有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、2020年初までは、消費税率引き上げの影響が徐々に和らぐもとで、個人消費などに持ち直しの動きもみられていましたが、その後、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、情勢は大きく変化し、厳しさを増しています。海外経済が急速に落ち込んでいるもとで輸出は減少し、国内需要をみても、設備投資は増勢の鈍化が明確となっているほか、個人消費も飲食・宿泊等のサービスを中心に大幅に減少しています。
国内の金融環境は、全体として緩和した状態にありますが、企業の資金繰りが悪化するなど企業金融面で緩和度合いが低下しています。国内株式市場では、2020年2月頃まで最高値圏で推移していた米国の株価が、欧米における新型コロナウイルス感染症拡大を契機に大幅下落したことを受け、これにつれた動きになっています。
住宅市場では、2020年4月30日に国土交通省が公表した「建築着工統計調査報告 令和元年度計」によると、2019年度の新設住宅着工戸数は全体で88.3万戸(前年度比7.3%減)と、昨年度の増加から再び減少に転じるとともに、5年ぶりに90万戸を下回りました。利用関係別戸数でも、持家28.3万戸(前年度比1.5%減)、分譲住宅25.9万戸(前年度比2.8%減)と、いずれも昨年度の増加から再び減少に転じ、貸家33.4万戸(前年度14.2%減)は3年度連続の減少となりました。
当社の主要な事業である住宅金融支援機構(以下、機構)の2019年度における「フラット35」につきましては、長期金利が引き続き歴史的低水準で推移したこともあり、「フラット35」(買取型)の申請戸数は前年度比102.4%の103,861戸となりましたが、「フラット35」(保証型)の申請戸数は、取扱金融機関の増加もあって前年度比136.4%の18,096戸となり、合計では前年度比106.4%の121,957戸となりました。(機構による記者発表、2020年5月29日付「フラット35の申請戸数等について」)
当社は設立以来、株主住宅事業者(以下、提携ハウスメーカー)とシステムで連携したビジネスモデルをベースに事業を展開してきましたが、IT技術の進歩により、当社を取り巻くビジネス環境は大きく変化し、様々な手続きが時間や場所を問わず、誰でも簡単にスマートフォンで行うことができるようになりました。また、提携ハウスメーカーにおいては「働き方改革」が進み、手続きが簡便な住宅ローンがこれまで以上に望まれるようになりました。
これらの状況を踏まえ、2019年度の事業戦略として、スマートフォンをメインプラットフォームとするビジネスモデルの確立と、提携ハウスメーカーが住宅販売において他メーカーとの差別化に役立つような独自商品やサービスの提供を最重要課題と位置付け、事業を展開しました。
スマートフォンを活用したビジネスモデルにつきましては、お客様の署名捺印を不要とする申込手続として、申込書類の電子化(ペーパーレス化)システムを2020年2月に導入し、提携ハウスメーカー毎に順次取り扱いを開始しています。これにより、2016年度に導入済の金消契約電子化と併せ、スマートフォンを利用した「100%ペーパーレス」でのローン手続を完成させました。また、提携ハウスメーカーの担当者が利用する当社専用アプリにコミュニケーションツールを搭載し、当社へのコンタクトにおける利便性を向上させるとともに、当社からも効果的な情報発信が可能な環境を整えるなど、スマートフォンを活用したビジネスモデルへの移行を通じ、提携ハウスメーカーやお客様のお手続きに係る負担軽減やサービス機能の向上を実現しました。
独自商品につきましては、2016年5月に他社に先駆けて導入したフラット35(保証型)の「MCJフラットプレミアム」から商品性を大幅に向上させた、「MCJフラット“極”30(以下、“極”30)」の取扱いを、2020年1月に開始いたしました。これまでのMCJフラットプレミアムでは取り扱えなかった、融資割合が80%から90%に属するお客様も融資対象とすることで、“極”30は、フラット35(保証型)商品ではじめて、すべての融資割合への対応が可能な商品となり、ご利用いただきやすくなりました。フラット35(保証型)を取り扱う金融機関のうち、すべての融資割合を融資対象にできるのは、当社が唯一です。また、“極”30は、適用金利がフラット35(保証型)商品の中で最も低い水準であるほか、全ての病気やケガが対象となる全疾病保証特約付き団信などもあり、好評を博しています。当社におきましては、“極”30専用パンフレットの作成や、販促キャンペーンの実施などを通じ、提携ハウスメーカーにおける“極”30の商品認知度向上に注力した結果、MCJフラット利用者に占める“極”30の利用割合は、取り扱い開始からわずか3ヵ月後の2020年3月に50%を突破し、当社主力商品の位置付けを確立しました。
