有価証券報告書-第53期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,412,535千円となり、前事業年度末に比べ、341,982千円減少いたしました。これは主に、契約資産が313,985千円、ソフトウエアが239,528千円、繰延税金資産が104,149千円増加した一方、ソフトウエア仮勘定が229,300千円、売掛金が226,452千円、電子記録債権が119,272千円、製品が113,602千円、受取手形が100,351千円、原材料及び貯蔵品が86,068千円、建物が79,229千円減少した影響によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、2,941,509千円となり、前事業年度末に比べ、264,479千円減少いたしました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が159,935千円増加した一方、未払金が125,259千円、未払法人税等が80,829千円、支払手形が64,632千円、短期借入金が50,000千円、賞与引当金が48,008千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、2,471,025千円となり、前事業年度末に比べ、77,502千円減少いたしました。これは主に、繰越利益剰余金が80,972千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は45.7%(前事業年度は44.3%)となりました。
② 経営成績の概況
当事業年度における世界経済は、欧米におけるインフレの鈍化や中央銀行による政策金利の引き下げが行われるなど、景気の緩やかな回復基調が見られましたが、米国新政権による関税政策により、先行きの不透明感が急速に高まりました。また、中国では不動産市場の低迷や内需の不振が長期化し、ロシア・ウクライナの紛争問題、中東地域の情勢混迷も継続するなど、経済の先行きが見通せない状況で推移しました。国内においては、エネルギーや食品価格の高騰等による物価上昇が進展しましたが、雇用・所得環境の改善による個人消費の回復やインバウンド需要の増加等の動きもあり、景気全体としては緩やかな回復基調で推移しました。半導体市場においては、生成AIの活用が拡大する中、サーバーやデータセンター向け需要が市場の伸びを大きく牽引しましたが、パソコンやスマートフォン、車載向け等の需要は低調に推移しました。
このような環境の中、電子システム事業においては、自動車市況の低迷や車載用半導体の市場在庫過多による生産調整局面が続き、また、一部顧客においてテストコスト削減を目的とした雰囲気温度内でのバーンインレス化が急速に進んだこともあり、バーンインボードを中心とする半導体後工程商材の受注が大きく減少しました。一方で新商材として取り組んでいるAI製品向けバーンインボードの受注及び高電力LSIやセンサー向けカスタムバーンイン装置で使用するバーンインボードの受注が伸びました。また、次世代機としてのカスタムバーンイン装置の顧客要求内容も具体化し、開発に着手しました。産業機器向け製品では、車載機器向け専用計測器が仕向け・用途が変化したことにより1台あたりの受注額が大きく減少しましたが、その一方で非車載計測機器開発案件の具体的作業は順調に進んでおり、一部製品ではリピート生産時期の具体的協議開始に至りました。前事業年度の第4四半期より新たな拠点となった福島事業所においては、既存顧客製品の受注が市況の低迷により想定以上に減少しましたが、新たな顧客の開発案件は順調に進捗しており、2025年度の量産時期協議に着手するなどの取り組みを継続しました。
マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、センサー半導体に注力するとともに、自動車分野等の電源、海外顧客に注力しました。また、デジタルLSI設計受託についても自動車分野向けデジタル設計に注力しました。このほか、画像系IP販売とデジタル系の設計受託を目的に、FPGAボードを活用したプラットフォームを準備し、これを活用したIP、設計受託の拡販活動を進めるとともに、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況は続いていることから、海外技術者の採用も積極的に進めました。
製品開発事業においては、インフラ、産業、医療分野で引き続き販売活動を進めました。インフラ分野の一つである国内ATMの市場は減少していますが、セルフレジなどPOSターミナル市場や医療用検査機器市場は増加傾向にあるなど、市場によって濃淡があります。また、今後の販売拡大に向けて、海外ビジネスパートナーの探索や欧州、韓国での製品拡販も進めるとともに、新たな市場ニーズにお応えするため200万画素ネットワークカメラ、150万画素グローバルシャッターMIPIカメラやAIソリューション向け製品の後継機を開発し、製品のラインナップ増強を進めています。医療・介護向けカメラシステムの製品については開発完了し、商品販売の準備が整いました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,516,011千円(前期比8.1%減)となり、営業利益は56,300千円(同90.7%減)、経常利益は54,492千円(同91.5%減)となりました。また、電子システム事業の福島事業所や製品開発事業の固定資産に関し、現下の収益性の低下を鑑みて将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、減損損失150,892千円を特別損失として計上したことから、税引前当期純損失は87,525千円となりましたが、将来減算一時差異のスケジューリングの見直しによる繰延税金資産の計上も作用して、法人税等調整額が△104,289千円の計上となったことから、当期純損失は14,584千円(前事業年度は当期純利益509,571千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電子システム事業
電子システム事業は、車載用半導体の市場在庫過多により主要顧客の生産調整が続く中、設備投資が抑制・凍結され、車載向けバーンインボード受注減少が継続しました。また、車載向け専用計測器も仕様・仕向けが変わることにより、受注額が大きく減少しました。
これらの結果、売上高は3,019,749千円(前期比13.8%減)、セグメント営業損失は29,293千円(前事業年度はセグメント営業利益434,228千円)となりました。
b.マイクロエレクトロニクス事業
マイクロエレクトロニクス事業は、次世代自動車向けのLSI開発が堅調に推移し、アナログLSIに関しては、電源設計での増額と海外顧客からの設計案件受注により大幅な増加となりました。一方、デジタルLSIについては市況悪化の影響により、設計受託の需要が大きく減少しました。IPのロイヤリティーは堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は2,068,759千円(前期比1.7%減)、セグメント営業利益は168,900千円(同30.6%減)となりました。
