有価証券報告書-第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にありますが、基調としては持ち直しています。海外経済は総じて回復しているため輸出や鉱工業生産は増加を続け、企業収益や業況感は全体として改善しています。一方で、雇用・所得環境は新型コロナウイルス感染症の影響から弱い動きが続き、個人消費は飲食・宿泊等のサービス消費における下押し圧力が強まっているため持ち直しが一服し、住宅投資も緩やかに減少しています。一方、設備投資は総じて持ち直しが見られ、公共投資も緩やかな増加を続けています。
金融環境は、企業の資金繰りに厳しさがみられるものの、日本銀行による強力な金融緩和の継続や政府の措置、民間金融機関の取り組みにより、銀行借入やCP・社債発行といった外部資金の調達環境が緩和的な状態が維持されているため、全体として緩和した状態にあります。
住宅市場では、2021年4月28日に国土交通省が公表した「建築着工統計調査報告 令和二年度計」によると、2020年度の新設住宅着工戸数は全体で81.2万戸(前年度比8.1%減)と、2年連続で前年を下回り、減少幅は昨年以上となりました。利用関係別戸数でも、持家26.3万戸(前年度比7.1%減)、分譲住宅23.9万戸(前年度比7.9%減)と、いずれも2年連続で前年を下回り、貸家30.3万戸(前年度9.4%減)は4年連続の減少となりました。
当社の主要な事業である住宅金融支援機構(以下、機構)の2020年度における「フラット35」につきましては、住宅着工戸数が減少している影響もあり、「フラット35」(買取型)の申請戸数も前年度比91.4%の94,941戸、「フラット35」(保証型)の申請戸数は、前年度比81.6%の14,772戸となり、合計では前年度比90.0%の109,713戸となりました(機構による記者発表、2021年4月27日付「フラット35の申請戸数等について」)。
当社は設立以来、提携ハウスメーカーとシステムで連携したビジネスモデルをベースにIT技術を積極活用して事業を展開してまいりましたが、コロナ禍の2020年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の視点から、ローン手続きのための外出や対面でのやりとりを通じた感染や、ローン利用後の景気低迷といった、お客様の不安解消に向けた取り組みが求められたほか、テレワークが進む提携ハウスメーカー営業拠点における、ローン業務負担軽減のための取り組みも必要となりました。 これらの状況を踏まえ、2020年度の事業戦略として、スマートフォンアプリを活用した在宅でも可能な非対面による住宅ローン手続きの実現と、安心・安全な全期間固定金利型住宅ローンであるフラット35をベースとした、当社ならではのユニークで競争力のある商品の訴求を最重要課題と位置付け、事業を展開しました。 スマートフォンアプリの活用につきましては、お客様が新型コロナウイルス等ヘの感染の不安なくローン申込を行うことができるよう、2020年5月に「完全在宅」のまま申込から実行まで可能となる手続を実現しました。その後もアプリによる手続への利便性を更に高めるため、当社の審査手続をこれまで以上にシンプルなものとしたほか、AI技術を用いてスマートフォンのカメラで読み取った申込書の手書きの内容を、自動で住宅ローンシステムに反映させるなど機能改善に取り組み、2021年2月に大型バージョンアップを実施しました。その結果、電子申込利用率が大型バージョンアップ以前と比較して20%程度上昇するなど、お客様や提携ハウスメーカーの利便性が着実に向上しています。
独自商品につきましては、2020年1月にリリースしたフラット35保証型商品であるMCJフラット“極”30の利用を推進しました。“極”30は、全てのフラット商品の中で常に最低金利を提供していることに加え、フラット35保証型商品の中で唯一、融資割合9割超に対応可能であるほか、ほぼすべての病気やケガが対象の全疾病保障特約付団信が付保されるという商品性により、全てのフラット商品の中で極めて高い競争力を有しており、当社の主力商品と位置付けられています。
このほか、若年層向けの提案型ローン商品として、フラット50を提携ハウスメーカーに活用いただくため、積極的な訴求に取り組みました。フラット50は、機構が、住宅購入者による優良な住宅の取得を支援・促進するため、長期優良住宅の認定を受けた住宅に限り、返済期間の上限を50年とすることができる制度です。2019年10月の機構制度改正(融資割合の上限60%から90%までへの引き上げと、融資金額の上限6,000万円から8,000万円に引き上げ)による利用者にとってのメリットを積極的に周知してきた結果、機構シェアは常にトップで、2020年度においても50%以上を維持しており、提携ハウスメーカーの受注を支えています。
さらに、機構の住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ(「MCJご自宅活用ローン“家の恩返し”」)につきましても、2020年4月の機構制度改正(融資限度額の上限を新築5,000万円・リフォーム1,500万円からいずれも8,000万円に引き上げ)を契機として、リフォームを中心に申込みにつながる案件が増加し、機構シェアも50%以上と常にトップを維持しつつ、着実な成長を遂げています。
住宅市況は、新型コロナウイルス感染症の拡大懸念からなお不透明な状況にあり、当社におきましては、提携ハウスメーカーの住宅販売を金融面からサポートする役割が、より一層求められているため、引き続き提携ハウスメーカーの新規受注創出に取り組んでまいります。