このほか、若年層向けの提案型ローン商品として、フラット50を提携ハウスメーカーに活用いただくため、積極的な訴求に取り組みました。フラット50は、機構が、住宅購入者による優良な住宅の取得を支援・促進するため、長期優良住宅の認定を受けた住宅に限り、返済期間の上限を50年とすることができる制度です。これまでは、融資割合の上限が60%だったため、他のローンとの併用が一般的でしたが、2019年10月に、上限が90%まで引き上げられるとともに、融資金額の上限も6,000万円から8,000万円に引き上げられたことから、併用が不要となりました。フラット50を利用することで、毎月返済額の軽減や借入可能額の増加などの効果が得られることから、若年層でも提携ハウスメーカーの良質な住宅の取得が十分実現可能となるため、これらのメリットを紹介した利用者向け提案資料の作成や、認知度向上を目的とするキャンペーンを展開した結果、機構による制度拡充後における提携ハウスメーカーのフラット50申込割合は常に10%以上で推移するなど、提携ハウスメーカーの受注底上げに寄与しています。
さらに、機構の住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ(「MCJご自宅活用ローン“家の恩返し”」)につきましても、新築・リフォーム合わせて2018年度比で30%増となる約600件の申込が寄せられるなど、提携ハウスメーカーにおけるシニア顧客層への提案ツールとして着実に浸透しています。
住宅市況は、2019年10月の消費増税により厳しさを増す中、2020年初からの新型コロナウイルス感染症の拡大による消費停滞の影響から、さらに不透明さを増しており、当社におきましては、提携ハウスメーカーの住宅販売を金融面からサポートする役割が、より一層求められています。このため当社は、2020年2月に本社を東京都文京区から東京都渋谷区へ移転し、取扱商品やサービスの拡大に伴う人員増加に対応いたしました。今後はあらゆる拡大戦略を総動員し、提携ハウスメーカーの新規受注創出に取り組んでまいります。
当社のフラット35の申込みにつきましては、借換えが、需要の一巡により前年度比45.4%まで減少したものの、提携ハウスメーカー案件は前年度比106.3%と増加したことから、当事業年度の申込件数は10,611件(前年度比101.9%)となりました。なお、申込件数については、申込方法の変更により、2019年度から集計基準を変更しております。
また、融資実行件数は5,793件(前年度比90.7%)となり、期末におけるフラット35債権管理残高は19,741億円
(前年度比4.4%増)となりました。なお、申込される顧客のうち、当社以外の金融機関から借り入れるなど、辞退
する場合もありますので、申込の全てが融資実行されるわけではございません。以上の結果、第17期事業年度の
決算につきましては、営業収益6,777,709千円(前年度比116.1%)、営業費用5,329,002千円(同116.7%)、営業利
益1,448,707千円(同114.0%)、当期純利益976,089千円(同107.7%)となりました。
なお、当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、14,603,495千円と、前事業年度末に比べ5,632,692千円増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により減少した資金は、90,902,352千円(前事業年度は78,449,530千円の減少)となりました。これは、主に営業立替金の減少1,651,756千円、税引前当期純利益1,429,221千円、利息及び配当金の受取額1,384,146千円があったものの、営業貸付金の増加94,175,571千円、受取利息及び受取配当金1,377,961千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により増加した資金は、97,696,800千円(前事業年度は72,888,647千円の増加)となりました。これは投資有価証券の売却及び償還による収入99,019,860千円、並びに無形固定資産の取得による支出868,823千円及び投資有価証券の取得による支出249,844千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により減少した資金は、1,161,756千円(前事業年度は2,336,746千円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入13,000,000千円、長期借入金の返済による支出10,000,000千円、並びに短期借入金の減少による支出4,161,756千円によるものであります。
③ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
ⅰ) 貸付金の種別残高内訳
ⅱ) 資金調達内訳
ⅲ) 業種別貸付金残高内訳
ⅳ) 担保別貸付金残高内訳
ⅴ) 期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
ⅰ) 営業収益内訳
当事業年度における営業収益の内訳は次のとおりです。
