訂正有価証券報告書-第20期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/08/14 16:50
【資料】
PDFをみる
【項目】
145項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況の概要
①財政状態の状況
a.資産
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて886,658千円増加し、6,273,490千円となりました。これは主に、のれんが743,966千円増加、ソフトウエアが231,606千円増加、投資その他の資産が556,297千円増加、現金及び預金が747,835千円減少したことによるものであります。
b.負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて1,320,372千円増加し、3,851,271千円となりました。これは主に、長期借入金が351,424千円増加、契約負債が569,932千円増加、1年内返済予定の長期借入金が160,336千円増加したことによるものであります。
c.純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて433,713千円減少し、2,422,218千円となりました。これは主に、資本金が126,229千円増加、資本剰余金が126,229千円増加、利益剰余金が620,440千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は38.6%(前連結会計年度末は51.8%)となりました。
②経営成績の状況
少子高齢化が進む日本社会において、社会福祉を支え国際競争力を上げるにあたり労働生産性の向上が最大の焦点となっています。特に日本の労働人口の68.8%を占める中小企業(注1)において労働生産性は長期で伸び悩んでおり、低労働生産性の根本原因となっております。労働生産性向上にはIT投資(DX)が重要でありますが、リテラシーや予算の問題が大きく投資が進んでおらず、92%以上の中小企業(注2)がDXに取り組めていないのが現状であります。
そのような環境において当社グループは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間において、ただ生活の糧を得るためだけではなく、1人でも多くの人がより楽しく、自由な創造性を存分に発揮できる社会を実現することを目指し、仕事の効率化や創造的な働き方を実現するサービスの開発・提供に取り組んでおります。
このミッションのもと、主力サービスであるビジネスチャットツール「Chatwork」は国内中小企業を中心とした顧客企業の労働生産性の向上や働き方の多様性を提供しており、国内利用者数NO1(注3)のサービスとなります。Chatworkの販売戦略としましては、当社ビジネスチャットの強みである社内外がシームレスにつながるオープンプラットフォーム性と無料からはじめられるフリーミアムの特性によるネットワーク効果を活かしたPLG戦略を軸にユーザーの拡大を進めております。また、サービス品質の向上及び連携サービスの充実による無料ユーザーの有料化に加えまして、カスタマーサクセスによる初期活用支援を強化し、課金ID数、ARPUの拡大を目指します。2023年7月には既存ユーザーを含む全ユーザーに対して新料金を適用し、ARPUの大幅な向上を見込んでおります。
また、中長期のビジョンとしてこのビジネスチャットの中小企業市場における圧倒的なシェアを背景に、あらゆるビジネスの起点となるビジネス版スーパーアプリとしてプラットフォーム化していくことでさらなる中小企業のDX化に貢献してまいります。当連結会計年度より顧客の業務効率と生産性向上をサポートするため、経理業務や労務業務等のノンコア業務について、ソフトウェアの提供にとどまらずそれらの業務のビジネスプロセスそのものをサービスとして提供するBPaaS事業を開始いたしました。具体的には、2023年2月にクラウド型就業管理・人事評価システム、労務アウトソーシングを提供する株式会社ミナジンを連結子会社化し、2023年6月には、当社にてバックオフィスの非専門領域全般の支援等を行うChatworkアシスタントをリリースしており、さらなる事業拡大を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は6,485,207千円(前年同期比41.2%増)、営業損失は677,423千円(前年同期は711,368千円の営業損失)、経常損失は686,084千円(前年同期は715,642千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は620,440千円(前年同期は678,532千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(Chatworkセグメント)
セグメント売上高は6,297,246千円(前年同期比44.1%増)、セグメント損失は717,388千円(前年同期は767,860千円のセグメント損失)となりました。なお当セグメントが当社グループの主力事業であり、本社機能も含めて各間接費の全てが当セグメントの維持・拡大のために費やされていることから、間接費の全額を当セグメントにおける費用として計上しております。
Chatworkセグメント アカウント事業KPI推移
2020年12月期末2021年12月期末2022年12月期末2023年12月期末
ARR(百万円)(注4)2,2793,4474,4256,180
課金ID数(万)45.754.766.873.1
ARPU(円)409.9529.4547.4672.4
導入社数(万)(注5)29.634.338.643.1
登録ID数(万)406.4488.9574.1664.0
DAU(万)(注6)82.395.3105.3110.8

