有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)
③環境に関する戦略
[環境方針]
当社グループは、先進の技術によって環境性能に優れたSoCおよびそれを核とするソリューションビジネス/サービスの設計、開発および販売を通じて、お客様とともに豊かな地球環境の保護に貢献します。また、以下の行動指針により、当社グループは、開発から調達、生産、流通、販売、使用、廃棄にいたるすべてのライフサイクルを通じて、環境負荷の低減と環境汚染の予防に努めます。
1. 省電力、軽量化、含有化学物質の適正管理など、環境に配慮した製品の開発を積極的に推進することにより、温室効果ガス排出の削減、廃棄物の削減など、地球環境の負荷低減に積極的に貢献します。
2. 開発から調達、生産、流通、販売、使用、廃棄にいたる、サプライチェーン全体での活動を通して、環境負荷の最小化を追求するため、エネルギー/原材料/水資源の有効活用、温室効果ガス/廃棄物/水の排出量管理、材料や副資材に含まれる化学物質の確実な管理に取り組みます。
3. 持続可能な社会を実現するため、資源の有効活用を促進するとともに、環境汚染の予防と、生物多様性や森林保全に配慮した事業活動と貢献活動、およびプラスチックの使用削減を推進します。
4. 各国、各地域の環境関連法規制、およびそれらに関するお客様との個々の合意事項を遵守します。
5. すべての役員および従業員の環境への意識向上を図り、地域社会への環境貢献を推進します。
6. これらの環境活動を有効に実施するために、環境マネジメントシステムを継続的に改善します。
7. 地球環境の保全/負荷低減に向けた活動への賛同、および支援を行うとともに、環境情報の適切な開示や地域環境への貢献を推進することにより、ステークホルダーとの連携/協働を図ります。
[環境マネジメントシステム(ISO14001)構築/認証]
当社は、環境方針の実現に向けた具体的な取り組みとして、国際標準規格ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、外部の認証機関による第三者認証を取得したうえで環境活動を推進しています。
環境マネジメントシステムは、トップマネジメントのもと、環境活動の具体的行動計画の策定、実施および結果のチェック、EMS委員会、マネジメントレビューの実施により、PDCAサイクルを確実に回し、継続的な改善に努めています。環境マネジメントシステムの構築により、活動状況の把握をはじめ、順法や緊急事態への対応など、より実効性の高い活動を可能にしています。

[環境マネジメントシステム(ISO14001)登録証]

[環境マネジメントシステム(ISO14001)推進体制]
当社は、環境管理統括責任者(担当役員)のもと、組織単位で環境責任者を設置し、環境活動を推進しています。また、サステナビリティ推進部門であるESG推進室と連携し、サステナビリティ活動との連携を図っています。四半期毎に開催するEMS委員会では、環境活動の結果をレビューし、情報共有を図っています。

[環境活動内容]
当社は、各部門が環境への影響/課題を評価/抽出し、環境目標の設定および四半期毎に結果確認を行うことにより、環境活動を推進しています。
[環境教育]
当社は、役員および従業員一人ひとりの環境意識を高めるため、環境への取り組みに対する考え方や、業務との関わり、環境法令や当社の取り組みについて、すべての役員および従業員に対しe-Learning環境教育を毎年実施しています。
また、社内のイントラネットへ当社の環境活動の目標を含む活動状況を掲載し、すべての役員および従業員への周知と意識高揚に努めています。
[気候変動への対応]
(a)環境に配慮した製品の提供
当社グループは、環境負荷の低減に向けて、再生可能資源の利用促進、エネルギー効率の向上、有害物質の削減、低消費電力型製品の開発を行うことで環境に配慮した製品を提供し、かつ各国の様々な法規制にも対応することで、お客様に安心をお届けします。
ソシオネクストの製品、および包装梱包材は、EU REACH規制(※1)、EU RoHS指令(※2)、中国RoHS指令(※3)、などの法規制に対応しています(使用禁止措置適用除外項目を除く)。
当社グループでは、これらの環境に配慮した製品の提供や、法規制への対応を確実にするため、独自の開発フロー(「デザイン・レビュー」の仕組み)を策定・運用し、開発プロセスの各段階において確認を行っています。
※1:EUにおける化学品の登録/評価/認可および制限を目的とした規制(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
