有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/12 15:00
【資料】
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【項目】
141項目
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
景気変動の影響を受けやすい建設業界において、継続的に成長して企業価値を高めていくためには、経営の透明性及び客観性を確保し、業務執行に対する監視体制を整備し、適時適切な情報公開を行って経営と財務の健全性を確保することが重要であると考えております。
そのために、取締役は法令及び定款を遵守して業務を執行すること、監査役は独立性を保持し監査責任を果たすことを経営の最重要方針としております。
また、コーポレート・ガバナンスをより効果的なものとするため、内部統制システム及び管理部門の強化を推進し、コンプライアンス重視の意識の全社的な浸透に努めてまいります。
② 企業統治の体制の概要及びその体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社であります。監査役会設置会社を選択した理由は、取締役会からの独立性が強く独任制の監査が可能なこと、任期が4年と長く成長フェーズの当社において知見の蓄積や執行側との信頼関係の構築に有利であること、常勤監査役を中心とした監査役監査が現在の当社には適切と考えること等であります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制を図示すると以下のとおりとなります。
0204010_001.pnga.取締役会
当社の取締役会は、社外取締役1名を含む取締役4名で構成されております。取締役会は、原則として毎月1回の定時取締役会を開催する他、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会では、取締役会規程に基づき、経営に関する重要事項を決定するとともに各取締役の業務執行状況を監督しております。また、取締役会には、監査役が出席し、取締役の業務執行の状況を監視できる体制となっております。
なお、取締役会の議長は、代表取締役社長山下泰樹が務めております。その他の構成員は、常務取締役長谷川幸司、取締役荒浪昌彦及び社外取締役結城大輔であります。また、社外監査役(常勤)平田満、社外監査役佐田俊樹、社外監査役大村尚子及び社外監査役三代まり子が出席しております。
b.監査役会
当社の監査役会は、社外監査役(常勤)平田満、社外監査役佐田俊樹、社外監査役大村尚子及び社外監査役三代まり子の合計4名で構成されております。監査役会は、毎月1回定例監査役会を開催する他、必要に応じて臨時監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況の共有等、監査役相互の連携を図っております。
なお、監査役は内部監査担当者及び会計監査人と緊密な連携をとり、監査の実効性と効率性の向上に務めております。
c.経営会議
当社の経営会議は、社外取締役1名を含む取締役4名と社外監査役(常勤)1名他で構成されております。経営会議は、原則として毎月1回の定時経営会議を開催しており、業績及び各部門の重要な業務執行に関する情報の共有並びに対応策の検討等を行っております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備の状況
当社は、経営の透明性と法令遵守の経営を徹底するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図りながら、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制の構築を重要な経営課題と位置づけております。
当社は、会社法第362条第4項第6号及び会社法施行規則第100条に基づき、取締役会決議により以下の「内部統制システムに関する基本方針」を定め、業務の適正性を確保するための体制の整備・運用を行っております。
<内部統制システムに関する基本方針>1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)法令等の遵守に関する基本方針として、「企業行動規範」及び「コンプライアンス規程」を定め、取締役、監査役及び使用人に周知する。
(2)取締役会は、法定事項及び経営上重要な事項について十分に審議し、適法かつ適正に意思決定を行うとともに、取締役の業務執行状況を監督する。
(3)監査役監査及び他の業務組織から独立した内部監査室による内部監査を実施し、取締役及び使用人による業務執行が法令、定款及び社内規程に適合して行われているかについて確認する。
(4)弁護士・公認会計士等の外部の専門家から、必要に応じてアドバイスを受ける体制を整え、業務運営の適法性の確保に努める。
(5)反社会的勢力との関係遮断のため、不当要求には一切応じず、対応統括組織を定め、外部の専門機関と緊密な連携関係を構築する等、必要な体制を整える。
(6)内部通報制度を整備し、コンプライアンス関連の通報・相談を受け付ける。また、通報者に対する不利益な取扱いの禁止をルール化する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1)取締役の職務の執行に係る情報については、法令及び「文書管理規程」、「情報セキュリティ規程」他の社内規程に従い、適切に保存及び管理を行う。
(2)取締役の職務の執行に係る情報については、取締役、監査役及び会計監査人による閲覧・謄写に供することを前提に保管を行う。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)「リスク管理規程」を定め、リスク管理の方針、体制及びリスク発生時の対応等を明確化する。
(2)内部監査室による内部監査を通じて各組織の内部管理体制及びその適正性・有効性を検証・評価し、改善を促すことでリスク管理体制の適正性を確保する。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)取締役会の手続及び取締役会の権限範囲等は、「取締役会規程」により明確化する。
(2)取締役、常勤監査役他が参加する経営会議を設置し、業務執行状況の適宜把握及び業務執行に関する重要事項の審議を行う。
(3)社内規程により、各組織の分掌事項と職務権限を明確に定めるとともに、その課題と業務量に応じて適切な要員配置を行い、効率的な業務体制を整える。
5.企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1)子会社管理の主管組織を定め、社内規程に基づき、事前協議及び意思決定を行う。
(2)子会社の損益及び財務の状況並びに業務の執行状況については、定期的に報告を求める。
(3)管理主管組織及び内部監査室が子会社のコンプライアンス体制やリスク管理体制を監視すると同時に、子会社の内部統制システムの状況を監査し、整備・運用を指導する。
6.財務報告の信頼性を確保するための体制
(1)財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの整備を経営上の最重要事項の一つとして位置付け、財務報告の信頼性確保を推進する。
(2)内部統制が有効に機能する体制構築を図り、財務報告における虚偽記載リスクを低減し、未然に防ぐように管理する。
