有価証券届出書(新規公開時)

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2018/10/02 15:00
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101項目

業績等の概要

(1) 業績
第28期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初は米国の新大統領就任や地政学リスクなど先行き不透明感があったものの、国内企業の業績回復に伴い、特に後半にかけて景況感に明るさが広がり、内需主導による成長が続く状況となっています。
当連結会計年度のマス媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)を除く広告・販促市場は、前年同期間対比でほぼ横ばいとなっており、一服感はあるものの企業の広告への出稿意欲は引き続き旺盛な状況で推移していると考えられます。(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに当社調べ)
雇用環境においては少子化や景気回復に伴う労働力不足が顕著となり、完全失業率(季節調整値)は9月に2.8%(総務省統計局「労働力調査」)に下がり、有効求人倍率も平成29年7月以降1.52倍(厚生労働省「一般職業紹介状況」)で推移するなど、バブル期以来の水準が続いています。これらを背景に、大学生の就職動向においても、平成30年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の就職活動について、売り手市場の状況が極めて強くなったことに加え、前連結会計年度に比べてさらに選考活動が早期化しています。また、学生との早期接触を図る動きがますます加速しています。学生の大手志向と、大手企業の採用人数の拡大により、中堅中小企業の採用環境は厳しさを増しています。
大学、専門学校の学校数、学生数は、前年比でほぼ横ばいとなっており、大学・短大への進学率は平成29年に57.3%(文部科学省「学校基本調査」)と過去最高になっています。一方で、高等教育機関進学者数の指標となる18歳人口は 平成28年10月時点で約120万人となっており、平成30年以降に減少に向かうとされています。(総務省統計局「人口推計」)そのため、学校間の競争が加速しており、各学校とも特色を出し、進学希望者から選ばれる教育機関としての魅力や特長を創出すべく、学部学科やカリキュラムの再編、外国人留学生の受け入れ拡充等を推進しています。
このような状況の中、当社グループにおきましては、プロモーション事業について、キャンペーン事務局代行業務を中心として、広告代理店からの取引が大きく伸長したほか、外食、シニア、住宅、旅行、自動車販売、公的機関など幅広い分野が前連結会計年度比で伸長しました。ケーブルテレビ分野は大口クライアントにおける方針変更による大幅な減少を見込んでいましたが、提案商材の拡充を図ることで取引が再び拡大傾向にあり、前連結会計年度比で微減に留まりました。
採用広報事業については、企業が直接学生に会うことができるテーマ型の小規模セミナー「アクセス就活FOCUS」や「アクセス就活LIVE」の販売が好調に推移しました。一方、就活スケジュールの変化に伴い、「UNI-PLATZセミナー」の11~2月の引き合いが強まる一方で、3~4月の出展ニーズが減少しました。また、個別受託案件の受注が、採用広報関連業務を中心に想定より伸びませんでした。
学校広報事業については、外国人留学生分野が大幅に伸長する一方で、国内進学関連の「アクセス進学FOCUS」、連合企画、制作業務等については、顧客の予算引き締めや受注が想定より伸びなかったこと等を背景に、前連結会計年度を下回る結果となりました。
この結果、当社グループ連結の売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が前連結会計年度を上回りました。経常利益は、前連結会計年度に営業外収益として計上した役員保険の解約返戻金と保険積立金の差額が当連結会計年度は発生しなかったことから、前連結会計年度比で微減となりました。
当連結会計年度における売上高は45億5百万円(前連結会計年度比4.0%増)、営業利益は1億63百万円(前連結会計年度比0.5%増)、経常利益は1億52百万円(前連結会計年度比2.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円(前連結会計年度比37.3%増)となりました。
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は次のとおりです。
① プロモーション事業