※2:EUにおいて販売される電子/電気機器に特定有害物質の使用を禁止する指令(Restriction of Hazardous Substances)
※3:中国で販売される電子/電気機器に特定有害物質の使用を禁止する指令(電子情報製品生産汚染防止管理弁法)
当社グループは、我々の提供するSoCによって、お客様のもとでのGHG排出量の低減に貢献し続けていくことが、サステナブルな社会の実現につながると考えています。グローバル市場をリードする主要なお客様との共同開発や、独自のマルチコア設計技術・低電力なAIエンジン/アクセラレータ等の活用等による高性能なカスタムSoCの開発を通じて、お客様の製品のさらなる小型化、高集積化、低消費電力化を実現することで、お客様のイノベーションおよび製品の環境負荷低減に貢献します。
また、設計開発に使用するデータセンターにおいては、CPU/サーバーの消費電力低減、および再生可能エネルギーの導入などを順次進めています。
(b)リスクと機会およびシナリオ分析
当社グループは、2026年3月期において、事業活動における気候変動に関連する「リスク」と「機会」を以下のとおり認識したうえで、シナリオ分析を通じた財務/事業インパクトの算出を行いました。
[気候変動に関連する主なリスクと機会]
[シナリオ分析]
[1.5℃/2.0℃および4.0℃シナリオにおける当社グループへのインパクト]
※1:重要度「高」「中」「低」の程度は、気候関連のリスクと機会の「発生可能性」と「影響の程度」を勘案して評価しています。
※2:矢印の色は、気候変動シナリオの区分を示す目的で用いており、薄い灰色は1.5℃/2.0℃シナリオ、黒色は4.0℃シナリオを示しています。影響度の大小や発生可能性の高低を示すものではありません。また、試算が困難であるリスク/機会の影響度については、各項目における定性評価に留め、「-」として表示しています。
(c)リスクと機会に関する具体的な取組
近年、自動運転技術の発展や、生成系AIの市場利用が始まり、必要とされるコンピューティングパワーは指数関数的に増加していくと予測されており、消費電力を抑え、GHG排出量を抑制することが社会的な課題となっています。当社グループでは、市場競争力の維持/向上およびエネルギーコスト増への対策として、開発段階から消費電力の低減に向けた取り組みを行っています。
また、SoCの小型化による使用部材の削減や、省スペース化に向けた取り組みも推進しています。
(ⅰ)SoCの消費電力の削減/低減に向けた取組
[微細化による消費電力の低減]
お客様からのSoCに対する消費電力低減の要求に応えるため、当社グループはプロセスノードの進化(微細化や低電圧化)を追求することで、低消費電力化の対応を進めています。
先端プロセスと既存プロセスにおける消費電力を比較すると、最先端の2nm/3nmプロセスは、28nmプロセスに対し、トランジスタ当たりの消費電力は概ね1/10以下に低減されています。2nm以細の最先端テクノロジー(1.4nm/2nm)への開発投資拡大も進めており、継続して微細化や低電圧化への追求を進めています。
[微細化/低電圧による消費電力低減イメージ]
※:縦軸は 90nm のTotal Power(Dynamic成分とLeakage成分の和)を基準とした各テクノロジーでの相対比となります。
[低消費電力化の実現に向けた設計技術]
当社グループのSoC設計は、お客様の低消費電力化の要望に応えるため、多様な取り組みを行っています。低消費電力SoCを実現するためには、個々の技術だけではなく、様々な技術を組み合わせることが有効です。当社グループの設計環境「リファレンス・デザイン・フロー」は、様々な低消費電力化技術に対応しており、SoCの動作時と待機時の双方の消費電力を削減できます。特に、電源を制御することにより、低消費電力化を図る手法を体系化して開発しています。
また、当社グループは、UPF/CPF(※)を採用することで、お客様の設計資産への変更を抑えつつ、低消費電力化設計を容易にしています。UPF/CPFの採用は、これまでは検証が非常に困難だった低消費電力化技術に対しても信頼性の高い設計を行うことを可能としています。
詳細は当社グループのホームページを参照ください。
https://www.socionext.com/jp/products/customsoc/design/low-power.html
[低消費電力技術]

[低消費電力化を可能とする設計・開発プロセスおよび先端パッケージング・集積技術]
当社グループでは、製品開発の初期段階から環境配慮を組み込んだ開発体制(「デザイン・レビュー」の仕組み)を構築し、運用しており、お客様からの低消費電力要件を丁寧に把握しながら、最適なプロセスノードの選択や、環境負荷の少ない製造パートナー(Fab/OSAT)の選定を進めています。このような「設計から製造・使用段階までの一貫した取り組み」により、製品ライフサイクル全体のGHG排出量削減を支援しています。
