有価証券報告書-第42期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度の総資産は9,422,534千円となり、前連結会計年度末に比べ248,096千円増加いたしました。これは、売上高の増加により売掛金が478,376千円増加したこと、及びPortlandia Foodsブランドの買収に伴い無形固定資産が412,338千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,680,457千円となり、前連結会計年度末に比べ267,968千円減少いたしました。これは、返済により短期借入金が202,591千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益818,088千円の計上や剰余金の配当317,387千円の計上により、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ500,701千円増加いたしました。その結果、株主資本は前連結会計年度末に比べ514,713千円増加し、4,628,454千円となり、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ516,065千円増加し4,742,077千円となりました。なお、この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は50.3%となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に見直され、消費は拡大傾向にありましたが、一方で円安や物価高騰の状況が継続しており、景気回復の鈍化が懸念される状況にあります。
食品製造及び食品小売業界におきましても、円安や原料価格の高騰を背景に食品価格の値上げが継続的に実施されており、消費者の経済的負担の高まりによる消費低迷が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような状況において、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガンを掲げ、お客様の食卓に彩りを与え、お客様にご満足いただける商品やサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声に徹底的に耳を傾け、お客様のニーズを起点とした商品やサービスを提供することにより、多くのお客様に当社グループのファンになっていただけるよう取り組んでまいります。
当連結会計年度のB to C販売チャネルである店舗(直営・FC)に関しましては、冷凍食品とアジア等の地域の食品を中心とする新業態である「MeKEL(メケル)」1店舗(直営店)を新規出店するなど、積極的に展開してまいりました。一方で、前連結会計年度に円安や原料価格の高騰等による商品価格の値上げを実施して以降、お客様数は微減傾向にありました。
そのような状況において当社グループは、お客様からの声に真摯に耳を傾け、お客様のニーズに真剣に向き合ってまいりました。
また、当社グループは、商品の開発、製造、販売を一気通貫で行う「食のSPA」モデルを採用し、自社製造商品に係る原材料の仕入れ、配合、製造工程の効率化等によって、製造原価高騰の影響を抑制することに継続して取り組んでまいりました。
当該モデルの強みを最大限に生かし、多くのお客様のご要望にお応えするために、当社グループは当連結会計年度中の2023年12月から2024年2月にかけて、「久世福商店」及び「サンクゼール」の売れ筋商品計149品目を、さらに同じく2024年1月に「MeKEL」の商品240品目の販売価格を、相次いで値下げいたしました。この結果、お客様数は徐々に増加しており、さらにお買い上げ点数の増加によりお客様単価も増加トレンドに転じております。
B to Bの販売チャネルであるホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売チェーンに対する売上高が堅調に推移する一方、来期に向けた商品の入れ替えや新商品の投入に係る販促費等の増加により、売上高は前期比で微増となりました。グローバルに関しましては、米国及び台湾の大手小売チェーンに対する売上高が増加したことに加え、韓国への販売も開始されたこと等により、売上高が大幅に増加いたしました。
サステナビリティに関する活動としましては、本社である信濃町センター(長野県上水内郡信濃町)を囲む約110,000㎡もの広大な森林(通称「サンクゼールの森」)が、2024年3月に「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、環境省の定める令和5年度後期の「自然共生サイト」に認定されました。この森林は毎年、信州大学教育学部森林生態学研究所の協力を得て、植生の調査及び森林整備を実施しており、多種多様な動植物が生息していることが分かっております。今後も「サンクゼールの森」を保護し、活用するためのプロジェクトを通じて、豊かな自然との共生を実現できるよう取り組んでまいります。
