有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/08/08 15:00
【資料】
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【項目】
80項目

事業内容

当社の事業セグメントは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」の2つのセグメントで構成されております。
(セキュアクラウドシステム事業)
セキュアクラウドシステム事業は、当社が創業間もない時期から取り組んでいる主力事業であります。
同事業は、目安として売上高100億円~500億円規模の中堅企業を主な顧客ターゲットとしております。同事業の属する国内クラウドサービス市場は、2018年度の市場全体の規模は約1兆9,422億円、2023年には4兆4,754億円まで拡大すると予測(出典:株式会社MM総研「2019年国内クラウドサービス需要動向調査」2019年6月11日)されている有望かつ潤沢なマーケットと言われております。
単一企業内で利用するクラウドをプライベートクラウドと呼び、当社は、企業、団体向けの「システムのプライベートクラウド化」を中心として事業を行っておりますが、2017年の国内プライベートクラウド市場は、前年比40.6%増の4,223億円、2022年の市場規模は2017年比4.9倍の2兆851億円になると予測(出典:IDC Japan株式会社「国内プライベートクラウド市場予測、2018年~2022年」2018年11月6日)されております。
当社は、プライベートクラウドを実現する主要なソフトウエア企業である、Citrix、VMware、Microsoftの製品群を熟知、これら各社の戦略を理解し、顧客企業にとって最適な選択を行うことを第一に考え、派生する多数のセキュリティ、ストレージ、サーバー等のハードウェア商品及び各種ソフトウエア商品を含めた総合的な提案を柔軟に行っております。
特に、シトリックス・システムズ・ジャパン社のスペシャリスト認定者が最も多い企業として『Citrix Specialist of the Year』を2017年に受賞、『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を2017年2018年の2年連続受賞する等、既に国内では主だった仮想化技術企業として評価を得ております。
セキュアクラウドシステム事業は、サーバーの仮想化や強固なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、顧客が望む独自機能を満たすためのスクラッチ開発(手作り開発)を行う「カスタマイザー」の3つの区分で構成されており、プライベートクラウド構築だけでなく、企業システム全般を対象としたサービスを中堅企業向けに提供しております。
売上区分概要
プラットフォームシステム仮想化業務(プライベートクラウド化~ハイブリッドクラウド化)にて活用する各種仮想化ソフトウエア(Citrix、VMware、Microsoft等)の導入コンサルティング、設計、実装、保守及びそれらに付随するハードウェア、ソフトウエア販売を行っております。
コンサルティングにおいては、上記3社の仮想化ソフトウエア全てによるシステム構築が可能であることを強みとして、各社製品の特徴を生かした提案を行っております。
特にCitrixについては、2004年4月から15年連続でシトリックス認定販売パートナーのトップカテゴリ(Citrix Solution Advisor Platinum)にリストされております。
プロダクツCitrix環境における印刷系諸問題を解決する「デルバイ」及び「キトラス」という製品が主力で、Citrixユーザー向けに10年以上売れ続けています。2014年には、食品製造業務向けの生産管理業務に特化した生産管理システムパッケージである「イートバイ」を開発し、市場投入しております。
カスタマイザー業務ロジックのプログラミング及びデータベース化する業務で販売管理や在庫管理、物流管理等対象クライアントは多岐にわたっています。既存パッケージのカスタマイズは殆ど行わず、顧客ニーズと顧客状況に応じたシステムを手作りで構築できることが特徴となっております。

[セキュアクラウドシステム事業:事業系統図]
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(エモーショナルシステム事業)
エモーショナルシステム事業は、VR(Virtual reality:仮想現実)シアター4D王の技術開発及び製造販売を中心に行っております。
4D王は特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)を取得しており、360度スクリーンに切れ目なく3D映像を投影する特許技術を基にした移設可能なミニシアターであります。円筒形のスクリーンの中に客席が設置され、スクリーンに囲まれた空間に映像が縦横無尽に飛び回り、観客を突き抜ける特殊効果と、映像に同期した立体音響、突風、地面の揺れによって、360度に展開するストーリーに観客を没入させる、独自のVR空間を作り上げる装置となっております。ヘッドマウントディスプレイ型のVRと異なり、軽量な3D眼鏡を使用することで仲間と感動を共有する、いわゆる「体験共有型VRシアター」と言えます。
2019年7月末現在、4D王の常設設置箇所は遊園地を中心として、国内17箇所、海外2箇所、計19箇所となっております。最近では、博物館や科学館で設置されるようになったほか、工場見学等産業系をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用が検討されるなど、販売・設置先が遊園地系以外にも広がりつつあります。
また、4D王は、運搬や設置に時間と労力を要する常設型のシアターだけではなく、装置の運搬・設置・解体を簡易化し、これらの時間を大幅に短縮させた可搬型のシアターである4D王ギャロップも製品化されております。一定の平面箇所があれば設置可能なラインアップを大小にわたって取り揃えていることから、平面スクリーンと稼働椅子を使ったシアターと比較して、設置にあたって柔軟な対応が可能となっております。
その他、4D王において上映するコンテンツ制作も行っておりますが、有名なキャラクターを用いたコンテンツとして、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、2017年8月には「頭文字D project VR -疾駆-」、2019年3月には「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」をリリースしました。また、解像度が高い8k360度カメラで撮影した実写によるミュージックビデオや、各地の風景映像など、新たなコンテンツ制作にも取り組んでおります。
[エモーショナルシステム事業:事業系統図]
0201010_002.jpg※レベニューシェアとは、当社提供機器等の対価として4D王運営者の売上の一部を一定割合で当社に支払ってもらうものです。
※ここでのIPは、Interllectual Property=知的財産のことを表しています。