近年、半導体業界ではチップレット技術が広く注目されています。チップレットとは、CPUやGPUなどのコンピュートチップと、機能毎に特化した複数のチップを、2.5Dあるいは3Dに集積することによって高機能化、高性能化、低消費電力化を実現する先端パッケージング・集積技術であり、消費電力、コスト、歩留の改善に寄与します。こうした流れの中、当社グループが提案するFlexlets™(フレックスレッツ)は、チップレット技術をさらに発展させた「コンフィギュラブル(用途に応じて柔軟に設計可能)な次世代チップレット」として位置づけられています。Flexletsは、従来の固定機能型チップレットとは異なり、RTLレベルで性能や機能を最適化できるため、アプリケーションごとにきめ細かな電力効率の最適化が可能です。特に高性能コンピューティング、ネットワーク機器、車載用途など、多様な市場において柔軟性を発揮します。さらに、Flexletsは2.5Dや3Dに加え、5.5Dのような複雑なマルチチップ統合技術にも対応できる設計になっており、より高度なチップ間連携を可能にすることで、電力効率の改善と高密度化を両立します。5.5Dは、横方向の高密度配線(インターポーザーやRDLなど)を活用しつつ、必要に応じて縦方向の接続を組み合わせる実装方式で、2.5Dと3Dの特長を融合した大規模、かつ柔軟なチップ実装技術として提案しています。
3D/5.5D積層などのマルチチップ構造では発熱が集中しやすくなるため、熱伝導効率に優れた部材や構造の導入、並びにチップ間の熱干渉を抑えるパッケージ設計が重要です。また、SoC単独で冷却を考えるのではなく、システム全体での冷却効率や冷却コストの最適化を図るため、システム側の冷却系へいかに効率よく放熱するかを考慮し、最新の熱設計(サーマルマネジメント)を取り入れ、高集積化しても安定稼働が可能、かつ高い冷却効率を兼ね備える製品開発を進めています。
また、これまで電気信号で行っていたチップ間通信の一部を光信号に置き換える光電融合技術は、消費電力を大幅に削減しながら高い通信帯域を実現できる将来技術であり、当社グループでも取り組みを進めています。
以上のように、当社グループは、先端テクノロジー製品や、多様な低消費電力化技術を搭載した製品の開発/提供により、お客様のもとでの消費電力の削減に貢献しています。
プロセスノード別の売上推移では、製品売上、NRE売上ともに先端テクノロジー製品(7nm以細)へのシフトが進んでいます。将来的な製品売上の先行指標と言えるNRE売上(2026年3月期)では、先端テクノロジー製品の比率が84%に達しています。
[売上の内訳(プロセスノード別)]

(ⅱ)小型化/省スペース化に向けた取組
当社グループは、SoCの小型化により使用部材(鉱物資源、化石資源)を削減し、原材料から製品にいたる、製造プロセスでのエネルギー削減に貢献しています。
SoCの小型化は、お客様の最終製品における小型化/省スペース化にも直結し、さらには機器動作時の熱管理の容易化にもつながります。この結果として、お客様における使用部材の削減や、製造プロセスでのエネルギー削減だけではなく、電気自動車の航続距離向上やデータセンターの冷却負荷軽減など、最終製品の使用段階においても環境負荷低減に貢献するため、サステナブルな社会の実現につながると考えています。
当社グループが提案する、チップレット技術を発展させたFlexlets™は、メモリ、ネットワーク、PCIeなどの多様な機能のチップを柔軟に組み合わせられるため、限られたスペースの中で高い機能集積を可能にする技術です。また、2.5D/3Dパッケージに加えて5.5Dのような新しい実装方式にも対応でき、従来以上に高密度・省電力な設計が可能となります。
チップレット技術は、小型化/省スペース化だけではなく、低消費電力化やSoCの微細化限界に対するブレークスルーとしても期待されています。低消費電力化の推進にあたっては、チップレット間通信の最適化、低消費電力のインターコネクト技術の採用、また、各チップレットの電力管理を細かく制御するなどの設計技術を適用し、全体の消費電力の削減を図っています。これにより、SoCの微細化の限界を補い、お客様の求める多機能化と環境負荷低減の両立に貢献します。
当社グループは、こうした先端パッケージングとチップレット技術を取り入れた製品を、データセンター/ネットワーク機器、オートモーティブ分野へ展開し、環境と性能の両立を図るソリューションを継続的に提供しています。
[3DIC F2F(Face-to-face)および5.5D構造イメージ]


