有価証券報告書-第10期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、賃上げ定着による所得環境の改善が個人消費を底上げした一方、国際情勢の緊迫化や円相場の変動に伴う物価上昇が家計や企業の生活・経営を圧迫しました。世界でも、主要国の金融政策転換や、緊迫化する中東情勢、継続するロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクにより、エネルギー価格等の先行き不透明な状況が続いております。
国内では、少子化が想定を上回る速度で進行しています。出生数は過去最低の更新が見込まれ、生産年齢人口の減少に伴う「人手不足」は全産業共通の深刻な課題となりました。こうした中、社会全体で限られた人的資源を最大限に活用するための「働き方改革」は、もはや努力義務ではなく、企業の存続に不可欠な経営戦略へと変貌しております。
政府が「2030年までが少子化反転のラストチャンス」と掲げる中、2025年4月より「改正育児・介護休業法」が段階的に施行されました。これにより、子どもが3歳になるまでのテレワーク導入の努力義務化など、柔軟な働き方が強く求められ、両立支援は新たなフェーズに突入しております。あわせて、児童手当の拡充など子育て世帯への直接支援も加速しています。
当社グループは、このような劇的な社会変容を、最高水準のエデュケアサービスを世に問う好機と捉えております。2025年4月の改正育児・介護休業法の施行を経て、企業における従業員の「仕事と家庭の両立支援」は、今や経営における最優先事項の一つとなりました。「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」という不変のミッションを軸に、当社はこうした社会の変化に即応してまいりました。
具体的には、ナニー・ベビーシッターサービスの徹底した質的向上を図るとともに、需要が急増したベビーシッター領域を中心に供給体制を大幅に拡充いたしました。あわせて、企業の人事部門が抱える課題に深く寄り添うべく、育児・介護コンサルティングの取り組みを強化し、組織全体の両立支援体制を強力に後押ししております。また、折しも「団塊の世代」の全員が70代後半を迎えたことで、当社が長年強みとしてきた自費介護サービスへのニーズも、いよいよ本格的な高まりを見せています。保育・学童施設運営を強固な基盤として、乳幼児へのエデュケアから高齢者へのシニアケアまで、多様化する働く女性のライフスタイルに寄り添う「フルラインの支援体制」をさらに強固なものとしてまいりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度においては、前期比で増収増益となりました。
売上高につきましては、34,409百万円(前期比8.6%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、引き続きベビーシッターサービス及びシルバーケアサービスの業績が拡大したこと、ならびにエデュケア事業において過去1年の間に、保育所・学童児童館等19施設を閉園したことに伴う減収があったものの、認可保育所3施設を含む6施設の開設等による増収に加え、令和6年度人事院勧告に伴う公定価格改定による助成金収入が増加したことによるものです。
売上総利益につきましては、エデュケア事業において、以下の複合的な要因により減益(前期比71百万円減)となったものの、高利益率のファミリーケア事業の成長によりその売上構成比が上昇したこと、ならびにプロフェッショナル事業において前連結会計年度に受注を逃した大型2案件の再獲得を含め年間受注・研修実施ともに好調であったことにより、売上高増加率を上回る前期比13.7%増の7,488百万円となりました。
(マイナス要因)
・保育士等の人財の一時的な不足により、認可保育所における補助金獲得や、例年は下半期から本格化する認証/事業所内保育所等における園児増加に、前期下半期と比較して遅れが生じたこと
・保育・学童施設における人財採用費が増加したこと
・前連結会計年度と比較して19施設の閉園があったこと
(プラス要因)
・当連結会計年度に完成した認可保育所等直営施設の、開園準備費用が前期比で減少したこと
・前連結会計年度の4月開園の直営5施設が黒字化したこと
・学童児童館における配置強化等により委託料収入が増加したこと
(その他 特殊要因)
・令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定を踏まえて、当連結会計年度相当(2025年4月~12月)分の保育所等職員の人件費増額(処遇改善)を計上したこと
販売費及び一般管理費につきましては、ナニー・シルバーケアのコンシェルジュ等や各事業及びグループ管理・企画体制強化に伴う人件費及び採用費の増加、ベビーシッターサービスの業績拡大に伴う準変動費(コールセンター費用、システム保守費用等)の増加等に伴い、前期比12.7%増となりました。
以上の結果、営業利益は1,840百万円(前期比16.9%増)となりました。なお、経常利益は、前連結会計年度において営業外収益として助成金収入30百万円を計上したことが前年比較に影響していることにより、営業利益増加率を下回る、前期比13.7%増の1,812百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に保育所の設備について減損損失56百万円を計上したものの、前連結会計年度においても減損損失371百万円を計上したことが前年比較に影響していることにより、経常利益増加率を上回る、前期比47.1%増の1,142百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
当連結会計年度より、従来「ファミリーケア事業」に含めていた一部のコンサルティング事業について、「プロフェッショナル事業」へ報告セグメントの変更を行いました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で行っております。