プロモーション事業では、キャンペーン事務局代行業務を中心として、広告代理店からの取引が大きく伸長したほか、外食、シニア、住宅、旅行、自動車販売、公的機関など幅広い分野が前連結会計年度比で増加し、伸長しました。一方、ケーブルテレビは大口クライアントにおける方針変更による大幅な減少を見込んでいましたが、提案商材の拡充を図ることで取引が再び拡大傾向にあり、前連結会計年度比で微減に留まりました。
販売費及び一般管理費については人件費を中心に前連結会計年度よりも増加しましたが、売上の増加分で吸収することができ、営業利益は前連結会計年度を大幅に上回りました。
この結果、当連結会計年度における売上高は17億28百万円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益は77百万円(前連結会計年度比100.9%増)となりました。
② 採用広報事業
採用広報事業では、大学キャリアセンターとのジョイント合同企業説明会「アクセス就活LIVE」や、企業が直接学生に会うことができるテーマ型の小規模セミナー「アクセス就活FOCUS」の販売が好調に推移しました。3~4月を中心に開催してきた「UNI-PLATZセミナー」は、11~2月の引き合いが強まる一方で、3~4月の出展ニーズが減少したことから、全体としては前連結会計年度を下回る結果となりました。個別受託案件については、クリエイティブ制作は会社案内や映像制作等を中心に、前連結会計年度と同水準の引き合いがありましたが、採用広報周辺業務は3~4月のイベント運営関連業務が一部受注に至らなかったことや採用活動の早期化に伴い7~8月の受注が伸びなかったことを要因として、前連結会計年度を下回りました。なお、前連結会計年度まで当社が受注してきた独立行政法人日本学生支援機構の大型案件を、当連結会計年度から学校広報事業が受注しましたが、当該案件を除きますと、売上高は前連結会計年度を上回る結果となっております。
なお、販売費及び一般管理費が人件費やフォーラム使用料等を中心に前連結会計年度よりも増加したことなどを要因として、営業利益は前連結会計年度を下回りました。
この結果、当連結会計年度における売上高は14億88百万円(前連結会計年度比4.4%減)、営業利益は62百万円(前連結会計年度比29.6%減)となりました。
③ 学校広報事業
学校広報事業では、少子化に伴って大学間の学生獲得競争が加速しており、訴求力の高い広報メディアに対するニーズが高まる一方で、限られた予算での広報が求められており、広報手法の選別が始まっています。このような状況の中、外国人留学生向け進学説明会が伸長したほか、外国人留学生関連の制作・業務代行が大幅に伸長しました。また、国内進学関連のICTシステムサービスが増加となりました。一方、国内進学関連の「アクセス進学FOCUS」、連合企画、制作業務等については、顧客の予算引き締めや受注が想定より伸びなかったこと等を背景に、前連結会計年度を下回る結果となりました。
販売費及び一般管理費については、人件費やフォーラム使用料を中心に前連結会計年度よりも増加しました。これに伴い、営業利益が前連結会計年度を下回りました。
その結果、当連結会計年度における売上高は12億88百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は3百万円(前連結会計年度比65.2%減)となりました。
第29期第3四半期連結累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
第3四半期連結累計期間(平成29年10月1日~平成30年6月30日)におけるわが国経済は、1~3月期の実質GDP(改定値)が前期比で0.2%減、年率換算で0.4%減となり、10~12月期に28年ぶりに記録した8四半期連続のプラス成長から一服感が生じていますが(内閣府「国民経済計算」)、景気動向指数の先行指数は高い数値を示しており、引き続き明るい景況感が続いています。一方、米国や中国を中心として保護主義的な通商政策の広がりが懸念されていることから、経済の先行きに対する不透明感も広がっています。
当第3四半期連結累計期間のマス媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)を除く広告・販促市場は、前年同期間対比でほぼ横ばいとなっており、一服感はあるものの企業の広告への出稿は引き続き旺盛な傾向にあると考えられます。(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」をもとに当社調べ)また、平成30年5月の有効求人倍率は1.60倍と、44年4カ月ぶりに1.6倍台を記録し(厚生労働省「一般職業紹介状況」)、完全失業率も2.5%と史上最低に近い水準が続いている(総務省統計局「労働力調査」)ことから、企業の人材獲得競争が激化しています。国内に留学する外国人留学生の在籍数は、平成29年5月1日現在で約26万7,000人となり、前年比11.6%増と高い伸びを示しています。(日本学生支援機構「平成29年度外国人留学生在籍状況調査結果」)