その他の金融収益が前年度比で増加した主な理由は、住宅ローンの貸付及び営業貸付金の信託譲渡により、信託残高が積み上がり、受益権から得られる受取配当金の金額が増加したことによるものです。またその他営業収益が前年度比で増加した主な理由は、受益権の譲渡による売却益が発生したためです。
(注) 1.四捨五入の関係で、「金額」と「構成比」の内訳と合計は一致しません。
(注) 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 3.主な相手先別の営業収益に対する割合は次の通りであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 当社は、「独立行政法人住宅金融支援機構」より委託を受けて、住宅ローンの債権回収(サービシング業務)を行っており、この対価として、住宅ローン残高に応じたサービシングフィーを受け取っております。
ⅱ) 商品別融資実行件数および融資実行金額
当事業年度における主要な住宅ローンの融資実行件数及び金額の内訳は次のとおりです。
買取型のMCJフラットの件数および金額が減少し、買取型よりも金利の低い保証型のMCJフラットプレミアム、MCJプレミアム、 MCJフラット“極”30の件数および金額が増加しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
営業の状況
当事業年度末における当社のフラット35債権残高は、前事業年度末比4.4%増加の19,741億円となりました。また、当事業年度の当社の主要商品であるフラット35(買取型及び保証型)の融資実行金額に関していえば、前事業年度比3.1%減少の2,128億円となりました。
経営成績の分析
(営業収益)
営業収益は、その他の金融収益293,194千円、その他の営業収益515,800千円の増加により、前事業年度末比940,867千円増加の6,777,709千円となりました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、販売費及び一般管理費374,050千円、金融費用398,595千円の増加したものの、営業収益の増加もあり、前事業年度末比178,235千円増加の1,448,707千円となりました。また、経常利益は前事業年度末比159,127千円増加の1,429,221千円となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計453,132千円を計上しましたが、当期純利益は、前事業年度末比70,601千円増加の976,089千円となりました。
経営成績の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、営業貸付金が4,809,937千円、有価証券が1,899,960千円減少しましたが、現金及び預金が7,632,693千円増加したことにより、前事業年度末比994,221千円増加の98,299,642千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、長期借入金が13,000,000千円、預り金が345,661千円、未払金が265,723千円、繰延税金負債が144,662千円、未払法人税等が126,596千円増加したのに対し、短期借入金4,161,756千円、1年内返済長期借入金10,000,000千円が減少したことにより、前事業年度末比56,006千円減少の86,857,775千円となりました。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益の積上げによる利益剰余金976,089千円が増加したため、前事業年度末から1,050,228千円増加の11,441,867千円となりました。
この結果、自己資本比率は11.64%となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社は資金を安定的に調達することを基本方針としております。今後も引き続き証券化を主要な資金調達手段としつつ、複数かつ有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、資本市場におけるコマーシャル・ペーパー及び無担保普通社債の発行により、資金調達の多様化を図っていきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(超過サービシングフィーの算定)
当社では、サービシング業務提供に伴うサービシングフィーが通常得べかりし収益を、上回る場合は上回る部
分の見積将来キャッシュ・フローの現在価値を未収収益として、また、下回る場合は下回る部分の見積将来キャ
ッシュ・フローの現在価値を前受収益として認識しております。
当該見積将来キャッシュ・フローの現在価値は、通常得べかりし収益の水準、繰上返済率、割引率の仮定を用いて算定しております。
(a) 通常得べかりし収益の水準