当社のフラット35の申込みにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や地域金融機関との競争激化などにより、当事業年度の申込件数は12,231件(前年度比89.0%)となりました。なお、申込件数については、審査方法の変更により、2020年度から集計基準を変更しております。
また、融資実行件数は5,116件(前年度比88.3%)、融資実行金額は198,786百万円(前年度比93.4%)となり、期末におけるフラット35債権管理残高は20,308億円(前年度比2.8%増)となりました。なお、申込される顧客のうち、当社以外の金融機関から借り入れるなど、辞退する場合もありますので、申込の全てが融資実行されるわけではございません。以上の結果、第18期事業年度の決算につきましては、営業収益7,619,929千円(前年度比112.4%)、営業費用5,523,028千円(同103.6%)、営業利益2,096,901千円(同144.7%)、当期純利益1,391,161千円(同142.5%)となりました。
なお、当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、9,602,823千円と、前事業年度末に比べ5,000,671千円減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により減少した資金は、92,324,218千円(前事業年度は90,902,352千円の減少)となりました。これは、主に税引前当期純利益2,076,444千円、利息及び配当金の受取額1,705,903千円、前受金の増加1,044,013千円があったものの、営業貸付金の増加88,300,636千円、営業立替金の増加3,317,396千円、未収入金の増加2,925,766千円、受取利息及び受取配当金1,732,782千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により増加した資金は、81,093,072千円(前事業年度は97,696,800千円の増加)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入82,206,041千円、無形固定資産の取得による支出1,222,204千円、有価証券の売却及び償還による収入200,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により増加した資金は、6,230,475千円(前事業年度は1,161,756千円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入2,000,000千円、短期借入金の増加による収入4,230,516千円によるものであります。
③ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
ⅰ) 貸付金の種別残高内訳
ⅱ) 資金調達内訳
ⅲ) 業種別貸付金残高内訳
ⅳ) 担保別貸付金残高内訳
ⅴ) 期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
ⅰ) 営業収益内訳
当事業年度における営業収益の内訳は次のとおりです。
その他の金融収益が前年度比で増加した主な理由は、住宅ローンの貸付及び営業貸付金の信託譲渡により、信託残高が積み上がり、受益権から得られる受取配当金の金額が増加したことによるものです。またその他営業収益が前年度比で減少した主な理由は、受益権の譲渡金額が減少したためです。
(注) 1.四捨五入の関係で、「金額」と「構成比」の内訳と合計は一致しません。
(注) 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 3.主な相手先別の営業収益に対する割合は次の通りであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 当社は、「独立行政法人住宅金融支援機構」より委託を受けて、住宅ローンの債権回収(サービシング業務)を行っており、この対価として、住宅ローン残高に応じたサービシングフィーを受け取っております。
ⅱ) 商品別融資実行件数および融資実行金額
当事業年度における主要な住宅ローンの融資実行件数及び金額の内訳は次のとおりです。
買取型のMCJフラットの件数および金額が減少し、リバースモーゲージローン「ご自宅活用ローン“家の恩返し”」の件数および金額が増加しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
営業の状況
当事業年度末における当社のフラット35債権残高は、前事業年度末比2.8%増加の20,308億円となりました。また、当事業年度の当社の主要商品であるフラット35(買取型及び保証型)の融資実行金額に関して、前事業年度比6.6%減少の1,988億円となりました。
経営成績の分析
(営業収益)
営業収益は、受取手数料が876,010千円、その他の金融収益が392,703千円増加したものの、その他の営業収益が388,611千円減少したことにより、前事業年度末比842,220千円増加の7,619,929千円となりました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、販売費及び一般管理費が336,157千円増加したものの、営業収益の増加もあり、前事業年度末比648,194千円増加の2,096,901千円となりました。また、経常利益は前事業年度末比647,223千円増加の2,076,444千円となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計685,282千円を計上しましたが、当期純利益は、前事業年度末比415,072千円増加の1,391,161千円となりました。