このような状況の中、当社グループにおきましては、プロモーション事業でケーブルテレビ分野や旅行分野、外食分野が堅調に推移する一方で、広告代理店分野や自動車販売分野、公的機関分野は軟調となりました。採用広報事業では、採用広報解禁日(3月1日)以前のイベントや大規模合同企業説明会に対する需要が伸びたほか、個別案件も好調に推移しました。学校広報事業では、外国人留学生分野や個別案件について堅調に推移し売上が増加しましたが、販売費及び一般管理費が想定より増加しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は36億84百万円、営業利益は2億93百万円、経常利益は2億84百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は181百万円となりました。
セグメント別の当第3四半期連結累計期間の事業成績は、以下のとおりです。
① プロモーション事業
当第3四半期連結累計期間(平成29年10月1日~平成30年6月30日)のプロモーション事業におきましては、ケーブルテレビ分野で主要クライアントからの受注が想定以上に進んだほか、旅行、外食分野が堅調に推移しました。住宅分野については受注は底堅く推移しています。一方、広告代理店、自動車販売、公的機関分野においては、クライアントによる広告・出稿の取りやめや案件規模の縮小等がありました。
その結果、プロモーション事業の売上高は12億98百万円、営業利益は61百万円となりました。
② 採用広報事業
当第3四半期連結累計期間(平成29年10月1日~平成30年6月30日)の採用広報事業におきましては、平成30年卒の学生に対する採用広報の解禁が3月、面接解禁が6月と、前年度から変更がない状況にありながらも、全体的に採用活動の早期化が加速しています。そのため、学生への早期の接触を希望する企業が増加し、採用広報解禁前のイベントが活発化しました。このような状況下において、主に「UNI-PLATZセミナー」について、堅調な結果となりました。また、個別案件についても、映像制作やイベント運営関連の業務を中心に堅調に推移したほか、大規模合同企業説明会「アクセス就活LIVE」の引き合いが強く、想定を上回りました。
その結果、採用広報事業の売上高は13億90百万円、営業利益は2億3百万円となりました。
③ 学校広報事業
当第3四半期連結累計期間(平成29年10月1日~平成30年6月30日)の学校広報事業におきましては、広報の費用対効果をより見極める傾向が強まる一方で、少子化に伴う学校間競争の加速がさらに進み、学校のPRニーズが高まっています。このような状況下において、学校広報事業の業績は、外国人留学生分野が個別案件・連合企画とも堅調に推移したほか、国内学生分野の個別案件については専門学校や中学高校における新規受注が進展し、ほぼ想定通りに推移しました。一方、国内学生分野の連合企画については、新聞広告企画やWebサイト「アクセス進学」の売上が軟調となりました。また、販売費及び一般管理費については、人件費及び関連費用が想定を超過いたしました。その結果、学校広報事業の売上高は9億95百万円、営業損失は5百万円となりました。
なお、学校広報事業においては、進学説明会の開催や学校のプロモーション活動が増加する第3四半期から第4四半期初に売上が集中するため、営業利益についても、第3四半期から第4四半期初において増加する傾向にありますが、当第3四半期連結累計期間においては未だ営業損失が生じております。
(2) キャッシュ・フローの状況
第28期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ61百万円増加した結果、当連結会計年度末は5億4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3億92百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1億50百万円及び仕入債務の増加1億27百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1億47百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4億70百万円、定期預金の預入による支出5億39百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1億83百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1億70百万円があったことによるものであります。