サービシング手数料率の業界平均を見積り、これを通常得べかりし収益の水準としております。通常得べかりし収益の水準が上下した場合の見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値の変動は以下の表のとおりです。例えば、業界のサービシング手数料率が上昇した場合、通常得べかりし収益の水準が高くなることにより、当初見積もっていた未収収益にかかる見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値よりも、その時点での見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が小さくなることにより、未収収益の価値が減少する可能性があります。
(b)繰上返済率
融資実行後の経過期間、住宅ローンと経過時点の市場金利の金利差、季節性等の要因が繰上返済率に与える影響を、当社の既存住宅ローン債権の繰上返済実績から算出して数理モデル化し、当該モデルに将来市場金利の予測値を当てはめることで、繰上返済率を算定しております。
したがって、上記要因が繰上返済に与える影響の傾向が変化した場合や、金利環境の変化により将来市場金利の予測値と実績値が相違した場合、以下の表のとおり、見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が変動します。
(c) 割引率
融資実行時点での市場金利を基に割引率を設定しております。金利環境の変化により将来市場金利の予測値 と実績が相違した場合、以下の表のとおり見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が変動します。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、2020年初までは、消費税率引き上げの影響が徐々に和らぐもとで、個人消費などに持ち直しの動きもみられていましたが、その後、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、情勢は大きく変化し、厳しさを増しています。海外経済が急速に落ち込んでいるもとで輸出は減少し、国内需要をみても、設備投資は増勢の鈍化が明確となっているほか、個人消費も飲食・宿泊等のサービスを中心に大幅に減少しています。
国内の金融環境は、全体として緩和した状態にありますが、企業の資金繰りが悪化するなど企業金融面で緩和度合いが低下しています。国内株式市場では、2020年2月頃まで最高値圏で推移していた米国の株価が、欧米における新型コロナウイルス感染症拡大を契機に大幅下落したことを受け、これにつれた動きになっています。
住宅市場では、2020年4月30日に国土交通省が公表した「建築着工統計調査報告 令和元年度計」によると、2019年度の新設住宅着工戸数は全体で88.3万戸(前年度比7.3%減)と、昨年度の増加から再び減少に転じるとともに、5年ぶりに90万戸を下回りました。利用関係別戸数でも、持家28.3万戸(前年度比1.5%減)、分譲住宅25.9万戸(前年度比2.8%減)と、いずれも昨年度の増加から再び減少に転じ、貸家33.4万戸(前年度14.2%減)は3年度連続の減少となりました。
当社の主要な事業である住宅金融支援機構(以下、機構)の2019年度における「フラット35」につきましては、長期金利が引き続き歴史的低水準で推移したこともあり、「フラット35」(買取型)の申請戸数は前年度比102.4%の103,861戸となりましたが、「フラット35」(保証型)の申請戸数は、取扱金融機関の増加もあって前年度比136.4%の18,096戸となり、合計では前年度比106.4%の121,957戸となりました。(機構による記者発表、2020年5月29日付「フラット35の申請戸数等について」)
当社は設立以来、株主住宅事業者(以下、提携ハウスメーカー)とシステムで連携したビジネスモデルをベースに事業を展開してきましたが、IT技術の進歩により、当社を取り巻くビジネス環境は大きく変化し、様々な手続きが時間や場所を問わず、誰でも簡単にスマートフォンで行うことができるようになりました。また、提携ハウスメーカーにおいては「働き方改革」が進み、手続きが簡便な住宅ローンがこれまで以上に望まれるようになりました。
これらの状況を踏まえ、2019年度の事業戦略として、スマートフォンをメインプラットフォームとするビジネスモデルの確立と、提携ハウスメーカーが住宅販売において他メーカーとの差別化に役立つような独自商品やサービスの提供を最重要課題と位置付け、事業を展開しました。
スマートフォンを活用したビジネスモデルにつきましては、お客様の署名捺印を不要とする申込手続として、申込書類の電子化(ペーパーレス化)システムを2020年2月に導入し、提携ハウスメーカー毎に順次取り扱いを開始しています。これにより、2016年度に導入済の金消契約電子化と併せ、スマートフォンを利用した「100%ペーパーレス」でのローン手続を完成させました。また、提携ハウスメーカーの担当者が利用する当社専用アプリにコミュニケーションツールを搭載し、当社へのコンタクトにおける利便性を向上させるとともに、当社からも効果的な情報発信が可能な環境を整えるなど、スマートフォンを活用したビジネスモデルへの移行を通じ、提携ハウスメーカーやお客様のお手続きに係る負担軽減やサービス機能の向上を実現しました。