c.製品開発事業
製品開発事業は、国内ATM向けやセルフレジ向けビューカメラが減少し、カメラ製品の受託開発も低調な結果となりました。一方、昇降機向けビューカメラや医療検体検査装置向けセンシングカメラは好調でした。また、鉄道列車内向けカメラなど計画外の需要もありましたが、事業全体としての販売減少を補うには至りませんでした。なお、新商品の開発は完了し、順次販売を開始しているとともに、各種応用装置や生産の自働化を目的とした画像センシング用途での引き合い及び製品のサンプル販売は増加している状況です。
これらの結果、売上高は1,427,503千円(前期比3.7%減)、セグメント営業損失は83,306千円(前事業年度はセグメント営業損失73,143千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、557,141千円となりました。前事業年度末に比べて48,592千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は197,325千円(前期比60.2%減)となりました。これは主に、税引前当期純損失87,525千円、減価償却費147,710千円、減損損失150,892千円、売上債権及び契約資産の減少額132,090千円、棚卸資産の減少額159,225千円、その他の負債の減少額187,893千円、法人税等の支払額110,089千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は188,346千円(前期比は47.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出96,584千円、無形固定資産の取得による支出106,098千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は39,613千円(前事業年度は158,955千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の減少額50,000千円、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出140,065千円、配当金の支払額66,312千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の業績は、売上高6,516,011千円(前期比8.1%減)となり、営業利益は56,300千円(同90.7%減)、経常利益は54,492千円(同91.5%減)となりました。電子システム事業の福島事業所や製品開発事業の固定資産に関し、現下の収益性の低下を鑑みて将来キャッシュ・フローの見積もりを行った結果、減損損失150,892千円を特別損失として計上したことから、税引前当期純損失は87,525千円となりましたが、将来減算一時差異のスケジューリングの見直しによる繰延税金資産の計上も作用して、法人税等調整額が△104,289千円の計上となったことから、当期純損失は14,584千円(前事業年度は当期純利益509,571千円)となりました。
当事業年度における総資産は5,412,535千円となり、前事業年度末に比べ341,982千円減少いたしました。当事業年度における負債合計は、2,941,509千円となり、前事業年度末に比べ、264,479千円減少いたしました。当事業年度における純資産合計は2,471,025千円となり、前事業年度末に比べ、77,502千円減少いたしました。
なお、財政状況の詳細においては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の受注状況、販売状況が挙げられます。その対応の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前述の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の概況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料仕入、外注費の支払及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、生産並びに生産技術効率の向上のための設備投資であります。
c.財務政策
当社の主たる市場である半導体に関連する事業分野は特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.棚卸資産
当社は、棚卸資産の評価において原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産については、規則的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。将来、市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要になる場合があります。
b.受注損失引当金
第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
c.繰延税金資産
当社は、繰延税金資産については、将来の課税所得の見積りにより回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産の回収可能性に影響を与える要因の発生が予測される場合には、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼします。
d.固定資産の減損会計
当社は、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしております。
減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,412,535千円となり、前事業年度末に比べ、341,982千円減少いたしました。これは主に、契約資産が313,985千円、ソフトウエアが239,528千円、繰延税金資産が104,149千円増加した一方、ソフトウエア仮勘定が229,300千円、売掛金が226,452千円、電子記録債権が119,272千円、製品が113,602千円、受取手形が100,351千円、原材料及び貯蔵品が86,068千円、建物が79,229千円減少した影響によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、2,941,509千円となり、前事業年度末に比べ、264,479千円減少いたしました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が159,935千円増加した一方、未払金が125,259千円、未払法人税等が80,829千円、支払手形が64,632千円、短期借入金が50,000千円、賞与引当金が48,008千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、2,471,025千円となり、前事業年度末に比べ、77,502千円減少いたしました。これは主に、繰越利益剰余金が80,972千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は45.7%(前事業年度は44.3%)となりました。
