有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/11/10 15:00
【資料】
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【項目】
136項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第26期事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における航空業界は、長期化する新型コロナウイルス禍での移動需要の低迷により、大きな影響を受けました。また、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が繰り返し発令されるなど、需要の見通しを立てることが難しく、先行き不透明な状況が続きました。上記のとおり旅客需要が激しく変動するなか、感染状況の見極めや予約動向の分析などにより運航便数の最適化に努め、1年を通じて需要の変動に合わせた減便を実施しました。特に緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発令されていた5月・6月・2月は計画便数に対して3~4割の減便を行った一方、旅客需要の回復が見られた11月・12月は減便率を1割以下とするなど、機動的な供給調整を行うことで、変動費の抑制・適正化に努めました。
また、費用については、航空機リース料の見直しや、航空機等の設備投資の精査・見直し、人件費等の固定費削減を継続した他、財務基盤の強化を図るため、増資(2,000百万円)、資本性劣後ローン(合計3,000百万円)及びコミットメントライン契約(最大2,000百万円)に基づく借入実行、タームローン(合計30,000百万円)の借換による資金調達を実施しました。感染症対策については、昨年に引き続き接触ポイントの消毒、機内換気に関する情報の掲示、チェックインカウンターや保安検査場・機内での分割搭乗による人と人との距離の確保の要請、機内でのマスク着用の協力依頼を行い、お客様の健康と安全のための対策を徹底しました。
サービス面では、5年連続定時運航率第1位を獲得したことに加えて、経済産業省が創設した「おもてなし規格認証」制度において、航空業界初となる紺認証を取得しました。その他、新たな試みとして、株式会社ポケモンが企画する社会貢献活動「そらとぶピカチュウプロジェクト」に参画しました。このプロジェクトでは当社初となる全面塗装機「ピカチュウジェットBC」を就航し、旅の喜びや移動の楽しさを発信することで、多くのお客様にご好評いただいております。
足許の状況としては、2022年3月21日にまん延防止等重点措置が解除され、緩やかではありますが旅客数も回復しております。
当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ8,106百万円増加し、93,559百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ9,231百万円増加し、84,259百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1,124百万円減少し、9,299百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における事業収益は47,147百万円(前年同期比38.4%増)、営業損失16,694百万円(前年同期は営業損失31,675百万円)、経常損失15,079百万円(前年同期は経常損失29,602百万円)、当期純損失6,729百万円(前年同期は16,342百万円の当期純損失)となりました。
第27期第2四半期累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期累計期間における経営環境は、新型コロナウイルス感染症第7波の影響に加えて、急激な為替相場の変動による円安や、ロシア・ウクライナ問題に起因する資源価格の高騰など、先行き不透明な状況が続きました。
新型コロナウイルス感染症については、第7波による感染者の増加はあれど、これまでの感染拡大時とは異なり、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による行動制限が行われなかったことで、第1四半期こそ前期末までの行動制限の影響を受けたものの、第2四半期にかけては旅客需要の回復が進みました。
こうした状況を受けて、当社は着実に回復してきている需要をとりこぼさないよう7月以降は、2年5カ月ぶりとなる国内線全便運航を再開しました。7月の搭乗率は73.2%と、前年同月比で22.2ポイント上昇し、8月の搭乗率は80.1%と前年同月比で31.2ポイント上昇しました。
お盆期間中(8月6日から8月16日までの11日間)における旅客数は前年同期比53.9%増の約25万人で、コロナ禍前の2019年度の同期間と比べて96.4%と高い搭乗率になり、回復する移動需要に対応して万全な供給体制を整えたことで、多くのお客様にご搭乗いただくことができました。
また、当社では地域の魅力をより多くのお客様に発信するため、「そらとぶピカチュウプロジェクト」に賛同しております。その一環として、「ピカチュウジェットと夏の思い出を作ろうキャンペーン」を夏休み期間中に行い、対象便にご搭乗頂く回数に応じてオリジナルプレゼントが当たるキャンペーンを実施し、多くのお客様にお楽しみいただきました。
さらに当社では、2022年冬ダイヤより、羽田=福岡線、札幌(新千歳)=福岡線をそれぞれ1日1往復増便し、冬休み期間に向けて移動需要の取り込みに努めるほか、ご好評頂いているピカチュウジェットを使ったキャンペーン施策や特別セール等の増収施策を実施し、増収に努めてまいります。