(セキュリティセグメント)
セキュリティセグメントについては、当社グループとしては積極的な事業拡大は行わない方針としております。その結果、セグメント売上高は187,960千円(前年同期比16.2%減)、セグメント利益は39,965千円(前年同期比29.3%減)となりました。なお、当セグメントのセグメント利益については、前述のとおり間接費を全てChatworkセグメントにて計上していることから、当セグメントの売上高より当セグメントに要した広告宣伝費、販売促進費及び業務委託費等の直接経費のみを控除した金額を計上しております。
(注1)中小企業庁「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数」
(注2)独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業の DX 推進に関する調査」
(注3)Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2023年5月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む44サービスをChatwork株式会社にて選定。
(注4)Annual Recurring Revenueの略。毎年継続して発生する収益 MRR(Monthly Recurring Revenue、毎月繰り返し得ることのできる売り上げ)の12倍
(注5)導入社数は、当社におけるアカウント登録数であり、便宜的に登録アドレスにかかるドメイン数を集計し記載しております。なお、当該企業数には有料プラン導入先だけでなく、フリープランでの利用先も含んでおります
(注6)Daily Active Userの略。1日に1度以上Chatworkを利用したユーザーID数
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて747,835千円減少し、2,102,487千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、469,541千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失904,362千円の計上、減価償却費386,121千円の計上、のれん償却額112,034千円の計上、減損損失194,278千円の計上、契約負債が533,455千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,454,024千円の支出となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出580,349千円、無形固定資産の取得による支出479,757千円、長期預金の預入による支出350,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、236,936千円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入300,000千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っていないため、記載を省略します。
b.受注実績
当社事業は、提供するサービスの性質上受注実績の記載になじまないため、記載を省略します。
c.販売実績 販売実績は次のとおりです。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
Chatworkセグメント6,297,24644.1
セキュリティセグメント187,960△16.2
合計6,485,20741.2


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状等を勘案し合理的に見積り、計上しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、6,485,207千円(前年同期比41.2%増)となりました。内訳としては、主力事業であるChatworkセグメントの売上高が6,297,246千円(前年同期比44.1%増)、セキュリティセグメントの売上高が187,960千円(前年同期比16.2%減)であります。これは、Chatworkセグメントにおける新規顧客開拓の強化やサービスの機能強化を行った結果、当サービスの利用企業数(登録アカウント数)が2022年12月期末38.6万社から当連結会計年度末に43.1万社超となり、課金ID数が2022年12月期末66.8万IDから当連結会計年度末73.1万IDと大幅に増加したことによります。
なお、Chatworkセグメントにおける事業別の売上高の状況は以下のとおりです。
第20期連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
アカウント事業5,137,53534.9
プラットフォーム事業1,159,711107.4
Chatworkセグメント 合計6,297,24644.1

b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、2,334,378千円(前年同期比67.1%増)となりました。これは、事業拡大に伴い労務費やサーバー費用が増加したことによるものであります。また、ソフトウエア開発に関わる費用のうち、資産性がある新規開発プロジェクトについて無形固定資産として646,966千円計上しております。この結果、当連結会計年度の売上総利益は4,150,829千円(前年同期比29.9%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、4,828,252千円(前年同期比23.6%増)となりました。これは、事業拡大に伴い人件費等が増加したことによるものであります。これにより、当連結会計年度の営業損失は677,423千円(前年同期は711,368千円の営業損失)となりました。
d.経常損益
当連結会計年度における経常損失は、686,084千円(前年同期は715,642千円の経常損失)となりました。これは、営業外収益にてポイント収入額7,933千円等を計上する一方で、営業外費用にて支払利息15,934千円等が計上されたことによるものであります。
e.親会社株主に帰属する当期純損益
法人税等を△218,189千円計上し、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、620,440千円(前年同期は678,532千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③財政状態の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照下さい。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑤資本の財源及び資金の流動性について
当社グループのビジネスモデルは、サブスクリプション型のユーザー課金モデルとなっており、課金対象となっている既存顧客が利用を継続する限りにおいては、安定的な収入が計上されます。従って、今後の収益獲得の予測を考慮し事業戦略も踏まえ、どのように費用充当していくかが重要であると考えております。
今後の基本方針としては、アカウント事業ならびにプラットフォーム事業の拡大にかかる人件費や広告宣伝費といった販売促進に係る費用として充当しプラットフォーム価値の最大化を目指すとともに利益を生み出せる体制の構築を進めてまいります。そのうえで長期ビジョンであるビジネス版スーパーアプリの実現に向けたM&Aや新ビジネス開発といった成長投資資金の源泉としていきたいと考えております。
なお、資金の流動性については、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,102,487千円となっており、流動性を確保しております。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
2021年度に作成した2024年度を最終年度とする中期経営計画ではChatworkセグメント売上高成長率CAGR40%、最終年度である2024年度売上高100億円を目標としております。
当連結会計年度におけるChatworkセグメント売上高は6,297,246千円と2022年12月期の4,368,844千円に対して44.1%増加と順調に伸長しております。また最終年度である翌会計年度の目標につきましてもM&Aなどを含めた可能性を模索し、達成を目指してまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。