(3)財務報告の信頼性を確保するために、内部監査室が核となる評価チームにより、業務プロセスのリスク評価を継続的に実施するとともに、評価結果を取締役社長に報告する。
(4)必要に応じて、金融商品取引法等の関連法令との適合性を考慮したうえで、諸規程の整備及び運用を行う。
7.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保
(1)監査役又は監査役会より、監査役の職務を補助すべき使用人(以下、「監査役スタッフ」という)の配置要請があった場合、その補助する業務の内容を監査役と協議の上で、監査役の指揮命令下に監査役スタッフを配置する。
(2)監査役スタッフは専任又は兼任とするが、いずれの場合においても監査役の指揮命令に従って、監査業務を補佐するものとする。
(3)監査役は、監査役スタッフの人事評価及び人事異動について意見を述べることができ、代表取締役社長はこれを尊重する。
8.取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他監査役への報告に関する体制並びに監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(1)監査役は、取締役会の他、全ての社内会議に出席する権限を有する。
(2)取締役及び使用人は、監査役又は監査役会の求めに応じ、その職務の執行に関する事項について報告を行う。
(3)取締役及び使用人は、当企業集団に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合及び法令・定款に違反する重大な事実を発見した場合は、遅滞なく監査役又は監査役会に報告を行う。
(4)内部監査室における内部監査の情報は、適切に監査役と共有する。
(5)監査役又は監査役に報告した者に対して、当該報告を理由として、いかなる不利益な取扱いもしてはならないものとする。
9.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役が職務の執行について生ずる費用等の請求をしたときは、当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用の精算処理を行う。
10.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役は、取締役会に出席し、業務の進捗状況を常に把握できる体制とする。
(2)内部監査室等との定期的な連絡会を設け連携を深め、実効的監査が行えるようにする。
11.反社会的勢力の排除に向けた体制
(1)当社は、企業の社会的責任及び企業防衛の観点から「反社会的勢力対策規程」及び「反社会的勢力の排除に係る調査実施細則」を定め、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは一切関係を持たず、さらに反社会的勢力および団体からの要求を断固拒否し、これらと係わりのある企業、団体、個人とはいかなる取引も行わない。
(2)整備状況に関しては、社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会等の外部機関から企業防衛に関する必要な情報収集を行い、取締役及び使用人への啓蒙活動に取り組むとともに、不当な要求等、反社会的勢力からの介入を受けた場合には、適宜に警察・顧問弁護士等を含め外部機関と連携して組織的に対処する。
b.リスク管理体制の整備の状況
当社は、経営目的の達成を阻害する可能性のあるリスクについて、「リスク管理規程」を制定し、リスクの防止及び会社損失の最小化を目的としたリスク管理を行っております。
同規程において、役員及び従業員のリスク管理の行動指針を「その職務遂行にあたって具体的リスクを積極的に予見し、適切に評価し、当該リスクの回避、軽減及び移転その他必要な措置を事前に講じなければならない」としており、また、「業務上の意思決定を求めるにあたっては、決裁者に対して当該業務において予見されるリスクを進んで明らかにするとともに、これを処理するための措置について具申」することを求めております。
事故等が発した場合、従業員は速やかに各組織のリスク管理責任者(担当役員)へ報告し、リスク管理責任者は必要に応じて統括責任者(代表取締役社長)への報告を行います。
全社的共有が必要なレベルの事故等の情報を集約する他、重大事案が発生した場合には、リスク管理委員会を設置し、事案対応を統制いたします。
リスクへの対応については、弁護士、社会保険労務士、公認会計士、税理士等社外専門家と連携し、見解や対応策等についてアドバイスを受けることができる体制を取っております。また金融機関や監査法人、社会保険労務士法人等が主催する各種研修会に定期的に参加し、関係法令の改廃の動向を適時に把握するとともに、必要な情報については各月に実施される全社集会や組織別会議等において従業員に対する周知・徹底を図っております。
c.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社では、子会社の業務の適正を確保するため、子会社管理の主管組織を定め、社内規程に基づき事前協議及び意思決定を行っております。
子会社の損益及び財務状況並びに業務の執行状況については定期的に報告を求め、その分析を行うことで業務の適正性を確認しております。
また、管理主管組織が子会社のコンプライアンス体制やリスク管理体制を監視すると同時に、内部監査室が管理主管組織及び子会社の内部統制システムの状況を監査し、必要な改善を促すことで業務の適正性の確保に努めております。
d.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項に基づき、業務執行取締役でない取締役及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該業務執行取締役等でない取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
e.取締役の任期
当社は、取締役の任期を2年とする旨を定款に定めております。
f.取締役の定数
当社は、取締役の定数を6名以内とする旨を定款に定めております。
g.取締役の選任決議
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
h.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
i.株主総会決議事項を取締役会で決議できることとした事項
イ.中間配当に関する事項
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議をもって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
これは、株主への機動的な利益還元を可能とするためであります。
ロ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。
これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ハ.取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役等であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を執行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。