(単位:百万円)
(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。
(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)
ナニーサービスにつきましては、底堅い需要が継続し、売上高は前期比で4.7%増加しております。
ベビーシッターサービスにつきましては、東京都ベビーシッター利用支援事業を中心とした自治体や国による利用助成制度を追い風とする旺盛な需要を取り込むべく、3つの施策を推進しております。
・既存ベビーシッターの稼働促進
・採用広告への継続投資(応募数の増加)
・採用拠点の増設(面接数の増加及び対面面接による質の担保)
また、価格改定及びシッター報酬改定を2025年4月から適用しております。その結果、売上拡大傾向は継続しており、前期比で34.8%増加と、引き続き力強く成長しております。
シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましても、価格改定及びケアスタッフ報酬改定を2025年6月から適用しております。新規顧客の獲得、家事支援や高付加価値サービスのナースケアの貢献等の影響と併せて、売上高は前期比で19.3%増加と、好調に推移しております。
以上の結果、売上高は8,202百万円(前期比21.9%増)、セグメント利益は1,744百万円(同28.2%増)となりました。
(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)
当事業については、過去1年の間に、認証保育所等の直営型施設1箇所、学童児童館等の委託型等施設18箇所(計19箇所)を閉園する一方、直営型施設3箇所、委託型等施設3箇所(計6箇所)を開設しました。この結果、総施設数が13箇所の純減となりましたが、閉園した施設に比べ1施設当たりの売上規模が大きい施設を開設したことにより、増収要因となりました。加えて、人財の一時的な不足により、補助金獲得や園児増加が前年比較で遅れたことによる減収影響も生じました。一方で、前連結会計年度に開園した施設の2年目増収効果や、学童児童館における委託料収入増加による増収影響がありました。さらに、令和6年度人事院勧告に伴う公定価格改定による助成金収入増加の影響もあり、エデュケア事業の売上高は25,303百万円(前期比5.4%増)となりました。
また、セグメント利益については、前期開園施設の利益貢献、学童児童館における委託料収入の増加、直営施設の開園準備費用及び設備投資に伴う租税公課(控除対象外消費税等)の前期比での減少などのプラス影響があったものの、以下のマイナス要因が上回りました。
・令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定を踏まえた、保育所等職員の処遇改善費用を計上したこと
・人財の一時的な不足による、補助金獲得や園児増加の前年比較での遅れ
・保育・学童施設における人財採用費の増加
・事業管理や企画体制強化に伴う人件費及び採用費の増加
・閉園の影響
以上の結果、セグメント利益は、1,495百万円(前期比4.6%減)となりました。
(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)
当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第1四半期の後半から第3四半期の前半にかけて受注後、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施し、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上しております。したがって、当事業の売上高及び利益の大部分は、下半期に計上されます。
当連結会計年度は、前期において受注に至らなかった大型研修2案件の再獲得分を含め、順調に研修実施が進捗しました。
以上の結果、売上高は717百万円(前期比14.1%増)となり、セグメント利益は195百万円(前期比74.6%増)となりました。
(その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等)
売上高につきましては、保育士派遣先における需要は安定して推移したものの、労働市場全体のひっ迫を背景に就業希望者が伸び悩んだことによる影響等により、392百万円(前期比17.2%減)となりました。
一方で、新規事業立ち上げ費用等の影響が徐々に軽減していることから、セグメント利益は6百万円(前期比197.2%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は16,500百万円(前連結会計年度末比214百万円減)となりました。
流動資産につきましては、12,106百万円(前連結会計年度末比409百万円減)となりました。その主な要因は、売上高の増加に伴い受取手形、売掛金及び契約資産が増加したものの、配当金の支払い及び借入金の返済などにより現金及び預金が減少したためであります。
固定資産につきましては、4,394百万円(前連結会計年度末比195百万円増)となりました。その主な要因は、繰延税金資産の増加により、投資その他の資産その他が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は7,239百万円(前連結会計年度末比968百万円減)となりました。
流動負債につきましては、5,125百万円(前連結会計年度末比341百万円減)となりました。その主な要因は、未払金及び未払法人税等が増加したものの、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び前受金が減少したためであります。
