有価証券報告書-第9期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/28 15:30
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度において、わが国の経済は緩やかに回復し、個人消費は賃金の改善に支えられて持ち直しました。しかしながら、年後半には企業収益の回復ペースが鈍化し、政府が企業収益の見通しを引き下げるなど、一部の分野では停滞の兆しが見られました。また、米国及び欧州の金融政策の影響を受けて円安が進行したことに加えて、ロシア・ウクライナ情勢の継続や中東地域の不安定化により、エネルギー供給への懸念が引き続き存在し、輸入物価やエネルギー価格の上昇が家計や企業のコスト負担を増加させております。
また、2024年の年間出生数(注1)は前年比5.5%減の68万人台となる見通しです。コロナ禍を機に少子化トレンドの加速が続いており、出生数の減少ペースが明らかに加速した2016年から2023年までの年平均減少率4.0%と比較しても、直近の減少傾向はさらに強まっております。
政府は強い危機感を背景に、2023年12月、こども家庭庁から、こども基本法に基づく幅広いこども施策を推進する基本方針や重要事項を一元的に定めた「こども大綱」、その実現に向けて具体的な取り組みを明記した「こども未来戦略」などを発表し、2030年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点であると強調しております。そして、児童手当を高校生年代まで支給するよう延長し、第3子以降への給付金を大幅に増やすなどの子育て世代への支援を戦略の柱に据えております。また、3歳から就学までの子を持つ従業員が柔軟な働き方ができるよう、企業に始業時間の変更やテレワーク導入などを求める改正育児・介護休業法が、2025年4月から段階的に施行される予定であります。
当社は、このような子育て・教育、働き方等を取り巻く外部環境がめまぐるしく変化する状況のもと、「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」というミッションの下、引き続きナニーサービス及びベビーシッターサービスを起点に、認可・認証・事業所内保育所や学童保育などエデュケア施設の運営や、高齢者在宅ケアを行うシルバーケアサービス等を展開し、フルラインでの働く女性を支援する事業を推進いたしました。
(注1)日本人のみの国内の出生数。なお、2024年の外国人を含む国内の出生数も過去最少の約72万人となりました。
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度前期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高28,893100.031,690100.02,797+9.7
売上原価22,95779.525,10679.22,149+9.4
売上総利益5,93520.56,58320.8647+10.9
販売費及び一般管理費4,77316.55,00915.8235+4.9
営業利益1,1624.01,5745.0411+35.5
経常利益1,3014.51,5945.0293+22.5
親会社株主に帰属する当期純利益6772.37762.598+14.5

当連結会計年度においては、営業利益は過去最高益となりました。
売上高につきましては、31,690百万円(前期比9.7%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、引き続きベビーシッターサービスの業績拡大がけん引したこと、またナニーサービス、シルバーケアサービスの業績も堅調に推移したこと、およびエデュケア事業において当連結会計年度に、保育所・学童児童館等9施設を閉園する一方、園児定員数100名超の大規模認可保育所2施設を含む11施設を開設したこと等により順調に拡大したことに加え、令和5年度(2023年4月~2024年3月)人事院勧告に伴う公定価格改定により助成金収入が増加したことによるものです。
(特記事項)令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定及び処遇改善の影響
(単位:百万円)
公定価格改定
(売上高増:注2)
処遇改善
(費用増)
利益影響
当連結会計年度当連結会計年度当連結会計年度備考
第3
四半期累計
第4
四半期
第3
四半期累計
第4
四半期
第3
四半期累計
第4
四半期
令和5年度分
(注3)
329329-432432-△103△103-
令和6年度分
(注4)
383243140453-453△70243△3132025年第1四半期分を一部前倒し支給
合 計712572140885432453△173140△313
内、
当社独自改善
---103103-△103△103-

(注2) 助成金の受給による売上高増加を指す。
(注3) 令和5年度分:2023年4月~2024年3月
(注4) 令和6年度分:2024年4月~2024年12月(2025年3月まで継続して受給予定。一部前倒しで処遇改善を実施)
売上総利益につきましては、高利益率のファミリーケア事業の構成比が上昇したこと、ならびに主にエデュケア事業における以下の要因により、売上高増加率を上回る前期比10.9%増の6,583百万円となりました。
(プラス要因)
・保育士等の採用チャネル多様化に伴う効率化により、採用費が前期比で約1.4億円減少したこと
・前連結会計年度の4月開園施設が黒字化したこと
・当連結会計年度に開設した学童等の委託型施設等が利益貢献したこと
・認可保育所における園児充足率が、前期比で改善したこと
