有価証券報告書-第32期(2024/07/01-2025/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、継続的な物価の上昇や急激な為替変動に加えて、米国の政策動向、中国経済の低迷、中東やウクライナでの地域紛争などにより依然として景気への懸念事項が多く、先行き不透明な状況が続いております。
国内経済は、良好な企業業績を背景とした設備投資が引続き増加しており、賃上げによる実質賃金の改善によって個人消費も改善傾向にあり、堅調なインバウンド需要が加わって国内景気は緩やかな回復を続けております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ120,608千円増加し、3,688,131千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ41,858千円増加し、912,604千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ78,750千円増加し、2,775,527千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,925,592千円(前期比4.2%減)、営業利益113,823千円(前期比60.2%減)、経常利益102,017千円(前期比67.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60,348千円(前期比69.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,234,131千円(前期比0.5%減)、セグメント利益は526,759千円(前期比11.5%減)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は220,642千円(前期比33.2%減)、セグメント損失は52,055千円(前期はセグメント損失25,659千円)となりました。
その他事業は、売上高は471,148千円(前期比5.2%増)、セグメント利益は41,111千円(前期比20.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ102,149千円増加し、当連結会計年度末には712,379千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は286,478千円(前連結会計年度は62,651千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少124,442千円、税金等調整前当期純利益101,389千円、契約負債の増加65,710千円及びのれん償却額42,382千円による収入があった一方で、棚卸資産の増加121,948千円による支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は104,294千円(前連結会計年度は160,706千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103,659千円による資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は79,911千円(前連結会計年度は75,526千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75,456千円による資金減によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,939,634千円となり、前連結会計年度末に比べ123,905千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が102,149千円、仕掛品が98,171千円、原材料及び貯蔵品が35,795千円増加した一方で、売掛金が113,442千円減少したことによるものであります。固定資産は1,748,497千円となり、前連結会計年度末に比べ3,296千円減少いたしました。これは主に、のれんの償却が進んだことによって無形固定資産が44,396千円及び投資有価証券が3,081千円減少した一方、リース資産が44,550千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,688,131千円となり、前連結会計年度末に比べ120,608千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は493,038千円となり、前連結会計年度末に比べ79,852千円増加いたしました。これは主に、契約負債が65,710千円及びリース債務が10,692千円増加したことによるものであります。固定負債は419,566千円となり、前連結会計年度末に比べ37,993千円減少いたしました。これは主に、約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少した一方、リース債務が38,313千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は912,604千円となり、前連結会計年度末に比べ41,858千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,775,527千円となり、前連結会計年度末に比べ78,750千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を60,348千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、1,925,592千円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引するとともに、ライフサイエンス・機器開発事業及び子会社の電子科学株式会社の売上が寄与したことによります。この結果、売上総利益は1,178,776千円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,064,953千円(前連結会計年度比10.1%増)となり、当連結会計年度における営業利益は113,823千円(前連結会計年度比60.2%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、役員報酬返納額や受取出向料等を計上しました。また、営業外費用では、為替差損や支払利息等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常利益は102,017千円(前連結会計年度比67.2%減)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は60,348千円(前連結会計年度比69.8%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場では中国のSHINE(上海)、HALF(合肥)、IASF(深圳)、台湾のTPS、アメリカ市場ではLCLS、欧州市場ではEu-XFEL(ドイツ)、PSI(スイス)、ESRF(フランス)への売上が中心となり経営成績を牽引しました。世界各国において多くのアップグレードや新設を控えるに従い、ミラーの需要がこれまで以上に増大しておりますが、いずれの施設もより高い精度を実現するための綿密な設計検討に想定以上の時間を費やしたため、多くの案件で受注計画の変更や遅れが発生することとなりました。遅れて受注した案件については、生産計画の見直しにより一部の製品において大幅な工期短縮を果たしたものの、全体としては当初計画を下回る出荷数に留まり、売上高は前期比微減となりました。またセグメント利益につきましては人員増に伴う労務費の上昇などに伴い前期比減益となりました。
営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、当社の研究・開発成果の進捗報告をすることによる当社技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においても当社の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に展開しております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。