経営成績の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、現金及び預金が2,000,672千円、有価証券が3,000,030千円減少しましたが、営業貸付金が6,120,959千円、営業立替金が3,317,396千円、未収入金が2,925,561千円、長期未収収益が1,780,797千円増加したことにより、前事業年度末比9,428,364千円増加の107,728,006千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、短期借入金が4,230,516千円、1年内償還予定の社債が7,000,000千円、1年内返済予定の長期借入金が11,500,000千円、前受金が1,044,014千円増加したのに対し、社債が7,000,000千円、長期借入金が9,500,000千円減少したことにより、前事業年度末比8,222,457千円増加の95,080,232千円となりました。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益の積上げによる繰越利益剰余金が1,391,161千円増加したことにより、前事業年度末から1,205,906千円増加の12,647,773千円となりました。
この結果、自己資本比率は11.74%となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社は資金を安定的に調達することを基本方針としております。今後も引き続き証券化を主要な資金調達手段としつつ、複数かつ有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、資本市場におけるコマーシャル・ペーパー及び無担保普通社債の発行により、資金調達の多様化を図っていきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にありますが、基調としては持ち直しています。海外経済は総じて回復しているため輸出や鉱工業生産は増加を続け、企業収益や業況感は全体として改善しています。一方で、雇用・所得環境は新型コロナウイルス感染症の影響から弱い動きが続き、個人消費は飲食・宿泊等のサービス消費における下押し圧力が強まっているため持ち直しが一服し、住宅投資も緩やかに減少しています。一方、設備投資は総じて持ち直しが見られ、公共投資も緩やかな増加を続けています。
金融環境は、企業の資金繰りに厳しさがみられるものの、日本銀行による強力な金融緩和の継続や政府の措置、民間金融機関の取り組みにより、銀行借入やCP・社債発行といった外部資金の調達環境が緩和的な状態が維持されているため、全体として緩和した状態にあります。
住宅市場では、2021年4月28日に国土交通省が公表した「建築着工統計調査報告 令和二年度計」によると、2020年度の新設住宅着工戸数は全体で81.2万戸(前年度比8.1%減)と、2年連続で前年を下回り、減少幅は昨年以上となりました。利用関係別戸数でも、持家26.3万戸(前年度比7.1%減)、分譲住宅23.9万戸(前年度比7.9%減)と、いずれも2年連続で前年を下回り、貸家30.3万戸(前年度9.4%減)は4年連続の減少となりました。
当社の主要な事業である住宅金融支援機構(以下、機構)の2020年度における「フラット35」につきましては、住宅着工戸数が減少している影響もあり、「フラット35」(買取型)の申請戸数も前年度比91.4%の94,941戸、「フラット35」(保証型)の申請戸数は、前年度比81.6%の14,772戸となり、合計では前年度比90.0%の109,713戸となりました(機構による記者発表、2021年4月27日付「フラット35の申請戸数等について」)。
当社は設立以来、提携ハウスメーカーとシステムで連携したビジネスモデルをベースにIT技術を積極活用して事業を展開してまいりましたが、コロナ禍の2020年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の視点から、ローン手続きのための外出や対面でのやりとりを通じた感染や、ローン利用後の景気低迷といった、お客様の不安解消に向けた取り組みが求められたほか、テレワークが進む提携ハウスメーカー営業拠点における、ローン業務負担軽減のための取り組みも必要となりました。 これらの状況を踏まえ、2020年度の事業戦略として、スマートフォンアプリを活用した在宅でも可能な非対面による住宅ローン手続きの実現と、安心・安全な全期間固定金利型住宅ローンであるフラット35をベースとした、当社ならではのユニークで競争力のある商品の訴求を最重要課題と位置付け、事業を展開しました。 スマートフォンアプリの活用につきましては、お客様が新型コロナウイルス等ヘの感染の不安なくローン申込を行うことができるよう、2020年5月に「完全在宅」のまま申込から実行まで可能となる手続を実現しました。その後もアプリによる手続への利便性を更に高めるため、当社の審査手続をこれまで以上にシンプルなものとしたほか、AI技術を用いてスマートフォンのカメラで読み取った申込書の手書きの内容を、自動で住宅ローンシステムに反映させるなど機能改善に取り組み、2021年2月に大型バージョンアップを実施しました。その結果、電子申込利用率が大型バージョンアップ以前と比較して20%程度上昇するなど、お客様や提携ハウスメーカーの利便性が着実に向上しています。