当第2四半期累計期間の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当第2四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ5,258百万円増加し、98,817百万円となりました。
当第2四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ3,996百万円増加し、88,255百万円となりました。
当第2四半期末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1,262百万円増加し、10,561百万円となりました。
b.経営成績
当第2四半期累計期間における事業収益は40,568百万円(前年同期比100.9%増)、営業利益1,643百万円(前年同期は営業損失10,117百万円)、経常利益4,096百万円(前年同期は経常損失9,759百万円)、四半期純利益2,704百万円(前年同期は9,875百万円の四半期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第26期事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物残高は、前事業年度末に比べて3,987百万円減少(前事業年度末は13,270百万円)し、9,282百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果、使用した資金は12,459百万円(前事業年度は24,529百万円の使用)となりました。これは主に税引前当期純損失13,360百万円(前事業年度は29,918百万円の税引前当期純損失)、長期預け金の増加額4,509百万円(前事業年度は1,435百万円の減少)及び減価償却費2,806百万円(前事業年度は2,955百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果、使用した資金は380百万円(前事業年度は4,722百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出388百万円(前事業年度は4,747百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果、獲得した資金は8,852百万円(前事業年度は29,863百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入れによる収入2,000百万円(前事業年度は30,000百万円)、長期借入れによる収入3,000百万円(前事業年度は-百万円)、株式の発行による収入2,000百万円(前事業年度は-百万円)によるものであります。
第27期第2四半期累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物残高は、8,807百万円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況と増減は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,743百万円となりました。これは主に税引前四半期純利益の計上2,883百万円、定期整備引当金の増加額4,111百万円、長期預け金の増加額7,394百万円、契約負債の増加額4,138百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は144百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出116百万円、敷金保証金の差入による支出33百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,074百万円となりました。これは主に短期借入金の返済による支出2,000百万円、リース債務の返済による支出74百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.営業実績
当事業年度及び第27期第2四半期累計期間の営業実績の状況は、次のとおりであります。
科目当事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比第27期第2四半期累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
金額(百万円)構成比(%)(%)金額(百万円)構成比(%)
航空運送事業収入旅客収入45,64196.8143.839,33497.0
貨物収入210.0-160.0
航空運送事業収入合計45,66396.8143.939,35097.0
附帯事業収入附帯事業収入
(航空運送に附帯関連する事業)
1,4843.263.61,2173.0
合計47,147100.0138.440,568100.0

(注)1.当社は航空事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
2.航空運送事業収入に係る前年同期比については、前事業年度と比較して新型コロナウイルス感染症拡大による影響が一定程度減少したため、大幅に増加しております。
3.最近2事業年度及び第27期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
b.輸送実績
当事業年度及び第27期第2四半期累計期間の輸送実績の状況は、次のとおりであります。
