有価証券報告書-第8期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
137項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の扱いが5類へ移行したことに伴い、わが国の国民生活は、平時の活況を取り戻しつつあります。一方、11月にかけての円安進行後、年末にかけて円高に転ずるなど日米の金融政策見通しに影響を受けた為替動向、並びに米国及び欧州を中心としたインフレの進行や、ロシア・ウクライナ情勢及びハマス・イスラエル間の武力衝突など、地政学リスクに起因するエネルギー供給に対する懸念などを背景に、物価や原油価格の高騰などがわが国の経済に多大な影響を及ぼしました。
また、コロナ禍を機に少子化はさらに加速しており、2023年通年の出生数は75万人台となり、初めて80万人を割り込んだ2022年に引き続き、過去最低を更新しました。
政府は強い危機感を背景に、2023年12月、こども家庭庁から、こども基本法に基づく幅広いこども施策を推進する基本方針や重要事項を一元的に定めた「こども大綱」、その実現に向けて具体的な取り組みを明記した「こども未来戦略」などを発表し、2030年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であると強調しております。
当社は、このような状況のもと、「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」というミッションの下、引き続きナニーサービス及びベビーシッターサービスを起点に、認可・認証・事業所内保育所や学童保育などエデュケア施設の運営や、高齢者在宅ケアを行うシルバーケアサービス等を展開し、フルラインでの働く女性を支援するサービスに基づき事業を推進いたしました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高26,258100.028,893100.02,635+10.0
売上原価20,65678.722,95779.52,301+11.1
売上総利益5,60121.35,93520.5333+6.0
販売費及び一般管理費4,29516.44,77316.5477+11.1
営業利益1,3055.01,1624.0△143△11.0
経常利益1,3575.21,3014.5△56△4.1
親会社株主に帰属する当期純利益8243.16772.3△146△17.8

当連結会計年度においては、前期比で増収減益となりました。
売上高につきましては、28,893百万円(前期比10.0%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、ベビーシッターサービスの業績拡大がけん引したこと、およびエデュケア事業において、当連結会計年度に認可保育所4施設、認定こども園1施設を含む新たな保育施設等14施設の開設により順調に業績が拡大したこと等によるものであります。
当連結会計年度の売上総利益につきましては、主にエデュケア事業における以下の要因により、売上高増加率を下回る6.0%増の5,935百万円に留まりました。
・前連結会計年度と比較して9園が閉園となったこと
・保育学童職員の採用数増加に伴い、特に第2四半期連結累計期間に採用費が大きく増加したこと(前期比2.1倍、第2四半期連結累計期間においては前期比2.5倍)
・物価高騰及びコロナ後の正常化に伴う経費の増加が生じたこと
販売費及び一般管理費につきましては、4,773百万円(前期比11.1%増)となりました。その主な要因は以下のとおりです。
・ナニー及びベビーシッターサービス並びにエデュケア事業において、取引規模が拡大したこと等による売上原価及び販売費及び一般管理費の増加に伴い、租税公課(控除対象外消費税等)が増加したこと
・上記取引規模拡大による租税公課増加のほか、エデュケア事業において、特に第2四半期連結累計期間の新規直営保育施設の設備投資額が前期比で増加したことにより、租税公課(控除対象外消費税等)が増加したこと
・各事業で事業拡大を図るために営業及び運営人員を増強したことにより人件費並びに採用費が増加したこと
以上の結果、営業利益は1,162百万円(前期比11.0%減)となりました。
経常利益につきましては、当連結会計年度においては、営業外収入として経営体制変更に伴う法人保険解約による返戻金138百万円を計上したことなどにより、1,301百万円(前期比4.1%減)となりました。
また、間接共通費を配賦した後に営業収支が赤字となる保育所の設備について減損処理を行ったことなどにより、特別損失225百万円を計上いたしました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は677百万円(前期比17.8%減)となりました。
なお、第4四半期連結会計期間(2023年10月~12月)の経営成績について50ページの(参考情報)に記載していますのでご参照ください。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額です。
当連結会計年度より、従来「その他」に含めていた交流館の運営事業の一部について、「エデュケア事業」へ報告セグメントの変更を行いました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で行っております。
(単位:百万円)
セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度前期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高ファミリーケア事業4,43416.85,55919.21,125+25.4
エデュケア事業20,95879.322,33376.91,374+6.6
プロフェッショナル事業5642.16542.390+16.0
その他4581.74841.725+5.5
調整額(注)△158-△138-19-
合計26,258-28,893-2,635+10.0
セグメント利益ファミリーケア事業1,02737.11,21444.2186+18.2
