有価証券報告書-第12期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたこと等により経済活動に緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、不安定な国際情勢等の影響による原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、円安進行に伴う物価上昇が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした環境下、当社は慶應義塾大学発ベンチャーとして、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする”をミッションに掲げ、近視、ドライアイ、老眼、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こすという目標のもと、中長期的な事業の拡大と収益向上を目指し、事業活動を行ってまいりました。
研究開発では引き続き、新規知財の発見及び新規パイプライン追加のための基礎研究、知財の導出及び共同研究先であるパートナー企業との研究開発を強化いたしました。また、バイオレットライト技術を用いた近視進行抑制のための医療機器開発(TLG-001)の検証的臨床試験(治験)における被験者の組み入れが完了し、脳疾患関連のパイプラインであるTLG-005のパーキンソン病、うつ病、軽度認知障害(MCI)の特定臨床研究における被験者組み入れも完了いたしました。この他にも、眼血流増大の効果がある緑内障の点眼薬を適応拡大し、近視の進行を予防する点眼薬として開発しているプロジェクト(TLM-007)の特定臨床研究が開始されました。
公的資金においては、3つの大型公的研究助成金を獲得いたしました。「老齢犬の認知機能低下に対する介入による認知機能改善機器の研究開発」が、令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業(GoTech 事業)として、「網膜色素変性症に対する革新的医療機器の開発」が、令和5年度TOKYO戦略的イノベーション促進事業における助成事業として、「光照射による月経不順治療機器」が、令和5年度女性のためのフェムテック開発支援・普及促進事業における助成事業として採択されました。
事業開発では、TLG-001の検証的臨床試験の被験者の組み入れが完了し、株式会社ジンズホールディングスと締結したライセンス契約のマイルストーンを達成いたしました。また、当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、ロート製薬株式会社と知的財産権実施許諾契約を締結し、新しい点眼薬(TLM-018)の開発に着手いたしました。この他、ヘルスケア分野でのコモディティ開発にも注力し、NECパーソナルコンピュータ株式会社との特許等実施・使用許諾契約に基づき、同社よりバイオレットライトLED搭載ノートパソコンが発売されました。
一方で、2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、契約損失引当金として328,303千円を計上いたしました。
これらの結果、当事業年度における当社の経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当社は研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。
(単位:千円)
② 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、2,223,696千円となり、前事業年度末に比べて344,919千円減少いたしました。これは、未収還付法人税等が28,998千円増加し、現金及び預金が277,616千円、仕掛品が69,643千円及び前払費用が18,145千円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、71,463千円となり、前事業年度末に比べて32,882千円減少いたしました。これは、工具、器具及び備品が24,883千円、特許権が2,553千円及び繰延税金資産が3,996千円減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、837,547千円となり、前事業年度末に比べて229,819千円増加いたしました。これは、契約損失引当金が328,303千円増加し、買掛金が12,248千円、未払金が13,181千円、未払法人税等が36,705千円及び契約負債が44,054千円減少したことが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、90,380千円となり、前事業年度末に比べて24,480千円減少いたしました。これは、長期借入金が24,480千円減少したことが要因であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、1,367,231千円となり、前事業年度末に比べて583,141千円減少いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ29,088千円増加し、当期純損失641,317千円を計上したことが要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,883,400千円となりました。当事業年度期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は301,350千円(前年同期は28,491千円の収入)となりました。これは主に、契約損失引当金の増減額328,303千円、棚卸資産の増減額69,643千円、減価償却費35,744千円、その他の資産の増減額17,929千円、未払消費税等の増減額13,948千円の増加要因があった一方、税引前当期純損失636,371千円、契約負債の増減額44,054千円、仕入債務の増減額12,248千円、未払金の増減額8,949千円及び法人税等の支払額60,443千円の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,001千円(前年同期は54,027千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出12,001千円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は35,736千円(前年同期は1,011,623千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入58,176千円の収入があった一方で、長期借入金の返済による支出22,440千円の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注、仕入及び販売の状況
a. 生産実績
当社は直接的な生産活動は行っておりませんが、製造原価の品目としては主に経費のみであることから、生産実績にはなじまないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社の事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。なお、当事業年度のLaboratoires Théaに対する販売実績はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当事業年度末の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。
・売上高