(ⅲ)データセンターにおける消費電力の削減に向けた取組
3nm以細のテクノロジー製品への開発シフトによる高集積化の進展により、設計/開発業務におけるデータ処理量が増大したため、データセンターでの消費電力は当社グループのGHG排出量(Scope1、2の合算値)の約半分を占めている状況であり、将来的な事業規模の拡大に合わせ、消費電力のさらなる増加が見込まれます。
当社グループでは、データセンターにおける消費電力の低減施策として、CPU/サーバー等を中心に低消費電力型機器の導入/置き換えを順次進めています。また、開発プロセス/開発手法などの改善や、AIを活用する開発プロセスの拡張による業務の効率化により、CPU/サーバーの稼働時間を抑制し、消費電力の低減に取り組んでいます。
データセンターにおいては、2025年3月期より再生可能エネルギーの導入を開始しており、継続して再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を推進していきます。
[環境方針]
当社グループは、先進の技術によって環境性能に優れたSoCおよびそれを核とするソリューションビジネス/サービスの設計、開発および販売を通じて、お客様とともに豊かな地球環境の保護に貢献します。また、以下の行動指針により、当社グループは、開発から調達、生産、流通、販売、使用、廃棄にいたるすべてのライフサイクルを通じて、環境負荷の低減と環境汚染の予防に努めます。
1. 省電力、軽量化、含有化学物質の適正管理など、環境に配慮した製品の開発を積極的に推進することにより、温室効果ガス排出の削減、廃棄物の削減など、地球環境の負荷低減に積極的に貢献します。
2. 開発から調達、生産、流通、販売、使用、廃棄にいたる、サプライチェーン全体での活動を通して、環境負荷の最小化を追求するため、エネルギー/原材料/水資源の有効活用、温室効果ガス/廃棄物/水の排出量管理、材料や副資材に含まれる化学物質の確実な管理に取り組みます。
3. 持続可能な社会を実現するため、資源の有効活用を促進するとともに、環境汚染の予防と、生物多様性や森林保全に配慮した事業活動と貢献活動、およびプラスチックの使用削減を推進します。
4. 各国、各地域の環境関連法規制、およびそれらに関するお客様との個々の合意事項を遵守します。
5. すべての役員および従業員の環境への意識向上を図り、地域社会への環境貢献を推進します。
6. これらの環境活動を有効に実施するために、環境マネジメントシステムを継続的に改善します。
7. 地球環境の保全/負荷低減に向けた活動への賛同、および支援を行うとともに、環境情報の適切な開示や地域環境への貢献を推進することにより、ステークホルダーとの連携/協働を図ります。
[環境マネジメントシステム(ISO14001)構築/認証]
当社は、環境方針の実現に向けた具体的な取り組みとして、国際標準規格ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、外部の認証機関による第三者認証を取得したうえで環境活動を推進しています。
環境マネジメントシステムは、トップマネジメントのもと、環境活動の具体的行動計画の策定、実施および結果のチェック、EMS委員会、マネジメントレビューの実施により、PDCAサイクルを確実に回し、継続的な改善に努めています。環境マネジメントシステムの構築により、活動状況の把握をはじめ、順法や緊急事態への対応など、より実効性の高い活動を可能にしています。

[環境マネジメントシステム(ISO14001)登録証]

[環境マネジメントシステム(ISO14001)推進体制]
当社は、環境管理統括責任者(担当役員)のもと、組織単位で環境責任者を設置し、環境活動を推進しています。また、サステナビリティ推進部門であるESG推進室と連携し、サステナビリティ活動との連携を図っています。四半期毎に開催するEMS委員会では、環境活動の結果をレビューし、情報共有を図っています。

[環境活動内容]
当社は、各部門が環境への影響/課題を評価/抽出し、環境目標の設定および四半期毎に結果確認を行うことにより、環境活動を推進しています。
| 部門 | 環境への影響・課題 | 環境目標および活動事例 |
| 営業部門 | 販売したLSI製品の市場での電力消費、廃棄。 | 環境配慮型製品(低消費電力、小型化)の販売により、電力消費、廃棄物の量を削減。 |
| 事業/開発部門 | 環境配慮型製品(低消費電力、小型化)の開発により、電力消費、廃棄物の量を削減。 | |
| LSI製品不良品の廃棄。 | 開発/製造/試験工程の見直しによる歩留改善。 | |
| 品質・製造技術/生産/調達部門 | LSI試験時間増によるテスターの電力消費。 | 試験最適化、同測数拡大などによる試験時間短縮。 |