また、当社グループの創業者である久世良三氏及びまゆみ氏は、2023年12月に「一般財団法人サンクゼール財団」を設立いたしました。当社グループも両氏の支援活動に対する想いに共感し、共同して当該財団を設立、今後も様々な支援活動に参画してまいります。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高が19,162,919千円(前期比7.3%増)となりました。営業損益は、売上高が増加した一方で、売上総利益率が低下したこと等の影響により、1,289,191千円(前期比19.4%減)の営業利益となりました。経常損益は、為替差益90,906千円等の営業外収益140,470千円を計上した一方で、支払利息23,026千円等の営業外費用28,026千円を計上したことにより、1,401,636千円(前期比13.5%減)の経常利益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、税金費用527,589千円を計上したことにより、818,088千円(前期比22.7%減)の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
出店政策に関しまして当社グループは、商圏人口、賃貸条件、ROIC等の指標を総合的に勘案し、新規出店を行っております。当連結会計年度におきましては、「久世福商店」業態で13店舗(全てFC加盟店)、新業態の「MeKEL」業態で1店舗(直営店)を新規出店いたしました。一方、当連結会計年度において、「久世福商店」業態で1店舗(FC加盟店)を退店いたしました。その結果、当連結会計年度末における店舗は直営店52店舗、FC加盟店119店舗、計171店舗となりました。
当連結会計年度における業態別の店舗数は以下のとおりです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は657,522千円減少し2,660,149千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益が1,345,995千円となった一方で、売上債権が470,432千円増加したこと等により、営業活動のキャッシュ・フローは681,924千円の収入(前連結会計年度は1,055,311千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、Portlandia Foodsブランドの事業譲受による支出が443,110千円、有形固定資産の取得による支出が318,842千円となったこと等により、778,154千円の支出(前連結会計年度は243,430千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が190,670千円減少したこと、配当金の支払額が317,387千円となったこと等により、605,586千円の支出(前連結会計年度は1,235,225千円の収入)となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
ア. 生産実績
イ. 受注実績
当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ウ. 販売実績
当社グループは、食品製造販売事業の単一セグメントであるため、販売チャネル別に記載しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
※前連結会計年度の株式会社イートスタイルの販売実績は、総販売実績の10%未満であるため記載を省略しております。
・直営
当連結会計年度における直営の既存店客数は前年同期を下回ったものの、商品の値下げ施策によりお客様一人あたりの購買点数が増加し、お客様単価は前年同期を上回って推移いたしました。新規出店に関しましては、2023年9月に新業態の「MeKEL」1号店を出店いたしました。当該店舗は冷凍食品とアジア等の地域の食品を中心とする新業態となっております。
以上の結果、直営売上高は6,455,786千円となり、前年同期比で1.4%の減少となりました。
・FC
当連結会計年度におけるFCの既存店客数は前年同期を下回ったものの、商品の値下げ施策によりお客様一人あたりの購買点数が増加し、お客様単価は前年同期を上回って推移いたしました。現在は、新規出店の多くがFCによる出店であることから、当連結会計年度末のFC加盟店の店舗数は119店舗となり、前連結会計年度末と比較して12店舗増加しております。
以上の結果、FC売上高は7,027,083千円となり、前年同期比で12.6%の増加となりました。
・EC
ECにおきましては、アプリやECサイトを通じてブランドのファンであるお客様の獲得に努めており、ECの利用者数が継続して増加いたしました。一方で秋口以降は、前年同期に多くのテレビ番組に取り上げていただいたことの反動や、お客様の節約マインドの高まり等が影響し、売上高の伸びが鈍化いたしました。
以上の結果、EC売上高は1,111,681千円となり、前年同期比で1.5%の増加となりました。
・ホールセール
当連結会計年度におきましては、主要取引先である大手小売チェーンに対する売上高が堅調に推移したものの、第4四半期において、来期に向けた商品の入れ替えや新商品の投入等による販促費が増加いたしました。
以上の結果、ホールセール売上高は3,181,343千円となり、前年同期比で4.0%の増加となりました。
・グローバル
