有価証券報告書-第25期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/09/28 10:03
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【項目】
76項目
業績等の概要
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、政府による継続的な経済対策を背景に、企業収益の改善や個人消費が底堅く推移するなど緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においては、中国及び新興国の経済成長の鈍化等の不確実性は存在するものの、景気は緩やかな回復傾向が見られました。
このような経済環境の中で当社は、オプティカル事業及びライフサイエンス・機器開発事業という独自の技術を利用した二つの事業により、前事業年度に続いて増収増益を実現いたしました。また、放射光施設用のX線ミラーの事業拡大のみならず、当社が得意とする表面加工技術や計測技術を応用し、半導体分野等その他産業分野における新事業の開拓にも注力してまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ1,400,379千円増加し、2,523,347千円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ120,151千円減少し、418,033千円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ1,520,530千円増加し、2,105,314千円となりました。
b. 経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高、利益共に増加し、売上高は1,009,889千円(前期比26.0%増加)、営業利益243,622千円(前期比47.0%増加)、経常利益279,340千円(前期比39.9%増加)、当期純利益174,515千円(前期比34.3%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は903,661千円(前期比28.1%増加)、セグメント利益は522,227千円(前期比35.4%増加)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は106,227千円(前期比10.3%増加)、セグメント損失は100,575千円(前期はセグメント損失60,380千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,260,098千円増加し、当事業年度末には1,560,125千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は91,823千円(前事業年度は211,070千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益252,571千円の計上、減価償却費56,807千円の計上、売上債権の増加241,044千円及び、前受金の減少134,088千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は38,305千円(前事業年度は114,564千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出72,833千円及び保険積立金の解約による収入41,075千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,206,006千円(前事業年度は55,141千円の使用)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,331,887千円及び長期借入金の返済による支出115,966千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業163,137145.0
ライフサイエンス・機器開発事業51,53198.8
合計214,669130.4

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,076,277531.1706,987132.3
ライフサイエンス・機器開発事業73,21274.44,67312.4
合計1,149,489381.9711,661124.4

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業903,661128.1
ライフサイエンス・機器開発事業106,227110.3
合計1,009,889126.0

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年7月1日
至 平成29年6月30日)
当事業年度
(自 平成29年7月1日
至 平成30年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
FMB Oxford Limited--304,00030.1
European x-ray free electron laser(Eu-XFEL)210,82026.3--
SLAC National Accelerator Laboratory133,82416.7--