| LSI製品への規制化学物質の含有。 | 各国の製品含有化学物質規制の遵守。 | |
| 流通におけるエネルギー消費。 | 流通ルートの短縮/効率化に向けた製造拠点、倉庫拠点の最適化。 | |
| コーポレート部門 | 環境を考慮したIT機器の導入推進。 | PC、ディスプレイ、CPU/サーバー、ストレージなどIT機器のPCグリーンラベル製品、EPEAT認証製品などの導入。 |
| 気候変動、環境規制等への対応体制、プロセスの構築。 | 環境取り組みの社外への情報開示。 | |
| 開発および不良品解析に使用する化学薬品の保有。 | 保有化学薬品の管理、SDS評価。 | |
| 地球環境への貢献。 | 清掃ボランティア活動、ペットボトルキャップのリサイクル。 |
[環境教育]
当社は、役員および従業員一人ひとりの環境意識を高めるため、環境への取り組みに対する考え方や、業務との関わり、環境法令や当社の取り組みについて、すべての役員および従業員に対しe-Learning環境教育を毎年実施しています。
また、社内のイントラネットへ当社の環境活動の目標を含む活動状況を掲載し、すべての役員および従業員への周知と意識高揚に努めています。
[気候変動への対応]
(a)環境に配慮した製品の提供
当社グループは、環境負荷の低減に向けて、再生可能資源の利用促進、エネルギー効率の向上、有害物質の削減、低消費電力型製品の開発を行うことで環境に配慮した製品を提供し、かつ各国の様々な法規制にも対応することで、お客様に安心をお届けします。
ソシオネクストの製品、および包装梱包材は、EU REACH規制(※1)、EU RoHS指令(※2)、中国RoHS指令(※3)、などの法規制に対応しています(使用禁止措置適用除外項目を除く)。
当社グループでは、これらの環境に配慮した製品の提供や、法規制への対応を確実にするため、独自の開発フロー(「デザイン・レビュー」の仕組み)を策定・運用し、開発プロセスの各段階において確認を行っています。
※1:EUにおける化学品の登録/評価/認可および制限を目的とした規制(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)
※2:EUにおいて販売される電子/電気機器に特定有害物質の使用を禁止する指令(Restriction of Hazardous Substances)
※3:中国で販売される電子/電気機器に特定有害物質の使用を禁止する指令(電子情報製品生産汚染防止管理弁法)
当社グループは、我々の提供するSoCによって、お客様のもとでのGHG排出量の低減に貢献し続けていくことが、サステナブルな社会の実現につながると考えています。グローバル市場をリードする主要なお客様との共同開発や、独自のマルチコア設計技術・低電力なAIエンジン/アクセラレータ等の活用等による高性能なカスタムSoCの開発を通じて、お客様の製品のさらなる小型化、高集積化、低消費電力化を実現することで、お客様のイノベーションおよび製品の環境負荷低減に貢献します。
また、設計開発に使用するデータセンターにおいては、CPU/サーバーの消費電力低減、および再生可能エネルギーの導入などを順次進めています。
(b)リスクと機会およびシナリオ分析
当社グループは、2026年3月期において、事業活動における気候変動に関連する「リスク」と「機会」を以下のとおり認識したうえで、シナリオ分析を通じた財務/事業インパクトの算出を行いました。
[気候変動に関連する主なリスクと機会]
| 区分 | 気候変動が当社グループに及ぼす影響 | 当社グループの対策 | ||
| リ ス ク | 移 行 リ ス ク | 政策/法規制 | 省エネ/GHG排出量削減に向けた取り組み/施策によるコスト増(カーボンプライシング等のエネルギーコスト増等)。 | グローバルな動向/法規制の変化を早期に捉えた計画的な施策の検討/実行/評価。 サプライチェーンGHG排出量の把握、パートナーへの削減の働きかけの継続的な実施。 |
| 技術 | 市場競争力維持/向上のための研究開発費増。 市場競争力維持/向上のための製造コスト増。 | お客様、パートナーと連携した低消費電力/省スペースな環境配慮型デバイスとソリューションの開発/提供、およびその開発プロセスの効率化。 | ||
| 市場/評判 | 環境配慮型デバイスを提供できないことによる売上減およびレピュテーションリスク。 | GHG排出量の低減に貢献するサービス/製品の開発/提供。 | ||
| 規制による材料/電力等仕入れ価格のコスト増。 | 使用部材の見直し、データセンターにおける導入機器の効率化などによる消費電力の削減検討。 | |||