項目当事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比
(%)
第27期第2四半期累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年9月30日)
国内線
有償旅客数(人)4,167,503140.73,219,963
有償旅客キロ(千人・キロ)4,339,195141.73,402,057
有効座席キロ(千席・キロ)8,371,874132.94,932,758
有償座席利用率(%)51.833.268.97

(注)1.有償旅客キロは、各路線各区間の旅客数(千人)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
2.有効座席キロは、各路線各区間の有効座席数(千席)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
3.有償旅客数、有償旅客キロ及び有効座席キロ並びに有償座席利用率に係る前年同期比については、前事業年度と比較して新型コロナウイルス感染症拡大による影響が一定程度減少したため、大幅に増加しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて旅客需要の過去の動向や将来の機材導入及び整備計画、過去の整備実績等を勘案してその時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しております。しかしながら見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、ワクチン接種が一定程度普及したことで旅客需要がコロナ禍以前の水準又はそれを超える水準に回復してきており、2023年3月においては概ねコロナ禍前である2019年度の水準に回復するとの前提に基づき計画を策定しております。そのため、2022年度以降における財務諸表に当該会計上の見積りが及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
第26期事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(資産合計)
当事業年度末における資産については、主に前払燃料費の増加により流動資産が前事業年度末に比べ569百万円増加し23,776百万円に、また機材稼働時間の増加及び円安に伴う長期預け金の増加、将来計画における課税所得の増加に伴う繰延税金資産の増加等により固定資産が前事業年度末に比べ7,537百万円増加し69,782百万円に、総資産合計は前事業年度末に比べ8,106百万円増加し、93,559百万円となりました。
(負債合計)
当事業年度末における負債については、旅客需要の回復に伴う契約負債の増加、機材稼働時間の増加及び円安に伴う定期整備引当金の増加等により流動負債が前事業年度末に比べて8,630百万円増加し60,590百万円に、長期借入金の増加及び1年超の時期に行われる機材整備数の減少に伴う定期整備引当金の減少により固定負債が前事業年度末に比べ601百万円増加し23,669百万円に、負債合計は前事業年度末に比べ9,231百万円増加し、84,259百万円となりました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産については、原油先物価格の上昇に伴う繰延ヘッジ損益の増加及びコロナ禍影響による当期純損失に伴うその他利益剰余金の減少等により、前事業年度末に比べ1,124百万円減少し9,299百万円となりました。
第27期第2四半期累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
(資産合計)
当第2四半期会計期間末における資産については、前事業年度末に比べ主に営業未収入金の増加及び原油価格の下落に伴うデリバティブ債権の減少により流動資産が前事業年度末より243百万円減少し23,532百万円に、円安の進行により外貨建て資産である長期預け金が増加したこと、前期末対比での原油価格の下落に伴うデリバティブ債権の減少により、固定資産が5,501百万円増加し75,284百万円に、総資産合計は前事業年度末に比べ5,258百万円増加し、98,817百万円となりました。
(負債合計)
当第2四半期会計期間末における負債については、主にコロナ禍からの回復に伴う航空券の販売拡大により契約負債が増加したこと、円安の進行に伴い外貨建負債である定期整備引当金が増加したことなどにより、流動負債が前事業年度末に比べて2,994百万円増加し63,584百万円に、主に円安の進行に伴い外貨建負債である定期整備引当金が増加したことなどにより固定負債が前事業年度末に比べ1,001百万円増加し24,670百万円となり、負債合計は前事業年度末に比べ3,996百万円増加し、88,255百万円となりました。
(純資産合計)
当第2四半期会計期間末における純資産については、主に欠損填補によりその他資本剰余金が前事業年度末に比べ6,815百万円減少し4,084百万円に、欠損填補及び四半期純利益により利益剰余金が前事業年度末に比べ9,519百万円増加し2,704百万円に、繰延ヘッジ損益が原油価格が下落したことにより前事業年度末に比べて1,442百万円減少し3,672百万円となり、純資産合計としては、前事業年度末に比べ1,262百万円増加し10,561百万円となりました。
2)経営成績
当社は、航空事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