独自商品につきましては、2020年1月にリリースしたフラット35保証型商品であるMCJフラット“極”30の利用を推進しました。“極”30は、全てのフラット商品の中で常に最低金利を提供していることに加え、フラット35保証型商品の中で唯一、融資割合9割超に対応可能であるほか、ほぼすべての病気やケガが対象の全疾病保障特約付団信が付保されるという商品性により、全てのフラット商品の中で極めて高い競争力を有しており、当社の主力商品と位置付けられています。
このほか、若年層向けの提案型ローン商品として、フラット50を提携ハウスメーカーに活用いただくため、積極的な訴求に取り組みました。フラット50は、機構が、住宅購入者による優良な住宅の取得を支援・促進するため、長期優良住宅の認定を受けた住宅に限り、返済期間の上限を50年とすることができる制度です。2019年10月の機構制度改正(融資割合の上限60%から90%までへの引き上げと、融資金額の上限6,000万円から8,000万円に引き上げ)による利用者にとってのメリットを積極的に周知してきた結果、機構シェアは常にトップで、2020年度においても50%以上を維持しており、提携ハウスメーカーの受注を支えています。
さらに、機構の住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ(「MCJご自宅活用ローン“家の恩返し”」)につきましても、2020年4月の機構制度改正(融資限度額の上限を新築5,000万円・リフォーム1,500万円からいずれも8,000万円に引き上げ)を契機として、リフォームを中心に申込みにつながる案件が増加し、機構シェアも50%以上と常にトップを維持しつつ、着実な成長を遂げています。
住宅市況は、新型コロナウイルス感染症の拡大懸念からなお不透明な状況にあり、当社におきましては、提携ハウスメーカーの住宅販売を金融面からサポートする役割が、より一層求められているため、引き続き提携ハウスメーカーの新規受注創出に取り組んでまいります。
当社のフラット35の申込みにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や地域金融機関との競争激化などにより、当事業年度の申込件数は12,231件(前年度比89.0%)となりました。なお、申込件数については、審査方法の変更により、2020年度から集計基準を変更しております。
また、融資実行件数は5,116件(前年度比88.3%)、融資実行金額は198,786百万円(前年度比93.4%)となり、期末におけるフラット35債権管理残高は20,308億円(前年度比2.8%増)となりました。なお、申込される顧客のうち、当社以外の金融機関から借り入れるなど、辞退する場合もありますので、申込の全てが融資実行されるわけではございません。以上の結果、第18期事業年度の決算につきましては、営業収益7,619,929千円(前年度比112.4%)、営業費用5,523,028千円(同103.6%)、営業利益2,096,901千円(同144.7%)、当期純利益1,391,161千円(同142.5%)となりました。
なお、当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、9,602,823千円と、前事業年度末に比べ5,000,671千円減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により減少した資金は、92,324,218千円(前事業年度は90,902,352千円の減少)となりました。これは、主に税引前当期純利益2,076,444千円、利息及び配当金の受取額1,705,903千円、前受金の増加1,044,013千円があったものの、営業貸付金の増加88,300,636千円、営業立替金の増加3,317,396千円、未収入金の増加2,925,766千円、受取利息及び受取配当金1,732,782千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により増加した資金は、81,093,072千円(前事業年度は97,696,800千円の増加)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入82,206,041千円、無形固定資産の取得による支出1,222,204千円、有価証券の売却及び償還による収入200,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により増加した資金は、6,230,475千円(前事業年度は1,161,756千円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入2,000,000千円、短期借入金の増加による収入4,230,516千円によるものであります。
③ 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
ⅰ) 貸付金の種別残高内訳
| 2021年3月31日現在 | |||||
| 貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高 (百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 無担保(住宅向を除く) | 172 | 2.64 | 243 | 0.69 | 1.77 |
| 有担保(住宅向を除く) | 455 | 7.00 | 2,276 | 6.50 | 1.62 |
| 住宅向 | 5,866 | 90.34 | 32,485 | 92.80 | 1.80 |