・非常勤職員配置等合理化の取り組みが順調に進捗し、粗利率の改善に寄与したこと
(マイナス要因)
・当連結会計年度に完成した認可保育所等直営施設の開園準備費用が前期比で増加したこと
・前連結会計年度と比較して9園が閉園となったこと
(その他 特殊要因)(注5)
・令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定等の影響について、令和5年度分(2023年4月~2024年3月分)の助成金収入増加329百万円を踏まえた保育職員等の人件費増額(処遇改善)について、当社独自改善分103百万円を含む432百万円を、当連結会計年度において費用計上したこと
・令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定等の影響について、令和6年度分(2024年4月~2024年12月分)の助成金収入増加383百万円を踏まえた保育職員等の人件費増額(処遇改善)について、2025年第1四半期分の一部前倒し支給を含む453百万円を、当連結会計年度において費用計上したこと
(注5)詳細は「(特記事項)令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定及び処遇改善の影響」参照。
また、販売費及び一般管理費につきましては、当連結会計年度に完成した認可保育所等直営施設の新規開設投資額が前期比で増加したことによる租税公課(控除対象外消費税等)の増加や、主にベビーシッターサービスの業績拡大に伴うコールセンター費用、システム保守費用等の事業成長に伴う準変動費の増加や、執行体制強化に伴う人件費及び採用費等の増加があったものの、役員報酬総額の減少等により、売上高増加率を下回る、前期比4.9%増の5,009百万円に留まりました。
以上の結果、営業利益は1,574百万円(前期比35.5%増)となりました。なお、経常利益は前連結会計年度において営業外収入として法人保険解約返戻金138百万円を計上したことが前年比較に影響していることにより、営業利益増加率を下回る、前期比22.5%増の1,594百万円となりました。
間接共通費を配賦した後に営業収支が赤字となる保育所の設備について減損損失371百万円を計上いたしました(内、363百万円は第3四半期に計上)。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益増加率を下回る、前期比14.5%増の776百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(単位:百万円)
セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度前期比
実績構成比(%)実績構成比(%)増減増減率(%)
売上高ファミリーケア事業5,55919.26,77621.31,216+21.9
エデュケア事業22,33376.924,00475.41,670+7.5
プロフェッショナル事業6542.35821.8△72△11.1
その他4841.74741.5△9△2.1
調整額(注)△138-△146-△7-
合計28,893-31,690-2,797+9.7
セグメント利益ファミリーケア事業1,21444.21,38945.7175+14.4
エデュケア事業1,36349.61,56751.5203+15.0
プロフェッショナル事業1896.9832.7△105△55.9
その他△20△0.720.122-
調整額(注)△1,584-△1,468-116-
合計1,162-1,574-411+35.5

(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。
(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)
ナニーサービスにつきましては、ナニープレミアムを中心とした底堅い需要が継続し、売上高は前期比で4.4%増加しております。
ベビーシッターサービスにつきましては、東京都ベビーシッター利用支援事業を採用する自治体がさらに増加しており、その旺盛な需要を取り込むべく、3つの施策を推進しております。
・既存ベビーシッターの稼働促進
・採用広告への投資継続(応募数の増加)
・採用拠点の常設化投資(面接数の増加及び対面面接による質の担保)
その結果、売上拡大傾向は継続しており、当連結会計年度においては前期比で44.3%増と大きく成長しております。
シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましては、前期を通じて推進してきた営業強化策が奏功し、新規入会者数の増加、家事支援や高付加価値サービスのナースケアの貢献などにより、売上高は前期比で7.6%増加しております。
以上の結果、売上高は6,776百万円(前期比21.9%増)、セグメント利益は1,389百万円(同14.4%増)となりました。
(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)
当事業については、当連結会計年度において、認証保育所等の直営型施設4箇所、学童児童館等の委託型施設等5箇所(計9箇所)を閉園する一方、大規模認可保育所を含む直営型施設5箇所、委託型施設等6箇所(計11箇所)を開設しました。その結果、当連結会計年度末における総施設数は前期比で2箇所増加、預り園児数も認可認証保育所合計で3.3%増加し、公定価格改定による助成金収入増加の影響(注5)等と併せて、エデュケア事業の売上高は24,004百万円(前期比7.5%増)となりました。
