有価証券報告書-第17期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/29 13:06
【資料】
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【項目】
162項目
(4)【役員の報酬等】
a)役員の報酬等の額又はその算定方法の決定方針の内容及び決定方法等
(役員報酬の基本方針)
当社の取締役の報酬は、以下を基本方針としています。
1.当社の経営理念の実現に向けた、優秀な経営人財の確保・維持に資するものであること
2.当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上への貢献意識を高めるものであること
3.株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、透明性・客観性の高い報酬制度であること
当社は、当該基本方針に基づき、当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針について以下のとおり取締役会において決議しております。なお、取締役の個人別の報酬等の決定にあたり、取締役会の諮問機関として、社外取締役を過半数とする指名・報酬諮問委員会がその原案について、当該決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っていることから、取締役会もその答申を尊重し、決定方針に沿うものと判断しております。
(報酬水準)
当社の取締役の報酬水準は、外部調査機関のデータを活用し、同規模企業群や類似業種をピアグループとした役位ごとの水準にかかる調査・分析を行い、指名・報酬諮問委員会において妥当性を検証のうえ、取締役会の決議により設定します。また、外部環境の変化等に応じて、適宜見直しを行うものとします。
(報酬構成)
当社の取締役(社外取締役を除く)の報酬構成は、役位ごとの職務内容に応じた「基本報酬」、短期インセンティブ報酬としての「賞与」、中長期インセンティブとしての「株式報酬」から構成されます。なお、社外取締役および監査役の報酬は、その職務の独立性の観点から、「基本報酬」のみで構成しています。
1.基本報酬
・各取締役の役位ごとの職務内容に基づき、月例の固定報酬として支給する金銭報酬
・上記に加え、社外取締役のうち委員を兼任する場合は、月例の固定報酬に加算して支給する金銭報酬
2.賞与
・単年度の会社業績や担当部門業績を勘案した毎年6月に支給する業績連動型の金銭報酬
・会社業績指標は、当社の主要な財務指標である親会社株主に帰属する当期純利益(以下「当期利益」)と探鉱投資前営業キャッシュ・フローに加え、非財務指標として当社の使命であるエネルギーの安定供給を果たすうえで不可欠となる安全指標(重大な事故ゼロ)を採用し、これらの目標達成度に応じて下表の評価ウェイトに基づき報酬額を算定し、最終的な報酬額は0~200%の範囲内で変動します。
・担当部門業績は、社長・会長等を除く各取締役が管轄する担当部門の目標達成度について毎年評価を行うこととし、会社業績指標の達成度に基づき算定された各取締役の賞与額に各本部の評価結果を反映します。
賞与のKPI評価ウェイト
財務指標当期利益45%
探鉱投資前営業キャッシュ・フロー45%
非財務指標安全指標(重大な事故ゼロ)10%

3.株式報酬
・当社の中長期的な業績及び企業価値向上への取締役の貢献意識を高めることを目的とした業績連動型の要素と、取締役の自社株保有を通じて株主との利害共有意識を強化することを目的とした固定型の要素を併せた取締役の退任後に支給する株式報酬
・役位ごとに株式報酬基準額を定め、当該基準額の一部を業績連動(Performance Share)、残りを非業績連動(Non-Performance Share)の株式報酬として構成します。
・業績連動部分にかかる会社業績指標は、中期経営計画における主要な経営指標である当期利益・探鉱投資前営業キャッシュ・フロー・ROE・総還元性向に加えて、石油・天然ガス事業の徹底した強靭化とネットゼロ5分野における各事業の推進を目標としたバレル当たり生産コスト・温室効果ガス排出原単位を採用し、これらの目標達成度に応じて、下表の評価ウェイトに基づき報酬額を算定し、最終的な報酬額は0~200%の範囲内で変動します。
・非業績連動部分は、株主との利害共有意識を強化する観点から、交付株式数が固定された株式報酬として支給します。
・株式報酬は、信託型株式報酬制度を通じて支給します。本制度は、制度対象者に対して、役位や業績等に応じたポイントを毎年付与し、原則として制度対象者の退任後に、累積したポイント数に相当する当社株式を信託から交付するものです。
・株式報酬は、取締役等に重大な不正・違反行為等が発生した場合、当該取締役等に対し、本制度における当社株式等の交付等を受ける権利の喪失または没収(マルス)、交付した当社株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができるものとします。