固定負債につきましては、2,113百万円(前連結会計年度末比626百万円減)となりました。その主な要因は、返済による長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は9,261百万円(前連結会計年度末比754百万円増)となりました。その主な要因は、剰余金の配当389百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,142百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したためであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、56.1%(前連結会計年度末比5.2ポイント増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,606百万円(前期比767百万円の減少)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,535百万円(前期比305百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,760百万円、減価償却費244百万円、減損損失56百万円、未払金の増加額486百万円、法人税等の還付額31百万円等の増加要因があったものの、売上債権の増加額317百万円、法人税等の支払額610百万円、前受金の減少額147百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、366百万円(前期は598百万円の獲得)となりました。これは主に、助成金の受取額403百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設に関する有形固定資産の取得による支出653百万円、無形固定資産の取得による支出67百万円並びに敷金及び保証金の差入による支出47百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,935百万円(前期は933百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額600百万円、長期借入金の返済による支出945百万円及び配当金の支払額389百万円等の減少要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(財政政策)
当社グループは、運転資金、設備資金及びシステム開発資金につきましては、内部資金(新株発行による増資を含む。)又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、短期運転資金については金融機関からの短期借入金によって、長期運転資金及び保育所の新規開設に伴う設備投資、システム開発資金については、長期借入金によって調達しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、2025年8月29日に、2030年12月期を最終年度とする『中期経営計画2030』(2030年度数値目標:営業利益30億円以上、ROIC12%、ROE15%、配当性向40%前後、DOE(自己資本配当率)6%)を公表し、その達成に向けて取り組んでおります。少子化や働き方といった、当社グループを取り巻く社会的な外部環境の激変が続いております。また、各事業においても、以下のような事業課題への対処が求められております。
ファミリーケア事業のチャイルドケア領域においては、保育園とともに「車の両輪」となり、女性の活躍・就労支援策を支える社会インフラとしてのナニーやベビーシッターの存在感が高まっております。高市政権によるベビーシッターや家事支援サービスの利用料の税額控除導入の検討や、東京都によるベビーシッター利用支援事業(一時預かり)の23区全域での事業採択及び病児保育の検証事業スタートなどの政策強化が重なる2026年は、まさに『ベビーシッター元年』となることが見込まれます。さらに、シルバーケア領域においては、年間240万人が生まれていた団塊の世代が全員75歳以上となりターゲット層が引き続き膨らむこと、さらに高市政権により示された、介護保険サービス基盤強化と並行しての「保険外サービスの普及促進」の方向性を踏まえ、シルバーケアサービスの需要拡大が、より一層加速することが見込まれます。
エデュケア事業につきましては、保育所における待機児童問題は概ね解消し、その主たる課題が量的不足への対応から質的向上や、「こども誰でも通園制度」や付加的サービスのような多様なニーズへの対応へと移行しております。一方で、学童保育の待機児童(いわゆる「待機学童」)は1万6,330人(前年比 1,356人減)と依然として高止まりしており、保育環境の整備、保育の質向上が引き続き大きな課題となっております。
プロフェッショナル事業につきましては、2025年12月期においてオンライン研修の浸透を背景とした広域展開が奏功し、主要な大型案件の再獲得を含め、自治体保育研修におけるシェアをさらに拡大いたしました。この現状を踏まえ、高い市場シェアを維持・防衛するための施策の徹底が、重要な課題となります。
また、全事業に共通する要因として、日本社会全体にわたる賃上げの流れ及び働き手不足の深刻化を踏まえ、中長期的な成長戦略の実現を支えることができる評価・報酬制度や待遇等の継続的な見直しと、その運用の改善と定着が、引き続き重要な経営課題であると認識しております。
e.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、上記のような問題認識を踏まえ、また、『中期経営計画2030』における当社グループ及び各事業の戦略方針、ならびに、少子化や働き方といった、当社グループを取り巻く社会的な外部環境の激変、旺盛なベビーシッター需要の想定以上の高まり、学童待機児童の増加、公定価格改定への対応などを総合的に勘案して、2026年12月期の連結業績につきましては、売上高36,700百万円(前期比6.7%増)、営業利益1,920百万円(同4.3%増)、経常利益1,880百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(同5.0%増)を予想しております。なお、各事業における方針・施策及び業績の見通しは、以下のとおりです。