独自商品につきましては、2016年5月に他社に先駆けて導入したフラット35(保証型)の「MCJフラットプレミアム」から商品性を大幅に向上させた、「MCJフラット“極”30(以下、“極”30)」の取扱いを、2020年1月に開始いたしました。これまでのMCJフラットプレミアムでは取り扱えなかった、融資割合が80%から90%に属するお客様も融資対象とすることで、“極”30は、フラット35(保証型)商品ではじめて、すべての融資割合への対応が可能な商品となり、ご利用いただきやすくなりました。フラット35(保証型)を取り扱う金融機関のうち、すべての融資割合を融資対象にできるのは、当社が唯一です。また、“極”30は、適用金利がフラット35(保証型)商品の中で最も低い水準であるほか、全ての病気やケガが対象となる全疾病保証特約付き団信などもあり、好評を博しています。当社におきましては、“極”30専用パンフレットの作成や、販促キャンペーンの実施などを通じ、提携ハウスメーカーにおける“極”30の商品認知度向上に注力した結果、MCJフラット利用者に占める“極”30の利用割合は、取り扱い開始からわずか3ヵ月後の2020年3月に50%を突破し、当社主力商品の位置付けを確立しました。
このほか、若年層向けの提案型ローン商品として、フラット50を提携ハウスメーカーに活用いただくため、積極的な訴求に取り組みました。フラット50は、機構が、住宅購入者による優良な住宅の取得を支援・促進するため、長期優良住宅の認定を受けた住宅に限り、返済期間の上限を50年とすることができる制度です。これまでは、融資割合の上限が60%だったため、他のローンとの併用が一般的でしたが、2019年10月に、上限が90%まで引き上げられるとともに、融資金額の上限も6,000万円から8,000万円に引き上げられたことから、併用が不要となりました。フラット50を利用することで、毎月返済額の軽減や借入可能額の増加などの効果が得られることから、若年層でも提携ハウスメーカーの良質な住宅の取得が十分実現可能となるため、これらのメリットを紹介した利用者向け提案資料の作成や、認知度向上を目的とするキャンペーンを展開した結果、機構による制度拡充後における提携ハウスメーカーのフラット50申込割合は常に10%以上で推移するなど、提携ハウスメーカーの受注底上げに寄与しています。
さらに、機構の住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ(「MCJご自宅活用ローン“家の恩返し”」)につきましても、新築・リフォーム合わせて2018年度比で30%増となる約600件の申込が寄せられるなど、提携ハウスメーカーにおけるシニア顧客層への提案ツールとして着実に浸透しています。
住宅市況は、2019年10月の消費増税により厳しさを増す中、2020年初からの新型コロナウイルス感染症の拡大による消費停滞の影響から、さらに不透明さを増しており、当社におきましては、提携ハウスメーカーの住宅販売を金融面からサポートする役割が、より一層求められています。このため当社は、2020年2月に本社を東京都文京区から東京都渋谷区へ移転し、取扱商品やサービスの拡大に伴う人員増加に対応いたしました。今後はあらゆる拡大戦略を総動員し、提携ハウスメーカーの新規受注創出に取り組んでまいります。
当社のフラット35の申込みにつきましては、借換えが、需要の一巡により前年度比45.4%まで減少したものの、提携ハウスメーカー案件は前年度比106.3%と増加したことから、当事業年度の申込件数は10,611件(前年度比101.9%)となりました。なお、申込件数については、申込方法の変更により、2019年度から集計基準を変更しております。
また、融資実行件数は5,793件(前年度比90.7%)となり、期末におけるフラット35債権管理残高は19,741億円
(前年度比4.4%増)となりました。なお、申込される顧客のうち、当社以外の金融機関から借り入れるなど、辞退
する場合もありますので、申込の全てが融資実行されるわけではございません。以上の結果、第17期事業年度の
決算につきましては、営業収益6,777,709千円(前年度比116.1%)、営業費用5,329,002千円(同116.7%)、営業利
益1,448,707千円(同114.0%)、当期純利益976,089千円(同107.7%)となりました。