株式報酬のKPI評価ウェイト
財務指標当期利益30%
探鉱投資前営業キャッシュ・フロー30%
ROE10%
総還元性向10%
非財務指標バレル当たり生産コスト10%
温室効果ガス排出原単位10%

・目標達成度が100%の場合の社長の基本報酬、賞与、株式報酬の比率は概ね50%:30%:20%となるように設定しています。
(報酬決定プロセス)
・当社は、取締役の報酬の決定にかかる取締役会機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会を設置しており、同委員会の答申を受け、取締役会において取締役の報酬の額又はその算定方法にかかる決定方針を定めています。なお、監査役の報酬は、株主総会で承認された金額の枠内で監査役の協議により決定しております。
・指名・報酬諮問委員会は、原則として年4回以上開催することとし、取締役報酬等の額及び算定方法並びに個人別の報酬等の内容の決定方針にかかる主要事項を審議のうえ、取締役会に対して助言・提言を行っており、取締役会はその助言・提言の内容を最大限に尊重して意思決定を行います。なお、取締役の個人別の報酬支給額(担当部門業績評価を踏まえた賞与の最終支給額等)については、当社の経営状況を最も熟知している代表取締役社長である上田隆之が、取締役会決議により一任を受け、同委員会の助言・提言の内容に基づき決定します。
・当社を取り巻く外部環境や社会・経済情勢等に鑑み、業績連動報酬にかかる目標値や算定方法等の妥当性について、指名・報酬諮問委員会において慎重に審議を行ったうえで、取締役会の決議により、各取締役の報酬額算定に調整を加えることがあります。
b)提出会社の役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する役位ごとの方針
上記a)の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に従い決定しております。
c)提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
当事業年度における取締役及び監査役の報酬等の額は以下のとおりであります。
役員区分報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)対象となる
役員の員数(名)
基本報酬賞与株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
525368119379
監査役
(社外監査役を除く)
3333--1
社外役員165165--11

(注)1.上表には、2022年3月25日開催の第16回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役4名(うち、社外取締役2名)を含んでおります。
2.取締役の基本報酬は、2022年3月25日開催の第16回定時株主総会において、賞与を含めて年額9億円以内(うち社外取締役に対して1億円以内)と決議しており、当該決議日時点の員数は12名(うち社外取締役は5名)です。
3.監査役の基本報酬は、2022年3月25日開催の第16回定時株主総会において、年額1億4,000万円以内と決議しており、当該決議日時点の員数は5名です。
4.賞与及び株式報酬は、業績連動報酬に該当します。また、株式報酬は非金銭報酬等に該当します。
5.当社は、2018年6月26日開催の第12回定時株主総会において、取締役及び執行役員の株式報酬制度(役員報酬BIP信託)の導入を決議いたしました。表の株式報酬は、取締役に対する役員報酬BIP信託に関して当事業年度中に付与した株式付与ポイントに係る費用計上額です。なお、2022年3月25日開催の第16回定時株主総会において当社が拠出する1事業年度あたりの金員の上限は4億3,400万円、制度対象者に付与するポイントの1事業年度あたりの上限は806,000ポイント(当社株式806,000株相当)に改定しており、当該決議日時点の取締役(社外取締役及び国内非居住者を除く)の員数は7名です。
d)提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
e)使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
使用人兼務役員の使用人給与のうち重要なものはありません。
f)当事業年度の提出会社の役員の報酬等の額の決定過程における、提出会社の取締役会及び委員会の活動内容
当事業年度の役員報酬等の額の決定に当たっては、指名・報酬諮問委員会において2022年12月期取締役賞与及び株式報酬等について計5回の審議を行い、当該審議の結果を踏まえ、取締役会において議論しております。指名・報酬諮問委員会及び取締役会の、各回の報酬に係る主な審議事項は以下の通りです。