(ファミリーケア事業)
ナニーサービスにつきましては、高付加価値サービスとして高い利益率を維持しつつ、高い品質と多様なニーズへの対応力を活かして、顧客単価向上と継続期間長期化を推進してまいります。
ベビーシッターサービスにつきましては、顧客・働き手の自然流入増が継続する中、政策強化などを背景とした、引き続き旺盛な需要に対応するため、第3の採用拠点開設を核としてさらなるベビーシッター採用・研修強化を図ってまいります。併せて、ベビーシッター分野で売上高トップ(注1)の地位を揺るぎないものものとするため、品質管理及びリスク管理のさらなる体制強化にも取り組んでまいります。
シルバーケアサービスにつきましては、営業管理体制の高度化やコーディネーター増強により運営体制を一段と強固にすると共に、ケアスタッフの待遇改善やDXによる採用・稼働促進を通じて、サービス供給力の強化を進めてまいります。
以上の点を考慮して、ファミリーケア事業では、売上高につきましては前期比10%台半ば、営業利益につきましては10%台前半の成長を見込んでおります。
(注1)公表されているベビーシッター業界の統計数値がありませんので、当社独自の推計比較によるものです。
(エデュケア事業)
2026年12月期については、子育て世帯の流入を伴う住宅開発に伴う保育所開設2施設を含め、合計11施設の開設が決定しております(認可保育所2施設、認証保育所(運営再開)1施設、学童クラブ・児童館8施設)。また、閉園はポートフォリオ管理適正化の観点からの能動的なクローズを含む10施設(小規模認可1施設、事業所内保育所3施設、学童クラブ・児童館5施設、その他1施設)を予定しております。
売上高につきましては、保育施設等の開設によるものの他、2024年及び2025年に開設した保育所の園児の繰り上がりによる定員充足率の上昇、及び閉園の影響を考慮して、前期比で一桁%台半ばの成長を見込んでおります。
また、保育所及び学童クラブ等での採用強化に伴う採用費増加や閉園によるマイナス影響を見込むものの、2026年4月以降に見込まれる人財不足の解消に伴う2025年12月期比での園児増加や補助金獲得・人件費単価の適正化、学童クラブ・児童館の新規開設、開設2年目以降の保育所園児数充足による売上増加、低採算施設の閉園及び、ポピンズプラス(注2)の拡充等のプラス要因が上回ることにより、営業利益につきましては前期比で一桁%台後半の成長を見込んでおります。なお、令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定(+5.3%)の影響は、助成金収入増・人件費増ともに現時点で未考慮であります。
(注2)ポピンズプラスは、おむつ・タオル・写真サービスの他、自然体験ができるフォレストスクール、オンラインを活用したグローバル教育などを提供する有料のオプションサービスです。
(プロフェッショナル事業)
2026年12月期は、前述のとおり、高い市場シェアを維持・防衛するための施策を徹底し、安定的な収益基盤を堅持いたします。自治体向けビジネスにおいては、例年継続的なコスト効率化が求められる傾向にありますが、当社は運営ノウハウの蓄積による付加価値の向上でこれに対応してまいります。
加えて、保育研修で培った講師ネットワークと運営知見を活かし、ニーズが拡大している学童保育領域での研修受注を強化するほか、育児・介護コンサルティング等の民需向けサービスの拡大に注力し、収益源の多角化を推進いたします。なお、民需向けコンサルティング事業の強化に際しては、将来の持続的成長に向けた人財確保・育成などの体制整備を先行して進める計画です。
以上の点を考慮して、売上高につきましては、保育研修案件の着実な獲得・実施と周辺領域の伸長により、前期比で一桁%台前半の成長を見込んでおります。また、営業利益につきましては、新規領域での戦略的な体制整備を先行させることから、前期比で一桁%台前半の成長を見込んでおります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、賃上げ定着による所得環境の改善が個人消費を底上げした一方、国際情勢の緊迫化や円相場の変動に伴う物価上昇が家計や企業の生活・経営を圧迫しました。世界でも、主要国の金融政策転換や、緊迫化する中東情勢、継続するロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクにより、エネルギー価格等の先行き不透明な状況が続いております。
国内では、少子化が想定を上回る速度で進行しています。出生数は過去最低の更新が見込まれ、生産年齢人口の減少に伴う「人手不足」は全産業共通の深刻な課題となりました。こうした中、社会全体で限られた人的資源を最大限に活用するための「働き方改革」は、もはや努力義務ではなく、企業の存続に不可欠な経営戦略へと変貌しております。
政府が「2030年までが少子化反転のラストチャンス」と掲げる中、2025年4月より「改正育児・介護休業法」が段階的に施行されました。これにより、子どもが3歳になるまでのテレワーク導入の努力義務化など、柔軟な働き方が強く求められ、両立支援は新たなフェーズに突入しております。あわせて、児童手当の拡充など子育て世帯への直接支援も加速しています。
当社グループは、このような劇的な社会変容を、最高水準のエデュケアサービスを世に問う好機と捉えております。2025年4月の改正育児・介護休業法の施行を経て、企業における従業員の「仕事と家庭の両立支援」は、今や経営における最優先事項の一つとなりました。「働く女性を 最高水準のエデュケアと介護サービスで支援します。」という不変のミッションを軸に、当社はこうした社会の変化に即応してまいりました。
