有価証券報告書-第91期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 16:08
【資料】
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【項目】
138項目

対処すべき課題

当社グループは、「自走する大括りの事業体」「新しい成長の芽の継続的探索」「一流のものづくり」を基本方針とした「13中計」の実現に努めてまいりました。
当連結会計年度で最終年度を迎えた「13中計」は、カセロネス銅鉱山におけるフル操業体制への遅れや銅価格の下落等により目標に対して大幅未達となりました。しかしながら、中計で目指してきた各事業セグメントにおける自立自走体制の下、新規事業創出に繋がる「成長の芽の探索」を行いつつ、排ガス浄化触媒事業の海外展開による事業拡大、極薄銅箔の競争力強化・製造能力増強、非鉄金属リサイクルを中心に据えた製錬への構造転換、自動車機器事業における新興国市場を中心とした自動車メーカーのグローバル生産体制への対応等の諸施策を実行いたしました。
このような認識の下、平成28年(2016年)度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「16中計」を策定し、本年4月よりスタートいたしました。10年後のありたい姿を見据え「機能材料、金属、自動車機器の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出可能な体制を構築する」を「16中計」の基本方針として、各事業セグメントで「13中計の収穫」「既存事業の基盤強化」「将来への布石作り」の重点施策に取り組み、更なる経営基盤の強化を図ってまいります。
「16中計」における各事業セグメントの重点施策は以下のとおりです。
機能材料事業においては、排ガス浄化触媒事業における四輪車向け増産投資の収益貢献、銅箔事業における極薄銅箔の更なる拡販を実現してまいります。また、企画部門の強化と研究体制の一元化により「市場共創型(企業が提供する商品やサービス等をお客様とともに創る形態)」の事業体へ変革しつつ、成長商品・事業を創出してまいります。
金属事業においては、非鉄金属リサイクル原料の集荷量・処理量の増加等により、当社の強みである製錬ネットワークを強化していくとともに、回収プロセス技術の開発も進め、有価金属回収量を増加させ、収益拡大に努めてまいります。カセロネス銅鉱山においては、今後もパンパシフィック・カッパー株式会社を通じて、操業状況を的確に把握し、早期のフル操業体制確立に向けて、監視を強化してまいります。
ドアロックを主力とする自動車機器事業では、「13中計」で設立した新規海外拠点の戦力化と平成31年(2019年)度以降への布石として北米市場・中国市場への拡販を積極的に推進していくとともに原価低減にも継続的に注力し事業拡大に努めてまいります。
これらの施策に加えて、キャッシュ・フローを重視し、財務体質の強化を目指すとともに、的確な事業判断を推し進め、スピード感を持った競争力のある企業体質への転換を実現することにより企業価値の向上に努めてまいります。