当連結会計年度におきましては、米国及び台湾に加え、韓国での販売も開始された大手小売チェーンに対する売上高が増加いたしました。さらに、2023年6月(当社米国子会社における第2四半期)に買収したPortlandia Foodsブランド商品の売上を計上したことにより、グローバル売上高は1,387,024千円となり、前年同期比で50.2%の増加となりました。
国別の内訳は、米国顧客への売上高が862,477千円、台湾顧客への売上高が483,876千円、その他の地域への売上高が40,670千円であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、19,162,919千円(前期比7.3%増)となりました。チャネル別でみると、直営において前期を下回る結果となりましたが、その他のFC、EC、ホールセール、グローバルチャネルは売上高が前期を上回りました。特にグローバルチャネルにおいては前期比50.2%と大幅な伸びとなり、グループ全体の売上高を牽引いたしました。各チャネルの詳細につきましては以下のとおりであります。
ア. 直営及びFC
直営及びFCの売上高に関しましては、直営が前期比1.4%減、FCが前期比12.6%増となりました。
店舗数はFCを中心に新規出店を進め、前期末と比較して13店舗増加し、さらに新業態である「MeKEL」で1店舗(直営店)を新規出店いたしましたが、2023年秋口以降からお客様数が減少トレンドとなり、既存店のお客様数は前期比で3.1%減少しました。さらに、前期に実施した商品の値上げに対するお客様からのご意見が増加したことも踏まえて、2023年12月から2024年2月にかけて「久世福商品」及び「サンクゼール」の売れ筋商品計149品目と、「MeKEL」の商品240品目の値下げを実施いたしました。これにより、2024年3月期第4四半期にはお客様数及びお買い上げ点数が再び増加トレンドとなり、売上高は前年同期比で7.3%増加いたしました。
イ. EC
ECの売上高は前期比1.5%と微増となりました。前期に多くのテレビ番組に取り上げていただいたことによる反動に加え、食品価格の高騰によるお客様の節約志向の高まり等が主な要因であります。
ウ. ホールセール
ホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売りチェーンにおいて、来期に向けた商品入れ替え及び新商品の投入に係る販促費等の増加により、主に2024年3月期第4四半期の売上高が前期比で大きく減少いたしましたが、通期の売上高は前期比で4.0%と伸長いたしました。
エ. グローバル
グローバルに関しましては、米国の大手小売りチェーン向けの売上高が伸びたことに加え、2023年6月に事業譲受した「Portlandia Foods」ブランドの売上高が計上されたことにより、売上高が前期比で50.2%と大幅に伸長いたしました。また、台湾における大手小売りチェーン向けの売上高が堅調に推移したほか、オーストラリアや香港に加えてカナダや韓国での取り引きも始まり、当社グループの売上高を牽引する成長ドライバーとなっております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い、12,109,171千円(前期比11.8%増)となりました。
売上総利益率は36.8%となり、前期比で2.5ポイント低下いたしました。その主な要因は、チャネル別売上構成比の変化、商品の値下げ施策による影響、そしてホールセールチャネルでの販促費の増加であります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,764,556千円(前期比6.2%増)となりました。この主な要因は、ベースアップ及び新規採用に伴う人件費が前期比で4.1%増加したことによるものです。その他、ブランディングやマーケティングに関する費用、株主関連費用等も増加要因となっております。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,289,191千円(前期比19.4%減)となり、売上高営業利益率は6.7%と前期比で2.3ポイント悪化いたしました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、主に為替差益90,906千円や受取利息13,020千円等を計上したことにより、140,470千円(前期比58.8%増)となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、主に支払利息23,026千円を計上したことにより、28,026千円(前期比58.6%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,401,636千円(前期比13.5%減)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、St.Cousair,Inc.の土地売却による固定資産売却益8,308千円を計上いたしました。また、当連結会計年度の特別損失は、当社が保有する一部の投資有価証券の実質価額が下落したことにより投資有価証券評価損63,949千円を計上いたしました。
