有価証券報告書-第22期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/24 15:02
【資料】
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【項目】
147項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済活動が抑制され、厳しい状況となりました。中国においてはいち早く経済活動を再開し、景気は緩やかに回復している一方、欧米では新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響で経済活動は抑制され、依然として経済の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループは、このような状況下で、スマートフォン・IoT関連等の最終製品の機能アップのための新たな成膜技術開発を積極的に行い、優秀人材の追加的採用も強化し、新型装置の市場へのリリースを積極化いたしました。また、顧客の近くに開発・生産・販売拠点を持つ強みを生かし、感染拡大防止に配慮した対面での営業活動やリモートによる営業活動等の多様な営業活動を積極的に展開し、装置の早期検収に努めました。また、市場環境の変化に対処すべく原価改善や経費削減など図りましたが、売上高・利益とも減収減益となりました。
分野別では、スマートフォンではカメラ複眼化、筐体への加飾、カメラ部分への新たな成膜等の成膜需要、カメラレンズでは監視カメラやIRカットフィルタの成膜需要、IoTでは、車載パネルへの成膜や半導体ウェハへの成膜、医療機器へのパネルやレンズへの成膜、スマートウォッチ等のウェアラブル端末への成膜、AR/VR機器への成膜、光通信機器向けの成膜等、幅広い分野の売上高を計上いたしました。
受注においては、設備投資は全般的に慎重であったものの、北米及び東アジアのスマートフォン関連メーカーからの受注を獲得し、5G関連の光通信向け・自動車・半導体・医療関連等のIoT関連やLED向け成膜装置の受注は好調に推移いたしました。
注目すべき新たな受注として、ここ数年取り組んできた新型装置開発の内、ALD装置は複数台の受注獲得に成功し、2021年以降の新たな成膜技術の展開につながる実績を挙げました。その他新型装置も今後の市場への供給を準備しており、2020年は受注につなげる準備期間として充実した研究開発成果を挙げました。
その結果、売上高は37,491百万円(前年同期比12.4%減)、営業利益は8,628百万円(前年同期比20.7%減)、経常利益は8,609百万円(前年同期比21.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,796百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、44,571百万円と前連結会計年度末と比べ2,622百万円の減少となりました。減少した要因は、仕掛品や現金及び預金が減少したことなどによるものです。
固定資産は、9,755百万円と前連結会計年度末と比べ440百万円の増加となりました。増加した要因は、のれんが増加したことなどによるものです。
(負債)
流動負債は、13,654百万円と前連結会計年度末と比べ6,170百万円の減少となりました。減少した要因は、前受金が減少したことなどによるものです。
固定負債は、1,157百万円と前連結会計年度末と比べ707百万円の減少となりました。減少した要因は、繰延税金負債が減少したことなどによるものです。
(純資産)
純資産は、39,515百万円と前連結会計年度末と比べ4,696百万円の増加となりました。増加した要因は、利益剰余金が増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、22,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,247百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加5,503百万円や前受金の減少5,074百万円などにより、535百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出は16,768百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出760百万円などにより、1,047百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出は1,384百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額2,543百万円などにより、2,466百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出は108百万円の増加となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
成膜装置事業18,384,006122.8

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
成膜装置事業28,606,31779.323,583,05872.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称売上高(千円)前年同期比(%)
成膜装置事業37,491,30887.6