当事業年度の売上高は673,532千円(前期比281,161千円減)となりました。これは主に、国内を対象としたTLG-001(*1)の実施許諾契約による、マイルストーン・ペイメント100,000千円、TLM-003(*2)の共同研究契約による、マイルストーン・ペイメント80,000千円及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金450,000千円、合計630,000千円の計上によるものであります。
*1 バイオレットライト技術を用いた、近視進行抑制のための医療機器開発
*2 近視進行抑制作用を発揮する点眼薬開発
・売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は652,153千円(前期比416,596千円増)となりました。これは主に、TLG-001の治験等における研究費の計上及び2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、契約損失引当金として328,303千円を計上したことによるものであります。その結果、売上総利益は21,379千円(前期比697,757千円減)となりました。
・販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は670,934千円(前期比118,828千円増)となりました。これは主に、事業拡大による人件費218,578千円(前期比27,351千円増)、研究開発強化による研究開発費205,296千円(前期比79,030千円増)及び特許費用53,569千円(前期比27,874千円増)等の計上によるものであります。その結果、営業損失は649,554千円(前期比816,585千円減)となりました。
・営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は14,528千円(前期比10,216千円増)となりました。これは主に、助成金収入5,354千円(前期比2,712千円増)及び償却債権取立益7,550千円の計上によるものであります。営業外費用は1,344千円(前期比25,776千円減)となりました。これは、支払利息1,005千円(前期比227千円増)及び為替差損339千円(前期比6,269千円減)の計上によるものであります。その結果、経常損失は636,371千円(前期比780,592千円減)となりました。
・特別損失、法人税等合計、当期純利益
当事業年度の特別利益、特別損失の計上はありません。当事業年度の法人税等合計額は4,946千円(前期比49,093千円減)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税を950千円(前期比55,148千円減)及び法人税等調整額3,996千円(前期比6,055千円増)計上したことによるものであります。これらの結果を受け、当事業年度の当期純損失は641,317千円(前期比731,498千円減)となりました。
② 財政状態
財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、各パイプラインの事業化(上市)を目指して実施許諾または共同研究開発を行うベンチャー企業であり、事業化後(上市後)のロイヤリティ収入を安定的に計上するステージにはまだありません。従いまして、当社は、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった経営指標を目的とせず、各パイプラインの進捗状況等を適時かつ正確に管理することを目標においた事業活動を推進してまいりました。当事業年度の達成状況につきまして、売上高については、国内を対象としたTLG-001の実施許諾契約によるマイルストーンを達成、TLM-003の共同研究契約によるマイルストーンを達成及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金等により673,532千円となりました。また、研究開発費については、205,296千円となりました。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」並びに「第2 事業の状況 6研究開発活動」に記載のとおりであります。
今後もパートナー企業とともに共同研究開発を行うため、基礎研究の強化を図るとともに、国内に展開している各パイプラインを海外へと横展開を推進し、各パイプラインの進捗状況等を目標に努めてまいります。
なお、パイプラインの開発の進捗については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社のパイプライン」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資資金となります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(仕掛品の評価)
仕掛品の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。
当該収益性の見積りには、マイルストーンの達成などの将来の未確定事象に係る見積要素が含まれており、パートナー企業における研究開発の進捗状況に大きく依存するものであります。
そのため、翌事業年度において、研究開発結果によりマイルストーンの達成が困難となり共同研究開発が終了した場合には、損失が発生する可能性があります。
(TLG-001(国内)実施許諾契約に係る契約損失引当金の見積り)
TLG-001(国内) 実施許諾契約に係る契約損失引当金は、実施許諾契約で定められているマイルストーン達成に必要な見積り総費用が、マイルストーン達成時に得られる収入を超過する額を見積り損失額として算定しています。
契約損失引当金の見積り要素として、マイルストーン達成までに要する期間とその費用が含まれております。マイルストーン達成までに要する期間とは、実施許諾契約で定められている条項を達成するために要する期間であり、当初予見していなかった事象が生じた場合、その期間が延長されます。その結果、翌事業年度において、マイルストーン達成までに要する期間が延長され、追加費用の見積りが必要になるため、見積りの不確実性は高まります。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑧ 経営者の問題認識と今後の方針にあたって
当社は、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする“をミッションに掲げ、「近視、ドライアイ、老眼、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こす」ということを経営方針としております。この経営方針実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたこと等により経済活動に緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、不安定な国際情勢等の影響による原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、円安進行に伴う物価上昇が続いており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした環境下、当社は慶應義塾大学発ベンチャーとして、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする”をミッションに掲げ、近視、ドライアイ、老眼、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こすという目標のもと、中長期的な事業の拡大と収益向上を目指し、事業活動を行ってまいりました。