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。これらの財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,931,108千円となり、前事業年度末に比べ1,426,562千円増加いたしました。これは主に仕掛品が53,239千円減少した一方で、東京証券取引所マザーズ上場時の増資等により現金及び預金が1,260,098千円及び、売掛金が242,908千円増加したことによるものであります。固定資産は592,239千円となり、前事業年度末に比べ26,183千円減少いたしました。これは主に生命保険の解約や満期に伴う保険積立金の減少により、投資その他の資産が24,624千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,523,347千円となり、前事業年度末に比べ1,400,379千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は292,284千円となり、前事業年度末に比べ6,353千円減少いたしました。これは主に前受金が97,238千円及び、1年内返済予定の長期借入金が10,956千円減少した一方で、未払法人税等が82,324千円及び、未払費用が9,483千円増加したことによるものであります。固定負債は125,748千円となり、前事業年度末に比べ113,797千円減少いたしました。これは主に長期借入金が105,010千円及び、繰延税金負債が12,056千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,105,314千円となり、前事業年度末に比べ1,520,530千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所マザーズ上場時の増資等により、資本金が673,007千円及び、資本準備金が673,007千円増加したことと当期純利益174,515千円の計上によるものであります。
2) 経営成績
(売上高及び営業利益)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて208,077千円の増収で、1,009,889千円(前期比26.0%増加)となりました。これは、ライフサイエンス・機器開発事業の販売が伸び悩んだものの、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーをはじめとする各種高精度ミラーの海外からの受注増加により大幅な増収となったことによります。このことにより、売上総利益は前事業年度に比べ118,287千円増加し、751,914千円(前期比18.7%増加)となりました。また、事業の成長に伴う人件費の増加や、新たな技術開発に伴う研究開発費の支出などがあったため、当事業年度における販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて40,355千円増加しましたが、当事業年度における営業利益は243,622千円(前期比47.0%増加)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)における補助金収入や生命保険の解約に伴う保険解約返戻金等を計上しました。また、営業外費用では、東京証券取引所マザーズへの上場に伴う株式公開費用や株式交付費等を計上しました。これらの結果、当事業年度における経常利益は279,340千円(前期比39.9%増加)となりました。
(当期純利益)
特別損失では、主にライフサイエンス・機器開発事業に用いる固定資産の減損損失を計上し、法人税等合計も増加しました。しかし、経常利益が増加したこと等により、当事業年度における当期純利益は174,515千円(前期比34.3%増加)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、バイオ産業分野の基礎となる、放射光施設用X線ナノ集光ミラー及び細胞培養装置等の製造分野で事業を展開しており、これら分野における研究及び産業の発展状況が経営成績に大きな影響を与えます。事業別では、オプティカル事業が世界の放射光施設の建設動向に影響され、ライフサイエンス・機器開発事業がiPS細胞を含む細胞培養の研究及び事業化動向に影響されるといえます。
当社の海外売上高比率は7割以上を占め、現地通貨で取引することが多く、為替リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動も当社の業績に影響を与えます。
主要製品である放射光施設用X線ナノ集光ミラーと各種の細胞にあわせた自動培養装置が、当社の売上の大半を占めますが、両事業に利益率の相違があるため、事業別売上高比率の変動が売上総利益及び売上総利益率に影響を与えます。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当事業年度末の有利子負債残高は136,860千円となっております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、グローバルニッチトップのモノづくり企業を目指しており、事業活動の収益性を示す「売上高経常利益率」を重要な経営指標と位置付けて、その向上を目指しております。
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
国内につきましては、大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」等への販売が引き続き堅調に推移しました。
海外につきましては、ヨーロッパ、アジア及び北米など海外の放射光施設への販売が伸長しました。特に、ドイツにあるX線自由電子レーザー施設(European XFEL)向けを中心に長尺ミラーの販売が好調であり、アジアにおいては台湾、中国、韓国の旺盛な需要を背景として販売が伸びました。さらに、アメリカ、ブラジルの施設に対しても販売を行ってまいりました。
新しい第4世代の放射光施設の建設またはバージョンアップや、X線自由電子レーザー施設の建設が競い合って進んでいる状況にあります。このような状況の中、今後さらに高精度ミラーの需要増大が予想されることから、新工場の建築も含めた生産の拡大と効率化を引き続き図ってまいります。
この結果、売上高は903,661千円(前期比28.1%増加)、セグメント利益は522,227千円(前期比35.4%増加)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当社が独自に開発した培養方法であるCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器(CellPet 3D-iPS、CellPet FT)の販売について、立ち上げに時間を要する結果となりました。この要因は、従来のディッシュやフラスコを用いた静置培養と異なる当社独自の新しい培養方法であるCELLFLOAT®システムについて、技術的前評価は高かったものの、新しい培養技術のためユーザーにおける培養評価実験が必要不可欠であり、それに想定よりも時間を費やしたことによるものであります。
今後とも、ユーザーの皆様に本技術を広く周知しご理解いただけるように、引き続き地道な営業活動を進めてまいります。
一方で、機器開発事業におけるグラビア印刷試験機(GP-10)のOEM販売や、自動抽出装置及び水晶振動子ウエハ加工装置等の委託開発による売上が業績に寄与しました。
このような状況の中、中長期的にCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器の販売を行うとともに、今後は当社設立以来行っている機器開発事業に注力し、さらに、機器開発事業における新規事業分野の開拓に注力してまいります。また、機器開発事業は主に受注生産であることから、売上見込みが立てやすいという特徴があります。
この結果、売上高は106,227千円(前期比10.3%増加)、セグメント損失は100,575千円(前期はセグメント損失60,380千円)となりました。

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