以上に加えて、法人税、住民税及び事業税538,395千円、法人税等調整額(貸方)10,805千円、非支配株主に帰属する当期純利益317千円をそれぞれ計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は818,088千円(前期比22.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本政策につきましては、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充当するとともに、配当に関しましては、年間配当総額を前事業年度における当社単体決算の当期純利益30%を目安とした金額となるように実施してまいります。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、原材料費・労務費・製造経費・商品仕入高・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。当社グループは必要な資金について、主に自己資金及び金融機関からの借入金により対応してまいります。
資金の流動性に関しましては、2024年3月末時点で取引金融機関6行との間で合計1,450,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標の達成状況を売上高営業利益率を重視して判断しております。
当連結会計年度の売上高は、直営を除いたFC、EC、ホールセール及びグローバルで売上高が前期比を上回って推移いたしましたが、チャネル別売上構成比の変化、商品価格の値下げ、ホールセールにおける販促費の増加等により売上総利益率が低下いたしました。さらに、人件費や株主関連費用等により販売費および一般管理費が増加したことで、売上高営業利益率は6.7%となり、前期比で2.3ポイント悪化いたしました。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度の総資産は9,422,534千円となり、前連結会計年度末に比べ248,096千円増加いたしました。これは、売上高の増加により売掛金が478,376千円増加したこと、及びPortlandia Foodsブランドの買収に伴い無形固定資産が412,338千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,680,457千円となり、前連結会計年度末に比べ267,968千円減少いたしました。これは、返済により短期借入金が202,591千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益818,088千円の計上や剰余金の配当317,387千円の計上により、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ500,701千円増加いたしました。その結果、株主資本は前連結会計年度末に比べ514,713千円増加し、4,628,454千円となり、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ516,065千円増加し4,742,077千円となりました。なお、この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は50.3%となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に見直され、消費は拡大傾向にありましたが、一方で円安や物価高騰の状況が継続しており、景気回復の鈍化が懸念される状況にあります。
食品製造及び食品小売業界におきましても、円安や原料価格の高騰を背景に食品価格の値上げが継続的に実施されており、消費者の経済的負担の高まりによる消費低迷が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
そのような状況において、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガンを掲げ、お客様の食卓に彩りを与え、お客様にご満足いただける商品やサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声に徹底的に耳を傾け、お客様のニーズを起点とした商品やサービスを提供することにより、多くのお客様に当社グループのファンになっていただけるよう取り組んでまいります。
当連結会計年度のB to C販売チャネルである店舗(直営・FC)に関しましては、冷凍食品とアジア等の地域の食品を中心とする新業態である「MeKEL(メケル)」1店舗(直営店)を新規出店するなど、積極的に展開してまいりました。一方で、前連結会計年度に円安や原料価格の高騰等による商品価格の値上げを実施して以降、お客様数は微減傾向にありました。
そのような状況において当社グループは、お客様からの声に真摯に耳を傾け、お客様のニーズに真剣に向き合ってまいりました。
また、当社グループは、商品の開発、製造、販売を一気通貫で行う「食のSPA」モデルを採用し、自社製造商品に係る原材料の仕入れ、配合、製造工程の効率化等によって、製造原価高騰の影響を抑制することに継続して取り組んでまいりました。
当該モデルの強みを最大限に生かし、多くのお客様のご要望にお応えするために、当社グループは当連結会計年度中の2023年12月から2024年2月にかけて、「久世福商店」及び「サンクゼール」の売れ筋商品計149品目を、さらに同じく2024年1月に「MeKEL」の商品240品目の販売価格を、相次いで値下げいたしました。この結果、お客様数は徐々に増加しており、さらにお買い上げ点数の増加によりお客様単価も増加トレンドに転じております。