具体的には、ナニー・ベビーシッターサービスの徹底した質的向上を図るとともに、需要が急増したベビーシッター領域を中心に供給体制を大幅に拡充いたしました。あわせて、企業の人事部門が抱える課題に深く寄り添うべく、育児・介護コンサルティングの取り組みを強化し、組織全体の両立支援体制を強力に後押ししております。また、折しも「団塊の世代」の全員が70代後半を迎えたことで、当社が長年強みとしてきた自費介護サービスへのニーズも、いよいよ本格的な高まりを見せています。保育・学童施設運営を強固な基盤として、乳幼児へのエデュケアから高齢者へのシニアケアまで、多様化する働く女性のライフスタイルに寄り添う「フルラインの支援体制」をさらに強固なものとしてまいりました。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | ||||
| 実績 | 構成比(%) | 実績 | 構成比(%) | 増減 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 31,690 | 100.0 | 34,409 | 100.0 | 2,719 | +8.6 |
| 売上原価 | 25,106 | 79.2 | 26,921 | 78.2 | 1,814 | +7.2 |
| 売上総利益 | 6,583 | 20.8 | 7,488 | 21.8 | 904 | +13.7 |
| 販売費及び一般管理費 | 5,009 | 15.8 | 5,647 | 16.4 | 638 | +12.7 |
| 営業利益 | 1,574 | 5.0 | 1,840 | 5.3 | 266 | +16.9 |
| 経常利益 | 1,594 | 5.0 | 1,812 | 5.3 | 218 | +13.7 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 776 | 2.5 | 1,142 | 3.3 | 365 | +47.1 |
当連結会計年度においては、前期比で増収増益となりました。
売上高につきましては、34,409百万円(前期比8.6%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、引き続きベビーシッターサービス及びシルバーケアサービスの業績が拡大したこと、ならびにエデュケア事業において過去1年の間に、保育所・学童児童館等19施設を閉園したことに伴う減収があったものの、認可保育所3施設を含む6施設の開設等による増収に加え、令和6年度人事院勧告に伴う公定価格改定による助成金収入が増加したことによるものです。
売上総利益につきましては、エデュケア事業において、以下の複合的な要因により減益(前期比71百万円減)となったものの、高利益率のファミリーケア事業の成長によりその売上構成比が上昇したこと、ならびにプロフェッショナル事業において前連結会計年度に受注を逃した大型2案件の再獲得を含め年間受注・研修実施ともに好調であったことにより、売上高増加率を上回る前期比13.7%増の7,488百万円となりました。
(マイナス要因)
・保育士等の人財の一時的な不足により、認可保育所における補助金獲得や、例年は下半期から本格化する認証/事業所内保育所等における園児増加に、前期下半期と比較して遅れが生じたこと
・保育・学童施設における人財採用費が増加したこと
・前連結会計年度と比較して19施設の閉園があったこと
(プラス要因)
・当連結会計年度に完成した認可保育所等直営施設の、開園準備費用が前期比で減少したこと
・前連結会計年度の4月開園の直営5施設が黒字化したこと
・学童児童館における配置強化等により委託料収入が増加したこと
(その他 特殊要因)
・令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定を踏まえて、当連結会計年度相当(2025年4月~12月)分の保育所等職員の人件費増額(処遇改善)を計上したこと
販売費及び一般管理費につきましては、ナニー・シルバーケアのコンシェルジュ等や各事業及びグループ管理・企画体制強化に伴う人件費及び採用費の増加、ベビーシッターサービスの業績拡大に伴う準変動費(コールセンター費用、システム保守費用等)の増加等に伴い、前期比12.7%増となりました。
以上の結果、営業利益は1,840百万円(前期比16.9%増)となりました。なお、経常利益は、前連結会計年度において営業外収益として助成金収入30百万円を計上したことが前年比較に影響していることにより、営業利益増加率を下回る、前期比13.7%増の1,812百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に保育所の設備について減損損失56百万円を計上したものの、前連結会計年度においても減損損失371百万円を計上したことが前年比較に影響していることにより、経常利益増加率を上回る、前期比47.1%増の1,142百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
当連結会計年度より、従来「ファミリーケア事業」に含めていた一部のコンサルティング事業について、「プロフェッショナル事業」へ報告セグメントの変更を行いました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で行っております。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | ||||
| 実績 | 構成比(%) | 実績 | 構成比(%) | 増減 | 増減率(%) | ||
| 売上高 | ファミリーケア事業 | 6,729 | 21.1 | 8,202 | 23.7 | 1,472 | +21.9 |
| エデュケア事業 | 24,004 | 75.4 | 25,303 | 73.1 | 1,299 | +5.4 | |
| プロフェッショナル事業 | 628 | 2.0 | 717 | 2.1 | 88 | +14.1 | |
