有価証券報告書-第13期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における日本経済は、賃金の伸び、インバウンド需要の回復、企業による積極的な設備投資を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、地政学的リスクに伴うエネルギー・原材料価格の上昇、欧米との金利差に起因する為替変動、海外情勢の不透明感、さらには米国の政権交代に伴う通商問題の再燃など、不確実性の高い経済環境が継続しております。こうした状況下、当社は慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業として、「ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする」というミッションを掲げ、近視、ドライアイ、老視、脳疾患などアンメット・メディカル・ニーズの高い分野において革新的なソリューションの創出を目指し、事業の拡大と収益力の強化に取り組んでまいりました。 研究開発活動では、新たな知的財産の創出とパイプライン拡充を目的とした基礎研究に注力するとともに、共同研究先との連携を通じた開発体制の強化を進めました 近視領域では、バイオレットライト技術を用いた医療機器「TLG-001」が検証的臨床試験においてすべての被験者の治療期間を終了し、観察期間に移行しました。また、点眼薬「TLM-003」は、ロート製薬株式会社との長期開発契約のもとで第Ⅰ相臨床試験を完了し、安全性が確認されています。さらに、海外においても臨床試験の準備を進めております。新たな薬理機序に基づく近視進行抑制薬「TLM-007」については、現在、特定臨床研究を実施中です。 ドライアイ領域においては、マイボーム腺機能不全を対象とした「TLM-001」について、マルホ株式会社が国内で臨床試験を進行中です。 脳疾患領域では、バイオレットライト技術を応用した医療機器「TLG-005」に関し、パーキンソン病、うつ病、軽度認知障害(MCI)を対象とする特定臨床研究を終了しました。いずれの研究においても安全性が確認され、うつ病においては有効性が示唆され、パーキンソン病においては一部の症状に改善傾向が認められました。 その他の分野では、バイオレットライト技術を用いた女性の月経不順治療機器「TLG-021」の臨床研究を実施しており、サーカディアンリズム調整を通じた新たな治療法の確立を目指しています。また、網膜色素変性症向け医療機器「TLG-020」については、特定臨床試験の準備を進めております。加えて、老齢犬における認知機能改善を目的とした研究も公的支援のもとで進行中であり、動物医療分野への展開可能性も探っています。 事業開発面では、国内外のパートナー企業との間で4件の導出契約を締結しました。海外では、中国の大手眼科医薬品メーカーであるShenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.と特定特許に関する独占実施許諾契約を締結し、中国市場への本格展開に向けた基盤を確立しました。また、Beijing Yijie Pharmaceutical Technology Co., Ltd.とはTLG-001に関する基本合意契約を経て、2025年3月に正式なライセンス契約を締結しました。さらに、別の海外製薬企業とも非臨床・臨床データに関するライセンス契約を締結しています。国内では、ロート製薬株式会社と開発中の点眼薬に関する独占評価契約を締結しました。また、国際学会や展示会等への積極的な参加を通じ、当社の研究成果や知的財産の認知度向上とビジネス化を推進しました。 これらの活動の結果、当事業年度の経営成績は売上高、経常利益、当期純利益のいずれも4年ぶりに過去最高を更新するなど、着実な成長を遂げました。 なお、当社は研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は行っておりません。
(単位:千円)
② 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、2,445,308千円となり、前事業年度末に比べて221,611千円増加いたしました。これは、売掛金が528,046千円、未収消費税等が62,187千円増加し、現金及び預金が344,547千円、未収還付法人税等が28,998千円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、57,814千円となり、前事業年度末に比べて13,648千円減少いたしました。これは、工具、器具及び備品が7,819千円、特許権が1,970千円が減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、846,636千円となり、前事業年度末に比べて9,088千円増加いたしました。これは、買掛金が115,296千円、未払金が28,425千円、未払法人税等が81,241円増加し、契約負債が87,816千円、契約損失引当金が121,910千円減少したことが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、69,214千円となり、前事業年度末に比べて21,166千円減少いたしました。これは、長期借入金が21,166千円減少したことが要因であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、1,587,272千円となり、前事業年度末に比べて220,040千円増加いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ7,137千円増加し、当期純利益205,766千円を計上したことが要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,538,853千円となりました。当事業年度期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は317,754千円(前年同期は301,350千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益281,049千円、仕入債務の増減額115,296千円、減価償却費28,754千円、法人税等の還付額27,575千円、未払金の増減額22,732千円の増加要因があった一方、売上債権の増減額528,046千円、契約損失引当金の増減額121,910千円、契約負債の増減額87,816千円、未収消費税等の増減額66,959千円の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14,547千円(前年同期は12,001千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出13,994千円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12,246千円(前年同期は35,736千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入14,274千円の収入があった一方で、長期借入金の返済による支出26,520千円の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注、仕入及び販売の状況
