有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/09/03 15:01
【資料】
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【項目】
90項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載は、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありませんので、ご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)市場動向に係るリスク
当社が属するSMS配信プラットフォーム及びビジネスチャットの国内市場は成長を続けており、サービスの導入が進むことによって、今後も高い成長を続けていくことが予想されます。しかしながら、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があります。さらに、市場が成熟していないため、今後、新規参入等により市場シェアの構成が急激に変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合他社に係るリスク
当社のビジネスコミュニケーションプラットフォーム事業については、本書提出日現在において、国内外に競合他社が存在しています。当社としましては、これまで培ってきた技術を生かして、顧客のニーズに合致したサービスの開発を継続してまいりますが、競争環境のさらなる激化等、競合の状況によっては、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)取引先に対する依存に係るリスク
①販売先に関するリスク
当社の売上高のうち、メッセージングサービスの主要顧客であるOPENMARKET LIMITEDに対する売上高の占める割合は第3期 38.64%、第4期 22.64%、第5期第2四半期累計期間において13.96%と減少傾向で推移しております。しかしながら、当該企業との取引額は全体の10%を超えており、同社の方針変更等により大幅に金額が減少した場合に当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②仕入先に関するリスク
SMS配信プラットフォームを運営するにあたり、当社は主要な携帯電話事業者3社と直接接続契約を締結しており、当社では企業から依頼された配信コンテンツを当社システムから携帯電話事業者のSMS配信ルートを利用して、一般ユーザーに配信しております。現在、携帯電話事業者と当社の間の契約の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、携帯電話事業者の経営方針が変更となった場合、SMS送信単価の引き上げ等が実施された場合、その他何かしらの事情により当社といずれかの携帯電話事業者との契約が継続できなかった場合に、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、SMSの次世代規格である、「RCS(Rich Communication Services)」の代行サービスは、各キャリアの意向に重要な影響を受けるものであり、サービス提供の時期等が遅れるなどした場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)技術革新に係るリスク
当社が、サービスを提供するAI技術を活用した業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素を取り入れてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社が提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため、予定していないシステムの投資が必要となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(5)システム障害に係るリスク
当社の事業は、サービスの基盤をインターネットに依存しているため、自然災害や事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能となる場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバーが停止し、サービス提供に支障が出る場合があります。
更には、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。当社といたしましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、当社への損害賠償請求等により直接的な損害が生じる可能性のほか、当社及び当社システムへの信頼の低下により、間接的に当社の事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保及び育成に係るリスク
当社が、今後更なる業容拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保、育成することが重要な課題となります。現在も採用活動による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修・育成等、人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかし、人材の採用や社内における人材の育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)顧客情報の管理に係るリスク
当社は、提供するサービスに関連して顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、プライバシーマーク(有効期限:2020年10月16日)及びISO/IEC 27001:2013(有効期限:2021年8月28日)を取得している他、情報セキュリティに関する方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しております。しかしながら、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、個人情報に関する事故等の発生や重大な認証違反があり不適合の是正進捗がない場合は、認証取消となり当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)法的規制に係るリスク
①電気通信事業法
当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、当社の事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社の事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性はあり、万一かかる規制の強化がなされた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当該法令に基づく命令若しくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認められた場合、許認可取消を受ける可能性があります。
当社は、当該法令の遵守に努めており、本書提出時点において、こうした取消事由に該当する事項は生じておりませんが、かかる事態が発生した場合には、当社事業及び業績に影響を与える可能性があります。
②特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律は、一時に多数の者に対してされる特定電子メールの送信等による電子メールの送受信上の支障を防止する必要性が生じていることに鑑み、特定電子メールの送信の適正化のための措置等を定めることにより、電子メールの利用についての良好な環境の整備を図り、高度情報通信社会の健全な発展に寄与することを目的としており、SMS配信も対象となっております。当社では、SMS配信審査の中で法令違反が発生しないように利用目的を事前に確認する等の対応を行っておりますが、万一当社顧客が法令違反をし、業務改善命令や罰則等を受けた場合に当社の業績に影響を与える可能性があります。
(9)知的財産権に係るリスク
当社は、運営するサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分注意を払っております。しかしながら、今後当社が属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払いが発生する可能性があり、また当社の知的財産権が侵害された場合においても、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害、事故等に係るリスク
当社では、自然災害、事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の監視等によりトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社所在地周辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の破壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生して、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)内部管理体制に係るリスク
当社は、企業価値の持続的な増大を図るためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
そのためにも、当社では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、当社は2015年にAOSテクノロジーズ㈱のモバイル部門を吸収分割により承継しており、最近まで当時の関係会社に管理業務を委託していたため、独立した管理部門を設けてから期間が浅く、また、小規模組織のため少人数の人材に依存しております。当社では特定の人材に過度に依存しないよう組織的な経営体制を整備し、全般的な経営リスクの軽減に努めると共に、管理体制の整備・強化を図っておりますが、従業員の社外流出、あるいは従業員等の業務遂行に支障が生じた場合等に、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)新株予約権の行使による株主価値の希薄化に係るリスク
当社は、取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は288,500株であり、発行済株式総数3,400,000株の8.49%に相当しております。
(13)資金使途に係るリスク
公募増資による調達資金の使途につきましては、主にシステム開発費用、借入金の返済、及び今後の事業拡大に必要な人件費や人材採用費、に充当する予定です。しかしながら、当社の属する業界において、急速に事業環境が変化することも考えられ、それに伴う今後の事業計画の見直し等により、本書提出日現在における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。
(14)訴訟等に係るリスク
当社では、これまでに訴訟は発生しておりません。しかしながら、将来において当社の取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。