訂正有価証券報告書-第45期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2016/06/20 15:56
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【項目】
127項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
① 概況
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度に比べ売上高は28,322百万円増収(+10.2%)の304,911百万円、経常利益は10,949百万円増益(+24.9%)の54,839百万円となり、当期純利益は552百万円増益(+1.9%)の29,567百万円となりました。
② 為替レートと油価
当連結会計年度の1キロリットル当たりの原油販売価格は、秋以降の下落を受けて、通年の平均販売価格では前連結会計年度に比べ10,764円下落の58,733円/klとなりました。
国産原油の販売価格は、基本的に海外原油の本邦への円建輸入価格に連動して決定されます。原油CIF価格に基づく油価は1バレル当たり96.48ドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ14.03ドル下落しております。
一方、為替レートは106.23円/ドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ6.92円の円安となりました。ドル建原油価格の下落が円安による原油価格上昇より影響が大きかったことにより、原油販売価格は前連結会計年度に比べて下落しております。
海外買入原油の販売につきましては仕入価格と連動するため、油価・為替の変動が損益に与える影響は軽微であります。
ビチューメンの1バレル当たりの販売価格は55.86カナダドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ4.19カナダドル上昇しております。
また、為替レートは103.63円/カナダドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ5.21円の円安となりました。
③ 設備投資と減価償却費等
当連結会計年度の設備投資額は97,770百万円(前連結会計年度比29,471百万円の減少)となりました。主なものは、カナダ国におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びオイルサンド開発に係る投資額などであります。減価償却費は16,811百万円(前連結会計年度比1,244百万円の増加)となりました。
また、当連結会計年度のイラク共和国ガラフ油田の開発等に係る生産物回収勘定への支出額は31,396百万円(前連結会計年度比10,842百万円の増加)となりました。生産物回収勘定の回収額は33,665百万円(前連結会計年度比19,915百万円の増加)となりました。
④ 探鉱活動
当連結会計年度の探鉱費は、前連結会計年度に比べ5,310百万円減少して4,489百万円となりました。
探鉱費の内訳は、国内では、主に北海道における探鉱掘さく作業、並びに秋田県での地震探鉱作業によるものであり、海外では、主にインドネシア及びカナダでの探鉱掘さく及び地震探鉱作業などによるものであります。
⑤ 売上高の状況
当連結会計年度の売上高の構成は、「原油・天然ガス」が245,631百万円(構成比80.6%)、「請負」が10,487百万円(構成比3.4%)、「その他」が48,792百万円(構成比16.0%)となっております。
以下、最も割合の大きい「原油・天然ガス」について分析いたします。
原油の販売数量は2,064千klと前連結会計年度に比べ504千kl増加(+32.3%)となりました。数量増となった主な要因は、イラク共和国ガラフ油田の原油販売が通年にわたり寄与したことや、カナダ ノースモントニー鉱区の販売数量が増加したことなどによるものであります。
原油の販売価格は②為替レートと油価の項目で述べましたとおり下落しておりますが、先に述べました販売数量の増加により原油の売上高は121,240百万円と前連結会計年度に比べ12,832百万円増加(+11.8%)しております。
天然ガスの販売数量は1,710百万㎥と前連結会計年度に比べ291百万㎥増加(+20.6%)となりました。数量増となった主な要因は、カナダ ノースモントニー鉱区の天然ガス販売数量が増加したことなどによるものであります。
一方で天然ガスの販売価格は前連結会計年度と比べ1.36円/㎥下落して49.09円/㎥となりましたが、天然ガスの売上高は83,974百万円と前連結会計年度に比べ12,390百万円増加(+17.3%)しております。
液化天然ガスは、前連結会計年度に比べ5千トン増加(+2.1%)の274千トンを販売し、売上高は28,311百万円と前連結会計年度に比べ2,108百万円増加(+8.0%)しました。
ビチューメンは、前連結会計年度に比べ10千kl減少(△3.0%)の332千klを販売し、売上高は12,105百万円と前連結会計年度に比べ1,143百万円増加(+10.4%)しました。
⑥ 営業費用
売上原価は234,649百万円と前連結会計年度に比べ24,188百万円増加しております。これは主に、イラク共和国ガラフ油田の原油販売数量の増加に伴うものであります。
販売費及び一般管理費は33,625百万円と前連結会計年度に比べ1,932百万円増加しました。
探鉱費については、④探鉱活動をご参照ください。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ7,512百万円増益の32,146百万円となりました。
⑦ 営業外損益