| 計 | 6,493 | 100.00 | 35,006 | 100.00 | 1.79 |
| 事業者向 計 | ― | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 6,493 | 100.00 | 35,006 | 100.00 | 1.79 |
ⅱ) 資金調達内訳
| 2021年3月31日現在 | |||
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関からの借入 | 70,037 | 0.25 | |
| その他 | 14,999 | 0.19 | |
| 社債・CP | 14,999 | 0.19 | |
| 合計 | 85,037 | 0.24 | |
| 自己資本 | 13,094 | ― | |
| 資本金・出資金 | 1,000 | ― | |
ⅲ) 業種別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 | ||||
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 農業、林業、漁業 | ― | ― | ― | ― |
| 建設業 | ― | ― | ― | ― |
| 製造業 | ― | ― | ― | ― |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | ― | ― | ― | ― |
| 情報通信業 | ― | ― | ― | ― |
| 運輸業、郵便業 | ― | ― | ― | ― |
| 卸売業、小売業 | ― | ― | ― | ― |
| 金融業、保険業 | ― | ― | ― | ― |
| 不動産業、物品賃貸業 | ― | ― | ― | ― |
| 宿泊業、飲食サービス業 | ― | ― | ― | ― |
| 教育、学習支援業 | ― | ― | ― | ― |
| 医療、福祉 | ― | ― | ― | ― |
| 複合サービス事業 | ― | ― | ― | ― |
| サービス業(他に分類されないもの) | ― | ― | ― | ― |
| 個人 | 5,913 | 100.00 | 35,006 | 100.00 |
| 特定非営利活動法人 | ― | ― | ― | ― |
| その他 | ― | ― | ― | ― |
| 合計 | 5,913 | 100.00 | 35,006 | 100.00 |
ⅳ) 担保別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 | |||
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | ― | ― | |
| うち株式 | ― | ― | |
| 債権 | ― | ― | |
| うち預金 | ― | ― | |
| 商品 | ― | ― | |
| 不動産 | 33,600 | 95.98 | |
| 財団 | ― | ― | |
| その他 | ― | ― | |
| 計 | 33,600 | 95.98 | |
| 保証 | 13 | 0.03 | |
| 無担保 | 1,391 | 3.97 | |
| 合計 | 35,006 | 100.00 | |
ⅴ) 期間別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 | ||||
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | ― | ― | ― | ― |
| 1年超 5年以下 | 1 | 0.01 | 7 | 0.02 |
| 5年超 10年以下 | 2 | 0.03 | 3 | 0.01 |
| 10年超 15年以下 | 7 | 0.10 | 23 | 0.06 |
| 15年超 20年以下 | 63 | 0.97 | 229 | 0.65 |
| 20年超 25年以下 | 1,234 | 19.00 | 15,403 | 44.00 |
| 25年超 | 5,186 | 79.87 | 19,338 | 55.24 |
| 合計 | 6,493 | 100.00 | 35,006 | 100.00 |
| 1件当たりの平均期間(年) | 32.54 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
ⅰ) 営業収益内訳
当事業年度における営業収益の内訳は次のとおりです。
その他の金融収益が前年度比で増加した主な理由は、住宅ローンの貸付及び営業貸付金の信託譲渡により、信託残高が積み上がり、受益権から得られる受取配当金の金額が増加したことによるものです。またその他営業収益が前年度比で減少した主な理由は、受益権の譲渡金額が減少したためです。
| (単位 千円) | |||||
| 区別 | 科目別 | 金額 | 構成比(%) | 前年度比増減 | |
| 金額 | 増減比(%) | ||||
| 住宅ローン | 受取手数料 | 5,745,533 | 75.40 | 876,010 | 18.0 |
| 営業貸付金利息 | 610,694 | 8.01 | △37,883 | △5.8 | |
| その他の金融収益 | 1,122,087 | 14.73 | 392,703 | 53.8 | |
| その他の営業収益 | 141,613 | 1.86 | △388,611 | △73.3 | |
| 計 | 7,619,929 | 100.00 | 842,220 | 12.4 | |