| 物 理 リ ス ク | 急性 | 異常気象の激甚化による製造委託先/製品倉庫/データセンターを含むサプライチェーンにおける操業停止。 | 製造委託先、製品倉庫、およびデータセンター等のサプライチェーンにおける操業停止を想定した、拠点分散化や初動対応、早期復旧の実効性向上を含めた事業継続計画の定期的な見直し。 | |
| 慢性 | 水不足による製造委託先の操業停止。 | |||
| 気温上昇によるデータセンター等の電力コスト増。 | 事業所、データセンターにおける導入機器の効率化などによる消費電力の削減検討。 | |||
| 機 会 | 資源の効率性 | 事業所、データセンターにおける資源(エネルギー、水)の効率利用によるコスト削減。 | SoC開発効率化(独自のマルチコア設計技術、低電力なAIエンジン/アクセラレータの活用)によるコスト削減。 | |
| サービス/製品 | お客様の省エネ/GHG排出量削減への貢献に寄与する低消費電力製品を中心とした需要増。 | 低消費電力/省スペースな環境配慮型デバイスとソリューションの開発/提供。 | ||
| 市場 | 低消費電力技術を基盤とした新たなお客様獲得。 | AD/ADAS/データセンター向けSoCを中心としたさらなる低消費電力化/小型化の実現による新たなお客様獲得。 | ||
[シナリオ分析]
| 区分 | シナリオ/参考情報 |
| 期間 | ・短期:~2027年 ・中期:2028年~2030年 ・長期:2031年~2050年 |
| インパクト | ・小:10億円以内 ・中:10億円超50億円以内 ・大:50億円超 ※会計年度単位での影響額 |
| シナリオ | ・1.5℃/2.0℃シナリオ:IEA(国際エネルギー機関)のSDS/NZE、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP/SSP1 ・4.0℃シナリオ:IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5/SSP5 |
| シナリオ分析の進め方 | 当社グループは、IEAやIPCC等が発表する「世界の平均気温がパリ協定で合意した2.0℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」のシナリオでリスクと機会を分析しました。 さらに、IPCC等が発表する「世界の平均気温が産業革命前比で約4.0℃以上上昇する」のシナリオを用いて、気候変動の進行に伴う自然災害の激甚化が事業に与える影響としてより顕在化するとされる物理的リスクにフォーカスし、分析を行いました。 |
[1.5℃/2.0℃および4.0℃シナリオにおける当社グループへのインパクト]
| 区分 | 気候変動が当社グループに及ぼす影響 | 事業活動に対する財務的インパクト | ||||||
| 重要度 (※1) | 発生時期 | 影響 項目 | 影響度 (※2) | |||||
| 小 | 中 | 大 | ||||||
| 移行 リスク | 政策/法規制 | 省エネ/GHG排出量削減に向けた取り組み/施策によるコスト増(カーボンプライシング等のエネルギーコスト増等)。 | 中 | 中・長期 | コスト | ![]() | ||
| 技術 | 市場競争力維持/向上のための研究開発費増。 市場競争力維持/向上のための製造コスト増。 | 高 | 短・中期 | コスト | ![]() | |||
| 市場/評判 | お客様の需要変化による売上減。 環境配慮型デバイスを提供できないことによるレピュテーションリスク。 | 中 | 中・長期 | 売上 | - | |||
| 規制による材料/電力等仕入れ価格のコスト増。 | 中 | 中・長期 | コスト | - | ||||
| 物理 リスク | 急性 | 異常気象の激甚化による製造委託先/製品倉庫/データセンターを含むサプライチェ―ンにおける操業停止。 | 低 | 中・長期 | 売上 | ![]() | ||
| 慢性 | 水不足による製造委託先の操業停止。 | 低 | 中・長期 | 売上 | ![]() | |||
| 気温上昇によるデータセンター等の電力コスト増。 | 中 | 中・長期 | コスト | ![]() | ||||
| 機会 | 資源の効率性 | 事業所、データセンターにおける資源(エネルギー、水)の効率利用によるコスト削減。 | 中 | 中・長期 | コスト | ![]() | ||
| サービス/製品 | お客様の省エネ/GHG排出量削減への貢献に寄与する低消費電力製品を中心とした需要増。 | 中 | 中・長期 | 売上 | - | |||
| 市場 | 低消費電力技術を基盤とした新たなお客様獲得。 | 高 | 中・長期 | 売上 | - | |||
