有価証券報告書-第207期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/30 9:07
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【項目】
161項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で個人消費や設備投資が緩やかに持ち直しつつありますが、物価上昇や為替の変動、金融政策の動向に留意する必要があります。さらに、欧米を中心とした金融不安や海外景気の後退懸念、地政学的不安要素等の景気下押し要因にも注目が必要です。
建設業界においては、公共投資は防災・減災対策を中心に底堅く推移する見込みです。民間建設投資は、企業収益の改善などを背景に持ち直していますが、建設資材価格の高騰や景気の後退による設備投資の抑制などにも留意が必要です。
このような状況の下で、当社グループは、業績の向上に努めてまいりました。売上高につきましては主に前期と比較して建設事業の工事の進捗度が減少したことから840億円と前年と比べ5.8%の減少となりました。損益につきましては、主に完成工事高の減少により営業利益62億円(前年同期比8.8%減少)、主に為替差益の発生により経常利益65億円(前年同期比3.5%減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、主に繰延税金資産を計上したことにより54億円(前年同期比14.9%増加)となりました。
事業の種類別セグメントごとの業績を示すと次のとおりであります(事業の種類別セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております)。
(建設事業)
建設事業を取り巻く環境は、公共投資は防災・減災対策を中心に底堅く推移する見込みです。民間建設投資は、企業収益の改善などを背景に持ち直していますが、建設資材価格の高騰や景気の後退による設備投資の抑制などにも留意が必要です。当社グループはそのような状況の中、努力を続けてまいりました。建設事業の売上高は826億円と前連結会計年度に比べ52億円(前年同期比6.0%減少)の減収となりました。損益につきましても、営業利益80億円(前年同期比6.5%減少)となりました。
(不動産事業)
不動産事業を取り巻く環境は、全国的に地価の上昇傾向が見られ、全体的に回復傾向にあります。当社グループはこのような状況を考慮し、販売活動を行いましたが、当社グループの不動産事業の売上高は6億円と前連結会計年度に比べ0.3億円(前年同期比5.6%減少)の減収となりました。損益につきましては、営業利益1億円(前年同期比44.6%増加)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当社グループは、キャッシュ・フローの安定化を図りながら、財務体質の改善・資産の効率化に取り組んでおります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、主に売上債権の減少により151億円の資金の増加(前年同期は160億円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、主に有形固定資産の取得により13億円の資金の減少(前年同期は14億円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、主に借入金の減少及び配当金の支払により29億円の資金の減少(前年同期は127億円の減少)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、期首残高から109億円増加し、273億円となりました。
生産、受注及び売上の実績
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
建設事業(百万円)92,804△2.2
不動産事業(百万円)--
報告セグメント計(百万円)92,804△2.2
その他(百万円)675△4.1
合計(百万円)93,480△2.2

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
建設事業(百万円)82,666△6.0
不動産事業(百万円)614△5.6
報告セグメント計(百万円)83,280△6.0
その他(百万円)72419.7
合計(百万円)84,004△5.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度国土交通省26,832百万円30.1%
MES-E JOINT OPERATION10,169百万円11.4%
当連結会計年度国土交通省26,369百万円31.4%

なお、参考として提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高及び施工高
期別工事別前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成
工事高
(百万円)
次期繰越工事高当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち施工高
(百万円)
第206期
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
建設事業%
海上土木17,94131,06449,00533,76015,2450.812933,867
陸上土木39,64933,03172,68032,99439,6850.311132,997
建築22,57327,48550,05818,33831,7200.310418,386
合計80,16491,580171,74585,09386,6510.434485,250
第207期
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
建設事業%
海上土木15,24538,09053,33628,61624,7200.921928,705
陸上土木37,18532,78269,96828,51741,4500.311328,519
建築31,72018,69850,41822,87727,5410.617822,952
合計84,15189,571173,72380,01193,7110.551080,177

