訂正有価証券報告書-第46期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/07/14 9:18
【資料】
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【項目】
128項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し継続評価しており、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらとは異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
① 概況
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度に比べ売上高は64,609百万円減収(△21.2%)の240,302百万円、経常利益は50,187百万円減益(△91.5%)の4,652百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は27,477百万円減益(△92.9%)の2,090百万円となりました。
② 為替レートと油価
当連結会計年度の1キロリットル当たりの原油販売価格は、夏場以降の下落を受けて、通年の平均販売価格では前連結会計年度に比べ25,240円下落の33,493円/klとなりました。
国産原油の販売価格は、基本的に海外原油の本邦への円建輸入価格に連動して決定されます。原油CIF価格に基づく油価は1バレル当たり51.48ドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ45.00ドル下落しております。
一方、為替レートは121.06円/ドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ14.83円の円安となりました。ドル建原油価格の下落が円安による原油価格の上昇より影響が大きかったことにより、原油販売価格は前連結会計年度に比べて下落しております。
海外買入原油の販売につきましては仕入価格と連動するため、油価・為替の変動が損益に与える影響は軽微であります。
ビチューメンの1バレル当たりの販売価格は21.05ドル(加重平均)と、前連結会計年度に比べ29.43ドル下落しております。
③ 設備投資と減価償却費等
当連結会計年度の設備投資額は84,214百万円(前連結会計年度比13,555百万円の減少)となりました。主なものは、カナダ国におけるシェールガス開発・生産プロジェクト及びオイルサンド開発に係る投資額などであります。減価償却費は17,078百万円(前連結会計年度比266百万円の増加)となりました。
また、当連結会計年度のイラク共和国ガラフ油田の開発等に係る生産物回収勘定への支出額は42,958百万円(前連結会計年度比11,562百万円の増加)となりました。生産物回収勘定の回収額は41,402百万円(前連結会計年度比7,737百万円の増加)となりました。
④ 探鉱活動
当連結会計年度の探鉱費は、前連結会計年度に比べ2,026百万円増加して6,516百万円となりました。
探鉱費の内訳は、国内では、主に新潟県における探鉱掘さく作業、並びに地質調査作業によるものであり、海外では、主に英領北海における海上鉱区での探鉱掘さく作業によるものであります。
⑤ 売上高の状況
当連結会計年度の売上高の構成は、「原油・天然ガス」が189,103百万円(構成比78.7%)、「請負」が9,797百万円(構成比4.1%)、「その他」が41,401百万円(構成比17.2%)となっております。
以下、最も割合の大きい「原油・天然ガス」について分析いたします。
原油の販売数量は主にイラク共和国ガラフ油田の販売数量が増加したことなどにより2,926千klと前連結会計年度に比べ862千kl増加(+41.8%)しましたが、一方で原油の販売価格は②為替レートと油価の項目で述べましたとおり下落したことにより、原油の売上高は98,023百万円と前連結会計年度に比べ23,217百万円減少(△19.1%)しております。
天然ガスの販売数量は主にカナダ国ノースモントニー鉱区の天然ガス販売数量が増加したことなどにより1,780百万㎥と前連結会計年度に比べ69百万㎥増加(+4.1%)しましたが、一方で天然ガスの販売価格は前連結会計年度と比べ10.63円/㎥下落して38.46円/㎥となりましたことにより、天然ガスの売上高は68,469百万円と前連結会計年度に比べ15,504百万円減少(△18.5%)しております。
液化天然ガスは、前連結会計年度に比べ65千トン減少(△24.0%)の208千トンを販売し、売上高は17,715百万円と前連結会計年度に比べ10,595百万円減少(△37.4%)しました。
ビチューメンは、前連結会計年度に比べ25千kl減少(△7.8%)の306千klを販売し、売上高は4,894百万円と前連結会計年度に比べ7,210百万円減少(△59.6%)しました。
⑥ 営業費用
売上原価は193,022百万円と前連結会計年度に比べ41,626百万円減少しております。これは主に、買入海外原油などの仕入価格の下落によるものであります。
販売費及び一般管理費は32,426百万円と前連結会計年度に比べ1,198百万円減少しました。
探鉱費については、④探鉱活動をご参照ください。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ23,810百万円減益の8,336百万円となりました。
⑦ 営業外損益
営業外収益は、サハリン石油ガス開発㈱等の持分法による投資利益が減少しましたことや、前連結会計年度において計上しておりました為替差益が当連結会計年度においては為替差損の計上となったことなどにより、前連結会計年度に比べ17,776百万円減少の6,715百万円となりました。一方、営業外費用は、先に述べましたとおり為替差損の計上となったことなどにより、前連結会計年度に比べ8,600百万円増加の10,399百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ50,187百万円減益の4,652百万円となりました。
