有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/09/24 15:00
【資料】
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【項目】
103項目

対処すべき課題


文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは「企業のホームドクター、人材のメンターとなり、人と組織の限りない可能性に貢献し続ける」、ビジョンは「「学ぶ楽しさ」「働く幸せ」「成長する喜び」に満ちあふれた社会を実現する。」ことであります。当社グループは今までの実績や経験を通じて、「人と組織の可能性は無限である」と確信をしております。
「就職カレッジ®」を通じて内定を勝ち取った第二新卒やフリーターの若者たちが正社員として就職し、2年後3年後に成長した姿を見せてくれます。「7つの習慣®」を学ぶことで、社風が改善された中堅中小企業が存在します。若者の採用によって、多くの中堅中小企業が活性化し、元気になります。当社グループは一人でも多くの雇用を生み出し、一人でも多くのビジネスパーソンの人生が輝き、一社でも多くの中堅中小企業が「いい会社」と言われる存在になるために、尽力してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、収益力の向上に重点を置いた企業体質の強化を基本目標とし、「連結営業利益」及び「自己資本利益率」を経営指標としております。今後は収益性をより強固に改善し、経営指標に忠実な企業経営に取り組んでまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
近年、景気回復と若年層の労働不足が相まって、企業の採用意欲が高まっており、採用支援市場は追い風の状況にあると考えております。また、人員確保のために採用レベルを落として採用している企業もあり、戦力化やリテンションに関する研修ニーズも高まっております。少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少していく今後においても、若年層の労働力不足の問題は慢性的になることが想定されるため、採用活動は過熱化していくことが予想されます。当社グループにおいては、人の成長や変化を促す教育ノウハウに磨きをかけることで教育融合型人材紹介サービスというサービスの価値を保ちつつ、既存サービスによる新規拠点開設や既存サービスの全国展開、新たな支援対象層にマッチしたサービスを生み出すことで雇用創出の増加、売上高の増加を目指してまいります。また、採用から定着・活躍のプロセスでクライアントと求職者に継続的に貢献していくことで、クライアントあたりの累計売上の増加を目指してまいります。
(4)対処すべき課題
①求職者の持続的な獲得とコスト抑制
求職者の売手市場化がさらに進んだことで募集人材コストが高騰しており、以前と同じような手法では数とコストの両面で求職者の集客が困難になってきております。この問題に対して、当社グループの知名度を向上させるための広報・ブランディング活動、カレッジ事業においてはSEO対策(検索エンジン最適化)とアフィリエイトの強化による求職者の集客ルートの最適化、また、一度繋がりを持った求職者とのリレーションを持ち続けられるようなコミュニティサイトの構築、提携大学との関係強化及び新規開拓による大学ルートでの学生確保に取り組むとともに、コスト抑制に努めてまいります。
②人材の確保及び育成
「就職カレッジ®」は全国8拠点で展開しておりますが、まだ拠点を開設できていない人口100万人規模の地方都市があります。また、「女子カレッジ®」や「セカンドカレッジ®」、「新卒カレッジ®」は関東圏でしか定期的に開催できておりません。サービスの品質を落とすことなく、既存サービスによる新規拠点開設やサービスの全国展開を図っていくためには人材の確保と育成が課題であると認識しております。
適性診断を用いた職種ごとのペルソナの設定に取り組むことで、理念やビジョンへの共感だけでなく各職種における職務特性に適した人材を採用できるようにしつつ、売手市場化が進む採用市場において採用したい人材の獲得ができるようにエース級の社員を人事に充ててまいります。また、採用後の戦力化を早期化し、中核を担う人材を育成するために経営幹部による定期的な「人材育成会議」の開催などを通じて、社員全体、また特定の期待人材の育成を促進してまいります。
③新規サービスの実現
これまでに「就職カレッジ®」から「女子カレッジ®」や「セカンドカレッジ®」、「新卒カレッジ®」を派生させてきたように、20代の未就業者の中で細かくセグメントを分けることで、対象となる求職者のニーズを掴んでまいりました。一方で、30代のフリーター、留年生、留学生、育休明けのママやシングルマザー、高卒や通信制高校卒の未就業者など、「就職ポテンシャル層」はまだまだ存在していると認識しております。テストマーケティングを積み重ねることで適切なセグメンテ―ションを行い、セグメントに合ったサービスを開発することでさらなるサービスを創出してまいります。
また、時代の変化に伴って求職者の趣向やクライアントのニーズも変わってまいりますので、教育融合型人材紹介サービスの根幹となる教育研修サービスにおいても、新しいコンテンツの開発、ライセンスの取得に取り組み、時代の変化に適応してまいります。
④サービス毎の顧客構造の確立
新たなサービスを創出していく中で、採用市場において自社サービスが競合しあうカニバリゼーションを起こす可能性があると認識しております。それを回避するため、各サービスが単独で求職者集客や顧客構造ができるよう、求職者集客側ではターゲットにマッチした集客ルートの開拓に取り組んでまいります。クライアント企業側では、事業部を横断した新規開拓プロジェクトを立ち上げ、当社グループの強みであるDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)のノウハウを結集し、成功実績が豊富な小冊子マーケティングに取り組んでまいります。小冊子で獲得した潜在顧客に対して情報提供メール・ツール、セミナーなどを駆使して顧客のニーズを喚起し、ニーズにマッチしたサービスを提供することで有料化を図ってまいります。
⑤情報管理体制の強化
当社グループは教育融合型人材紹介サービスを行っており、多数の個人情報を有しているため、情報管理を重要な課題の1つとして認識しております。当社は平成21年にプライバシーマークを取得し、その制度に適した個人情報保護マネジメントシステムを構築し、今日に至るまで運用してきております。また、平成28年には公益社団法人全国民営職業紹介事業協会から事業運営、コンプライアンス体制等に優れた人材紹介会社に対する民間職業紹介認定である職業紹介優良事業者認定を受けております。
今後も、社内規程の厳格な運用、定期的な社内研修の実施、セキュリティシステムへの投資等により、情報管理体制の維持強化を図ってまいります。