エデュケア事業1,59657.71,36349.6△232△14.6
プロフェッショナル事業1696.11896.919+11.8
その他△24△0.9△20△0.74-
調整額(注)△1,462-△1,584-△122-
合計1,305-1,162-△143△11.0

(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費用及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。
(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)
ナニーサービスにつきましては、2023年初めより、新型コロナウイルス感染症の流行が収束へ向かったことから、プレミアムサービスを中心とした底堅い需要と東京都8区で実施している居宅訪問型保育事業が拡大しており、売上高は前期比で増加しております。
そのような中、今後のナニーサービスの需要拡大を見据えた体制整備を進めております。その一環として2023年6月にナニーの報酬を改定すると共に価格改定を行い、定着率の上昇、採用力の強化に加え収益性が向上しました。
ベビーシッターサービスにつきましては、こども家庭庁ベビーシッター割引券が年度途中で配布上限に達し、新規配布を終了したとの報道がなされましたが、当割引券の子育て支援効果が再認識される結果となり、急遽発行枠の増額がなされました。また、東京都ベビーシッター利用支援事業を採用する自治体も増加し、当サービスの利用の追い風となっております。2023年12月期においても継続して新規会員を獲得し、売上高は前期比で約1.7倍と大きく増加し、インターネットを通したベビーシッターのマッチングサービス分野で売上高トップの地位を確たるものにできました(注1)。国や自治体からの支援の拡大、市場の拡大を見据え、引き続き戦略的に人的投資を増加させてまいります。
シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましては、大口顧客のご逝去や入院等が影響し、2023年1月から4月にかけて一時的に売上が減少したものの、家事支援や高付加価値サービスのナースケアが貢献することで、5月以降、顧客数と売上高が拡大しました。
以上の結果、売上高は5,559百万円(前期比25.4%増)、セグメント利益は1,214百万円(同18.2%増)となりました。
(注1)公表されているベビーシッター業界の統計数値がありませんので、当社独自の推計比較によるものです。
(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)
当連結会計年度には認可保育所4施設、認定こども園1施設、事業所内保育所1施設、学童クラブ・児童館7施設、交流館1施設、合計14施設を新規開設する一方で、認証保育所1施設、事業所内保育所6施設、学童クラブ・児童館2施設、合計9施設が閉園となりました。その結果、連結会計年度末時点で運営する施設は、認可保育所78施設、認定こども園2施設、認証保育所34施設、事業所内保育所79施設、学童クラブ・児童館100施設、交流館5施設、その他施設41施設の計339施設となっております。
2023年4月時点において、東京都を中心に待機児童が減少、当社グループの認可保育所においても、低年齢児(0歳~2歳)の4月時点の定員空き状況が平均2.8人(前期比1.6人増)となりましたが、5月以降順調に入所者が増加し、10月時点で0.8人、12月時点では定員に対してほぼ満員となりました。また、認証保育所においても4月時点の園児数が前期比で1%減少いたしましたが、認可保育所と同様に、低年齢児は12月時点で定員に対してほぼ満員となりました。なお、待機児童解消に伴い今後の需要が低いと予想される認証保育所については、来期以降の運営形態の変更や閉園を検討してまいります。
なお、昨今の待機児童の減少に伴い、保育業界における新規認可保育所開設数は減少傾向にありますが、一定規模を超える集合住宅の建設には保育所の設置が義務付けられております。大手デベロッパーの開発案件に関連する保育所については、長期的な保育ニーズ及び安定した収益性が見込まれるため、当社グループを含めた激しいコンペティションになるケースが多く、保育所の運営方針、保育内容、運営会社の信頼性・ブランド力と再開発コンセプトとの親和性等により保育事業者が選ばれます。当社グループのナニー・ベビーシッターを含む各種子育て事業の実績、長年の保育所運営及び保育内容の充実等を評価いただき、コンペティションにおいて当社が受託するケースが増えております。
こうした状況の中、保育所設備投資に係る租税公課(控除対象外消費税等)を含む新規開設コストの発生、事業所内保育所の閉園、物価高騰の影響の他、常勤保育士の割合を高めて利益回復を図るため、特に第2四半期(4月~6月)において採用費を一時的に大きく掛け(前期比2.5倍)保育・学童職員の採用数を増加させたことにより、前期比でセグメント利益が減少しました。
以上の結果、売上高は22,333百万円(前期比6.6%増)、セグメント利益は1,363百万円(同14.6%減)となりました。
(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)
当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第2四半期から第3四半期にかけて受注し、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施しており、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上します。したがって、当事業の売上高及び利益の大部分は、下期に計上されます。
研修のオンライン化により1案件当たりの受注額が減少傾向にあるものの、当連結会計年度につきましては、第2四半期までに獲得した研修案件の実施が下期に進捗し、売上高、セグメント利益ともに好調に推移しました。
以上の結果、売上高は654百万円(前期比16.0%増)、セグメント利益は189百万円(前期比11.8%増)となりました。