※1:重要度「高」「中」「低」の程度は、気候関連のリスクと機会の「発生可能性」と「影響の程度」を勘案して評価しています。
※2:矢印の色は、気候変動シナリオの区分を示す目的で用いており、薄い灰色は1.5℃/2.0℃シナリオ、黒色は4.0℃シナリオを示しています。影響度の大小や発生可能性の高低を示すものではありません。また、試算が困難であるリスク/機会の影響度については、各項目における定性評価に留め、「-」として表示しています。
(c)リスクと機会に関する具体的な取組
近年、自動運転技術の発展や、生成系AIの市場利用が始まり、必要とされるコンピューティングパワーは指数関数的に増加していくと予測されており、消費電力を抑え、GHG排出量を抑制することが社会的な課題となっています。当社グループでは、市場競争力の維持/向上およびエネルギーコスト増への対策として、開発段階から消費電力の低減に向けた取り組みを行っています。
また、SoCの小型化による使用部材の削減や、省スペース化に向けた取り組みも推進しています。
(ⅰ)SoCの消費電力の削減/低減に向けた取組
[微細化による消費電力の低減]
お客様からのSoCに対する消費電力低減の要求に応えるため、当社グループはプロセスノードの進化(微細化や低電圧化)を追求することで、低消費電力化の対応を進めています。
先端プロセスと既存プロセスにおける消費電力を比較すると、最先端の2nm/3nmプロセスは、28nmプロセスに対し、トランジスタ当たりの消費電力は概ね1/10以下に低減されています。2nm以細の最先端テクノロジー(1.4nm/2nm)への開発投資拡大も進めており、継続して微細化や低電圧化への追求を進めています。
[微細化/低電圧による消費電力低減イメージ]
※:縦軸は 90nm のTotal Power(Dynamic成分とLeakage成分の和)を基準とした各テクノロジーでの相対比となります。[低消費電力化の実現に向けた設計技術]
当社グループのSoC設計は、お客様の低消費電力化の要望に応えるため、多様な取り組みを行っています。低消費電力SoCを実現するためには、個々の技術だけではなく、様々な技術を組み合わせることが有効です。当社グループの設計環境「リファレンス・デザイン・フロー」は、様々な低消費電力化技術に対応しており、SoCの動作時と待機時の双方の消費電力を削減できます。特に、電源を制御することにより、低消費電力化を図る手法を体系化して開発しています。
また、当社グループは、UPF/CPF(※)を採用することで、お客様の設計資産への変更を抑えつつ、低消費電力化設計を容易にしています。UPF/CPFの採用は、これまでは検証が非常に困難だった低消費電力化技術に対しても信頼性の高い設計を行うことを可能としています。
詳細は当社グループのホームページを参照ください。
https://www.socionext.com/jp/products/customsoc/design/low-power.html
| ※ | UPF(Unified Power Format):IEEE Std. 1801として標準化された低消費電力設計指針を記述する標準仕様です。 CPF(Common Power Format)とは、Si2にて標準化された低消費電力設計指針を記述する標準仕様です。 |
[低消費電力技術]

[低消費電力化を可能とする設計・開発プロセスおよび先端パッケージング・集積技術]
当社グループでは、製品開発の初期段階から環境配慮を組み込んだ開発体制(「デザイン・レビュー」の仕組み)を構築し、運用しており、お客様からの低消費電力要件を丁寧に把握しながら、最適なプロセスノードの選択や、環境負荷の少ない製造パートナー(Fab/OSAT)の選定を進めています。このような「設計から製造・使用段階までの一貫した取り組み」により、製品ライフサイクル全体のGHG排出量削減を支援しています。
近年、半導体業界ではチップレット技術が広く注目されています。チップレットとは、CPUやGPUなどのコンピュートチップと、機能毎に特化した複数のチップを、2.5Dあるいは3Dに集積することによって高機能化、高性能化、低消費電力化を実現する先端パッケージング・集積技術であり、消費電力、コスト、歩留の改善に寄与します。こうした流れの中、当社グループが提案するFlexlets™(フレックスレッツ)は、チップレット技術をさらに発展させた「コンフィギュラブル(用途に応じて柔軟に設計可能)な次世代チップレット」として位置づけられています。Flexletsは、従来の固定機能型チップレットとは異なり、RTLレベルで性能や機能を最適化できるため、アプリケーションごとにきめ細かな電力効率の最適化が可能です。特に高性能コンピューティング、ネットワーク機器、車載用途など、多様な市場において柔軟性を発揮します。さらに、Flexletsは2.5Dや3Dに加え、5.5Dのような複雑なマルチチップ統合技術にも対応できる設計になっており、より高度なチップ間連携を可能にすることで、電力効率の改善と高密度化を両立します。5.5Dは、横方向の高密度配線(インターポーザーやRDLなど)を活用しつつ、必要に応じて縦方向の接続を組み合わせる実装方式で、2.5Dと3Dの特長を融合した大規模、かつ柔軟なチップ実装技術として提案しています。