第26期事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社の当事業年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響はあったものの、緩やかに旅客数は回復しており、収益の目安となる指標である運航便数は前事業年度より10,953便増加し45,335便に、有償旅客数は前事業年度より1,205千人増加し4,167,503名(前年同期比40.7%増)となりました。また、前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社として経営にあたり重視している指標である定時性の向上及び顧客満足の向上に努め、5年連続となる「定時運航率No.1」及び2022年度における「顧客満足度」第1位を獲得いたしました。これにより事業収益は、47,147百万円と前年同期比で38.4%増加しております。事業費につきましては、59,202百万円(前年同期比2.9%減)となりました。主に整備計画の見直しに伴う航空機整備費用の減少等によるものであります。販売費及び一般管理費は4,639百万円(前年同期比2.7%減)となりました。主な要因としては顧問報酬の減少、コロナ禍における広告宣伝費の減少等によるものであります。これらの結果、営業損失につきましては16,694百万円(前年同期は営業損失31,675百万円)となりました。
経常損益につきましては、主に急速に進行した円安に伴う外貨建資産の時価評価による為替差益1,113百万円(前事業年度は60百万円)により営業外収益を2,474百万円、借入金に係る支払利息465百万円(前事業年度は307百万円)の計上等により営業外費用860百万円を計上し、経常損失15,079百万円(前事業年度は29,602百万円)の計上となりました。
特別利益については、自社保有航空機エンジンのセール・アンド・リースバックに係る固定資産売却益を主因として1,718百万円(前事業年度は1百万円)を、特別損失はなし(前事業年度は国際線休止に伴うシステム除却に伴う減損損失等317百万円)、法人税等調整額については将来計画における課税所得に基づき△6,665百万円(前事業年度は△13,239百万円)を計上しており、当期純損失は6,729百万円(前事業年度は16,342百万円の当期純損失)となりました。
第27期第2四半期累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年9月30日)
当第2四半期累計期間においては、上記のとおり旅客需要の回復もあり、有償旅客数は3,219,963名(前年同期比75.7%増)、事業収益は40,568百万円(同100.9%増)となりました。事業費につきましては、運航便数の増加に伴う航空燃料費、空港使用料等の変動費の増加により36,338百万円(同29.8%増)となりました。当第2四半期累計期間における営業利益は1,643百万円(前年同期は10,117百万円の営業損失)、経常利益は円安に伴う為替差益の影響で4,096百万円(前年同期は9,759百万円の経常損失)、四半期純利益は2,704百万円(前年同期は9,875百万円の四半期純損失)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の事業領域である航空業界は、2020年初頭までは観光立国としての政府主導によるインバウンドの積極的誘致など航空需要の拡大が見込まれておりましたが、折しも発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、そうした航空需要は一転し大部分が蒸発するなど厳しい状況に直面しました。2021年度にはワクチン接種の進行等により需要も段階的に回復してきておりますが、変異株の登場により感染が再拡大するなど予断を許さない状況が続いております。また、航空業界は国内海外経済の変動にも直接的に影響を受けやすい環境であり、為替や原油相場の急激な変動等、注視及び対処していかなければならない環境下におかれております。
このような環境下において、当社は中長期的な視野に立ち、安全運航を大前提に、DX推進による顧客利便、生産性の更なる向上、次世代機材の導入を推進することでコロナ禍により傷ついた財務基盤の回復と変化する競争環境下で確実に収益を上げる体制の構築を目指して参ります。
国内事業においては、これまで以上に既存就航地との共生を図り、自治体や企業とのコラボレーション・イベント企画を発案し、その地域と共に発展していけるよう貢献して参ります。また、新規路線の検討においては国内主要空港のみならず地方と地方を結ぶ路線等多角的な検討を行いながら、ビジネス・観光需要だけでなくその地域に根ざした路線就航を検討して参ります。
海外事業においては、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら改めて検討して参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金を基本としておりますが、コロナ禍における持続的な成長及び財務基盤の強化のため、2022年7月に主要金融機関との間でタームローン契約を締結し30,000百万円の借入を行っております。
また、今後の事業展開に係る機動的かつ安定的な資金調達手段の確保及び財務基盤の強化を目的として、同月に主要金融機関との間で総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当事業年度末において、有利子負債の残高は35,872百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は9,282百万円となっております。