有価証券報告書-第14期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/25 15:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
120項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は5,840,407千円となり、前連結会計年度末に比べて2,149,824千円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が公募増資等により944,731千円増加及び売掛金が786,733千円増加したことによるものです。また、吸収合併によるのれんの増加274,663千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,830,833千円となり、前連結会計年度末に比べ1,087,335千円増加いたしました。これは、主に買掛金が713,968千円増加したこと及び前期の変則決算期(9ヶ月決算)の影響により未払法人税等が321,977千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,009,573千円となり、前連結会計年度末に比べて1,062,488千円増加いたしました。これは、主に公募増資等による資本金及び資本剰余金517,475千円増加、親会社株主に帰属する当期純利益574,672千円を計上したことによるものです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、緊急事態宣言やま ん延防止等重点措置が断続的に発令され、12月には新たな変異株「オミクロン株」が確認されるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。長引く新型コロナウイルス感染症拡大(以下、「コロナ禍」)の影響は、経済だけでなく、人と人とのコミュニケーションの在り方、働き方、行動様式、空間の在り方等、様々な分野に及んでおります。
デザインを中心としたクリエイティブ組織である当社グループは、このような状況を社会課題の解決と事業の拡大を両立する機会と捉え、オフィス、建築、都市デザイン等の分野で新たな価値の創出に取り組んでまいりました。コロナ禍で社会全体の行動様式が変化する中、当社グループが提供するデザインへのニーズは引き続き堅調であり、建築のデザインやインテリアデザインを主体としたビル全体のリデザイン案件、大型のオフィスデザイン案件等を着実に積み上げ、当連結会計年度の売上高は8,032,744千円となりました。これにより、創業以来の増収(変則決算期を除く)を継続しており、過去最高の売上高となりました。当社グループは、前連結会計年度が9ヶ月間の変則決算期であったため前期売上高との比較はできないものの、2020年1月~12月の合算数値と比較した売上高前年同期間比は、12.9%増となります。また、利益率の高いデザイン・企画案件の受注獲得を進めたこと、コロナ禍の影響で活動費が抑制されたこと等から各利益は計画を上回り、営業利益は955,601千円(前年同期間比19.4%増)、経常利益は947,032千円(同27.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は574,672千円(同18.5%増)となり、過去最高益を更新しております。
なお、当社グループは、デザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて944,730千円増加し、2,138,161千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,253,697千円(前連結会計年度は338,618千円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益947,252千円、仕入債務の増加額711,860千円から売上債権の増加額779,584千円を差し引いたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は555,416千円(前連結会計年度は829,199千円の使用)となりました。これは、主に株式会社サティスワンを吸収合併したことに伴う支出391,510千円及び敷金及び保証金の差入による支出104,625千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は246,253千円(前連結会計年度は178,141千円の使用)となりました。これは、主に株式の発行による収入515,644千円、借入金の減少232,244千円及び配当金の支払い37,004千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
受注高
(千円)
前年同期間比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期末比
(%)
受注実績5,414,10378.3928,07426.2

<参考>2021年12月末プロジェクトストック(残高) 5,322,628千円(2020年12月末 4,532,963千円)
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当社グループはデザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
3.受注残高については、契約書又はこれに類する書面を取り交わしたプロジェクトについて集計しております。当社グループが受注予定のプロジェクトであっても当該書類のない見込み受注案件については計算に含んでおりません。参考までに見込み受注案件を含む残高について、プロジェクトストックとして記載しております。
4.受注高については、当社グループは前連結会計年度が9ヶ月間の変則決算期であったため、前期との比較はできないものの、2020年1月~12月の合算数値と比較したものを前年同期間比として表示しております。
c.販売実績
当社グループは、デザイン事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の同セグメントの販売実績をサービスの対象領域別に示すと、次のとおりであります。
対象領域当連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
実績前年同期間比(%)
オフィス(千円)5,150,612114.3
商業施設(千円)429,953143.2
都市開発・環境設計・その他(千円)2,452,178106.2
合計(千円)8,032,744112.9

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当社グループは、前連結会計年度が9ヶ月間の変則決算期であったため前期売上高との比較はできないものの、2020年1月~12月の合算数値と比較した販売実績を前年同期間比として表示しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
当連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
サンフロンティア不動産株式会社647,71915.01,318,12116.4
PayPayカード株式会社--1,028,24612.8

4.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の分析については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりです。
なお、当社グループは、前連結会計年度より決算期を3月から12月に変更し、前連結会計年度は9ヶ月の変則決算期となっております。このため、前連結会計年度との比較はできませんが、以下の文章では参考までに2020年1月~12月の合算数値との比較を記載しております。
a.売上高
売上高は、8,032,744千円となり、前年同期間(2020年1月~12月)との比較では、12.9%増となりました。
売上高をサービスの提供領域別に見ますと、最大の領域である「オフィス」は前年同期間との比較で14.3%の増加となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大により、オフィスの定義は、“全員が集まって一斉に業務を行うための場所”から、“多様な働き方に対応したコミュニケーションの場”へと変化しております。当社グループのデザインは新しいオフィスの在り方を形にしたものであり、当社グループのデザインへのニーズを確実に捉えることができたと考えます。また、今後の拡大が見込まれる「都市開発・環境設計・その他」は、再開発やビル一棟のリデザイン等を含む領域で、6.2%増となったものの、当社グループの知名度の向上を背景に継続して売上高を伸ばすことができました。
対象領域前年同期間
(2020年1月~12月)
当連結会計年度
(2021年12月期)
実績(千円)実績(千円)前年同期間比(%)
オフィス4,507,9975,150,612114.3
商業施設300,281429,953143.2
都市開発・環境設計・その他2,309,4402,452,178106.2
合計7,117,7198,032,744112.9

b.売上原価及び売上総利益
売上総利益は、2,494,268千円となりました。前年同期間との比較では、601,035千円増加(31.7%増)しております。これは、売上高が大きく伸長したことに加えて、発注業務の改善によって外注費・材料費の比率が低下したこと等によります。
c.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費は、1,538,666千円となりました。前年同期間との比較では、445,437千円増加(40.7%増)しております。これは、株式会社サティスワンを買収・吸収合併したこと等により人件費をはじめとした諸費用が増加したこと、当社グループの知名度を向上させるためのブランディング活動に伴う広告宣伝費の増加等によるものです。
この結果、営業利益は955,601千円となり、前年同期間との比較では、155,597千円増加(19.4%増)いたしました。
d.営業外収益、営業外費用及び経常利益
営業外収益は、9,880千円となり、前年同期間との比較では7,260千円増加(277.1%増)いたしました。また、営業外費用は、18,449千円となり、前年同期間との比較では、41,555千円減少(69.3%減)いたしました。営業外費用が減少したのは、前年同期間に新規上場に伴う諸費用を計上したこと等によります。
この結果、経常利益は947,032千円となり、前年同期間に比べて204,413千円増加(27.5%増)いたしました。
e.特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度において、ソフトウエアの購入に関し、国庫補助金受贈益1,996千円を特別利益として、固定資産圧縮損1,776千円を特別損失として計上いたしました。法人税等372,580千円を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は574,672千円となり、前年同期間に比べて89,830千円増加(18.5%増)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
なお、当社グループでは、継続して売上高が増加するとともに、受注案件の大型化が進んでおります。このため、売掛金の回収に先行して発生する外注費が増加しております。また、事業拡大に対応した人員の増強、一般的認知度を高めるための広告宣伝、不動産取得等新規事業のための先行投資にも資金を投下する予定であります。必要な資金については、自己資金並びに銀行からの長期借入金及び短期借入金を活用して手当てしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。