なお、当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、14,603,495千円と、前事業年度末に比べ5,632,692千円増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により減少した資金は、90,902,352千円(前事業年度は78,449,530千円の減少)となりました。これは、主に営業立替金の減少1,651,756千円、税引前当期純利益1,429,221千円、利息及び配当金の受取額1,384,146千円があったものの、営業貸付金の増加94,175,571千円、受取利息及び受取配当金1,377,961千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により増加した資金は、97,696,800千円(前事業年度は72,888,647千円の増加)となりました。これは投資有価証券の売却及び償還による収入99,019,860千円、並びに無形固定資産の取得による支出868,823千円及び投資有価証券の取得による支出249,844千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により減少した資金は、1,161,756千円(前事業年度は2,336,746千円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入13,000,000千円、長期借入金の返済による支出10,000,000千円、並びに短期借入金の減少による支出4,161,756千円によるものであります。
③ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
ⅰ) 貸付金の種別残高内訳
| 2020年3月31日現在 | |||||
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高 (百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 無担保(住宅向を除く) | 120 | 2.11 | 185 | 0.64 | 1.70 |
| 有担保(住宅向を除く) | 232 | 4.09 | 1,116 | 3.86 | 1.44 |
| 住宅向 | 5,318 | 93.79 | 27,579 | 95.49 | 1.69 |
| 計 | 5,670 | 100.00 | 28,881 | 100.00 | 1.68 |
| 事業者向 計 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 5,670 | 100.00 | 28,881 | 100.00 | 1.68 |
ⅱ) 資金調達内訳
| 2020年3月31日現在 | |||
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関からの借入 | 63,807 | 0.34 | |
| その他 | 15,000 | 0.19 | |
| 社債・CP | 15,000 | 0.19 | |
| 合計 | 78,807 | 0.31 | |
| 自己資本 | 11,843 | ― | |
| 資本金・出資金 | 1,000 | ― | |
ⅲ) 業種別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | ||||
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 農業、林業、漁業 | ― | ― | ― | ― |
| 建設業 | ― | ― | ― | ― |
| 製造業 | ― | ― | ― | ― |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | ― | ― | ― | ― |
| 情報通信業 | ― | ― | ― | ― |
| 運輸業、郵便業 | ― | ― | ― | ― |
| 卸売業、小売業 | ― | ― | ― | ― |
| 金融業、保険業 | ― | ― | ― | ― |
| 不動産業、物品賃貸業 | ― | ― | ― | ― |
| 宿泊業、飲食サービス業 | ― | ― | ― | ― |
| 教育、学習支援業 | ― | ― | ― | ― |
| 医療、福祉 | ― | ― | ― | ― |
| 複合サービス事業 | ― | ― | ― | ― |
| サービス業(他に分類されないもの) | ― | ― | ― | ― |
| 個人 | 5,109 | 100.00 | 28,881 | 100.00 |
| 特定非営利活動法人 | ― | ― | ― | ― |
| その他 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 5,109 | 100.00 | 28,881 | 100.00 |
ⅳ) 担保別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | |||
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | ― | ― | |
| うち株式 | ― | ― | |
| 債権 | ― | ― | |
| うち預金 | ― | ― | |
| 商品 | ― | ― | |
| 不動産 | 27,473 | 95.12 | |
| 財団 | ― | ― | |
| その他 | ― | ― | |
| 計 | 27,473 | 95.12 | |
| 保証 | 14 | 0.05 | |
| 無担保 | 1,394 | 4.82 | |
| 合計 | 28,881 | 100.00 | |