| その他 | 474 | 1.5 | 392 | 1.1 | △81 | △17.2 | |
| 調整額(注) | △146 | - | △206 | - | △60 | - | |
| 合計 | 31,690 | - | 34,409 | - | 2,719 | +8.6 | |
| セグメント利益 | ファミリーケア事業 | 1,360 | 44.7 | 1,744 | 50.7 | 384 | +28.2 |
| エデュケア事業 | 1,567 | 51.5 | 1,495 | 43.4 | △71 | △4.6 | |
| プロフェッショナル事業 | 112 | 3.7 | 195 | 5.7 | 83 | +74.6 | |
| その他 | 2 | 0.1 | 6 | 0.2 | 4 | +197.2 | |
| 調整額(注) | △1,468 | - | △1,602 | - | △133 | - | |
| 合計 | 1,574 | - | 1,840 | - | 266 | +16.9 | |
(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用です。全社費用は、主に経営管理に係る一般管理費及び事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費です。
(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)
ナニーサービスにつきましては、底堅い需要が継続し、売上高は前期比で4.7%増加しております。
ベビーシッターサービスにつきましては、東京都ベビーシッター利用支援事業を中心とした自治体や国による利用助成制度を追い風とする旺盛な需要を取り込むべく、3つの施策を推進しております。
・既存ベビーシッターの稼働促進
・採用広告への継続投資(応募数の増加)
・採用拠点の増設(面接数の増加及び対面面接による質の担保)
また、価格改定及びシッター報酬改定を2025年4月から適用しております。その結果、売上拡大傾向は継続しており、前期比で34.8%増加と、引き続き力強く成長しております。
シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましても、価格改定及びケアスタッフ報酬改定を2025年6月から適用しております。新規顧客の獲得、家事支援や高付加価値サービスのナースケアの貢献等の影響と併せて、売上高は前期比で19.3%増加と、好調に推移しております。
以上の結果、売上高は8,202百万円(前期比21.9%増)、セグメント利益は1,744百万円(同28.2%増)となりました。
(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)
当事業については、過去1年の間に、認証保育所等の直営型施設1箇所、学童児童館等の委託型等施設18箇所(計19箇所)を閉園する一方、直営型施設3箇所、委託型等施設3箇所(計6箇所)を開設しました。この結果、総施設数が13箇所の純減となりましたが、閉園した施設に比べ1施設当たりの売上規模が大きい施設を開設したことにより、増収要因となりました。加えて、人財の一時的な不足により、補助金獲得や園児増加が前年比較で遅れたことによる減収影響も生じました。一方で、前連結会計年度に開園した施設の2年目増収効果や、学童児童館における委託料収入増加による増収影響がありました。さらに、令和6年度人事院勧告に伴う公定価格改定による助成金収入増加の影響もあり、エデュケア事業の売上高は25,303百万円(前期比5.4%増)となりました。
また、セグメント利益については、前期開園施設の利益貢献、学童児童館における委託料収入の増加、直営施設の開園準備費用及び設備投資に伴う租税公課(控除対象外消費税等)の前期比での減少などのプラス影響があったものの、以下のマイナス要因が上回りました。
・令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定を踏まえた、保育所等職員の処遇改善費用を計上したこと
・人財の一時的な不足による、補助金獲得や園児増加の前年比較での遅れ
・保育・学童施設における人財採用費の増加
・事業管理や企画体制強化に伴う人件費及び採用費の増加
・閉園の影響
以上の結果、セグメント利益は、1,495百万円(前期比4.6%減)となりました。
(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)
当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第1四半期の後半から第3四半期の前半にかけて受注後、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施し、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上しております。したがって、当事業の売上高及び利益の大部分は、下半期に計上されます。
当連結会計年度は、前期において受注に至らなかった大型研修2案件の再獲得分を含め、順調に研修実施が進捗しました。
以上の結果、売上高は717百万円(前期比14.1%増)となり、セグメント利益は195百万円(前期比74.6%増)となりました。
(その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等)
売上高につきましては、保育士派遣先における需要は安定して推移したものの、労働市場全体のひっ迫を背景に就業希望者が伸び悩んだことによる影響等により、392百万円(前期比17.2%減)となりました。
一方で、新規事業立ち上げ費用等の影響が徐々に軽減していることから、セグメント利益は6百万円(前期比197.2%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は16,500百万円(前連結会計年度末比214百万円減)となりました。