営業外収益は、有価証券売却益などの減少がありましたが、為替差益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ3,906百万円増加の24,491百万円となりました。一方、営業外費用は、海外投資等損失引当金繰入額などの増加により、前連結会計年度に比べ469百万円増加の1,799百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ10,949百万円増益の54,839百万円となりました。
⑧ 特別損益
特別損失は、減損損失が減少したことなどにより、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ3,840百万円減少の4,507百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は50,373百万円(前連結会計年度に比べ14,789百万円増益)となりました。
⑨ 当期純利益
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は17,644百万円(前連結会計年度に比べ12,077百万円増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したことに加え、税制改正に伴う繰延税金負債の評価替えや将来の回収可能性の見直しにより繰延税金資産を取崩したことなどによるものであります。
少数株主利益は前連結会計年度に比べ2,159百万円増加の3,161百万円となりました。
以上の結果、税効果会計適用後の法人税等及び少数株主利益を控除した後の当期純利益は29,567百万円(前連結会計年度に比べ552百万円増益)となりました。
(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産・負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ73,824百万円増加し、736,862百万円となりました。主な増加要因は、建設仮勘定の増加により有形固定資産が89,165百万円増加したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ30,091百万円増加し、196,214百万円となりました。主な増加要因は、短期借入金や流動負債その他の増加により流動負債が29,413百万円増加したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ43,732百万円増加し、540,647百万円となりました。主な増加要因は、利益剰余金、為替換算調整勘定及び少数株主持分が増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ39,827百万円増加し、142,657百万円となりました。主な内訳は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は78,666百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益50,373百万円、減価償却費16,811百万円、生産物回収勘定の回収額33,665百万円等の資金の増加がありましたが、持分法による投資利益11,996百万円、仕入債務の減少9,853百万円等の資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は63,031百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出86,756百万円の資金の減少に対し、定期預金の払戻しによる収入28,582百万円の資金の増加があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は18,475百万円となりました。これは主に短期借入による収入223,797百万円及び短期借入金の返済による支出202,648百万円の資金の減少があったことによるものであります。
③ 財務政策
当社及び連結子会社では運転資金及び設備資金等について、以下のように管理しております。
運転資金は、主に内部資金により調達しておりますが、一部の連結子会社においては、一時的に資金が不足した場合、原則として当社グループ内で融通しております。また、運転資金の効率的な調達を目的として取引銀行7行と総額68,546百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。なお、短期借入金として当連結会計年度末に50,809百万円計上しておりますが、これはカナダ国におけるシェールガス開発・生産プロジェクトに必要な資金を調達したものであり、㈱国際協力銀行及び市中銀行による協調融資組成までのつなぎ融資であります。
設備投資や海外事業投資のための資金についても、主に内部資金により調達しておりますが、投資金額が多額な場合、手元流動性とのバランスやその投資の性質を勘案し、長期の借入を行うことがあります。当連結会計年度末の1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の合計残高は、前連結会計年度末に比べ4,435百万円増の30,955百万円となっており、主な内訳は、インドネシアのカンゲアン鉱区の開発資金宛て借入が23,872百万円、カナダ国のオイルサンド開発資金宛て借入が4,306百万円であります。
この他、当社グループは偶発債務として、海外のプロジェクト会社等の事業資金宛ての銀行借入等及び当社従業員の住宅ローンに対する保証債務が、当連結会計年度末において32,238百万円ありますが、これらに対する支払準備は、預金及び市場性のある有価証券により流動性を確保しております。