(その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等)
売上高につきましては、既存の保育士派遣先における派遣需要が堅調であったことに加え、新たな派遣先の獲得により派遣人数が増加した結果、484百万円(前期比5.5%増)となりました。
また、新規事業立ち上げ費用等の影響により、セグメント損失は20百万円(前期は24百万円のセグメント損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は14,622百万円(前期比2,073百万円の増加)となりました。
流動資産につきましては9,305百万円(前期比1,390百万円の増加)となりました。その主な要因は、配当金の支払いが発生したものの、短期借入金及び長期借入金の増加により現金及び預金が増加したことであります。
固定資産につきましては5,317百万円(前期比682百万円の増加)となりました。その主な要因は、新規施設の増加に伴い建物及び構築物、建設仮勘定及び敷金及び保証金が増加したことであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は6,506百万円(前期比1,779百万円の増加)となりました。
流動負債につきましては、4,222百万円(前期比1,222百万円の増加)となりました。その主な要因は、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加であります。
固定負債につきましては、2,284百万円(前期比557百万円の増加)となりました。その主な要因は、長期借入金の増加であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、8,116百万円(前期比293百万円の増加)となりました。その主な要因は、配当の支払いが発生したものの、親会社株主に帰属する当期純利益677百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したためであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、55.5%(前期比6.8ポイントの減少)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、5,000百万円(前期比759百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、771百万円(前期比467百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,076百万円、減価償却費259百万円、減損損失225百万円、未払金の増減額155百万円、法人税等の還付額93百万円等の増加要因があったものの、法人税等の支払額428百万円、売上債権の増加額587百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、827百万円(前期比381百万円の減少)となりました。これは主に、助成金の受取額957百万円及び保険積立金の解約による収入135百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設に関する有形固定資産の取得による支出1,596百万円、敷金及び保証金の差入による支出266百万円、並びに基幹システム開発等に関する無形固定資産の取得による支出44百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、815百万円(前期は1,204百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額387百万円等の減少要因があったものの、長期借入れによる収入1,300百万円等の増加要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
ファミリーケア事業5,444126.9
エデュケア事業22,333106.6
プロフェッショナル事業645115.6
報告セグメント計28,423110.1
その他469104.6
合計28,893110.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(財政政策)
当社グループは、運転資金、設備資金及びシステム開発資金につきましては、内部資金(新株発行による増資を含む。)又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、短期運転資金については金融機関からの短期借入金によって、長期運転資金及び保育所の新規開設に伴う設備投資、システム開発資金については、新株発行による増資及び長期借入金によって調達しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
2023年12月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の扱いが5類へ移行したことに伴い、わが国の国民生活は、平時の活況を取り戻しつつあります。
しかしながら、コロナ禍を機に少子化はさらに加速しており、2023年通年の出生数は75万人台となり、初めて80万人を割り込んだ2022年に引き続き、過去最低を更新しました。
政府は強い危機感を背景に、2023年12月、こども家庭庁から、こども基本法に基づく幅広いこども施策を推進する基本方針や重要事項を一元的に定めた「こども大綱」、その実現に向けて具体的な取り組みを明記した「こども未来戦略」などを発表し、2030年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であると強調しております。
また、女性活躍の推進などにより、共働き世帯数や女性の就業率は引き続き高い水準で推移しておりますが、女性の正規雇用率が出産を機に低下する「L字カーブ」の是正の重要性は変わらず、産後ケアや学童保育など子育て当事者向けサービスの拡充が引き続き重要テーマのひとつとなっております。