流動資産につきましては、12,106百万円(前連結会計年度末比409百万円減)となりました。その主な要因は、売上高の増加に伴い受取手形、売掛金及び契約資産が増加したものの、配当金の支払い及び借入金の返済などにより現金及び預金が減少したためであります。
固定資産につきましては、4,394百万円(前連結会計年度末比195百万円増)となりました。その主な要因は、繰延税金資産の増加により、投資その他の資産その他が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は7,239百万円(前連結会計年度末比968百万円減)となりました。
流動負債につきましては、5,125百万円(前連結会計年度末比341百万円減)となりました。その主な要因は、未払金及び未払法人税等が増加したものの、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金及び前受金が減少したためであります。
固定負債につきましては、2,113百万円(前連結会計年度末比626百万円減)となりました。その主な要因は、返済による長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は9,261百万円(前連結会計年度末比754百万円増)となりました。その主な要因は、剰余金の配当389百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,142百万円を計上したことにより利益剰余金が増加したためであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、56.1%(前連結会計年度末比5.2ポイント増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7,606百万円(前期比767百万円の減少)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,535百万円(前期比305百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,760百万円、減価償却費244百万円、減損損失56百万円、未払金の増加額486百万円、法人税等の還付額31百万円等の増加要因があったものの、売上債権の増加額317百万円、法人税等の支払額610百万円、前受金の減少額147百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、366百万円(前期は598百万円の獲得)となりました。これは主に、助成金の受取額403百万円等の増加要因があったものの、認可保育所等の新規開設に関する有形固定資産の取得による支出653百万円、無形固定資産の取得による支出67百万円並びに敷金及び保証金の差入による支出47百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,935百万円(前期は933百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額600百万円、長期借入金の返済による支出945百万円及び配当金の支払額389百万円等の減少要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは、受注活動を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| ファミリーケア事業 | 8,058 | 121.6 |
| エデュケア事業 | 25,283 | 105.3 |
| プロフェッショナル事業 | 693 | 114.7 |
| 報告セグメント計 | 34,035 | 109.0 |
| その他 | 373 | 82.3 |
| 合計 | 34,409 | 108.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
経営成績等の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(財政政策)
当社グループは、運転資金、設備資金及びシステム開発資金につきましては、内部資金(新株発行による増資を含む。)又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、短期運転資金については金融機関からの短期借入金によって、長期運転資金及び保育所の新規開設に伴う設備投資、システム開発資金については、長期借入金によって調達しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、2025年8月29日に、2030年12月期を最終年度とする『中期経営計画2030』(2030年度数値目標:営業利益30億円以上、ROIC12%、ROE15%、配当性向40%前後、DOE(自己資本配当率)6%)を公表し、その達成に向けて取り組んでおります。少子化や働き方といった、当社グループを取り巻く社会的な外部環境の激変が続いております。また、各事業においても、以下のような事業課題への対処が求められております。
ファミリーケア事業のチャイルドケア領域においては、保育園とともに「車の両輪」となり、女性の活躍・就労支援策を支える社会インフラとしてのナニーやベビーシッターの存在感が高まっております。高市政権によるベビーシッターや家事支援サービスの利用料の税額控除導入の検討や、東京都によるベビーシッター利用支援事業(一時預かり)の23区全域での事業採択及び病児保育の検証事業スタートなどの政策強化が重なる2026年は、まさに『ベビーシッター元年』となることが見込まれます。さらに、シルバーケア領域においては、年間240万人が生まれていた団塊の世代が全員75歳以上となりターゲット層が引き続き膨らむこと、さらに高市政権により示された、介護保険サービス基盤強化と並行しての「保険外サービスの普及促進」の方向性を踏まえ、シルバーケアサービスの需要拡大が、より一層加速することが見込まれます。
