有価証券報告書-第27期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

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2020/09/30 15:36
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【項目】
115項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善に伴い緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、年明け以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大により、景気が急速に悪化し厳しい状況となりました。当社の主要取引先である放射光施設を有する世界各国においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく出ており、平常時の経済活動が出来ない状況となり、先行きが非常に不透明な状況となっております。
このような経済環境の中で当社は、オプティカル事業及びライフサイエンス・機器開発事業という独自の技術を利用した二つの事業により、営業基盤の強化と拡充に努めてまいりました。また、放射光施設用のX線ミラーの事業拡大のみならず、当社が得意とする表面加工技術や計測技術を応用し、半導体分野等その他産業分野における新事業の開拓にも注力してまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ234,882千円減少し、2,636,664千円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ258,799千円減少し、165,099千円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ23,917千円増加し、2,471,565千円となりました。
b. 経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高、利益共に減少し、売上高は1,027,480千円(前期比20.1%減)、営業利益5,980千円(前期比98.6%減)、経常利益34,187千円(前期比93.1%減)、当期純利益16,356千円(前期比95.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は833,087千円(前期比29.8%減)、セグメント利益は324,701千円(前期比54.6%減)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は194,392千円(前期比96.3%増)、セグメント損失は24,509千円(前期はセグメント損失58,977千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ265,790千円減少し、当事業年度末には573,400千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は67,040千円(前事業年度は61,466千円の獲得)となりました。これは主に、前受金の減少80,839千円及び法人税等の支払額214,218千円による支出があった一方で、売上債権の減少260,551千円、仕入債務の増加40,632千円及び減価償却費93,086千円の計上による収入があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は262,250千円(前事業年度は731,557千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出255,905千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は69,939千円(前事業年度は49,198千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入7,733千円及び長期借入金の返済による支出77,500千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業293,302108.0
ライフサイエンス・機器開発事業177,583172.5
合計470,885125.8

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業678,35983.7176,30753.3
ライフサイエンス・機器開発事業345,395197.1231,856286.8
合計1,023,755103.9408,16499.1

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業833,08770.2
ライフサイエンス・機器開発事業194,392196.3
合計1,027,48079.9

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
当事業年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
SLAC National Accelerator Laboratory383,71929.9--
Shanghai Eastern Scien-Tech Machinery Import & Export Limited229,70017.9--
National Synchrotron Radiation Research Center130,35010.1--
PAUL SCHERRER INSTITUT--153,43814.9
国立研究開発法人理化学研究所--147,63414.4

