実現することで通期業績への影響を緩和できるように取り組んでまいる所存です。結果、EBITDAは1,878,733千円(前年同期比60.6%増)、営業利益は1,685,233千円(前年同期比70.0%増)、経常利益は1,705,344千円(前年同期比76.9%増)と、倉庫家賃増の影響を受けながらも増益で着地できました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,001,796千円(前年同期比20.4%減)となりました。
なお、2024年度にはマガシーク、FASCINATE、BRANDELI、TCB jeansもグループの一員となります。弊社は、2018年からファッションEC市場における『圧倒的な2位』を目指すと中期ビジョンとしてお伝えしてまいりましたが、本株式取得によってグループ取扱高は286億円(2024年2月期、親子相殺前)から約600億円(マガシーク2024年3月期見込値を含む概算値)と2倍の規模へと拡大する事で、この中期ビジョンを実現する事ができます。
さらにマガシーク買収を通じて、日本の通信業界を牽引する携帯電話会社が「集客」を支援し、日本のファッション業界を牽引する総合商社が「品揃え」を支援するという、ECにとっての2大重要要素を、各業界のリーディングカンパニーが支える完璧なバックアップ体制が構築されることとなります。「ファッションEC業界の取扱高1位を目指すためのパートナーシップの構築」という、将来に向けた大きな価値を得られたとも言え、その実現を目指してまいります。
各事業別の業績は以下のとおりであります。
| 事業別 | 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | |||
| 商品取扱高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | |
| ECモール事業 | 17,361,097 | 73.4 | 7,307,839 | 69.8 |
| うち、自社モール | 14,967,435 | 63.3 | - | - |
| うち、他社モール | 2,393,662 | 10.1 | - | - |
| プラットフォーム事業 | 5,591,762 | 23.7 | 2,475,091 | 23.7 |
| その他事業(店舗・卸等) | 676,725 | 2.9 | 681,552 | 6.5 |
| 合計 | 23,629,586 | 100.0 | 10,464,483 | 100.0 |
| 事業別 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | |||
| 商品取扱高 (千円) | 構成比 (%) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | |
| ECモール事業 | 16,243,358 | 62.7 | 7,071,988 | 53.0 |
| うち、自社モール | 13,760,238 | 53.1 | - | - |
| うち、他社モール | 2,483,119 | 9.6 | - | - |
| プラットフォーム事業 | 7,463,011 | 28.8 | 4,154,598 | 31.1 |
| その他事業(店舗・卸等) | 2,208,600 | 8.5 | 2,129,583 | 15.9 |
| 合計 | 25,914,970 | 100.0 | 13,356,170 | 100.0 |
| 事業別 | 前年同期比較 | |||
| 商品取扱高 (千円) | 対前年増減率 (%) | 売上高 (千円) | 対前年増減率 (%) | |
| ECモール事業 | △1,117,739 | △6.4 | △235,850 | △3.2 |
| うち、自社モール | △1,207,196 | △8.1 | - | - |
| うち、他社モール | 89,457 | 3.7 | - | - |
| プラットフォーム事業 | 1,871,249 | 33.5 | 1,679,507 | 67.9 |
| その他事業(店舗・卸等) | 1,531,874 | 226.4 | 1,448,030 | 212.5 |
| 合計 | 2,285,384 | 9.7 | 2,891,686 | 27.6 |
(注)1.当社グループの事業セグメントは、靴を中心としたファッション関連商品等の販売、企画、仕入事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.「自社モール」とは、「LOCONDO.jp」「FASHIONWALKER」「SPORTS WEB SHOPPERS」「waja bazar」の取扱高等になります。
3.「他社モール」とは、「楽天市場」及び「Yahoo!ショッピング」など他社モールにて展開する取扱高等になります。
4.ECモール事業の受託型に係る売上高については、販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。
5.前連結会計年度より、従来記載しておりました受託型商品取扱高比率は、当社のみの数値であるため記載しておりません。
a.ECモール事業
ECモール事業につきましては、複数ブランドをジェイドグループの屋号でもって、通販サイト経由で販売する事業で、販売在庫の中には受託型と買取型の2種類があります。一部の海外輸入ブランドや当社が自社開発しているD2Cブランドは買取型に当たります。商品取扱高は商品の販売価格を基に記載しておりますが、売上高は買取型については商品の販売価格を計上し、受託型については販売された商品の手数料を受託販売手数料として計上しております。「LOCONDO.jp」、「FASHIONWALKER」、「SPORTS WEB SHOPPERS」、「waja bazar」の運営、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」など他社モールへの出店を行っており、当連結会計年度においては出店ブランド数3,283となり、商品取扱高は16,243,358千円(前年同期比6.4%減)、売上高は7,071,988千円(前年同期比3.2%減)となりました。
b.プラットフォーム事業
プラットフォーム事業につきましては、ブランドの自社公式EC支援(BOEM)、倉庫受託(e-3PL)、店舗の欠品及び品揃え補強(LOCOCHOC)の運営等を行っております。「BOEM」における支援ブランド数は当連結会計年度末時点で33ブランドとなりました。これにより、当連結会計年度の商品取扱高は7,463,011千円(前年同期比33.5%増)、売上高は4,154,598千円(前年同期比67.9%増)となりました。
なお、倉庫受託(e-3PL)に関しては、ユーザーへの販売を伴わない商品補充等の出荷も含まれるため、その出荷額は商品取扱高には含めておりません。
c.その他事業(店舗・卸等)
店舗・卸事業につきましては、主にRBKJにて、リアル店舗での販売及び小売店への販売を行なっております。
当該事業の当連結会計年度の商品取扱高は2,208,600千円(前年同期比226.4%増)、売上高は2,129,583千円(前年同期比212.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,809,197千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は814,529千円となりました。これは主に棚卸資産が751,171千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上1,656,693千円によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により使用した資金は3,567,005千円となりました。これは主に、子会社株式取得に係る前払金の支出3,198,750千円によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により得られた資金は948,971千円となりました。これは主に自己株式の取得による支出669,231千円の一方で、短期借入金の増加1,600,000千円によるものであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ECモール事業における買取型及び店舗・卸等事業における商品の仕入費用及び商品を販売するために投下する広告宣伝費、商品を保管する倉庫の賃借料等の販売費、一般管理費があります。また、設備投資資金需要として倉庫の設備増強及びEC基幹システムへの投資等があります。
加えて、当社グループは、競争が激化するファッションEC市場において、既存サービス等との相乗効果が期待できる場合や、新サービスを導入することにより将来的な事業展開につながる可能性があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討をしていく方針であり、これらの施策のための資金需要があります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
販売実績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討の内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、当社グループは「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の動向等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。