エデュケア事業につきましては、保育所における待機児童問題は概ね解消し、その主たる課題が量的不足への対応から質的向上や、「こども誰でも通園制度」や付加的サービスのような多様なニーズへの対応へと移行しております。一方で、学童保育の待機児童(いわゆる「待機学童」)は1万6,330人(前年比 1,356人減)と依然として高止まりしており、保育環境の整備、保育の質向上が引き続き大きな課題となっております。
プロフェッショナル事業につきましては、2025年12月期においてオンライン研修の浸透を背景とした広域展開が奏功し、主要な大型案件の再獲得を含め、自治体保育研修におけるシェアをさらに拡大いたしました。この現状を踏まえ、高い市場シェアを維持・防衛するための施策の徹底が、重要な課題となります。
また、全事業に共通する要因として、日本社会全体にわたる賃上げの流れ及び働き手不足の深刻化を踏まえ、中長期的な成長戦略の実現を支えることができる評価・報酬制度や待遇等の継続的な見直しと、その運用の改善と定着が、引き続き重要な経営課題であると認識しております。
e.経営戦略の現状と見通し
当社グループは、上記のような問題認識を踏まえ、また、『中期経営計画2030』における当社グループ及び各事業の戦略方針、ならびに、少子化や働き方といった、当社グループを取り巻く社会的な外部環境の激変、旺盛なベビーシッター需要の想定以上の高まり、学童待機児童の増加、公定価格改定への対応などを総合的に勘案して、2026年12月期の連結業績につきましては、売上高36,700百万円(前期比6.7%増)、営業利益1,920百万円(同4.3%増)、経常利益1,880百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(同5.0%増)を予想しております。なお、各事業における方針・施策及び業績の見通しは、以下のとおりです。
(ファミリーケア事業)
ナニーサービスにつきましては、高付加価値サービスとして高い利益率を維持しつつ、高い品質と多様なニーズへの対応力を活かして、顧客単価向上と継続期間長期化を推進してまいります。
ベビーシッターサービスにつきましては、顧客・働き手の自然流入増が継続する中、政策強化などを背景とした、引き続き旺盛な需要に対応するため、第3の採用拠点開設を核としてさらなるベビーシッター採用・研修強化を図ってまいります。併せて、ベビーシッター分野で売上高トップ(注1)の地位を揺るぎないものものとするため、品質管理及びリスク管理のさらなる体制強化にも取り組んでまいります。
シルバーケアサービスにつきましては、営業管理体制の高度化やコーディネーター増強により運営体制を一段と強固にすると共に、ケアスタッフの待遇改善やDXによる採用・稼働促進を通じて、サービス供給力の強化を進めてまいります。
以上の点を考慮して、ファミリーケア事業では、売上高につきましては前期比10%台半ば、営業利益につきましては10%台前半の成長を見込んでおります。
(注1)公表されているベビーシッター業界の統計数値がありませんので、当社独自の推計比較によるものです。
(エデュケア事業)
2026年12月期については、子育て世帯の流入を伴う住宅開発に伴う保育所開設2施設を含め、合計11施設の開設が決定しております(認可保育所2施設、認証保育所(運営再開)1施設、学童クラブ・児童館8施設)。また、閉園はポートフォリオ管理適正化の観点からの能動的なクローズを含む10施設(小規模認可1施設、事業所内保育所3施設、学童クラブ・児童館5施設、その他1施設)を予定しております。
売上高につきましては、保育施設等の開設によるものの他、2024年及び2025年に開設した保育所の園児の繰り上がりによる定員充足率の上昇、及び閉園の影響を考慮して、前期比で一桁%台半ばの成長を見込んでおります。
また、保育所及び学童クラブ等での採用強化に伴う採用費増加や閉園によるマイナス影響を見込むものの、2026年4月以降に見込まれる人財不足の解消に伴う2025年12月期比での園児増加や補助金獲得・人件費単価の適正化、学童クラブ・児童館の新規開設、開設2年目以降の保育所園児数充足による売上増加、低採算施設の閉園及び、ポピンズプラス(注2)の拡充等のプラス要因が上回ることにより、営業利益につきましては前期比で一桁%台後半の成長を見込んでおります。なお、令和7年度人事院勧告に伴う公定価格改定(+5.3%)の影響は、助成金収入増・人件費増ともに現時点で未考慮であります。
(注2)ポピンズプラスは、おむつ・タオル・写真サービスの他、自然体験ができるフォレストスクール、オンラインを活用したグローバル教育などを提供する有料のオプションサービスです。
(プロフェッショナル事業)
2026年12月期は、前述のとおり、高い市場シェアを維持・防衛するための施策を徹底し、安定的な収益基盤を堅持いたします。自治体向けビジネスにおいては、例年継続的なコスト効率化が求められる傾向にありますが、当社は運営ノウハウの蓄積による付加価値の向上でこれに対応してまいります。
加えて、保育研修で培った講師ネットワークと運営知見を活かし、ニーズが拡大している学童保育領域での研修受注を強化するほか、育児・介護コンサルティング等の民需向けサービスの拡大に注力し、収益源の多角化を推進いたします。なお、民需向けコンサルティング事業の強化に際しては、将来の持続的成長に向けた人財確保・育成などの体制整備を先行して進める計画です。
以上の点を考慮して、売上高につきましては、保育研修案件の着実な獲得・実施と周辺領域の伸長により、前期比で一桁%台前半の成長を見込んでおります。また、営業利益につきましては、新規領域での戦略的な体制整備を先行させることから、前期比で一桁%台前半の成長を見込んでおります。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。