⑧ 特別損益
特別利益は、土地の売却益などにより、前連結会計年度に比べ40百万円増加の82百万円となりました。一方、特別損失は、減損損失が減少したことなどにより、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ1,282百万円減少の3,225百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ48,864百万円減益の1,508百万円となりました。
⑨ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」に「法人税等調整額」を加えた法人税等の金額は6,388百万円(前連結会計年度に比べ11,255百万円減少)となり、税金等調整前当期純利益1,508百万円に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は423.4%となりました。これは当社の法定実効税率である28.9%に比べ394.5%高くなっております。これは主に、税金等調整前当期純利益に対する税効果会計における評価性引当額の比率が増加したことなどによるものであります。
非支配株主に帰属する当期純損失は6,970百万円(前連結会計年度は3,161百万円の非支配株主に帰属する当期純利益)となりました。
以上の結果、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した後の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ27,477百万円減益の2,090百万円となりました。
(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産・負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ29,260百万円減少し、707,601百万円となりました。
流動資産は、有価証券や短期貸付金の減少により前連結会計年度末に比べ24,854百万円減少し、173,638百万円となりました。固定資産は、建設仮勘定は増加しましたが投資有価証券が減少したこと等により前連結会計年度末に比べ4,406百万円減少し、533,963百万円となりました。
一方、負債合計は、前連結会計年度末に比べ16,069百万円増加し、212,284百万円となりました。
流動負債は、短期借入金等の減少により前連結会計年度末に比べ80,578百万円減少し、32,290百万円となりました。固定負債は、長期借入金等の増加により前連結会計年度末に比べ96,648百万円増加し、179,994百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ45,330百万円減少し、495,317百万円となりました。
株主資本は、前連結会計年度末に比べ609百万円減少し、360,109百万円となりました。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金等の減少により前連結会計年度末に比べ38,779百万円減少し、60,899百万円となりました。非支配株主持分は、前連結会計年度末に比べ5,941百万円減少し、74,308百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,086百万円減少し、126,570百万円となりました。主な内訳は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は57,659百万円となりました。これは主に生産物回収勘定の回収額41,402百万円、減価償却費17,078百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は125,771百万円となりました。これは主に、利息及び配当金の受取額5,784百万円及び貸付金の回収による収入5,065百万円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出92,953百万円、生産物回収勘定の支出42,958百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は54,816百万円となりました。これは主に短期借入れによる収入及び返済で差引き42,743百万円の支出がありましたが、長期借入れによる収入及び返済で差引き93,318百万円の収入があったことに加えて、非支配株主からの払込みによる収入11,005百万円等があったことによるものであります。
③ 財務政策
当社及び連結子会社では運転資金及び設備資金等について、以下のように管理しております。
運転資金は、主に内部資金により調達しておりますが、一部の連結子会社においては、一時的に資金が不足した場合、原則として当社グループ内で融通しております。また、効率的な資金調達を目的として当連結会計年度末において取引銀行7行と総額113,611百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
設備投資や海外事業投資のための資金は、投資金額が多額な場合、手元流動性とのバランスやその投資の性質を勘案し、長期の借入を行うことがあります。当連結会計年度末の長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は、130,030百万円となっており、主な内訳は、インドネシアのカンゲアン鉱区の開発資金宛て借入が13,521百万円、カナダ国におけるシェールガス開発資金及びオイルサンド開発資金宛て借入がそれぞれ63,641百万円、50,867百万円であります。
この他、当社グループは偶発債務として、海外のプロジェクト会社の事業資金宛て銀行借入及び当社従業員の住宅ローン等に対する保証債務が、当連結会計年度末において26,171百万円ありますが、これらに対する支払準備は、預金及び市場性のある有価証券により流動性を確保しております。