B to Bの販売チャネルであるホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売チェーンに対する売上高が堅調に推移する一方、来期に向けた商品の入れ替えや新商品の投入に係る販促費等の増加により、売上高は前期比で微増となりました。グローバルに関しましては、米国及び台湾の大手小売チェーンに対する売上高が増加したことに加え、韓国への販売も開始されたこと等により、売上高が大幅に増加いたしました。
サステナビリティに関する活動としましては、本社である信濃町センター(長野県上水内郡信濃町)を囲む約110,000㎡もの広大な森林(通称「サンクゼールの森」)が、2024年3月に「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、環境省の定める令和5年度後期の「自然共生サイト」に認定されました。この森林は毎年、信州大学教育学部森林生態学研究所の協力を得て、植生の調査及び森林整備を実施しており、多種多様な動植物が生息していることが分かっております。今後も「サンクゼールの森」を保護し、活用するためのプロジェクトを通じて、豊かな自然との共生を実現できるよう取り組んでまいります。
また、当社グループの創業者である久世良三氏及びまゆみ氏は、2023年12月に「一般財団法人サンクゼール財団」を設立いたしました。当社グループも両氏の支援活動に対する想いに共感し、共同して当該財団を設立、今後も様々な支援活動に参画してまいります。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高が19,162,919千円(前期比7.3%増)となりました。営業損益は、売上高が増加した一方で、売上総利益率が低下したこと等の影響により、1,289,191千円(前期比19.4%減)の営業利益となりました。経常損益は、為替差益90,906千円等の営業外収益140,470千円を計上した一方で、支払利息23,026千円等の営業外費用28,026千円を計上したことにより、1,401,636千円(前期比13.5%減)の経常利益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、税金費用527,589千円を計上したことにより、818,088千円(前期比22.7%減)の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
出店政策に関しまして当社グループは、商圏人口、賃貸条件、ROIC等の指標を総合的に勘案し、新規出店を行っております。当連結会計年度におきましては、「久世福商店」業態で13店舗(全てFC加盟店)、新業態の「MeKEL」業態で1店舗(直営店)を新規出店いたしました。一方、当連結会計年度において、「久世福商店」業態で1店舗(FC加盟店)を退店いたしました。その結果、当連結会計年度末における店舗は直営店52店舗、FC加盟店119店舗、計171店舗となりました。
当連結会計年度における業態別の店舗数は以下のとおりです。
| 業態名 | 区分 | 前連結会計年度末 | 増加 | 減少 | 当連結会計年度末 |
| サンクゼール | 直営店 | 12 | - | - | 12 |
| FC加盟店 | 4 | - | - | 4 | |
| 計 | 16 | - | - | 16 | |
| 久世福商店 | 直営店 | 39 | - | - | 39 |
| FC加盟店 | 103 | 13 | 1 | 115 | |
| 計 | 142 | 13 | 1 | 154 | |
| MeKEL | 直営店 | - | 1 | - | 1 |
| FC加盟店 | - | - | - | - | |
| 計 | - | 1 | - | 1 | |
| 全業態合計 | 直営店 | 51 | 1 | - | 52 |
| FC加盟店 | 107 | 13 | 1 | 119 | |
| 計 | 158 | 14 | 1 | 171 |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は657,522千円減少し2,660,149千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益が1,345,995千円となった一方で、売上債権が470,432千円増加したこと等により、営業活動のキャッシュ・フローは681,924千円の収入(前連結会計年度は1,055,311千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、Portlandia Foodsブランドの事業譲受による支出が443,110千円、有形固定資産の取得による支出が318,842千円となったこと等により、778,154千円の支出(前連結会計年度は243,430千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が190,670千円減少したこと、配当金の支払額が317,387千円となったこと等により、605,586千円の支出(前連結会計年度は1,235,225千円の収入)となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
ア. 生産実績