セグメント利益の成長率については、売上高成長率を上回りました。その理由としては、大規模保育所の開設により前期を上回る設備投資に伴う租税公課(控除対象外消費税等)の増加や、前期閉園の影響などのマイナス要因があったものの、保育士等の採用チャネル多様化に伴う効率化により採用費が前期比で減少したこと、前期開園直営施設及び当期開設委託型施設等が利益貢献したこと、園児集客強化の取り組みが奏功し、当連結会計年度を通して認可保育所で前期の充足率を1.6%pt上回る水準で園児数が推移したことや、非常勤職員配置等の合理化の取り組みが進捗したこと、などプラス要因が上回り、粗利率の改善に寄与しました。
以上の結果、セグメント利益は、令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定による売上高増及び処遇改善によるマイナス影響173百万円(注6)があったものの、1,567百万円(前期比15.0%増)となり、業績改善が着実に進捗しております。
(注6)詳細は「(特記事項)令和5年度人事院勧告に伴う公定価格改定及び処遇改善の影響」参照。
(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)
当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第1四半期の後半から第3四半期の前半にかけて受注後、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施し、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上しております。したがって、当事業の売上高及び利益の大部分は、下半期に計上されます。
当連結会計年度においては、長期に亘り提供してきた大型研修2案件が受注に至らず、中・小型案件で受注挽回を進めた結果、受注高は年度計画比で9割程度まで進捗したものの、収益性の高い大型案件が減少したことにより営業利益率の低下要因となりました。
以上の結果、売上高は582百万円(前期比11.1%減)、セグメント利益は83百万円(同55.9%減)と、減収減益となりました。
(その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等)
売上高につきましては、保育士派遣先における需要は安定して推移したものの、人材紹介事業の実績が前期比で弱含んだことにより、474百万円(前期比2.1%減)となりました。
一方で、新規事業立ち上げ費用等の影響が徐々に軽減していることから、セグメント利益は2百万円(前連結会計年度は20百万円のセグメント損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は16,714百万円(前連結会計年度末比2,092百万円増)となりました。
流動資産につきましては、12,515百万円(前連結会計年度末比3,209百万円増)となりました。その主な要因は、借入金の返済及び配当金の支払いなどの減少要因があったものの、新規借入及び保育所の開設等に関する助成金の受取りにより現金及び預金が増加したためであります。
固定資産につきましては、4,199百万円(前連結会計年度末比1,117百万円減)となりました。その主な要因は、建設仮勘定、および建物及び構築物の減少によるものであります。建設仮勘定は、保育所の開設に伴い建設仮勘定を建物及び構築物等へ振替えたことにより減少しております。建物及び構築物は、保育所の開設などの増加要因があったものの、保育所の開設等に関する助成金の受入れに伴い圧縮記帳を行ったこと、および減損損失の計上により減少しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債は8,208百万円(前連結会計年度末比1,701百万円増)となりました。
流動負債につきましては、5,467百万円(前連結会計年度末比1,245百万円増)となりました。その主な要因は、賞与引当金が減少したものの、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、未払金、未払法人税等及び前受金が増加したためであります。
固定負債につきましては、2,740百万円(前連結会計年度末比456百万円増)となりました。その主な要因は、新規借入による長期借入金の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は8,506百万円(前連結会計年度末比390百万円増)となりました。その主な要因は、剰余金の配当388百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益776百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したためであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、50.9%(前連結会計年度末比4.6ポイント減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、8,373百万円(前期比3,372百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,840百万円(前期比1,069百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,222百万円、減価償却費266百万円、減損損失371百万円、未払金の増加額181百万円、前受金の増加額111百万円、法人税等の還付額83百万円等の増加要因があったものの、賞与引当金の減少額77百万円、売上債権の増加額63百万円、法人税等の支払額410百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、598百万円(前期は827百万円の使用)となりました。