有価証券報告書-第26期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

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2019/09/27 9:59
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116項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善に伴い緩やかな回復基調にありましたが、米中による保護主義的な通商政策がもたらす貿易摩擦の激化や、日韓の外交上の問題等が影響し、先行きについては不透明な状況となっております。
このような経済環境の中で当社は、オプティカル事業及びライフサイエンス・機器開発事業という独自の技術を利用した二つの事業により、前事業年度に続いて増収増益を実現いたしました。また、放射光施設用のX線ミラーの事業拡大のみならず、当社が得意とする表面加工技術や計測技術を応用し、半導体分野等その他産業分野における新事業の開拓にも注力してまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ351,130千円増加し、2,871,547千円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ8,797千円増加し、423,899千円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ342,333千円増加し、2,447,647千円となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
b. 経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高、利益共に増加し、売上高は1,285,560千円(前期比27.3%増加)、営業利益436,507千円(前期比79.2%増加)、経常利益496,630千円(前期比77.8%増加)、当期純利益332,172千円(前期比90.3%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,186,534千円(前期比31.3%増加)、セグメント利益は715,552千円(前期比37.0%増加)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は99,025千円(前期比6.8%減少)、セグメント損失は58,977千円(前期はセグメント損失75,538千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ720,934千円減少し、当事業年度末には839,190千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は61,466千円(前事業年度は91,823千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益495,593千円の計上、減価償却費61,321千円の計上、売上債権の増加314,169千円及び、法人税等の支払額114,594千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は731,557千円(前事業年度は38,305千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出731,557千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は49,198千円(前事業年度は1,206,006千円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入10,254千円及び長期借入金の返済による支出59,360千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業271,493166.4
ライフサイエンス・機器開発事業102,947199.8
合計374,440174.4

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業810,58275.3331,03546.8
ライフサイエンス・機器開発事業175,205239.380,8531,730.2
合計985,78785.8411,88957.9

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,186,534131.3
ライフサイエンス・機器開発事業99,02593.2
合計1,285,560127.3

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2017年7月1日
至 2018年6月30日)
当事業年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
FMB Oxford Limited304,00030.1--
SLAC National Accelerator Laboratory--383,71929.9
Shanghai Eastern Scien-Tech Machinery Import & Export Limited--229,70017.9
National Synchrotron Radiation Research Center--130,35010.1

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。これらの財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,607,427千円となり、前事業年度末に比べ313,678千円減少いたしました。これは主に売掛金が315,682千円及び未収消費税等が68,889千円増加した一方で、新社屋建設費の支払い等により現金及び預金が720,934千円減少したことによるものであります。固定資産は1,264,119千円となり、前事業年度末に比べ664,808千円増加いたしました。これは主に機械及び装置が54,387千円増加及び、新社屋建設費の分割前払い等により建設仮勘定が614,573千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,871,547千円となり、前事業年度末に比べ351,130千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は346,513千円となり、前事業年度末に比べ54,228千円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が15,360千円及び未払金が11,203千円減少した一方で、未払法人税等が50,064千円及び前受金が16,309千円増加したことによるものであります。固定負債は77,386千円となり、前事業年度末に比べ45,431千円減少いたしました。これは主に長期借入金が44,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,447,647千円となり、前事業年度末に比べ342,333千円増加いたしました。これは主に当期純利益332,172千円の計上によるものであります。
2) 経営成績
(売上高及び営業利益)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて275,670千円の増収で、1,285,560千円(前期比27.3%増加)となりました。これは、ライフサイエンス・機器開発事業は減収となったものの、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーをはじめとする各種高精度ミラーの海外からの受注増加により大幅な増収となったことによります。このことにより、売上総利益は前事業年度に比べ189,213千円増加し、941,128千円(前期比25.2%増加)となりました。また、事業拡大に伴う人件費の増加や研究開発費の増加等があったものの、前事業年度に発生していた上場関連の費用がなくなったこと等により、当事業年度における販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて3,670千円減少し、当事業年度における営業利益は436,507千円(前期比79.2%増加)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)や経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)における補助金収入等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息や為替差損等を計上しました。これらの結果、当事業年度における経常利益は496,630千円(前期比77.8%増加)となりました。
(当期純利益)
特別損失では、ライフサイエンス・機器開発事業に用いる固定資産の減損損失を計上し、法人税等の計上額も増加しました。しかしながら、経常利益が増加したこと等により、当事業年度における当期純利益は332,172千円(前期比90.3%増加)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、バイオ産業分野の基礎となる、放射光施設用X線ナノ集光ミラー及び細胞培養装置等の製造分野で事業を展開しており、これら分野における研究及び産業の発展状況が経営成績に大きな影響を与えます。事業別では、オプティカル事業が世界の放射光施設の建設動向に影響され、ライフサイエンス・機器開発事業がiPS細胞を含む細胞培養の研究及び事業化動向に影響されるといえます。
当社の海外売上高比率は8割程度を占め、現地通貨で取引することが多く、為替リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動も当社の業績に影響を与えます。
主要製品である放射光施設用X線ナノ集光ミラーと各種の細胞にあわせた自動培養装置が、当社の売上の大半を占めますが、両事業に利益率の相違があるため、事業別売上高比率の変動が売上総利益及び売上総利益率に影響を与えます。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当事業年度末の有利子負債残高は80,826千円となっております。
d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
国内につきましては、大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」等への販売が引き続き堅調に推移しました。
海外につきましては、北米及びアジアなど海外の放射光施設への販売が伸長しました。特に、アメリカのスタンフォード大学内にあるX線自由電子レーザー施設(LCLSⅡ)向けを中心にX線ナノ集光ミラーの販売が好調であり、アジアにおいては放射光施設の新設が続く中国や、台湾の旺盛な需要を背景として販売が伸びました。さらに、ブラジル、ドイツ等の施設に対しても販売を行ってまいりました。
新しい第4世代の放射光施設の建設またはバージョンアップや、X線自由電子レーザー施設の建設が競い合って進んでいる状況にあり、特に中国での建設ラッシュが続いております。このような状況の中、今後さらに高精度ミラーの需要増大が予想されることから、新工場の稼働も含めた生産の拡大と効率化を引き続き図ってまいります。
この結果、売上高は1,186,534千円(前期比31.3%増)、セグメント利益は715,552千円(前期比37.0%増)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当社が独自に開発した培養方法であるCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器(CellPet 3D-iPS、CellPet FT)の販売、及び同じく汎用型機器であるCellPetⅡの販売が当初予算を割り込む結果となりました。これらの汎用型機器については、ユーザーへの浸透に時間を要すると想定して売上計画を前事業年度よりも大きく下げていたものの、浸透に想定以上の時間がかかったことにより予算をさらに下回る結果となりました。今後とも、ユーザーの皆様に本技術を広く周知しご理解いただけるように、引き続き地道な営業活動を進めてまいります。
また、機器開発案件の販売についても当初予算を大きく割り込む結果となりました。プラズマCVM技術(表面ナノ加工技術)を利用した量産向け製造装置の試作開発や、グラビア印刷試験機(GP-10)のOEM販売が業績に寄与したものの、それ以外の大手企業からの受託開発案件の進捗が滞ったことが要因であります。
このような状況の中、中長期的にはCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器の販売を推進するとともに、今後は機器開発事業に注力し、機器開発事業における新規事業分野の開拓に注力してまいります。
この結果、売上高は99,025千円(前期比6.8%減)、セグメント損失は58,977千円(前期はセグメント損失75,538千円)となりました。

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