| セグメントの名称 | 第42期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) |
| 食品製造販売(千円) | 4,252,550 | △7.6 |
| 合計(千円) | 4,252,550 | △7.6 |
イ. 受注実績
当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ウ. 販売実績
当社グループは、食品製造販売事業の単一セグメントであるため、販売チャネル別に記載しております。
| 販売チャネル | 第42期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比 |
| 食品製造販売 | ||
| 直営(千円) | 6,455,786 | △1.4% |
| FC(千円) | 7,027,083 | +12.6% |
| EC(千円) | 1,111,681 | +1.5% |
| ホールセール(千円) | 3,181,343 | +4.0% |
| グローバル(千円) | 1,387,024 | +50.2% |
| 合計(千円) | 19,162,919 | +7.3% |
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| Costco Wholesale Corporation | 2,770,654 | 15.5 | 3,174,510 | 16.6 |
| 株式会社イートスタイル | - | - | 2,232,144 | 11.6 |
※前連結会計年度の株式会社イートスタイルの販売実績は、総販売実績の10%未満であるため記載を省略しております。
・直営
当連結会計年度における直営の既存店客数は前年同期を下回ったものの、商品の値下げ施策によりお客様一人あたりの購買点数が増加し、お客様単価は前年同期を上回って推移いたしました。新規出店に関しましては、2023年9月に新業態の「MeKEL」1号店を出店いたしました。当該店舗は冷凍食品とアジア等の地域の食品を中心とする新業態となっております。
以上の結果、直営売上高は6,455,786千円となり、前年同期比で1.4%の減少となりました。
・FC
当連結会計年度におけるFCの既存店客数は前年同期を下回ったものの、商品の値下げ施策によりお客様一人あたりの購買点数が増加し、お客様単価は前年同期を上回って推移いたしました。現在は、新規出店の多くがFCによる出店であることから、当連結会計年度末のFC加盟店の店舗数は119店舗となり、前連結会計年度末と比較して12店舗増加しております。
以上の結果、FC売上高は7,027,083千円となり、前年同期比で12.6%の増加となりました。
・EC
ECにおきましては、アプリやECサイトを通じてブランドのファンであるお客様の獲得に努めており、ECの利用者数が継続して増加いたしました。一方で秋口以降は、前年同期に多くのテレビ番組に取り上げていただいたことの反動や、お客様の節約マインドの高まり等が影響し、売上高の伸びが鈍化いたしました。
以上の結果、EC売上高は1,111,681千円となり、前年同期比で1.5%の増加となりました。
・ホールセール
当連結会計年度におきましては、主要取引先である大手小売チェーンに対する売上高が堅調に推移したものの、第4四半期において、来期に向けた商品の入れ替えや新商品の投入等による販促費が増加いたしました。
以上の結果、ホールセール売上高は3,181,343千円となり、前年同期比で4.0%の増加となりました。
・グローバル
当連結会計年度におきましては、米国及び台湾に加え、韓国での販売も開始された大手小売チェーンに対する売上高が増加いたしました。さらに、2023年6月(当社米国子会社における第2四半期)に買収したPortlandia Foodsブランド商品の売上を計上したことにより、グローバル売上高は1,387,024千円となり、前年同期比で50.2%の増加となりました。
国別の内訳は、米国顧客への売上高が862,477千円、台湾顧客への売上高が483,876千円、その他の地域への売上高が40,670千円であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、19,162,919千円(前期比7.3%増)となりました。チャネル別でみると、直営において前期を下回る結果となりましたが、その他のFC、EC、ホールセール、グローバルチャネルは売上高が前期を上回りました。特にグローバルチャネルにおいては前期比50.2%と大幅な伸びとなり、グループ全体の売上高を牽引いたしました。各チャネルの詳細につきましては以下のとおりであります。
ア. 直営及びFC
直営及びFCの売上高に関しましては、直営が前期比1.4%減、FCが前期比12.6%増となりました。
店舗数はFCを中心に新規出店を進め、前期末と比較して13店舗増加し、さらに新業態である「MeKEL」で1店舗(直営店)を新規出店いたしましたが、2023年秋口以降からお客様数が減少トレンドとなり、既存店のお客様数は前期比で3.1%減少しました。さらに、前期に実施した商品の値上げに対するお客様からのご意見が増加したことも踏まえて、2023年12月から2024年2月にかけて「久世福商品」及び「サンクゼール」の売れ筋商品計149品目と、「MeKEL」の商品240品目の値下げを実施いたしました。これにより、2024年3月期第4四半期にはお客様数及びお買い上げ点数が再び増加トレンドとなり、売上高は前年同期比で7.3%増加いたしました。