これは主に、助成金の受取額1,317百万円、敷金及び保証金の返還による収入52百万円及び保険積立金の解約による収入61百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設に関する有形固定資産の取得による支出660百万円、資産除去債務の履行による支出63百万円並びに敷金及び保証金の差し入れによる支出56百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、933百万円(前期比117百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出875百万円及び配当金の支払額389百万円等の減少要因があったものの、短期借入金の純増減額600百万円及び長期借入れによる収入1,600百万円等の増加要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
ファミリーケア事業6,673122.6
エデュケア事業24,004107.5
プロフェッショナル事業55886.5
報告セグメント計31,235109.9
その他45496.7
合計31,690109.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(財政政策)
当社グループは、運転資金、設備資金及びシステム開発資金につきましては、内部資金(新株発行による増資を含む。)又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、短期運転資金については金融機関からの短期借入金によって、長期運転資金及び保育所の新規開設に伴う設備投資、システム開発資金については、新株発行による増資及び長期借入金によって調達しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、2023年2月14日に、2027年12月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画(オーガニック成長で2027年12月期の業績目標を売上高350億円・営業利益率10%・配当性向40%・ROE15%)を公表し、その達成に向けて取り組んでまいりました。しかしながら、わが国における少子高齢化の進展や、働き方・子育て・介護に関するあり方などの外部環境変化は、年間出生数の記録的な減少を筆頭に、中期経営計画公表時の当社想定を上回るスピードで急激に進み、各事業においても、以下のような事業課題への対処が求められております。
ファミリーケア事業においては、ベビーシッターサービスを中心に中期経営計画公表時の想定を上回る旺盛な需要拡大が続く一方で、数年後の業容拡大を見越した、サービス品質管理やリスク管理の体制構築が急務となっております。
エデュケア事業においても、保育所の待機児童解消がさらに進む一方、学童保育の待機児童顕在化が想定を超える速さで進展していることを踏まえ、2025年12月期以降の新規開発案件の獲得方針については、設備投資を伴わない学童児童館等の委託型施設に戦略の軸足を移しております。また、こども家庭庁による、人事院勧告に伴う公定価格の人勧改定率が、令和5年度は+5.2%、令和6年度は前述のとおり+10.7%と、過去に例のない高水準で示されたことは、エデュケア事業の売上高及び売上原価を共に押し上げる要因であり、結果的に当社の売上高営業利益率の押し下げ圧力となります。
また、全事業に共通する要因として、日本社会全体にわたる賃上げの流れ及び働き手不足の深刻化を踏まえ、中長期的な成長戦略の実現を支えることができる評価・報酬制度や待遇等の抜本的な見直しが、喫緊の経営課題であると認識しております。
e.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、上記のような問題認識を踏まえ、また、売上高営業利益率に替わる、当社グループの経営効率性を示す指標(事業別の投下資本利益率(ROIC)などを含む)を提示する必要があると判断したことなどから、中期経営計画を見直すことといたしました。
当社グループは、引き続き旺盛な需要拡大が続くファミリーケア事業を成長ドライバーとしつつ、安定的にキャッシュ・フローを創出するエデュケア事業を事業基盤として、急速に進行する少子高齢化を含む市場環境及び政策などの外部環境変化に機動的に対応することにより、引き続き利益拡大を通じた企業価値向上を図ってまいります。
新たな中期経営計画につきましては、事業環境等を総合的に勘案し、改めて見直したうえで2025年8月中を目途に公表することを予定しております。なお、配当性向については引き続き連結配当性向40%前後を基本とし、中長期的にROE15%以上を目指す方針については、変更はありません。
当社グループは、日本初のSDGs-IPO企業として、利益成長の実現と同時に社会課題の解決に資することで、引き続き、当社グループのさらなる発展と企業価値の向上を目指してまいります。
さらに将来、保育所が淘汰される時代の到来に向けて、収益性とシナジー効果を考慮し、案件を厳選したM&Aや戦略的提携を推進するとともに、新規事業開発に取り組むことで日本のSDGsをリードする企業として一層の発展を遂げる方針であります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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