この結果、売上高は1,234,131千円(前期比0.5%減)、セグメント利益は526,759千円(前期比11.5%減)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当連結会計年度においては、機器開発事業はその重点分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術の装置化及び受注・販売活動を推進してまいりました。従来から継続している「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「触媒基準エッチング法(CARE)」に「電気化学機械研磨法(ECMP)」を加えた4つの新しい研磨プロセスによる拡販活動、潜在顧客の掘り起こし活動に注力してまいりました。その結果、設備導入を前提にした試作評価案件は大幅に増加し、そのうち、プラズマ援用研磨装置2台を受注し、売上に貢献しました。しかしながら、期初計画に沿った営業成果には至らず、実績は低調に推移する結果となりました。
一方、ライフサイエンス事業では「MakCell®」や各種CellPetシリーズが売上に貢献しました。しかしながら、自動培養装置や大型の細胞培養システムは、顧客の予算や方針変更により、期初計画に沿った受注・売上営業成果には至らず、実績は低調に推移する結果となりました。
そのため事業としての収益は前期比減収減益となりました。
営業活動の状況につきましては、個別顧客訪問による営業活動やホームページからの問い合わせ対応だけでなく「SEMICON Taiwan 2024」、「SEMICON Japan 2024」、「SiC・GaN加工技術展」等半導体関連の専門性の高い展示会へ出展し、積極的な広報活動と新規顧客開拓を行ってまいりました。その結果、プラズマ援用研磨法(PAP)、電気化学機械研磨法(ECMP)を中心に複数企業からテスト加工の依頼を受け、試作と顧客評価を進めてまいりました。今後更なる技術のブラッシュアップと営業の展開力アップを図り、市場ニーズに合致した装置の提供と、販路拡大や顧客との共同開発等の実現によって売上拡大を推進してまいります。
ライフサイエンス事業におきましては、自動培養装置は営業活動や展示会、学術誌への寄稿に対する反響を受け、医療現場の労働環境改善という点から市場ニーズの高い製品であることを改めて認識しました。また、日本医療研究開発機構(AMED)の成果である単核球分離装置も新たな医療活動に貢献できる製品であることから今後は技術を前面に押し出した潜在顧客の掘り起こしを更に進めてまいります。
この結果、売上高は220,642千円(前期比33.2%減)、セグメント損失は52,055千円(前期はセグメント損失25,659千円)となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事・装置のメンテナンス業務・受託分析業務の3つに分かれますが、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事において6件(販売先:韓国、中国、国内)の売上を計上したことにより昨年度実績を上回る結果となりました。また、装置販売につきましては、初の中国企業への納入実績を積むことができ、今後大きな市場となる中国企業への販売に向けて重要な一歩となりました。一方、事業拡大に向けての人員獲得及び積極的な研究開発投資によって費用が増加し、セグメント利益を圧迫する要因となりました。
この結果、売上高は471,148千円(前期比5.2%増)、セグメント利益は41,111千円(前期比20.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料、外注加工費及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の有利子負債残高は495,512千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、継続的な物価の上昇や急激な為替変動に加えて、米国の政策動向、中国経済の低迷、中東やウクライナでの地域紛争などにより依然として景気への懸念事項が多く、先行き不透明な状況が続いております。
国内経済は、良好な企業業績を背景とした設備投資が引続き増加しており、賃上げによる実質賃金の改善によって個人消費も改善傾向にあり、堅調なインバウンド需要が加わって国内景気は緩やかな回復を続けております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ120,608千円増加し、3,688,131千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ41,858千円増加し、912,604千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ78,750千円増加し、2,775,527千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,925,592千円(前期比4.2%減)、営業利益113,823千円(前期比60.2%減)、経常利益102,017千円(前期比67.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60,348千円(前期比69.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,234,131千円(前期比0.5%減)、セグメント利益は526,759千円(前期比11.5%減)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は220,642千円(前期比33.2%減)、セグメント損失は52,055千円(前期はセグメント損失25,659千円)となりました。
その他事業は、売上高は471,148千円(前期比5.2%増)、セグメント利益は41,111千円(前期比20.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ102,149千円増加し、当連結会計年度末には712,379千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は286,478千円(前連結会計年度は62,651千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少124,442千円、税金等調整前当期純利益101,389千円、契約負債の増加65,710千円及びのれん償却額42,382千円による収入があった一方で、棚卸資産の増加121,948千円による支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は104,294千円(前連結会計年度は160,706千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出103,659千円による資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は79,911千円(前連結会計年度は75,526千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75,456千円による資金減によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |
| 生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
| オプティカル事業 | 1,460,902 | 120.8 |
| ライフサイエンス・機器開発事業 | 136,657 | 42.4 |
| その他事業 | 427,965 | 121.6 |
| 合計 | 2,025,525 | 107.5 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| オプティカル事業 | 1,902,520 | 186.9 | 1,320,567 | 202.5 |
| ライフサイエンス・機器開発事業 | 228,802 | 103.1 | 38,939 | 126.5 |
| その他事業 | 320,727 | 88.1 | 5,327 | 3.4 |
| 合計 | 2,452,050 | 152.9 | 1,364,834 | 162.8 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| オプティカル事業 | 1,234,131 | 99.5 |
| ライフサイエンス・機器開発事業 | 220,642 | 68.5 |
| その他事業 | 470,818 | 105.1 |
| 合計 | 1,925,592 | 95.8 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 国立研究開発法人理化学研究所 | 208,288 | 10.4 | - | - |
