有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/17 15:00
【資料】
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【項目】
121項目

沿革

当社は、2001年2月に東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体(注1)作製技術を基盤として、診断・創薬標的に対応する抗体の医療への活用を目指して設立されました。
年月概要
2001年2月東京都文京区において当社設立
2002年10月抗核内受容体抗体(注2)を研究用試薬として販売開始
2003年4月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト」(注3)に参加
2003年7月東京都渋谷区に本社移転
2004年8月研究試薬の米国での販売に関し、R&D Systems Inc.と販売代理店契約を締結し、全世界で販売開始
2004年9月東京都目黒区に本社移転
2005年9月核内受容体 全48種類に対する抗体フル・ラインナップ
2006年9月中外製薬株式会社と抗グリピカン3(注4)抗体「抗肝がん抗体(PPMX-T001)」の特許を受ける権利等の譲渡に関する権利譲渡契約を締結
2008年9月研究用試薬「PTX3 ELISA キット」(注5)を販売開始
2008年11月抗グリピカン3抗体「肝がん治療薬」の第Ⅰ相試験が米国で開始(PPMX-T001)
2009年1月富士フイルム株式会社が、株主割当増資により、当社株式の76.68%を保有し当社の親会社となる
2011年1月放射性同位体(RI)標識抗体(注6)医薬の抗がん剤(PPMX-T002)を富士フイルム株式会社に導出(注7)
2014年12月抗トランスフェリン受容体(注8)抗体(PPMX-T003)を用いた成人T細胞(注9)白血病治療薬が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(注10)実用化挑戦タイプ(創薬開発)の課題として採択される
2015年9月「抗体薬剤複合体(PPMX-T004)」を富士フイルム株式会社に導出(注7)
2016年1月放射性同位体(RI)標識抗体医薬の抗がん剤(PPMX-T002)の第Ⅰ相試験が米国で開始
2018年3月富士フイルム株式会社は、第三者割当増資により、当社株式の保有割合が48.62%となり、当社のその他の関係会社となる
2019年1月ファージディスプレイ技術の維持発展と抗体医薬品の研究開発促進を目的として愛知県名古屋市千種区において名古屋ラボを開設

(注)1.抗体:抗原(免疫反応を引き起こす物質)の構造に応じて1対1の関係で特異的に結合する蛋白質。この特異的な結合力を利用して、がんや感染症、疾患を診断・治療する医薬品(分子標的薬)に応用されます。
2.核内受容体抗体:ヒトでは48種類存在する核内受容体それぞれに特異的に結合する抗体。核内受容体は、脂溶性シグナル伝達分子と結合し、核内でDNAの転写の活性化あるいは抑制を起こします。
3.タンパク質相互作用解析ナノバイオチッププロジェクト:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による、機能を保持した状態での蛋白質発現及び蛋白質相互作用解析に係る技術開発を行うプロジェクト。
4.グリピカン3:グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーと呼ばれる蛋白質を細胞表面に繋ぎとめる錨の役割をする糖脂質を介して細胞膜表面に結合するヘパラン硫酸プロテオグリカン。肝臓がんで高発現する事が見いだされています。
5.PTX3:Pentraxin3の略。体内の炎症により産生される炎症性蛋白質の一つ。
ELISA:Enzyme Linked ImmunoSorbent Assayの略。抗原抗体反応を利用し、酵素反応に基づく発光、発色をシグナルとして検出する事で特定の物質の濃度を計測する方法。
6.放射性同位体(RI)標識抗体:放射性同位体(RI)を連結した抗体。抗体は連結したRIの種類により診断や治療に用いる事が出来ます。
7.導出:特定の医薬品を開発、販売するために必要な知的財産権の使用を許可すること。
8.トランスフェリン受容体:トランスフェリン受容体は、細胞膜上に存在し、細胞内への鉄取り込みに関与します。
9.T細胞:リンパ球の一種で、骨髄で産生された前駆細胞が胸腺での選択を経て分化成熟したもの。 細胞表面に特徴的なT細胞受容体(T cell receptor:TCR)を有しています。
10.研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP):国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による、大学・公的研究機関等で生まれた国民経済上重要な科学技術に関する研究成果を基にした実用化を目指す研究開発フェーズを対象とした技術移転支援プログラム。