ⅴ) 期間別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | ||||
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | ― | ― | ― | ― |
| 1年超 5年以下 | ― | ― | ― | ― |
| 5年超 10年以下 | 2 | 0.03 | 3 | 0.01 |
| 10年超 15年以下 | 11 | 0.19 | 168 | 0.58 |
| 15年超 20年以下 | 65 | 1.14 | 378 | 1.30 |
| 20年超 25年以下 | 726 | 12.80 | 9,083 | 31.45 |
| 25年超 | 4,866 | 85.82 | 19,247 | 66.64 |
| 合計 | 5,670 | 100.00 | 28,881 | 100.00 |
| 1件当たりの平均期間(年) | 33.05 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
ⅰ) 営業収益内訳
当事業年度における営業収益の内訳は次のとおりです。
その他の金融収益が前年度比で増加した主な理由は、住宅ローンの貸付及び営業貸付金の信託譲渡により、信託残高が積み上がり、受益権から得られる受取配当金の金額が増加したことによるものです。またその他営業収益が前年度比で増加した主な理由は、受益権の譲渡による売却益が発生したためです。
| (単位 千円) | |||||
| 区別 | 科目別 | 金額 | 構成比(%) | 前年度比増減 | |
| 金額 | 増減比(%) | ||||
| 住宅ローン | 受取手数料 | 4,869,523 | 71.8 | 32,281 | 0.7 |
| 営業貸付金利息 | 648,577 | 9.5 | 99,593 | 18.1 | |
| その他の金融収益 | 729,384 | 10.7 | 293,194 | 67.2 | |
| その他の営業収益 | 530,224 | 7.8 | 515,800 | 3,576.0 | |
| 計 | 6,777,709 | 100.0 | 940,867 | 16.1 | |
(注) 1.四捨五入の関係で、「金額」と「構成比」の内訳と合計は一致しません。
(注) 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 3.主な相手先別の営業収益に対する割合は次の通りであります。
| (単位:千円) | ||||
| 顧客の名称又は氏名 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額 | 割合(%) | 金額 | 割合(%) | |
| 独立行政法人住宅金融支援機構 | 2,342,979 | 40.1 | 2,120,378 | 31.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 当社は、「独立行政法人住宅金融支援機構」より委託を受けて、住宅ローンの債権回収(サービシング業務)を行っており、この対価として、住宅ローン残高に応じたサービシングフィーを受け取っております。
ⅱ) 商品別融資実行件数および融資実行金額
当事業年度における主要な住宅ローンの融資実行件数及び金額の内訳は次のとおりです。
買取型のMCJフラットの件数および金額が減少し、買取型よりも金利の低い保証型のMCJフラットプレミアム、MCJプレミアム、 MCJフラット“極”30の件数および金額が増加しております。
| (単位 件、百万円) | ||||
| 商品 | 件数 | 金額 | 前年度比増減 | |
| 件数(%) | 金額(%) | |||
| MCJフラット | 3,307 | 130,923 | △16.5 | △10.7 |
| MCJフラットプレミアム、MCJプレミアム、MCJフラット“極”30 | 2,486 | 81,902 | 2.5 | 11.9 |
| MCJフラットパッケージ | 1,857 | 7,366 | △1.7 | 3.9 |
| リバースモーゲージローン 「ご自宅活用ローン“家の恩返し”」 | 453 | 5,827 | 163.3 | 112.4 |
| 計 | 8,103 | 226,020 | △4.0 | △1.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
営業の状況
当事業年度末における当社のフラット35債権残高は、前事業年度末比4.4%増加の19,741億円となりました。また、当事業年度の当社の主要商品であるフラット35(買取型及び保証型)の融資実行金額に関していえば、前事業年度比3.1%減少の2,128億円となりました。
経営成績の分析
(営業収益)