加えて、ファミリーケア事業のチャイルドケア領域においては、保育園とともに「車の両輪」となり、女性の活躍・就労支援策を支える社会インフラとしてのベビーシッターの存在感が高まっております。2021年4月より内閣府ベビーシッター割引券(現在のこども家庭庁ベビーシッター割引券)の1日当たりの利用限度額が倍増したことなどの政策強化も背景として、ナニーサービス及びベビーシッターサービスを中心として引き続き力強い需要の拡大が続くことが見込まれます。
さらに、シルバーケア領域においては、年間240万人が生まれていた団塊の世代が70歳代半ばとなりターゲット層が膨らむこと、わが国の社会保障制度改革において示されている「医療から介護へ、施設から在宅へ」の方向性を踏まえ、シルバーケアサービスの需要拡大が加速するものと想定しております。
当社グループは、これらの環境変化を好機と捉え、高付加価値を求める顧客層向けのサービスを推進してまいります。
「最高水準」のサービス提供に向け、乳幼児教育におきましては、ハーバード大学、スタンフォード大学、ノーランドカレッジ、東京大学、お茶の水女子大学など国内外の教育機関やその研究者との共同研究や研修を実施して、世界最先端の教育科学を取り入れるとともに、当社グループの保育理論を深化・体系化させております。
また、保育士、ナニー、ベビーシッター、ケアスタッフなどのサービスの担い手に対して、各種様々な研修制度による人材育成を行っており、研修によるクオリティ維持強化の仕組みを確立しております。こども家庭庁ベビーシッター割引券(旧内閣府ベビーシッター割引券)などの国の助成に対応するベビーシッターは、保育士または看護師の資格保有、または指定研修の修了が必須ですが、2021年8月には、上記の当社グループの自社研修制度の充実が認められ、民間事業者として初めて自社のベビーシッター育成研修が当該指定研修と認定されました。さらに、2022年9月には、東京都ベビーシッター利用支援事業の指定研修としても追加認定されたことにより、当社グループの自社研修がナニー・ベビーシッター関連の二大助成金事業の指定研修として国及び東京都に認められることとなりました。これにより、当社グループのナニーやベビーシッターは、自社研修を受講することで、認定ナニー/ベビーシッターとして働くことができ、より需要が拡大すると見込まれる認定ナニー/ベビーシッターの安定的な供給が可能となっております。今後も研修制度の一層の充実を図り、最高水準のサービスを継続的に提供してまいります。
また、これまでの子育て支援・乳幼児教育・介護支援・家事支援・人材派遣・紹介・研修・調査研究・コンサルティング事業に加え、2021年6月には不妊予防に関するポータルサイトと企業研修サービスを新規事業として立ち上げました。さらに、2022年9月には、新規事業としてペットケアサービスを開始しております。当社グループが展開するファミリーケア領域(ベビーシッター、家事代行、介護)において、安心のポピンズブランドで「家族の一員」であるペットの健康と幸せをサポートするペットシッターを派遣し、ペットもご家族の一員としたワンストップのサービス提供を目指します。これによりライフステージで変化する、働く・働きたい女性の課題に切れ目なく対応する当社グループの事業形態の一層の充実を図り、他社のサービススコープには見られないユニークなビジネスモデルを追及してまいります。今後も「働く女性」という顧客基盤を活用して、顧客のライフステージに応じたサービスラインナップの展開・拡張により、既存事業の拡大とともに、新たな市場機会・成長機会を捉えてまいります。
e.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、創業以来、利益成長と同時に社会課題の解決を意識した経営を行っております。
高付加価値・高収益であるファミリーケア事業の全社事業ポートフォリオにおける構成比を高めていくこと、および現状において、エデュケア事業において中長期的な保育・学童ニーズが見込まれる東京・大阪・名古屋という三大都市圏を中心としたエリアに展開していること等の戦略を進めております。また、新型コロナウイルス感染症の影響下、オンライン化が急速に進展した、プロフェッショナル事業における国内研修(厚生労働省や各自治体から受託する研修)、eラーニング等の事業成長をさらに加速してまいります。
これらの基本方針に基づき、当社は、2023年12月期~2027年12月期に係る中期経営計画を策定しております。利益率の高いファミリーケア事業が成長ドライバーとなって、全社の売上高及び利益成長をけん引し、オーガニック成長で2027年12月期の業績目標を売上高350億円・営業利益率10%としております。また、厳選したM&Aを含め売上高500億円以上を目指してまいります。今後も継続してこれらの戦略を進め、利益成長を実現してまいります。
また、当社グループの事業領域は、解決が進みつつある「待機児童の解消」、及びその先に顕在化しつつある「待機学童の解消」といった短期的な社会課題、並びに「女性の職場復帰・再就職の支援」「介護離職ゼロ」といった中長期的な社会課題に対応しており、事業を通して、これらの課題解決による社会的貢献が可能であると考えております。
当社グループは、日本初のSDGs-IPO企業として、利益成長の実現と同時に社会課題の解決に資することで、当社グループのさらなる発展と企業価値の向上を目指してまいります。
さらに将来、保育所が淘汰される時代の到来に向けて、収益性とシナジー効果を考慮し、案件を厳選したM&Aや戦略的提携を推進するとともに、新規事業開発に取り組むことで日本のSDGsをリードする企業として一層の発展を遂げる方針であります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。
(資産除去債務)
当社グループは、本支社及び保育施設等の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に関し、有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フローを見積り、使用見込期間に対応した割引率で割引いた金額を資産除去債務として計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。