(指名・報酬諮問委員会)
2022年10月開催「2023年1月1日付執行役員人事について」
2022年11月開催「2023年1月1日付執行役員人事及び担当業務委嘱について」
2022年12月開催「2023年3月の役員選任について」「2022年12月期取締役賞与・株式報酬について」
2023年2月開催「取締役候補者選任(中間報告)」「2022年12月期取締役賞与案及び株式報酬案(中間報告)」
2023年2月開催「取締役候補者選任の件」「2022年12月期取締役賞与及び株式報酬の件」
(取締役会)
2022年3月開催「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針改定の件」
2022年5月開催「株式交付規程改定の件」
2023年2月開催「第17回定時株主総会目的事項決定」
g)業績連動指標とその選択理由
上記a)の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(報酬構成)2.賞与及び3.株式報酬に従い決定しております。
h)業績連動報酬額の決定方法
上記a)の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(報酬決定プロセス)に従い決定しております。
i)当事業年度における業績連動報酬に係る指標の目標と実績
目標実績
当期利益2,500億円4,382億円
探鉱投資前営業キャッシュ・フロー7,100億円10,616億円
安全指標重大な事故ゼロ重大な事故ゼロ
総還元性向40%46.4%
ROE中期経営計画2022-2024における経営指標・事業目標を達成すべく設定された数値12.7%
バレル当たり生産コスト5.8米ドル/バレル
温室効果ガス排出原単位28kg/boe

なお、当年度の業績連動報酬の算定においては、指名・報酬諮問委員会における多角的な検討、審議を経て決定しています。
事業活動ハイライト
・アンゴラ共和国 ブロック 14 鉱区事業の売却(1月)
・島根・山口県沖合における試掘調査(1月)
・「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)発足(2月)
・(株)INPEX、オーストラリア・ニュージーランド銀行およびカンタス航空間 でのカーボンファーミングおよびバイオマス燃料事業協力に係る協業(3月)
・ノルウェー王国 PL293B 鉱区における油ガス層の発見(4月)
・INPEX と日揮ホールディングスがタイにおける CCS プロジェクト開発に向けた 協業覚書を PTTEP と締結(4月)
・インドネシアでのバイオメタン活用に向けた共同調査に関する契約の締結(4月)
・長崎県五島市沖 海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域 国内初の公募占用計画の認定(4月)
・インドネシア共和国ムアララボ地熱発電事業の追加の取得(4月)
・秋田県湯沢市における地熱発電所の建設(6月)
・豪州南オーストラリアにおける水素ハブプロジェクト開発に向けた 豪 AGL Energy Limited との協業覚書の締結(6月)
・アラブ首長国連邦と日本を繋ぐクリーン・アンモニアの サプライチェーン実証の実施(6月)
・オーストラリア・北部準州政府とのネットゼロカーボン社会に向けた コミットメント宣言書の締結(7月)
・オーストラリア・ニューサウスウェールズ州における水素ハブ開発に向けた 豪 AGL Energy Limited との協業覚書の締結(8月)
・オーストラリア 北部準州沖合 GHG※1 アセスメント鉱区(G-7-AP)の落札(8月)
・米国メキシコ湾 ルシウス油田およびハドリアンノース油田権益の譲渡(9月)
・新潟県北蒲原地域における CO2 貯留可能性の把握に向けた 広域二次元弾性波探査データ取得ならびに広域地質把握に関する 共同研究の開始(9月)
・インドネシア共和国 アバディ LNG プロジェクト(マセラ鉱区)における インドネシア国内向け LNG
の供給および水素・アンモニア、CCS 分野での共同スタディ 実施に関する覚書の締結(9月)
・五島市沖洋上風力発電事業 海上風車組立作業を開始(10月)
・インドネシア共和国ランタウ・ドゥダップ地熱発電事業への参入(10月)
・新潟県柏崎市でのブルー水素・アンモニア製造・利用一貫実証試験の 開始(11月)
・豪州 LNG 事業における CO2 排出低減のための CCS 事業に向けた共同研究の開始(12月)
・株式会社 INPEX 地熱開発ジャカルタ事務所の開設(12月)
・南長岡ガス田周辺北部地域における試掘調査の開始(12月)
・インドネシア タングーLNG プロジェクト 生産分与契約(PSC)の 延長(12月)
・Venture Global LNG 社との LNG 売買契約の締結(12月)