研究開発では引き続き、新規知財の発見及び新規パイプライン追加のための基礎研究、知財の導出及び共同研究先であるパートナー企業との研究開発を強化いたしました。また、バイオレットライト技術を用いた近視進行抑制のための医療機器開発(TLG-001)の検証的臨床試験(治験)における被験者の組み入れが完了し、脳疾患関連のパイプラインであるTLG-005のパーキンソン病、うつ病、軽度認知障害(MCI)の特定臨床研究における被験者組み入れも完了いたしました。この他にも、眼血流増大の効果がある緑内障の点眼薬を適応拡大し、近視の進行を予防する点眼薬として開発しているプロジェクト(TLM-007)の特定臨床研究が開始されました。
公的資金においては、3つの大型公的研究助成金を獲得いたしました。「老齢犬の認知機能低下に対する介入による認知機能改善機器の研究開発」が、令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業(GoTech 事業)として、「網膜色素変性症に対する革新的医療機器の開発」が、令和5年度TOKYO戦略的イノベーション促進事業における助成事業として、「光照射による月経不順治療機器」が、令和5年度女性のためのフェムテック開発支援・普及促進事業における助成事業として採択されました。
事業開発では、TLG-001の検証的臨床試験の被験者の組み入れが完了し、株式会社ジンズホールディングスと締結したライセンス契約のマイルストーンを達成いたしました。また、当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、ロート製薬株式会社と知的財産権実施許諾契約を締結し、新しい点眼薬(TLM-018)の開発に着手いたしました。この他、ヘルスケア分野でのコモディティ開発にも注力し、NECパーソナルコンピュータ株式会社との特許等実施・使用許諾契約に基づき、同社よりバイオレットライトLED搭載ノートパソコンが発売されました。
一方で、2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、契約損失引当金として328,303千円を計上いたしました。
これらの結果、当事業年度における当社の経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、当社は研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は行っておりません。
(単位:千円)
| 売上高 | 営業利益 又は 営業損失 (△) | 経常利益 又は 経常損失 (△) | 当期純利益 又は 当期純損失 (△) | 1株当たり 当期純利益 又は 1株当たり 当期純損失 (△) | |
| 当事業年度 | 673,532 | △649,554 | △636,371 | △641,317 | △25.15円 |
| 前事業年度 | 954,693 | 167,031 | 144,221 | 90,181 | 3.66円 |
| 増減 | △281,161 | △816,585 | △780,592 | △731,498 | △28.82円 |
② 財政状態の状況
| 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | |
| 資産合計(千円) | 2,672,961 | 2,295,159 | △377,801 |
| 負債合計(千円) | 722,588 | 927,927 | 205,339 |
| 純資産合計(千円) | 1,950,373 | 1,367,231 | △583,141 |
| 自己資本比率(%) | 73.0 | 59.6 | △13.4 |
| 1株当たり純資産(円) | 77.07 | 53.45 | △23.61 |
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、2,223,696千円となり、前事業年度末に比べて344,919千円減少いたしました。これは、未収還付法人税等が28,998千円増加し、現金及び預金が277,616千円、仕掛品が69,643千円及び前払費用が18,145千円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、71,463千円となり、前事業年度末に比べて32,882千円減少いたしました。これは、工具、器具及び備品が24,883千円、特許権が2,553千円及び繰延税金資産が3,996千円減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、837,547千円となり、前事業年度末に比べて229,819千円増加いたしました。これは、契約損失引当金が328,303千円増加し、買掛金が12,248千円、未払金が13,181千円、未払法人税等が36,705千円及び契約負債が44,054千円減少したことが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、90,380千円となり、前事業年度末に比べて24,480千円減少いたしました。これは、長期借入金が24,480千円減少したことが要因であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、1,367,231千円となり、前事業年度末に比べて583,141千円減少いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ29,088千円増加し、当期純損失641,317千円を計上したことが要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,883,400千円となりました。当事業年度期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は301,350千円(前年同期は28,491千円の収入)となりました。これは主に、契約損失引当金の増減額328,303千円、棚卸資産の増減額69,643千円、減価償却費35,744千円、その他の資産の増減額17,929千円、未払消費税等の増減額13,948千円の増加要因があった一方、税引前当期純損失636,371千円、契約負債の増減額44,054千円、仕入債務の増減額12,248千円、未払金の増減額8,949千円及び法人税等の支払額60,443千円の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,001千円(前年同期は54,027千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出12,001千円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は35,736千円(前年同期は1,011,623千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入58,176千円の収入があった一方で、長期借入金の返済による支出22,440千円の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注、仕入及び販売の状況
a. 生産実績
当社は直接的な生産活動は行っておりませんが、製造原価の品目としては主に経費のみであることから、生産実績にはなじまないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社の事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| 研究開発事業 | 673,532 | 70.5 |