a. 生産実績
当社は直接的な生産活動は行っておりませんが、製造原価の品目としては主に経費のみであることから、生産実績にはなじまないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社の事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。なお、前事業年度のLaboratoires Théa、Shenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.、Beijing Yijie Pharmaceutical Technologyに対する販売実績はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当事業年度末の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。
・売上高
当事業年度の売上高は1,357,133千円(前期比683,600千円増)となりました。これは主に、国内外を対象としたTLG-001(*1)の実施許諾契約による、契約一時金280,000千円、TLM-003(*2)の実施許諾契約及び点眼薬に関する知的財産実施許諾契約により、契約一時金及びマイルストーン収入計1,047,558千円、合計1,327,558千円の計上によるものであります。
*1 バイオレットライト技術を用いた、近視進行抑制のための医療機器開発
*2 近視進行抑制作用を発揮する点眼薬開発
・売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は180,231千円(前期比471,921千円減)となりました。これは主に、TLG-001の治験等における研究費の計上及び2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、前期に契約損失引当金として328,303千円を計上したことによるものであります。その結果、売上総利益は1,176,901千円(前期比1,155,521千円増)となりました。
・販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は941,433千円(前期比270,499千円増)となりました。これは主に、事業拡大による人件費255,989千円(前期比37,410千円増)、研究開発強化による研究開発費254,107千円(前期比48,810千円増)及び特許費用98,351千円(前期比44,781千円増)等の計上によるものであります。その結果、営業利益は235,467千円(前期比885,021千円増)となりました。
・営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は47,118千円(前期比32,589千円増)となりました。これは主に、為替差益38,170千円(前期比38,170千円増)、助成金収入4,024千円(前期比1,330千円減)及び償却債権取立益1,584千円(前期比5,966千円減)の計上によるものであります。営業外費用は1,085千円(前期比258千円減)となりました。これは、支払利息1,085千円(前期比80千円増)の計上によるものであります。その結果、経常利益は281,499千円(前期比917,870千円増)となりました。
・特別損失、法人税等合計、当期純利益
当事業年度の特別利益の計上はありません。特別損失は449千円(前期比449千円増)となりました。これは主に固定資産売却損449千円(前期比449千円増)の計上によるものであります。当事業年度の法人税等合計額は75,283千円(前期比70,337千円増)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税を75,283千円(前期比74,333千円増)を計上したことによるものであります。これらの結果を受け、当事業年度の当期純利益は205,766千円(前期比847,083千円増)となりました。
② 財政状態
財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、各パイプラインの事業化(上市)を目指して実施許諾または共同研究開発を行うベンチャー企業であり、事業化後(上市後)のロイヤリティ収入を安定的に計上するステージにはまだありません。従いまして、当社は、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった経営指標を目的とせず、各パイプラインの進捗状況等を適時かつ正確に管理することを目標においた事業活動を推進してまいりました。当事業年度の達成状況につきまして、売上高については、国内を対象としたTLG-001の実施許諾契約によるマイルストーンを達成、TLM-003の共同研究契約によるマイルストーンを達成及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金等により1,357,133千円となりました。また、研究開発費については、254,107千円となりました。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」並びに「第2 事業の状況 6研究開発活動」に記載のとおりであります。
今後もパートナー企業とともに共同研究開発を行うため、基礎研究の強化を図るとともに、国内に展開している各パイプラインを海外へと横展開を推進し、各パイプラインの進捗状況等を目標に努めてまいります。
なお、パイプラインの開発の進捗については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社のパイプライン」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資資金となります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(仕掛品の評価)
仕掛品の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。
