有価証券報告書-第31期(2023/07/01-2024/06/30)

【提出】
2024/09/30 9:36
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【項目】
143項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、自動車産業での品質不正問題発生による出荷停止の影響も緩和され、半導体などの成長産業や人手を補う省力化に向けた設備投資計画が旺盛で、製造業を中心とした景気回復のモメンタムは上昇傾向が続いております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ102,503千円増加し、3,567,522千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ115,364千円減少し、870,746千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ217,868千円増加し、2,696,776千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高2,010,340千円(前期比5.3%増)、営業利益285,836千円(前期比6.8%減)、経常利益310,955千円(前期比14.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益199,591千円(前期比16.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,240,241千円(前期比3.8%増)、セグメント利益は595,237千円(前期比18.8%増)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は330,303千円(前期比1.7%増)、セグメント損失は25,659千円(前期はセグメント利益1,533千円)となりました。
その他事業は、売上高は447,945千円(前期比15.4%増)、セグメント利益は51,567千円(前期比40.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ172,898千円減少し、当連結会計年度末には610,230千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は62,651千円(前連結会計年度は210,359千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加235,962千円及び法人税等の支払額89,655千円による支出があった一方で、税金等調整前当期純利益284,742千円及び減価償却費106,771千円、のれん償却額42,382千円、契約負債の増加18,283千円による収入があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は160,706千円(前連結会計年度は84,742千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出141,406千円及び投資有価証券の取得による支出15,000千円などによる資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は75,526千円(前連結会計年度は75,504千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75,456千円などによる資金減によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,209,546114.5
ライフサイエンス・機器開発事業322,66799.0
その他事業351,95470.7
合計1,884,168100.2

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,017,94688.5652,17874.6
ライフサイエンス・機器開発事業221,85548.930,77923.5
その他事業363,86483.4155,41864.9
合計1,603,66678.6838,37667.3

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,240,241103.8
ライフサイエンス・機器開発事業322,15399.2
その他事業447,945115.4
合計2,010,340105.3

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
当連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Advanced Photon Source Argonne National Laboratory216,09711.3--
国立研究開発法人理化学研究所209,63111.0208,28810.4