② 経営成績の概況
当事業年度における世界経済は、欧米におけるインフレの鈍化や中央銀行による政策金利の引き下げが行われるなど、景気の緩やかな回復基調が見られましたが、米国新政権による関税政策により、先行きの不透明感が急速に高まりました。また、中国では不動産市場の低迷や内需の不振が長期化し、ロシア・ウクライナの紛争問題、中東地域の情勢混迷も継続するなど、経済の先行きが見通せない状況で推移しました。国内においては、エネルギーや食品価格の高騰等による物価上昇が進展しましたが、雇用・所得環境の改善による個人消費の回復やインバウンド需要の増加等の動きもあり、景気全体としては緩やかな回復基調で推移しました。半導体市場においては、生成AIの活用が拡大する中、サーバーやデータセンター向け需要が市場の伸びを大きく牽引しましたが、パソコンやスマートフォン、車載向け等の需要は低調に推移しました。
このような環境の中、電子システム事業においては、自動車市況の低迷や車載用半導体の市場在庫過多による生産調整局面が続き、また、一部顧客においてテストコスト削減を目的とした雰囲気温度内でのバーンインレス化が急速に進んだこともあり、バーンインボードを中心とする半導体後工程商材の受注が大きく減少しました。一方で新商材として取り組んでいるAI製品向けバーンインボードの受注及び高電力LSIやセンサー向けカスタムバーンイン装置で使用するバーンインボードの受注が伸びました。また、次世代機としてのカスタムバーンイン装置の顧客要求内容も具体化し、開発に着手しました。産業機器向け製品では、車載機器向け専用計測器が仕向け・用途が変化したことにより1台あたりの受注額が大きく減少しましたが、その一方で非車載計測機器開発案件の具体的作業は順調に進んでおり、一部製品ではリピート生産時期の具体的協議開始に至りました。前事業年度の第4四半期より新たな拠点となった福島事業所においては、既存顧客製品の受注が市況の低迷により想定以上に減少しましたが、新たな顧客の開発案件は順調に進捗しており、2025年度の量産時期協議に着手するなどの取り組みを継続しました。
マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、センサー半導体に注力するとともに、自動車分野等の電源、海外顧客に注力しました。また、デジタルLSI設計受託についても自動車分野向けデジタル設計に注力しました。このほか、画像系IP販売とデジタル系の設計受託を目的に、FPGAボードを活用したプラットフォームを準備し、これを活用したIP、設計受託の拡販活動を進めるとともに、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況は続いていることから、海外技術者の採用も積極的に進めました。
製品開発事業においては、インフラ、産業、医療分野で引き続き販売活動を進めました。インフラ分野の一つである国内ATMの市場は減少していますが、セルフレジなどPOSターミナル市場や医療用検査機器市場は増加傾向にあるなど、市場によって濃淡があります。また、今後の販売拡大に向けて、海外ビジネスパートナーの探索や欧州、韓国での製品拡販も進めるとともに、新たな市場ニーズにお応えするため200万画素ネットワークカメラ、150万画素グローバルシャッターMIPIカメラやAIソリューション向け製品の後継機を開発し、製品のラインナップ増強を進めています。医療・介護向けカメラシステムの製品については開発完了し、商品販売の準備が整いました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,516,011千円(前期比8.1%減)となり、営業利益は56,300千円(同90.7%減)、経常利益は54,492千円(同91.5%減)となりました。また、電子システム事業の福島事業所や製品開発事業の固定資産に関し、現下の収益性の低下を鑑みて将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、減損損失150,892千円を特別損失として計上したことから、税引前当期純損失は87,525千円となりましたが、将来減算一時差異のスケジューリングの見直しによる繰延税金資産の計上も作用して、法人税等調整額が△104,289千円の計上となったことから、当期純損失は14,584千円(前事業年度は当期純利益509,571千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電子システム事業
電子システム事業は、車載用半導体の市場在庫過多により主要顧客の生産調整が続く中、設備投資が抑制・凍結され、車載向けバーンインボード受注減少が継続しました。また、車載向け専用計測器も仕様・仕向けが変わることにより、受注額が大きく減少しました。
これらの結果、売上高は3,019,749千円(前期比13.8%減)、セグメント営業損失は29,293千円(前事業年度はセグメント営業利益434,228千円)となりました。
b.マイクロエレクトロニクス事業
マイクロエレクトロニクス事業は、次世代自動車向けのLSI開発が堅調に推移し、アナログLSIに関しては、電源設計での増額と海外顧客からの設計案件受注により大幅な増加となりました。一方、デジタルLSIについては市況悪化の影響により、設計受託の需要が大きく減少しました。IPのロイヤリティーは堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は2,068,759千円(前期比1.7%減)、セグメント営業利益は168,900千円(同30.6%減)となりました。
c.製品開発事業
製品開発事業は、国内ATM向けやセルフレジ向けビューカメラが減少し、カメラ製品の受託開発も低調な結果となりました。一方、昇降機向けビューカメラや医療検体検査装置向けセンシングカメラは好調でした。また、鉄道列車内向けカメラなど計画外の需要もありましたが、事業全体としての販売減少を補うには至りませんでした。なお、新商品の開発は完了し、順次販売を開始しているとともに、各種応用装置や生産の自働化を目的とした画像センシング用途での引き合い及び製品のサンプル販売は増加している状況です。