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Apple Inc.グループ9,101,51921.35,412,30114.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「Apple Inc.グループ」の販売高は、Apple Inc.とその関係会社に対する販売価格をすべて合算した金額を記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、IoT・光通信・LED向け成膜装置の売上が増加、スマートフォン関連装置の売上は底堅いものの金額ベースでは減少となり、前連結会計年度に比べ12.4%減少し、37,491百万円となりました。
(営業利益)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度に比べ9.2%減少し、22,809百万円となりました。外注先や外注要員等を活用した装置生産や調達コスト削減等に努めたものの、売上装置構成差や元高による原価高影響等により、売上原価率は2.1ポイント増加し、60.8%となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ11.2%減少し、6,053百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ20.7%減少し、8,628百万円となりました。
(経常利益)
営業外損益は、受取賃貸料72百万円や補助金収入119百万円等があったものの、為替差損186百万円等により経常利益は前連結会計年度に比べ21.9%減少し、8,609百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、段階取得に係る差益66百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ25.3%減少し、6,796百万円となりました。
今後の見通しについて、光学薄膜装置市場は、2020年度において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、2021年に入り、市場は少しずつ活性化してきており、より高度な光学薄膜技術及びさらにレベルアップした新成膜技術のニーズが広がってきております。
スマートフォンでは、カメラモジュール・筐体加飾・カバーガラスの全てにおいて、新型高級製品の市場供給を可能にするための新たな技術開発要求があり、当社は業界有力企業として、これに取り組んでまいります。光学薄膜・ALD技術の合体に始まり、光学薄膜+その他の新技術開発を結実させ、2021年以降のお客様による最終製品の市場への供給を強力にサポートしてまいります。そのため、2021年度は実質的な研究開発費は4,232百万円(2020年度3,392百万円)と大幅アップし、当社技術開発は加速され、新たな進化のステージに入ることになります。研究開発施設は日本国内及び光馳科技(上海)有限公司敷地内での研究開発棟新築により、グローバルに強化いたします。
具体的な事業見通しでは、カメラ機能では望遠・広角・超望遠・超広角といった複数の機能を組み合わせた複眼化や高画質化・高感度化による成膜需要やAR/VR技術を駆使した3D機能も拡張し高精度な3Dセンシングへの成膜需要も期待されます。
IoT分野である自動車では、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術向上にともなう車載カメラ搭載数の増加による成膜需要、インストルメントパネル等の速度計器類やエアコンや音響関連機能等のタッチパネル化による成膜需要、生体認証では、スマートフォン等の顔認証や指認証等の3Dセンシング技術への成膜需要の拡大を見込みます。
光通信では5G通信対応に向けた通信機器部品成膜用の装置受注が期待されます。
カメラレンズでは、2021年度では、前年度の様子見の状況からやや変化が出てきており、中国での監視カメラネットワーク構築やスマートシティ構築等のセキュリティ対策向けの監視カメラ需要が見込まれます。
当社グループは最先端分野への研究開発を積極的に行い、市場・お客様ニーズを新型成膜装置に反映し、さらなる成長を図ってまいります。
なお、当社グループでは新型コロナウイルス感染症に対し、社員及びその家族、お客様をはじめとするステークホルダーの安全確保・感染防止を優先し、各国政府及び地方自治体の要請、指導にできるだけ応えるとともに、事業に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、必要な対応を行っております。
今後の業績への影響に関しては、ワクチン接種による感染抑制が期待されるものの、欧米を中心とした各国での感染再拡大による影響により、先行き不透明な状況が続きます。しかし、当社事業に関し、お客様との関係で特に影響は無く、2021年以降、これまでに開発してきた各種の新型装置の受注やスパッタ装置・蒸着装置の新技術対応で新たな需要開拓が可能と思われるため、感染拡大による影響は限定的と見込んでおります。
ただし、今後、感染症のさらなる拡大による経済状況が一段と悪化し、最終製品需要が大幅に減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクは残されております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や事業拡大を図るためのM&A等の投資であります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大等により先行き不透明な中、不測の事態に備えるため、十分な手元流動性を確保するとともに、当座貸越枠を設定し、適時に必要資金を確保する体制としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成には、資産、負債、収益及び費用の測定等に経営者の見積り及び仮定を含んでおります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループ業績に与える当社影響については、2021年12月期において一定期間にわたり当該影響が継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。現時点においては重要な影響を与えるものではないと判断しておりますが、今後の状況の変化によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

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