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,815,729千円となり、前連結会計年度末に比べ138,413千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が172,898千円減少した一方で、売掛金が226,498千円、商品及び製品が67,723千円増加したことによるものであります。固定資産は1,751,793千円となり、前連結会計年度末に比べ35,909千円減少いたしました。これは主に、のれんの償却が進んだことによって無形固定資産が44,910千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は3,567,522千円となり、前連結会計年度末に比べ102,503千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は413,185千円となり、前連結会計年度末に比べ38,248千円減少いたしました。これは主に、買掛金が47,242千円減少したことによるものであります。固定負債は457,560千円となり、前連結会計年度末に比べ77,116千円減少いたしました。これは主に、約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は870,746千円となり、前連結会計年度末に比べ115,364千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,696,776千円となり、前連結会計年度末に比べ217,868千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を199,591千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、2,010,340千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引するとともに、ライフサイエンス・機器開発事業及び子会社の電子科学株式会社の売上が寄与しております。この結果、売上総利益は1,252,754千円(前連結会計年度比7.5%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は966,917千円(前連結会計年度比12.7%増)となり、当連結会計年度における営業利益は285,836千円(前連結会計年度比6.8%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)における補助金収入等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息及び投資事業組合運用損等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常利益は310,955千円(前連結会計年度比14.6%減)となりました。
(当期純利益)
特別損失を26,213千円計上いたしましたが、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は199,591千円(前連結会計年度比16.2%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場ではSHINE(中国)、TPS(台湾)、ANSTO(豪州)、アメリカ市場ではAPS、LCLS、欧州市場ではEu-XFEL(ドイツ)、PSI(スイス)、ESRF(フランス)への売上が中心となり経営成績を牽引いたしました。過去と比較して当連結会計年度は受注数、生産数の増加が見られると同時に、これまでにない更なる高精度化の追加要求や、当社のみが実現できる高精度ミラーを基材とした成膜や刻線などの付加加工の要求が多数あり、一部生産計画の変更や遅れが発生することとなりました。オンリーワンの技術を追求する当社の経営理念上、今後も同様の要求が増えることが想定されるため、これまで以上に積極的な生産及び付加加工の能力向上に努めてまいります。
国内ではNanoTerasuの稼働開始、そしてSPring-8のアップグレード計画が報告され、また国外においては欧州でDLS、BESSYⅡ、PETRAⅢ、ALBA、Elettraなど複数施設のアップグレード計画、そしてアジアは中国の合肥市や深圳市で新設計画が明らかになっており、すでに関係施設から多くの問い合わせを受け、順次詳細仕様の検討を進めております。特にエネルギー、半導体に関する最先端研究の活性化に伴い、欧州の中規模放射光施設において、これまで以上に高精度なミラーの需要が高まっており、現在進めている市場開拓の成果が順調に表れております。
営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、当社の研究・開発成果の進捗報告することによる当社技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においても当社の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に続けております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。
この結果、売上高は1,240,241千円(前期比3.8%増)、セグメント利益は595,237千円(前期比18.8%増)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当連結会計年度においては、昨年度に続きライフサイエンス・機器開発事業の重点新規事業分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術であるプラズマ化学気相加工法(PCVM)、プラズマ援用研磨法(PAP)、触媒基準エッチング法(CARE)による表面加工装置の商品化、受注並びに販売活動を推進してまいりましたが、プラズマ化学気相加工法装置2台(小型開発機1台及び大型自動量産機1台)を受注し、いずれも第4四半期に納入いたしました。当社は新たな事業の柱として独自の表面加工・研磨技術及び装置の開発推進、実用化へと展開を図ってまいりましたが、上記の受注は当社技術を高くご評価いただいた結果であると考えております。
一方、個別顧客訪問による営業活動やホームページからの問い合わせ対応だけでなく、第2四半期には「SEMICOM Japan 2023」へ出展し、新たな顧客開拓も行ってまいりました。その結果、複数企業からテスト加工の依頼を受け、試作と顧客評価を進めてまいりました。しかしながら、まだ顧客の要求する加工精度や生産性を完全に満足できておらず、新規顧客からの受注には至りませんでした。今後更なる技術のブラッシュアップを図り、市場ニーズに合致した製品の提供と、営業の展開力アップにより、販路拡大や大手企業との共同開発契約締結に繋げるなど、製品展開と売上拡大を推進してまいります。
一方、ライフサイエンス機器では「MakCell®」をはじめとする自動培養装置が、顧客の予算の都合や方針変更により計画に沿った受注・売上に至らず苦戦を強いられましたが、第4四半期に出展した「ファーマラボ2024」においては、自動培養装置は依然として市場ニーズの高い製品であることが直に感じられ、初めて出展いたしました「単核球分離装置」も多くの来場者に興味をお持ちいただけました。今後はこれらの顧客への丁寧な対応だけでなく、潜在顧客の掘り起こしを進めてまいります。
その他、Spring-8における光源高度化に必要となる開発品の設計・製造、グラビア印刷試験機(GP-10)用制御基板、水冷式冷却器等が売上に貢献いたしました。
この結果、売上高は330,303千円(前期比1.7%増)、セグメント損失は25,659千円(前期はセグメント利益1,533千円)となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事、装置のメンテナンス業務、受託分析業務の3つに分かれますが、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事において6件(販売先:韓国、台湾、国内)の売上を計上したことにより昨年度実績を上回る結果となりました。また、装置販売につきましては、今回は日本企業の中国支店における導入でしたが、初めて中国(上海)での設置・導入作業を行い、今後大きな市場となる中国企業への販売に向けて重要な一歩となりました。一方、事業拡大に向けての人員増及び材料費の高騰によって費用が増加し、利益を圧迫する要因となりました。
この結果、売上高は447,945千円(前期比15.4%増)、セグメント利益は51,567千円(前期比40.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金である有利子負債残高は521,963千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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