当該収益性の見積りには、マイルストーンの達成などの将来の未確定事象に係る見積要素が含まれており、パートナー企業における研究開発の進捗状況に大きく依存するものであります。
そのため、翌事業年度において、研究開発結果によりマイルストーンの達成が困難となり共同研究開発が終了した場合には、損失が発生する可能性があります。
(TLG-001(国内)実施許諾契約に係る契約損失引当金の見積り)
TLG-001(国内) 実施許諾契約に係る契約損失引当金は、実施許諾契約で定められているマイルストーン達成に必要な見積り総費用が、マイルストーン達成時に得られる収入を超過する額を見積り損失額として算定しています。
契約損失引当金の見積り要素として、マイルストーン達成までに要する期間とその費用が含まれております。マイルストーン達成までに要する期間とは、実施許諾契約で定められている条項を達成するために要する期間であり、当初予見していなかった事象が生じた場合、その期間が延長されます。その結果、翌事業年度において、マイルストーン達成までに要する期間が延長され、追加費用の見積りが必要になるため、見積りの不確実性は高まります。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑧ 経営者の問題認識と今後の方針にあたって
当社は、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする“をミッションに掲げ、「近視、ドライアイ、老視、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こす」ということを経営方針としております。この経営方針実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における日本経済は、賃金の伸び、インバウンド需要の回復、企業による積極的な設備投資を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、地政学的リスクに伴うエネルギー・原材料価格の上昇、欧米との金利差に起因する為替変動、海外情勢の不透明感、さらには米国の政権交代に伴う通商問題の再燃など、不確実性の高い経済環境が継続しております。こうした状況下、当社は慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業として、「ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする」というミッションを掲げ、近視、ドライアイ、老視、脳疾患などアンメット・メディカル・ニーズの高い分野において革新的なソリューションの創出を目指し、事業の拡大と収益力の強化に取り組んでまいりました。 研究開発活動では、新たな知的財産の創出とパイプライン拡充を目的とした基礎研究に注力するとともに、共同研究先との連携を通じた開発体制の強化を進めました 近視領域では、バイオレットライト技術を用いた医療機器「TLG-001」が検証的臨床試験においてすべての被験者の治療期間を終了し、観察期間に移行しました。また、点眼薬「TLM-003」は、ロート製薬株式会社との長期開発契約のもとで第Ⅰ相臨床試験を完了し、安全性が確認されています。さらに、海外においても臨床試験の準備を進めております。新たな薬理機序に基づく近視進行抑制薬「TLM-007」については、現在、特定臨床研究を実施中です。 ドライアイ領域においては、マイボーム腺機能不全を対象とした「TLM-001」について、マルホ株式会社が国内で臨床試験を進行中です。 脳疾患領域では、バイオレットライト技術を応用した医療機器「TLG-005」に関し、パーキンソン病、うつ病、軽度認知障害(MCI)を対象とする特定臨床研究を終了しました。いずれの研究においても安全性が確認され、うつ病においては有効性が示唆され、パーキンソン病においては一部の症状に改善傾向が認められました。 その他の分野では、バイオレットライト技術を用いた女性の月経不順治療機器「TLG-021」の臨床研究を実施しており、サーカディアンリズム調整を通じた新たな治療法の確立を目指しています。また、網膜色素変性症向け医療機器「TLG-020」については、特定臨床試験の準備を進めております。加えて、老齢犬における認知機能改善を目的とした研究も公的支援のもとで進行中であり、動物医療分野への展開可能性も探っています。 事業開発面では、国内外のパートナー企業との間で4件の導出契約を締結しました。海外では、中国の大手眼科医薬品メーカーであるShenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.と特定特許に関する独占実施許諾契約を締結し、中国市場への本格展開に向けた基盤を確立しました。また、Beijing Yijie Pharmaceutical Technology Co., Ltd.とはTLG-001に関する基本合意契約を経て、2025年3月に正式なライセンス契約を締結しました。さらに、別の海外製薬企業とも非臨床・臨床データに関するライセンス契約を締結しています。国内では、ロート製薬株式会社と開発中の点眼薬に関する独占評価契約を締結しました。また、国際学会や展示会等への積極的な参加を通じ、当社の研究成果や知的財産の認知度向上とビジネス化を推進しました。 これらの活動の結果、当事業年度の経営成績は売上高、経常利益、当期純利益のいずれも4年ぶりに過去最高を更新するなど、着実な成長を遂げました。 なお、当社は研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は行っておりません。
(単位:千円)
| 売上高 | 営業利益 又は 営業損失 (△) | 経常利益 又は 経常損失 (△) | 当期純利益 又は 当期純損失 (△) | 1株当たり 当期純利益 又は 1株当たり 当期純損失 (△) | |
| 当事業年度 | 1,357,133 | 235,467 | 281,499 | 205,766 | 8.04円 |
| 前事業年度 | 673,532 | △649,554 | △636,371 | △641,317 | △25.15円 |
| 増減 | 683,601 | 885,021 | 917,870 | 847,083 | 33.19円 |
② 財政状態の状況
| 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | |
| 資産合計(千円) | 2,295,159 | 2,503,123 | 207,964 |
| 負債合計(千円) | 927,927 | 915,850 | △12,077 |
| 純資産合計(千円) | 1,367,231 | 1,587,272 | 220,040 |
| 自己資本比率(%) | 59.6 | 63.4 | 3.8 |
