有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/05/21 15:00
【資料】
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【項目】
140項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
第14期連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は449,340千円となり、前連結会計年度末に比べ10,486千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が55,788千円減少した一方、売上高増加に伴い売掛金が30,891千円、本社移転等に伴い有形固定資産が17,746千円、敷金及び保証金が22,041千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は62,935千円となり、前連結会計年度末に比べ19,107千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金への振替により8,843千円減少した一方、前受収益が26,353千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は386,405千円となり、前連結会計年度末に比べ8,621千円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上により8,203千円減少したことによるものであります。
第15期第3四半期連結累計期間(自 2019年7月1日 至 2020年3月31日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は424,156千円(前連結会計年度末比23,118千円増)となりました。これは主に現金及び預金が58,633千円減少したものの、売上高増加に伴い売掛金が87,262千円増加したことによるものであります。
また、固定資産は51,806千円(前連結会計年度末比3,504千円増)となりました。これは主にサーバー等の購入に伴い有形固定資産が7,116千円増加したことによるものであります。
以上の結果、資産合計は475,963千円(前連結会計年度末比26,623千円増)となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は37,467千円(前連結会計年度末比25,467千円減)となりました。これは主に未払法人税等が11,321千円増加したものの、前受収益が24,687千円減少したこと及び借入金の返済により1年内返済予定の長期借入金が8,843千円減少したことによるものであります。
以上の結果、負債合計は37,467千円(前連結会計年度末比25,467千円減)となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は438,496千円(前連結会計年度末比52,091千円増)となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により52,484千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第14期連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
当社グループは、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げ、画像認識ソフトウェアの開発を行っております。
当社グループが属する画像認識ソフトウェア業界においては、自動車向け先進運転支援システム(ADAS)の普及や自動運転技術の実用化に向けて自動車関連企業各社が取り組みを強化しています。
こうした環境の中で、当社グループは新規案件の獲得を進める一方、将来の収益獲得に向けた人員増強や、それに伴う本社移転、ディープラーニングをはじめとした画像認識技術の研究開発を積極的に行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高282,465千円(前連結会計年度比34.3%増)、営業損失3,521千円(前連結会計年度は営業利益52,137千円)、経常損失5,531千円(前連結会計年度は経常利益50,661千円)、親会社株主に帰属する当期純損失8,203千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益42,587千円)となりました。
第15期第3四半期連結累計期間(自 2019年7月1日 至 2020年3月31日)
当社グループは、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げ、画像認識ソフトウェアの開発を行っております。
当社グループが属する画像認識ソフトウェア業界においては、自動車向け先進運転支援システム(ADAS)の普及や自動運転技術の実用化に向けて自動車関連企業各社が取り組みを強化しています。
こうした環境の中で、当社グループは既存顧客の深耕による新規案件の獲得及びディープラーニングをはじめとした画像認識技術の研究開発を積極的に進めてまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高311,642千円、営業利益78,214千円、経常利益74,889千円、親会社株主に帰属する四半期純利益52,484千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第14期連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は1,225千円(前年同期は49,410千円の収入)となりました。これは主に前受収益の増加額26,353千円があったものの、売上高増加に伴う売上債権の増加額30,890千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は47,235千円(前年同期は5,358千円の支出)となりました。これは主に本社移転等に伴う有形固定資産の取得による支出22,841千円、敷金及び保証金の差入による支出27,657千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は5,012千円(前年同期は222,622千円の収入)となりました。これは長期借入金の返済による支出5,012千円によるものであります。
以上の他、為替の換算による2,315千円の減少もあり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ55,788千円減少し、339,854千円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第14期連結会計年度及び第15期第3四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第14期連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
第15期第3四半期連結累計期間
(自 2019年7月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
画像認識ソフトウェア開発事業282,465134.3311,642
合計282,465134.3311,642

(注)1.最近2連結会計年度及び第15期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第13期連結会計年度
(自 2017年7月1日
至 2018年6月30日)
第14期連結会計年度
(自 2018年7月1日
至 2019年6月30日)
第15期第3四半期
連結累計期間
(自 2019年7月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
トヨタコネクティッド株式会社55,68026.567,94524.174,12523.8
株式会社JVCケンウッド--65,72423.384,95127.3
株式会社ネクスティエレクトロニクス50,91724.247,25016.769,78822.4
惠州市德赛西威汽车电子股份有限公司30,00014.330,00010.632,11110.3
株式会社デンソーテン47,80022.717,6006.2--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第14期連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、282,465千円(前連結会計年度比34.3%増)となりました。これは主に、既存顧客の深耕による新規案件の獲得及びライセンス収入の積み上げによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、92,447千円(前連結会計年度比67.2%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費等が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、190,017千円(前連結会計年度比22.5%増)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、193,539千円(前連結会計年度比87.9%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う人員増加により人件費等が増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は、3,521千円(前連結会計年度は営業利益52,137千円)となりました。
d. 営業外損益、経常損益
当連結会計年度の営業外収益は、15千円(前連結会計年度比253.5%増)となりました。これは主に、受取利息によるものであります。一方で、営業外費用は、2,025千円(前連結会計年度比36.8%増)となりました。これは、為替差損及び支払利息によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は、5,531千円(前連結会計年度は経常利益50,661千円)となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度において特別利益及び特別損失は発生しておりません。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、5,531千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益50,661千円)となり、法人税等を2,672千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、8,203千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益42,587千円)となりました。
第15期第3四半期連結累計期間(自 2019年7月1日 至 2020年3月31日)
a. 売上高
当第3四半期連結累計期間における売上高は、311,642千円となりました。これは主に、既存顧客の深耕による新規案件の獲得及びライセンス収入の積み上げによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
当第3四半期連結累計期間における売上原価は、86,788千円となりました。これは主に、人件費及び地代家賃等によるものであります。
以上の結果、売上総利益は224,854千円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、146,640千円となりました。これは主に、人件費及び地代家賃等によるものであります。
以上の結果、営業利益は78,214千円となりました。
d. 営業外損益、経常損益
当第3四半期連結累計期間において営業外収益が46千円、営業外費用が3,371千円発生しております。
以上の結果、経常利益は74,889千円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
当第3四半期連結累計期間において特別利益及び特別損失は発生しておりません。
以上の結果、税金等調整前四半期純利益は、74,889千円となり、法人税等を22,405千円計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は、52,484千円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバー購入等を目的とした資金需要は自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は339,854千円であり、有利子負債の残高は8,843千円であります。
⑥ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、重要な経営指標として売上高、営業利益及びROEを掲げております。
第14期連結会計年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
当連結会計年度の売上高は主に、既存顧客の深耕による新規案件の獲得及びライセンス収入の積み上げにより282,465千円と前連結会計年度比34.3%増加したものの、事業規模拡大に伴う人員増加により営業費用が増加したため、営業損失は3,521千円(前連結会計年度は営業利益52,137千円)となりました。
第15期第3四半期連結累計期間(自 2019年7月1日 至 2020年3月31日)
当第3四半期連結累計期間の売上高は主に、新規顧客の獲得や既存顧客の深耕による新規案件の獲得及びライセンス収入の積み上げにより311,642千円、営業利益は78,214千円、ROEは12.7%となりました。今後もこれらの指標を重視した経営を行い、持続的な事業拡大と企業価値向上を図ってまいります。