営業収益は、その他の金融収益293,194千円、その他の営業収益515,800千円の増加により、前事業年度末比940,867千円増加の6,777,709千円となりました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、販売費及び一般管理費374,050千円、金融費用398,595千円の増加したものの、営業収益の増加もあり、前事業年度末比178,235千円増加の1,448,707千円となりました。また、経常利益は前事業年度末比159,127千円増加の1,429,221千円となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計453,132千円を計上しましたが、当期純利益は、前事業年度末比70,601千円増加の976,089千円となりました。
経営成績の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、営業貸付金が4,809,937千円、有価証券が1,899,960千円減少しましたが、現金及び預金が7,632,693千円増加したことにより、前事業年度末比994,221千円増加の98,299,642千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、長期借入金が13,000,000千円、預り金が345,661千円、未払金が265,723千円、繰延税金負債が144,662千円、未払法人税等が126,596千円増加したのに対し、短期借入金4,161,756千円、1年内返済長期借入金10,000,000千円が減少したことにより、前事業年度末比56,006千円減少の86,857,775千円となりました。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益の積上げによる利益剰余金976,089千円が増加したため、前事業年度末から1,050,228千円増加の11,441,867千円となりました。
この結果、自己資本比率は11.64%となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社は資金を安定的に調達することを基本方針としております。今後も引き続き証券化を主要な資金調達手段としつつ、複数かつ有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、資本市場におけるコマーシャル・ペーパー及び無担保普通社債の発行により、資金調達の多様化を図っていきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(超過サービシングフィーの算定)
当社では、サービシング業務提供に伴うサービシングフィーが通常得べかりし収益を、上回る場合は上回る部
分の見積将来キャッシュ・フローの現在価値を未収収益として、また、下回る場合は下回る部分の見積将来キャ
ッシュ・フローの現在価値を前受収益として認識しております。
当該見積将来キャッシュ・フローの現在価値は、通常得べかりし収益の水準、繰上返済率、割引率の仮定を用いて算定しております。
(a) 通常得べかりし収益の水準
サービシング手数料率の業界平均を見積り、これを通常得べかりし収益の水準としております。通常得べかりし収益の水準が上下した場合の見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値の変動は以下の表のとおりです。例えば、業界のサービシング手数料率が上昇した場合、通常得べかりし収益の水準が高くなることにより、当初見積もっていた未収収益にかかる見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値よりも、その時点での見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が小さくなることにより、未収収益の価値が減少する可能性があります。
| 通常得べかりし収益が上昇した場合 | 通常得べかりし収益が下降した場合 | |
| 未収収益 | 減少 | 増加 |
| 前受収益 | 増加 | 減少 |
(b)繰上返済率
融資実行後の経過期間、住宅ローンと経過時点の市場金利の金利差、季節性等の要因が繰上返済率に与える影響を、当社の既存住宅ローン債権の繰上返済実績から算出して数理モデル化し、当該モデルに将来市場金利の予測値を当てはめることで、繰上返済率を算定しております。
したがって、上記要因が繰上返済に与える影響の傾向が変化した場合や、金利環境の変化により将来市場金利の予測値と実績値が相違した場合、以下の表のとおり、見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が変動します。
| 繰上返済率が上昇した場合 | 繰上返済率が下降した場合 | |
| 未収収益 | 減少 | 増加 |
| 前受収益 | 減少 | 増加 |
(c) 割引率
融資実行時点での市場金利を基に割引率を設定しております。金利環境の変化により将来市場金利の予測値 と実績が相違した場合、以下の表のとおり見積将来キャッシュ・フローの現在価値の値が変動します。
| 市場金利が上昇した場合 | 市場金利が下降した場合 | |
| 未収収益 | 減少 | 増加 |
| 前受収益 | 減少 | 増加 |