(注) 1.四捨五入の関係で、「金額」と「構成比」の内訳と合計は一致しません。
(注) 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 3.主な相手先別の営業収益に対する割合は次の通りであります。
| (単位:千円) | ||||
| 顧客の名称又は氏名 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額 | 割合(%) | 金額 | 割合(%) | |
| 独立行政法人住宅金融支援機構 | 2,120,378 | 31.3 | 2,268,615 | 29.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 当社は、「独立行政法人住宅金融支援機構」より委託を受けて、住宅ローンの債権回収(サービシング業務)を行っており、この対価として、住宅ローン残高に応じたサービシングフィーを受け取っております。
ⅱ) 商品別融資実行件数および融資実行金額
当事業年度における主要な住宅ローンの融資実行件数及び金額の内訳は次のとおりです。
買取型のMCJフラットの件数および金額が減少し、リバースモーゲージローン「ご自宅活用ローン“家の恩返し”」の件数および金額が増加しております。
| (単位 件、百万円) | ||||
| 商品 | 件数 | 金額 | 前年度比増減 | |
| 件数(%) | 金額(%) | |||
| MCJフラット | 3,028 | 123,535 | △8.4 | △5.6 |
| MCJフラットプレミアム、MCJプレミアム、MCJフラット“極”30 | 2,088 | 75,251 | △16.1 | △8.1 |
| MCJフラットパッケージ | 1,791 | 7,218 | △3.5 | △2.0 |
| リバースモーゲージローン 「ご自宅活用ローン“家の恩返し”」 | 551 | 7,610 | 21.6 | 30.5 |
| 計 | 7,458 | 213,614 | △8.0 | △5.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下の記載のうち将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
営業の状況
当事業年度末における当社のフラット35債権残高は、前事業年度末比2.8%増加の20,308億円となりました。また、当事業年度の当社の主要商品であるフラット35(買取型及び保証型)の融資実行金額に関して、前事業年度比6.6%減少の1,988億円となりました。
経営成績の分析
(営業収益)
営業収益は、受取手数料が876,010千円、その他の金融収益が392,703千円増加したものの、その他の営業収益が388,611千円減少したことにより、前事業年度末比842,220千円増加の7,619,929千円となりました。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、販売費及び一般管理費が336,157千円増加したものの、営業収益の増加もあり、前事業年度末比648,194千円増加の2,096,901千円となりました。また、経常利益は前事業年度末比647,223千円増加の2,076,444千円となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計685,282千円を計上しましたが、当期純利益は、前事業年度末比415,072千円増加の1,391,161千円となりました。
経営成績の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、現金及び預金が2,000,672千円、有価証券が3,000,030千円減少しましたが、営業貸付金が6,120,959千円、営業立替金が3,317,396千円、未収入金が2,925,561千円、長期未収収益が1,780,797千円増加したことにより、前事業年度末比9,428,364千円増加の107,728,006千円となりました。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、短期借入金が4,230,516千円、1年内償還予定の社債が7,000,000千円、1年内返済予定の長期借入金が11,500,000千円、前受金が1,044,014千円増加したのに対し、社債が7,000,000千円、長期借入金が9,500,000千円減少したことにより、前事業年度末比8,222,457千円増加の95,080,232千円となりました。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、当期純利益の積上げによる繰越利益剰余金が1,391,161千円増加したことにより、前事業年度末から1,205,906千円増加の12,647,773千円となりました。
この結果、自己資本比率は11.74%となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社は資金を安定的に調達することを基本方針としております。今後も引き続き証券化を主要な資金調達手段としつつ、複数かつ有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、資本市場におけるコマーシャル・ペーパー及び無担保普通社債の発行により、資金調達の多様化を図っていきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。