(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,939,634千円となり、前連結会計年度末に比べ123,905千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が102,149千円、仕掛品が98,171千円、原材料及び貯蔵品が35,795千円増加した一方で、売掛金が113,442千円減少したことによるものであります。固定資産は1,748,497千円となり、前連結会計年度末に比べ3,296千円減少いたしました。これは主に、のれんの償却が進んだことによって無形固定資産が44,396千円及び投資有価証券が3,081千円減少した一方、リース資産が44,550千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,688,131千円となり、前連結会計年度末に比べ120,608千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は493,038千円となり、前連結会計年度末に比べ79,852千円増加いたしました。これは主に、契約負債が65,710千円及びリース債務が10,692千円増加したことによるものであります。固定負債は419,566千円となり、前連結会計年度末に比べ37,993千円減少いたしました。これは主に、約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少した一方、リース債務が38,313千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は912,604千円となり、前連結会計年度末に比べ41,858千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,775,527千円となり、前連結会計年度末に比べ78,750千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を60,348千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、1,925,592千円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引するとともに、ライフサイエンス・機器開発事業及び子会社の電子科学株式会社の売上が寄与したことによります。この結果、売上総利益は1,178,776千円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,064,953千円(前連結会計年度比10.1%増)となり、当連結会計年度における営業利益は113,823千円(前連結会計年度比60.2%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、役員報酬返納額や受取出向料等を計上しました。また、営業外費用では、為替差損や支払利息等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常利益は102,017千円(前連結会計年度比67.2%減)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は60,348千円(前連結会計年度比69.8%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場では中国のSHINE(上海)、HALF(合肥)、IASF(深圳)、台湾のTPS、アメリカ市場ではLCLS、欧州市場ではEu-XFEL(ドイツ)、PSI(スイス)、ESRF(フランス)への売上が中心となり経営成績を牽引しました。世界各国において多くのアップグレードや新設を控えるに従い、ミラーの需要がこれまで以上に増大しておりますが、いずれの施設もより高い精度を実現するための綿密な設計検討に想定以上の時間を費やしたため、多くの案件で受注計画の変更や遅れが発生することとなりました。遅れて受注した案件については、生産計画の見直しにより一部の製品において大幅な工期短縮を果たしたものの、全体としては当初計画を下回る出荷数に留まり、売上高は前期比微減となりました。またセグメント利益につきましては人員増に伴う労務費の上昇などに伴い前期比減益となりました。
営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、当社の研究・開発成果の進捗報告をすることによる当社技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においても当社の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に展開しております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。
この結果、売上高は1,234,131千円(前期比0.5%減)、セグメント利益は526,759千円(前期比11.5%減)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当連結会計年度においては、機器開発事業はその重点分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術の装置化及び受注・販売活動を推進してまいりました。従来から継続している「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「触媒基準エッチング法(CARE)」に「電気化学機械研磨法(ECMP)」を加えた4つの新しい研磨プロセスによる拡販活動、潜在顧客の掘り起こし活動に注力してまいりました。その結果、設備導入を前提にした試作評価案件は大幅に増加し、そのうち、プラズマ援用研磨装置2台を受注し、売上に貢献しました。しかしながら、期初計画に沿った営業成果には至らず、実績は低調に推移する結果となりました。
一方、ライフサイエンス事業では「MakCell®」や各種CellPetシリーズが売上に貢献しました。しかしながら、自動培養装置や大型の細胞培養システムは、顧客の予算や方針変更により、期初計画に沿った受注・売上営業成果には至らず、実績は低調に推移する結果となりました。
そのため事業としての収益は前期比減収減益となりました。
営業活動の状況につきましては、個別顧客訪問による営業活動やホームページからの問い合わせ対応だけでなく「SEMICON Taiwan 2024」、「SEMICON Japan 2024」、「SiC・GaN加工技術展」等半導体関連の専門性の高い展示会へ出展し、積極的な広報活動と新規顧客開拓を行ってまいりました。その結果、プラズマ援用研磨法(PAP)、電気化学機械研磨法(ECMP)を中心に複数企業からテスト加工の依頼を受け、試作と顧客評価を進めてまいりました。今後更なる技術のブラッシュアップと営業の展開力アップを図り、市場ニーズに合致した装置の提供と、販路拡大や顧客との共同開発等の実現によって売上拡大を推進してまいります。
ライフサイエンス事業におきましては、自動培養装置は営業活動や展示会、学術誌への寄稿に対する反響を受け、医療現場の労働環境改善という点から市場ニーズの高い製品であることを改めて認識しました。また、日本医療研究開発機構(AMED)の成果である単核球分離装置も新たな医療活動に貢献できる製品であることから今後は技術を前面に押し出した潜在顧客の掘り起こしを更に進めてまいります。
この結果、売上高は220,642千円(前期比33.2%減)、セグメント損失は52,055千円(前期はセグメント損失25,659千円)となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事・装置のメンテナンス業務・受託分析業務の3つに分かれますが、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事において6件(販売先:韓国、中国、国内)の売上を計上したことにより昨年度実績を上回る結果となりました。また、装置販売につきましては、初の中国企業への納入実績を積むことができ、今後大きな市場となる中国企業への販売に向けて重要な一歩となりました。一方、事業拡大に向けての人員獲得及び積極的な研究開発投資によって費用が増加し、セグメント利益を圧迫する要因となりました。
この結果、売上高は471,148千円(前期比5.2%増)、セグメント利益は41,111千円(前期比20.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料、外注加工費及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の有利子負債残高は495,512千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。