| 1株当たり純資産(円) | 53.45 | 61.91 | 8.46 |
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、2,445,308千円となり、前事業年度末に比べて221,611千円増加いたしました。これは、売掛金が528,046千円、未収消費税等が62,187千円増加し、現金及び預金が344,547千円、未収還付法人税等が28,998千円減少したことが主な要因であります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、57,814千円となり、前事業年度末に比べて13,648千円減少いたしました。これは、工具、器具及び備品が7,819千円、特許権が1,970千円が減少したことが主な要因であります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、846,636千円となり、前事業年度末に比べて9,088千円増加いたしました。これは、買掛金が115,296千円、未払金が28,425千円、未払法人税等が81,241円増加し、契約負債が87,816千円、契約損失引当金が121,910千円減少したことが主な要因であります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、69,214千円となり、前事業年度末に比べて21,166千円減少いたしました。これは、長期借入金が21,166千円減少したことが要因であります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、1,587,272千円となり、前事業年度末に比べて220,040千円増加いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ7,137千円増加し、当期純利益205,766千円を計上したことが要因であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,538,853千円となりました。当事業年度期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は317,754千円(前年同期は301,350千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益281,049千円、仕入債務の増減額115,296千円、減価償却費28,754千円、法人税等の還付額27,575千円、未払金の増減額22,732千円の増加要因があった一方、売上債権の増減額528,046千円、契約損失引当金の増減額121,910千円、契約負債の増減額87,816千円、未収消費税等の増減額66,959千円の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14,547千円(前年同期は12,001千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出13,994千円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12,246千円(前年同期は35,736千円の収入)となりました。これは、株式の発行による収入14,274千円の収入があった一方で、長期借入金の返済による支出26,520千円の支出があったことによるものです。
④ 生産、受注、仕入及び販売の状況
a. 生産実績
当社は直接的な生産活動は行っておりませんが、製造原価の品目としては主に経費のみであることから、生産実績にはなじまないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社の事業による共同研究は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、研究開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| 研究開発事業 | 1,357,113 | 201.5 |
| 合計 | 1,357,113 | 201.5 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。なお、前事業年度のLaboratoires Théa、Shenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd.、Beijing Yijie Pharmaceutical Technologyに対する販売実績はありません。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
| ロート製薬㈱ | 531,548 | 78.9 | 181,501 | 13.4 |
| ㈱ジンズホールディングス | 105,107 | 15.6 | 9,302 | 0.7 |
| Laboratoires Théa | ― | ― | 521,688 | 38.4 |
| Shenyang Xingqi Pharmaceutical Co., Ltd. | ― | ― | 445,870 | 32.9 |
| Beijing Yijie Pharmaceutical Technology | ― | ― | 180,000 | 13.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当事業年度末の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、主要な表示科目に沿った認識及び分析は次のとおりであります。
・売上高
当事業年度の売上高は1,357,133千円(前期比683,600千円増)となりました。これは主に、国内外を対象としたTLG-001(*1)の実施許諾契約による、契約一時金280,000千円、TLM-003(*2)の実施許諾契約及び点眼薬に関する知的財産実施許諾契約により、契約一時金及びマイルストーン収入計1,047,558千円、合計1,327,558千円の計上によるものであります。
*1 バイオレットライト技術を用いた、近視進行抑制のための医療機器開発
*2 近視進行抑制作用を発揮する点眼薬開発
・売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は180,231千円(前期比471,921千円減)となりました。これは主に、TLG-001の治験等における研究費の計上及び2026年3月期に終了予定であるTLG-001の検証的臨床試験およびその後に実施される統計解析(期間は1年を予定)に係る費用が契約一時金を超過する見込みとなり、前期に契約損失引当金として328,303千円を計上したことによるものであります。その結果、売上総利益は1,176,901千円(前期比1,155,521千円増)となりました。