| 合計 | 673,532 | 70.5 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。なお、当事業年度のLaboratoires Théaに対する販売実績はありません。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
| ロート製薬㈱ | 382,163 | 40.0 | 531,548 | 78.9 |
| ㈱ジンズホールディングス | 207,964 | 21.8 | 105,107 | 15.6 |
| Laboratoires Théa | 286,860 | 30.0 | ― | ― |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当事業年度末の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。
・売上高
当事業年度の売上高は673,532千円(前期比281,161千円減)となりました。これは主に、国内を対象としたTLG-001(*1)の実施許諾契約による、マイルストーン・ペイメント100,000千円、TLM-003(*2)の共同研究契約による、マイルストーン・ペイメント80,000千円及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金450,000千円、合計630,000千円の計上によるものであります。
*1 バイオレットライト技術を用いた、近視進行抑制のための医療機器開発
*2 近視進行抑制作用を発揮する点眼薬開発
・売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は652,153千円(前期比416,596千円増)となりました。これは主に、TLG-001の治験等における研究費の計上及び2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、契約損失引当金として328,303千円を計上したことによるものであります。その結果、売上総利益は21,379千円(前期比697,757千円減)となりました。
・販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は670,934千円(前期比118,828千円増)となりました。これは主に、事業拡大による人件費218,578千円(前期比27,351千円増)、研究開発強化による研究開発費205,296千円(前期比79,030千円増)及び特許費用53,569千円(前期比27,874千円増)等の計上によるものであります。その結果、営業損失は649,554千円(前期比816,585千円減)となりました。
・営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は14,528千円(前期比10,216千円増)となりました。これは主に、助成金収入5,354千円(前期比2,712千円増)及び償却債権取立益7,550千円の計上によるものであります。営業外費用は1,344千円(前期比25,776千円減)となりました。これは、支払利息1,005千円(前期比227千円増)及び為替差損339千円(前期比6,269千円減)の計上によるものであります。その結果、経常損失は636,371千円(前期比780,592千円減)となりました。
・特別損失、法人税等合計、当期純利益
当事業年度の特別利益、特別損失の計上はありません。当事業年度の法人税等合計額は4,946千円(前期比49,093千円減)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税を950千円(前期比55,148千円減)及び法人税等調整額3,996千円(前期比6,055千円増)計上したことによるものであります。これらの結果を受け、当事業年度の当期純損失は641,317千円(前期比731,498千円減)となりました。
② 財政状態
財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、各パイプラインの事業化(上市)を目指して実施許諾または共同研究開発を行うベンチャー企業であり、事業化後(上市後)のロイヤリティ収入を安定的に計上するステージにはまだありません。従いまして、当社は、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった経営指標を目的とせず、各パイプラインの進捗状況等を適時かつ正確に管理することを目標においた事業活動を推進してまいりました。当事業年度の達成状況につきまして、売上高については、国内を対象としたTLG-001の実施許諾契約によるマイルストーンを達成、TLM-003の共同研究契約によるマイルストーンを達成及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金等により673,532千円となりました。また、研究開発費については、205,296千円となりました。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」並びに「第2 事業の状況 6研究開発活動」に記載のとおりであります。
今後もパートナー企業とともに共同研究開発を行うため、基礎研究の強化を図るとともに、国内に展開している各パイプラインを海外へと横展開を推進し、各パイプラインの進捗状況等を目標に努めてまいります。
なお、パイプラインの開発の進捗については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社のパイプライン」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資資金となります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(仕掛品の評価)
仕掛品の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。
当該収益性の見積りには、マイルストーンの達成などの将来の未確定事象に係る見積要素が含まれており、パートナー企業における研究開発の進捗状況に大きく依存するものであります。
そのため、翌事業年度において、研究開発結果によりマイルストーンの達成が困難となり共同研究開発が終了した場合には、損失が発生する可能性があります。
(TLG-001(国内)実施許諾契約に係る契約損失引当金の見積り)
TLG-001(国内) 実施許諾契約に係る契約損失引当金は、実施許諾契約で定められているマイルストーン達成に必要な見積り総費用が、マイルストーン達成時に得られる収入を超過する額を見積り損失額として算定しています。
契約損失引当金の見積り要素として、マイルストーン達成までに要する期間とその費用が含まれております。マイルストーン達成までに要する期間とは、実施許諾契約で定められている条項を達成するために要する期間であり、当初予見していなかった事象が生じた場合、その期間が延長されます。その結果、翌事業年度において、マイルストーン達成までに要する期間が延長され、追加費用の見積りが必要になるため、見積りの不確実性は高まります。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑧ 経営者の問題認識と今後の方針にあたって
当社は、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする“をミッションに掲げ、「近視、ドライアイ、老眼、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こす」ということを経営方針としております。この経営方針実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。