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。
2.次期繰越工事高の施工高は未成工事支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
4.前期繰越高のうち、事業の中止により陸上土木工事の受注額2,500百万円を当期において減額修正しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
第206期
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
海上土木工事50.849.2100
陸上土木工事41.558.5100
建築工事18.981.1100
第207期
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
海上土木工事51.648.4100
陸上土木工事59.540.5100
建築工事47.852.2100

(注) 百分率は請負金額比であります。
③ 完成工事高
期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
第206期
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
海上土木工事20,81612,94333,760
陸上土木工事20,69012,30432,994
建築工事7,20111,13718,338
48,70736,38585,093
第207期
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
海上土木工事17,68210,93428,616
陸上土木工事20,7747,74328,517
建築工事5,72617,15122,877
44,18335,82880,011

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第206期
国土交通省令和元年度 名古屋港金城ふ頭岸壁(-12m)築造工事
宮城県清水田地区海岸外災害復旧工事
中日本高速道路株式会社東名高速道路 綾瀬スマートインターチェンジ工事
日鉄エンジニアリング株式会社苅田バイオマス発電所建設工事
いすゞ自動車販売株式会社いすゞ自動車九州株式会社 熊本支店・熊本サービスセンター増改築工事

第207期
国土交通省令和3年度 東京国際空港A誘導路地盤改良工事
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構北陸新幹線、坂井丸岡高架橋
宮城県気仙沼漁港港町地区外防潮堤外工事(その2)
三菱地所レジデンス株式会社目黒区八雲5丁目有料老人ホーム計画新築工事
合同会社唐津バイオマスエナジー唐津バイオマス発電所 造成工事

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
第206期国土交通省26,832百万円31.1%
MES-E JOINT OPERATION10,169百万円11.8%
第207期国土交通省26,369百万円32.5%

④ 手持工事高(2023年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
海上土木工事20,8903,82924,720
陸上土木工事25,70615,74441,450
建築工事8,13019,41027,541
54,72738,98493,711

手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
国土交通省令和4年度馬毛島仮設桟橋築造工事(その3)2023年11月竣工予定
国土交通省令和元年度 富士海岸沼川新放水路建設工事2023年11月竣工予定
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構中央新幹線、中央アルプストンネル(尾越)2026年7月竣工予定
西日本高速道路株式会社令和3年度 九州自動車道 北熊本SA休憩施設改築工事2024年9月竣工予定
東洋・日鉄特定建設工事共同企業体唐津バイオマス発電所建設工事 土木・建築工事2024年10月竣工予定

経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループの経営成績は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(1)業績」に記載しているとおりであります。以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析しております。なお、各セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高等を含んで表示しております。
①売上高の分析
当連結会計年度の連結売上高は840億円でありますが、これをセグメントごとに分析すると、建設事業は売上高が前連結会計年度に比べ6.0%減少の826億円となり、不動産事業は、売上高は前連結会計年度に比べ5.6%減少の6億円となりました。
建設事業売上高の減少は、主に工事の進捗遅れと受注時期の遅れによるものです。官公庁発注の工事におきましては、働き方改革への対応により工期が延びる傾向にあり、その分全体的に工事進捗度が減少しております。民間顧客からの受注工事高につきましても以前の年度と比較して減少しました。今後も工事生産性の向上に取り組むとともに民間取り組み案件の多様化を図り、風力発電・バイオマス発電・太陽光発電等の再生可能エネルギー関連工事及び維持・修繕工事等の分野において顧客の拡大を図ってまいります。
官公庁・民間別受注工事高実績(提出会社)
区分官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
官公庁比率
(%)
民間比率
(%)
2018年度43,08749,10292,19046.753.3
2019年度49,98045,43795,41752.447.6
2020年度50,04137,65287,69457.142.9
2021年度47,40544,17491,58051.848.2
2022年度60,36529,20689,57167.432.6

官公庁・民間別完成工事高実績(提出会社)
区分官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
官公庁比率
(%)
民間比率
(%)
2018年度51,82643,66795,49454.345.7
2019年度51,59552,592104,18749.550.5
2020年度48,47337,49885,97256.443.6
2021年度48,70736,38585,09357.242.8
2022年度44,18335,82880,01155.244.8