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,211,809千円となり、前事業年度末に比べ395,618千円減少いたしました。これは主に未収還付法人税等が78,158千円及び仕掛品が68,163千円増加した一方で、現金及び預金が265,790千円及び第4四半期の売上が伸びなかったこと等により売掛金が255,181千円減少したことによるものであります。固定資産は1,424,855千円となり、前事業年度末に比べ160,736千円増加いたしました。これは主に新社屋の稼働等により建設仮勘定が604,612千円減少した一方で建物が614,763千円増加したこと、旧本社用地の購入により土地が68,409千円増加したこと、及び機械及び装置が43,235千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,636,664千円となり、前事業年度末に比べ234,882千円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は163,199千円となり、前事業年度末に比べ183,314千円減少いたしました。これは主に未払金が16,005千円増加した一方で、未払法人税等が126,073千円及び前受金が80,839千円減少したことによるものであります。固定負債は1,900千円となり、前事業年度末に比べ75,485千円減少いたしました。これは主に借入金の完済により長期借入金が62,500千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,471,565千円となり、前事業年度末に比べ23,917千円増加いたしました。これは主に当期純利益16,356千円の計上によるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べて258,079千円の減収で、1,027,480千円(前期比20.1%減)となりました。これは、ライフサイエンス・機器開発事業は増収となったものの、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーをはじめとする各種高精度ミラーにおける海外でのコロナ禍の影響により大幅な減収となったことによります。このことにより、売上総利益は前事業年度に比べ303,968千円減少し、637,159千円(前期比32.3%減)となりました。また、事業拡大に伴う人件費の増加、研究開発費の増加、及び新社屋の建設や引越しに関する費用等があったこと等により、当事業年度における販売費及び一般管理費は前事業年度に比べて126,558千円増加し、当事業年度における営業利益は5,980千円(前期比98.6%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)や、中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構によるものづくり・商業・サービス新展開支援補助金(ものづくり補助金)における補助金収入等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息等を計上しました。これらの結果、当事業年度における経常利益は34,187千円(前期比93.1%減)となりました。
(当期純利益)
特別損失では、旧本社用地取得に伴う資産除去債務の整理等による固定資産除売却損を計上しました。また、前事業年度と比べて経常利益が大幅に減少し、法人税等の計上額も大幅に減少したこと等により、当事業年度における当期純利益は16,356千円(前期比95.1%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
オプティカル事業においては世界各国への輸出取引を行っていることから、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく出る結果となりました。特に、第4四半期頃からその影響が大きく表れてきました。
具体的な影響としては、中国やアメリカの施設の建設や研究計画の遅れに伴い受注が遅れたことや、中国(SSRF)、ブラジル(SIRIUS)、台湾(TPS)等の施設のシャットダウンにより最終仕様の決定が遅れたこと、グレーティング工程や多層膜工程の外注加工を依頼していたドイツのメーカーのシャットダウンにより製造が遅れたこと等があります。また、イタリアのメーカーに放射光施設向けの集光装置の製造を外注していた案件が新型コロナウイルス感染症の影響により出荷が遅延するということもありました。
当社製品は受注生産のため失注になることはありませんが、これらの影響により、売上が翌期にずれることとなりました。通期の売上高が期初の見込みに比べ大きく未達となりましたが、第4四半期に見込んでいた売上が達成できなかったことが大きな要因であります。
そのような状況の中、国内(施設:SPring-8、SACLA、NewSUBARU等)向けの販売が堅調に推移しました。これら国内向け販売につきましては、大半が第3四半期末である3月までに完了することが多いという特徴があります。
海外向け販売につきましては、アジア向けや北米向けが当初見込んでいたよりも減少した一方で、欧州向けの販売が伸長しました。特にスイス(施設:SwissFEL)、フランス(施設:ESRF)、ドイツ(施設:Eu-XFEL)向けの売上が業績を牽引する結果となりました。
この結果、売上高は833,087千円(前期比29.8%減)、セグメント利益は324,701千円(前期比54.6%減)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
ライフサイエンス・機器開発事業においては、第4四半期に売上を見込んでいた水晶振動子ウエハ加工システムについて、外注先国内企業にて新型コロナウイルスの影響があったことにより開発が大幅に遅れ、売上が翌期にずれることとなりました。
そのような状況の中、再生医療分野における受託研究開発に係る売上のほか、水晶振動子ウエハ製造における関連装置の委託開発、iPS細胞用自動細胞培養装置KB2000、各種ガス検知装置、グラビア印刷試験機(GP-10)のOEM販売による売上が業績を牽引しました。
短期的な戦略として、CELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器(CellPet 3D-iPS®、CellPetr FT®)から機器開発案件へ売上構成のシフトを図ってまいりましたが、水晶振動子ウエハ加工システムの開発をはじめとして順調に進んできております。引き続き、中長期的にはCELLFLOAT®システムを用いた汎用型機器の販売を推進するとともに、機器開発事業に注力し機器開発事業における新規事業分野の開拓に注力してまいります。
この結果、売上高は194,392千円(前期比96.3%増)、セグメント損失は24,509千円(前期はセグメント損失58,977千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当事業年度末の有利子負債残高は2,613千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。これらの財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって前提とした条件や仮定に変更が生じこれが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。また、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(受注損失引当金)
受注損失引当金については、損失発生の可能性が高く、かつ、事業年度末時点で当該損失額を合理的に見積ることができる受注製品について、翌事業年度以降の損失見込額を計上しております。損失の発生見込額については最善の見積りを行っておりますが、想定外の事象の発生等により、当初想定していなかった追加的な費用が生じることがあるため、実際の損失額は見積額と異なる可能性があります。
(固定資産の減損)
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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