・販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は941,433千円(前期比270,499千円増)となりました。これは主に、事業拡大による人件費255,989千円(前期比37,410千円増)、研究開発強化による研究開発費254,107千円(前期比48,810千円増)及び特許費用98,351千円(前期比44,781千円増)等の計上によるものであります。その結果、営業利益は235,467千円(前期比885,021千円増)となりました。
・営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は47,118千円(前期比32,589千円増)となりました。これは主に、為替差益38,170千円(前期比38,170千円増)、助成金収入4,024千円(前期比1,330千円減)及び償却債権取立益1,584千円(前期比5,966千円減)の計上によるものであります。営業外費用は1,085千円(前期比258千円減)となりました。これは、支払利息1,085千円(前期比80千円増)の計上によるものであります。その結果、経常利益は281,499千円(前期比917,870千円増)となりました。
・特別損失、法人税等合計、当期純利益
当事業年度の特別利益の計上はありません。特別損失は449千円(前期比449千円増)となりました。これは主に固定資産売却損449千円(前期比449千円増)の計上によるものであります。当事業年度の法人税等合計額は75,283千円(前期比70,337千円増)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税を75,283千円(前期比74,333千円増)を計上したことによるものであります。これらの結果を受け、当事業年度の当期純利益は205,766千円(前期比847,083千円増)となりました。
② 財政状態
財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、各パイプラインの事業化(上市)を目指して実施許諾または共同研究開発を行うベンチャー企業であり、事業化後(上市後)のロイヤリティ収入を安定的に計上するステージにはまだありません。従いまして、当社は、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった経営指標を目的とせず、各パイプラインの進捗状況等を適時かつ正確に管理することを目標においた事業活動を推進してまいりました。当事業年度の達成状況につきまして、売上高については、国内を対象としたTLG-001の実施許諾契約によるマイルストーンを達成、TLM-003の共同研究契約によるマイルストーンを達成及び当社が保有し、また今後保有する点眼薬に関する知的財産権及び研究開発成果に関し、知的財産実施許諾契約を締結したことによる契約一時金等により1,357,133千円となりました。また、研究開発費については、254,107千円となりました。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」並びに「第2 事業の状況 6研究開発活動」に記載のとおりであります。
今後もパートナー企業とともに共同研究開発を行うため、基礎研究の強化を図るとともに、国内に展開している各パイプラインを海外へと横展開を推進し、各パイプラインの進捗状況等を目標に努めてまいります。
なお、パイプラインの開発の進捗については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社のパイプライン」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業上必要な資金を手許資金で賄う方針でありますが、事業収益から得られる資金だけでなく、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、安定的に開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、現金及び現金同等物において確保を図っております。資金需要としては、継続して企業価値を増加させるために、主に継続した研究開発や必要な設備投資資金となります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、資産、負債、収益及び費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。
当社は財務諸表の基礎となる見積り及び判断を過去の実績を参考に合理的と考えられる判断を行った上で計上しております。しかしながら、これらの見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(仕掛品の評価)
仕掛品の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。
当該収益性の見積りには、マイルストーンの達成などの将来の未確定事象に係る見積要素が含まれており、パートナー企業における研究開発の進捗状況に大きく依存するものであります。
そのため、翌事業年度において、研究開発結果によりマイルストーンの達成が困難となり共同研究開発が終了した場合には、損失が発生する可能性があります。
(TLG-001(国内)実施許諾契約に係る契約損失引当金の見積り)
TLG-001(国内) 実施許諾契約に係る契約損失引当金は、実施許諾契約で定められているマイルストーン達成に必要な見積り総費用が、マイルストーン達成時に得られる収入を超過する額を見積り損失額として算定しています。
契約損失引当金の見積り要素として、マイルストーン達成までに要する期間とその費用が含まれております。マイルストーン達成までに要する期間とは、実施許諾契約で定められている条項を達成するために要する期間であり、当初予見していなかった事象が生じた場合、その期間が延長されます。その結果、翌事業年度において、マイルストーン達成までに要する期間が延長され、追加費用の見積りが必要になるため、見積りの不確実性は高まります。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑧ 経営者の問題認識と今後の方針にあたって
当社は、“ビジョナリーイノベーションで未来をごきげんにする“をミッションに掲げ、「近視、ドライアイ、老視、脳疾患の治療に画期的なイノベーションを起こす」ということを経営方針としております。この経営方針実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。