②販売費及び一般管理費の分析
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に比べ5.8%増加の64億円となりました。これは主に人件費の増加によるものです。
③営業利益の分析
営業利益については、土木工事において複数の高採算工事があったものの、完成工事高の減少により前連結会計年度に比べ8.8%減少の62億円となりました。
当社は2021年度を初年度とする「中期経営計画(2021年度-2023年度)」を策定し、中期経営計画の目標数値として最終年度での単体営業利益を50億円としております。2022年度は単体営業利益56億円となり、計画初年度である2021年度に引き続き、最終年度目標を上回る結果となっております。
④経常利益の分析
経常利益については、前連結会計年度に比べ3.5%減少の65億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因及び為替差益4億円の計上によるものであります。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益の分析
親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に比べ14.9%増加の54億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因、④経常利益の分析の原因及び繰延税金資産の計上によるものであります。
(2)財政状態、資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び純資産の状況に関する分析
(資産)
流動資産は、主に現金預金が109億円増加、受取手形・完成工事未収入金等が60億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ53億円増加し、715億円となりました。
固定資産は、主に投資有価証券が6億円増加、繰延税金資産が4億円増加、有形固定資産が3億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ15億円増加し、168億円となりました。
主に上記の影響により、資産合計は前連結会計年度末に比べ68億円増加し、883億円となりました。
(負債)
流動負債は、主に支払手形・工事未払金等が43億円増加、未成工事受入金等が19億円増加、流動負債その他が20億円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ43億円増加し、390億円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が9億円減少、完成工事補償引当金が9億円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ18億円減少し、65億円となりました。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ25億円増加し、456億円となりました。
(純資産)
純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末より43億円増加し、426億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
資金需要の動向と株主還元への支出
当社の資金需要の動向につきましては、獲得した資金のうち3分の1を手元資金に、3分の1を今後の当社グループの成長に向けた投資に、3分の1を株主還元に振り分けることを目標としております。成長に向けた投資につきましては、施工能力拡大を図るための設備投資、競争力強化に繋がる研究・開発費用の支出、基幹システムの連携強化を図る等のDX投資、人員の確保・育成、活力の向上のための社員教育の充実等を想定しております。株主還元への支出につきましては、中期経営計画(2021年度-2023年度)に記載の通り、配当性向を30%以上とすることを目標としております。
財務政策
当社グループの運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費・外注費等の営業費用であり、当該支出は、工事代金及び長期借入、短期借入で賄っております。また、設備投資資金等については、工事代金及び長期借入等により調達することにしております。なお、重要な設備投資として、建設事業において作業船等の建設機材への投資、不動産事業において賃貸資産の取得を計画しております。
2023年3月31日現在の主な有利子負債は、短期借入金15億円、長期借入金27億円となっており、前連結会計年度末に比べ18億円の有利子負債の減少となりました。今後は財務体質の改善・資産の効率化を推し進め、有利子負債の圧縮を図る方針であります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し総合的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、販売用不動産の評価基準、完成工事補償引当金の計上基準に関する見積については「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
①一定の期間にわたり認識された収益にかかる工事原価総額の見積り
当社グループの完成工事高の計上は進捗度を合理的に見積ることができる場合には、当該進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識しております。一定の期間にわたり収益を認識する際の主要な見積りである工事原価総額については、過去の工事の施工実績を踏まえ、個々の案件に特有の状況を織り込んだ実行予算を基礎とするとともに、様々な状況変化を適時適切に見積りに反映しておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因によりその見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。
②工事損失引当金の計上基準
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えて、当連結会計年度末における手持工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。将来の工事施工状況が想定から乖離する等、工事損失算定の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、工事損失の追加計上が必要となる可能性があります。
③固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候把握、減損損失の認識や測定にあたっては慎重に検討しておりますが、市場価格の著しい下落、経営環境の変化による企業収益の大幅な低下等の要因により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
④繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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