イ. EC
ECの売上高は前期比1.5%と微増となりました。前期に多くのテレビ番組に取り上げていただいたことによる反動に加え、食品価格の高騰によるお客様の節約志向の高まり等が主な要因であります。
ウ. ホールセール
ホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売りチェーンにおいて、来期に向けた商品入れ替え及び新商品の投入に係る販促費等の増加により、主に2024年3月期第4四半期の売上高が前期比で大きく減少いたしましたが、通期の売上高は前期比で4.0%と伸長いたしました。
エ. グローバル
グローバルに関しましては、米国の大手小売りチェーン向けの売上高が伸びたことに加え、2023年6月に事業譲受した「Portlandia Foods」ブランドの売上高が計上されたことにより、売上高が前期比で50.2%と大幅に伸長いたしました。また、台湾における大手小売りチェーン向けの売上高が堅調に推移したほか、オーストラリアや香港に加えてカナダや韓国での取り引きも始まり、当社グループの売上高を牽引する成長ドライバーとなっております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い、12,109,171千円(前期比11.8%増)となりました。
売上総利益率は36.8%となり、前期比で2.5ポイント低下いたしました。その主な要因は、チャネル別売上構成比の変化、商品の値下げ施策による影響、そしてホールセールチャネルでの販促費の増加であります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,764,556千円(前期比6.2%増)となりました。この主な要因は、ベースアップ及び新規採用に伴う人件費が前期比で4.1%増加したことによるものです。その他、ブランディングやマーケティングに関する費用、株主関連費用等も増加要因となっております。この結果、当連結会計年度の営業利益は、1,289,191千円(前期比19.4%減)となり、売上高営業利益率は6.7%と前期比で2.3ポイント悪化いたしました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、主に為替差益90,906千円や受取利息13,020千円等を計上したことにより、140,470千円(前期比58.8%増)となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、主に支払利息23,026千円を計上したことにより、28,026千円(前期比58.6%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は1,401,636千円(前期比13.5%減)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、St.Cousair,Inc.の土地売却による固定資産売却益8,308千円を計上いたしました。また、当連結会計年度の特別損失は、当社が保有する一部の投資有価証券の実質価額が下落したことにより投資有価証券評価損63,949千円を計上いたしました。
以上に加えて、法人税、住民税及び事業税538,395千円、法人税等調整額(貸方)10,805千円、非支配株主に帰属する当期純利益317千円をそれぞれ計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は818,088千円(前期比22.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本政策につきましては、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充当するとともに、配当に関しましては、年間配当総額を前事業年度における当社単体決算の当期純利益30%を目安とした金額となるように実施してまいります。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、原材料費・労務費・製造経費・商品仕入高・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。当社グループは必要な資金について、主に自己資金及び金融機関からの借入金により対応してまいります。
資金の流動性に関しましては、2024年3月末時点で取引金融機関6行との間で合計1,450,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標の達成状況を売上高営業利益率を重視して判断しております。
当連結会計年度の売上高は、直営を除いたFC、EC、ホールセール及びグローバルで売上高が前期比を上回って推移いたしましたが、チャネル別売上構成比の変化、商品価格の値下げ、ホールセールにおける販促費の増加等により売上総利益率が低下いたしました。さらに、人件費や株主関連費用等により販売費および一般管理費が増加したことで、売上高営業利益率は6.7%となり、前期比で2.3ポイント悪化いたしました。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。