3D/5.5D積層などのマルチチップ構造では発熱が集中しやすくなるため、熱伝導効率に優れた部材や構造の導入、並びにチップ間の熱干渉を抑えるパッケージ設計が重要です。また、SoC単独で冷却を考えるのではなく、システム全体での冷却効率や冷却コストの最適化を図るため、システム側の冷却系へいかに効率よく放熱するかを考慮し、最新の熱設計(サーマルマネジメント)を取り入れ、高集積化しても安定稼働が可能、かつ高い冷却効率を兼ね備える製品開発を進めています。
また、これまで電気信号で行っていたチップ間通信の一部を光信号に置き換える光電融合技術は、消費電力を大幅に削減しながら高い通信帯域を実現できる将来技術であり、当社グループでも取り組みを進めています。
以上のように、当社グループは、先端テクノロジー製品や、多様な低消費電力化技術を搭載した製品の開発/提供により、お客様のもとでの消費電力の削減に貢献しています。
プロセスノード別の売上推移では、製品売上、NRE売上ともに先端テクノロジー製品(7nm以細)へのシフトが進んでいます。将来的な製品売上の先行指標と言えるNRE売上(2026年3月期)では、先端テクノロジー製品の比率が84%に達しています。
[売上の内訳(プロセスノード別)]

(ⅱ)小型化/省スペース化に向けた取組
当社グループは、SoCの小型化により使用部材(鉱物資源、化石資源)を削減し、原材料から製品にいたる、製造プロセスでのエネルギー削減に貢献しています。
SoCの小型化は、お客様の最終製品における小型化/省スペース化にも直結し、さらには機器動作時の熱管理の容易化にもつながります。この結果として、お客様における使用部材の削減や、製造プロセスでのエネルギー削減だけではなく、電気自動車の航続距離向上やデータセンターの冷却負荷軽減など、最終製品の使用段階においても環境負荷低減に貢献するため、サステナブルな社会の実現につながると考えています。
当社グループが提案する、チップレット技術を発展させたFlexlets™は、メモリ、ネットワーク、PCIeなどの多様な機能のチップを柔軟に組み合わせられるため、限られたスペースの中で高い機能集積を可能にする技術です。また、2.5D/3Dパッケージに加えて5.5Dのような新しい実装方式にも対応でき、従来以上に高密度・省電力な設計が可能となります。
チップレット技術は、小型化/省スペース化だけではなく、低消費電力化やSoCの微細化限界に対するブレークスルーとしても期待されています。低消費電力化の推進にあたっては、チップレット間通信の最適化、低消費電力のインターコネクト技術の採用、また、各チップレットの電力管理を細かく制御するなどの設計技術を適用し、全体の消費電力の削減を図っています。これにより、SoCの微細化の限界を補い、お客様の求める多機能化と環境負荷低減の両立に貢献します。
当社グループは、こうした先端パッケージングとチップレット技術を取り入れた製品を、データセンター/ネットワーク機器、オートモーティブ分野へ展開し、環境と性能の両立を図るソリューションを継続的に提供しています。
[3DIC F2F(Face-to-face)および5.5D構造イメージ]


(ⅲ)データセンターにおける消費電力の削減に向けた取組
3nm以細のテクノロジー製品への開発シフトによる高集積化の進展により、設計/開発業務におけるデータ処理量が増大したため、データセンターでの消費電力は当社グループのGHG排出量(Scope1、2の合算値)の約半分を占めている状況であり、将来的な事業規模の拡大に合わせ、消費電力のさらなる増加が見込まれます。
当社グループでは、データセンターにおける消費電力の低減施策として、CPU/サーバー等を中心に低消費電力型機器の導入/置き換えを順次進めています。また、開発プロセス/開発手法などの改善や、AIを活用する開発プロセスの拡張による業務の効率化により、CPU/サーバーの稼働時間を抑制し、消費電力の低減に取り組んでいます。
データセンターにおいては、2025年3月期より再生可能エネルギーの導入を開始しており、継続して再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を推進していきます。