これらの結果、売上高は1,427,503千円(前期比3.7%減)、セグメント営業損失は83,306千円(前事業年度はセグメント営業損失73,143千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、557,141千円となりました。前事業年度末に比べて48,592千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は197,325千円(前期比60.2%減)となりました。これは主に、税引前当期純損失87,525千円、減価償却費147,710千円、減損損失150,892千円、売上債権及び契約資産の減少額132,090千円、棚卸資産の減少額159,225千円、その他の負債の減少額187,893千円、法人税等の支払額110,089千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は188,346千円(前期比は47.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出96,584千円、無形固定資産の取得による支出106,098千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は39,613千円(前事業年度は158,955千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の減少額50,000千円、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出140,065千円、配当金の支払額66,312千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子システム事業(千円) | 2,960,825 | 82.0 |
| マイクロエレクトロニクス事業(千円) | 2,074,868 | 98.6 |
| 製品開発事業(千円) | 1,408,782 | 94.4 |
| 合計(千円) | 6,444,476 | 89.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 電子システム事業 | 3,517,391 | 124.7 | 1,149,319 | 186.2 |
| マイクロエレクトロニクス事業 | 2,065,217 | 101.6 | 559,374 | 98.6 |
| 製品開発事業 | 1,101,916 | 76.1 | 623,902 | 65.7 |
| 合計 | 6,684,525 | 106.1 | 2,332,596 | 109.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 電子システム事業(千円) | 3,019,749 | 86.2 |
| マイクロエレクトロニクス事業(千円) | 2,068,759 | 98.3 |
| 製品開発事業(千円) | 1,427,503 | 96.3 |
| 合計(千円) | 6,516,011 | 91.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 1,121,847 | 15.8 | 690,093 | 10.6 |
| 株式会社デンソー | 674,850 | 9.5 | 613,910 | 9.4 |
| ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 768,326 | 10.8 | 502,596 | 7.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の業績は、売上高6,516,011千円(前期比8.1%減)となり、営業利益は56,300千円(同90.7%減)、経常利益は54,492千円(同91.5%減)となりました。電子システム事業の福島事業所や製品開発事業の固定資産に関し、現下の収益性の低下を鑑みて将来キャッシュ・フローの見積もりを行った結果、減損損失150,892千円を特別損失として計上したことから、税引前当期純損失は87,525千円となりましたが、将来減算一時差異のスケジューリングの見直しによる繰延税金資産の計上も作用して、法人税等調整額が△104,289千円の計上となったことから、当期純損失は14,584千円(前事業年度は当期純利益509,571千円)となりました。
当事業年度における総資産は5,412,535千円となり、前事業年度末に比べ341,982千円減少いたしました。当事業年度における負債合計は、2,941,509千円となり、前事業年度末に比べ、264,479千円減少いたしました。当事業年度における純資産合計は2,471,025千円となり、前事業年度末に比べ、77,502千円減少いたしました。
なお、財政状況の詳細においては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の受注状況、販売状況が挙げられます。その対応の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載しております。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前述の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の概況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料仕入、外注費の支払及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、生産並びに生産技術効率の向上のための設備投資であります。
c.財務政策
当社の主たる市場である半導体に関連する事業分野は特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.棚卸資産
当社は、棚卸資産の評価において原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産については、規則的に帳簿価額を切下げる方法を採用しております。将来、市況の変動や需要動向により、追加の評価減が必要になる場合があります。
b.受注損失引当金
第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
c.繰延税金資産
当社は、繰延税金資産については、将来の課税所得の見積りにより回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産の回収可能性に影響を与える要因の発生が予測される場合には、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼします。
d.固定資産の減損会計
当社は、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしております。
減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。