(参考情報)
[2023年12月期第4四半期連結会計期間](2023年10月~12月)
(単位:百万円)
2022年第4四半期
連結会計期間
2023年第4四半期
連結会計期間
前年同期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高6,952100.07,798100.0846+12.2
売上原価5,32176.55,92376.0602+11.3
売上総利益1,63023.51,87524.0244+15.0
販売費及び一般管理費1,08215.61,16915.086+8.0
営業利益5487.97059.1157+28.6
経常利益5538.083910.8286+51.7
親会社株主に帰属する四半期純利益2904.23975.1108+37.3

第4四半期連結会計期間においては、前年同期比で増収増益となりました。
売上高につきましては、7,798百万円(前年同期比12.2%増)となりました。成長ドライバーであるファミリーケア事業が順調に拡大したこと、事業基盤であるエデュケア事業において当年及び昨年に開設した保育所等が売上貢献したこと、並びに認可・認証保育所において園児の定員充足が順調に進んだこと、プロフェッショナル事業においても順調に研修実施が進捗したこと等によるものであります。
売上原価につきましては、5,923百万円(前年同期比11.3%増)となりました。第2四半期連結会計期間までは売上原価の前年同期比増加率が売上高増加率を上回る状況が続いたものの、第4四半期連結会計期間については、第3四半期連結会計期間に引き続き、売上原価増加率が売上高増加率を下回りました。その要因としては、原価率の低いファミリーケア事業の業績が拡大していること、エデュケア事業で認可保育所を中心に職員の適正配置が進み原価率が改善したこと、紹介会社の利用を控え保育士等の採用費が減少したことによるものであります。その結果、売上総利益につきまして、1,875百万円(前年同期比15.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、主に採用のための広告宣伝費、コールセンター費用、システム保守費用、本社体制強化等の費用が増加したものの、ベビーシッター採用と顧客獲得が順調に進んだ結果、1,169百万円(前年同期比8.0%増)に留まりました。
(単位:百万円)
セグメントの名称2022年第4四半期
連結会計期間
2023年第4四半期
連結会計期間
前年同期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高ファミリーケア事業1,25217.91,56320.0311+24.9
エデュケア事業5,34576.55,74573.5400+7.5
プロフェッショナル事業2794.03905.0110+39.5
その他1141.61201.56+5.3
調整額(注)△39-△21-17-
合計6,952-7,798-846+12.2
セグメント利益ファミリーケア事業28532.235032.364+22.6
エデュケア事業45451.352348.368+15.2
プロフェッショナル事業15317.321820.164+42.0
その他△7△0.8△7△0.7△0-
調整額(注)△337-△378-△40-
合計548-705-157+28.6

(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費用及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。
(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)
ナニーサービスにつきましては、2023年6月からのナニー報酬改定及びナニーサービスの価格改定により、注力しているナニープレミアムにおいて、順調に売上が拡大しております。
ベビーシッターサービスにつきましては、認知度が向上したことに加え、こども家庭庁ベビーシッター割引券・東京都ベビーシッター利用支援事業の二大助成金利用促進を行ったこと等により売上高が前年同期比で2割程度増加いたしました。
シルバーケアサービスにつきましては、第2四半期以降、特に強化してきた富裕層マーケティングが奏功し、前年同期比で売上高が1割程度増加しました。
以上の結果、セグメント売上高は1,563百万円(前年同期比24.9%増)、セグメント利益は350百万円(前年同期比22.6%増)の増収増益となりました。
(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)
保育施設におきましては、体制整備により本社主導を強化し、職員の適正配置を進めたこと、入園説明会を実施し、0歳児を中心とした園児獲得に注力したことにより、12月時点の認可・認証保育所において0歳児及び1歳児の定員がほぼ充足いたしました。なお、第4四半期における採用費は前年同期比で0.8倍に減少しております。
学童クラブ・児童館では本社主導強化によるシフトの最適化が進み、常勤職員の残業時間を第3四半期に引き続き前年同期比で抑制いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は5,745百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は523百万円(前年同期比15.2%増)の増収増益となりました。
(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)
自治体研修の受注競争力を強化したこと、研修受注の領域を拡大したことにより、前期比で好調に受注した研修案件の実施が進捗し、第4四半期において売上高と利益に貢献しました。
以上の結果、セグメント売上高は390百万円(前年同期比39.5%増)、セグメント利益は218百万円(前年同期比42.0%増)の増収増益となりました。
以上の結果、主要3セグメントで増収増益となっております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。