有価証券報告書-第210期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 9:04
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【項目】
188項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金上昇を背景とした個人消費の持ち直しや旺盛なインバウンド需要を受け、企業の設備投資は堅調に推移しました。一方、中東における米国・イラン間の緊張に伴う原油供給及び海上輸送の混乱等の地政学リスクに起因するエネルギー・資材への影響によるサプライチェーンの混乱に加え、米国の経済・通商政策に起因する不確実性の高まり、日銀の金利動向や為替相場の変動、物価上昇、気候変動等により、世界経済の先行きの不確実性が高い状況が続いています。
建設業界におきましては、公共投資・民間設備投資ともに堅調に推移している一方で、世界情勢の混乱に伴う建設資材供給の動向に注意を払う必要があるとともに、建設資材価格の高騰や労働人口の減少に伴う人手不足など、業界を取り巻く課題への継続的な取組が求められています。
当連結会計年度におきましては、土木・建築ともに大型工事を受注しました。売上高につきましては、大型工事の進捗が高水準で推移したことにより、1,047億円と前年と比べ21.1%の増加となりました。損益につきましては、DX投資・人的投資の拡大により販売費及び一般管理費が前年同期比5.9%増の79億円となったものの、売上高の増加と建築分野における生産性向上により、営業利益66億円(前年同期比27.4%増加)、経常利益64億円(前年同期比22.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は43億円(前年同期比18.4%増加)となりました。
なお、当社個別の受注高は1,279億円(前年同期比23.1%の増加)、繰越高は1,496億円(前年同期比21.6%の増加)となりました。
事業の種類別セグメントごとの業績を示すと次のとおりであります。(事業の種類別セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(建設事業)
建設事業を取り巻く環境は、公共投資・民間設備投資ともに堅調に推移している一方で、世界情勢の混乱に伴う建設資材供給の動向に注意を払う必要があるとともに、建設資材価格の高騰や労働人口の減少に伴う人手不足など、業界を取り巻く課題への継続的な取組が求められています。
当社グループはそのような状況の中、努力を続けてまいりました。建設事業の売上高は、大型工事の進捗が高水準で推移したことにより1,028億円と前連結会計年度に比べ179億円(前年同期比21.2%増加)の増収となりました。損益につきましては、売上高の増加に伴う完成工事総利益の増加と建築分野における生産性向上により、営業利益84億円(前年同期比18.3%の増加)となりました。
(不動産事業)
不動産事業を取り巻く環境は、日本経済の緩やかな回復に支えられ、旺盛な不動産投資、地価の上昇・不動産価格の上昇が見られるなど、良好な市場環境にあります。
当社グループはこのような状況を考慮し販売活動を行い、売上高は4億円(前年同期比5.0%減少)、営業利益2億円(前年同期比11.6%増加)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当社グループは、キャッシュ・フローの安定化を図りながら、財務体質の改善・資産の効率化に取り組んでおります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に仕入債務の増加及び未成工事受入金等の増加により4億円の資金の増加(前年同期は102億円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に有形固定資産及び無形固定資産の取得により11億円の資金の減少(前年同期は18億円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に長期借入金の借入により70億円の資金の増加(前年同期は63億円の増加)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物期末残高は、期首残高から64億円増加し、196億円となりました。
生産、受注及び売上の実績
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
建設事業(百万円)130,35125.7
不動産事業(百万円)--
報告セグメント計(百万円)130,35125.7
その他(百万円)255△83.7
合計(百万円)130,60724.0

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
建設事業(百万円)102,85321.2
不動産事業(百万円)479△5.0
報告セグメント計(百万円)103,33321.0
その他(百万円)1,41529.2
合計(百万円)104,74821.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度国土交通省15,945百万円18.4%
防衛省9,189百万円10.6%
当連結会計年度国土交通省21,453百万円20.5%
防衛省12,400百万円11.8%

なお、参考として提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高及び施工高
期別工事別前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成
工事高
(百万円)
次期繰越工事高当期
施工高
(百万円)
手持高
(百万円)
うち施工高
(百万円)
第209期
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
建設事業%
海上土木14,81028,51943,32927,43415,8940.11227,421
陸上土木40,95238,01678,96827,31351,6550.14827,261
建築45,57835,95481,53327,48554,0480.13727,460
合計101,341102,490203,83182,233121,5980.19882,143
第210期
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
建設事業%
海上土木15,89440,10255,99727,89328,1040.0027,881
陸上土木51,65530,74582,40036,25046,1500.01436,216
建築54,04856,963111,01135,97675,034--35,939
合計121,598127,811249,409100,120149,2890.015100,037

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。
2.次期繰越工事高の施工高は未成工事支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別区分特命(%)競争(%)計(%)
第209期
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
海上土木工事22.177.9100
陸上土木工事48.951.1100
建築工事53.346.7100
第210期
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
海上土木工事19.880.2100
陸上土木工事37.662.4100
建築工事77.922.1100

(注) 百分率は請負金額比であります。
③ 完成工事高
期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
第209期
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
海上土木工事19,1188,31627,434
陸上土木工事19,1298,18327,313
建築工事9,96617,51827,485
48,21534,01882,233
第210期
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
海上土木工事21,4996,39427,893
陸上土木工事25,46910,78036,250
建築工事15,01820,95835,976
61,98738,132100,120

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第209期
国土交通省令和6年度 四日市港霞ヶ浦北ふ頭地区岸壁(-14m)本体工事
国土交通省名瀬第2合同庁舎(R4)建築その他工事
東京都令和6年度中央防波堤外側外貿コンテナふ頭岸壁地盤改良工事(その1)
三菱地所レジデンス株式会社新宿区西新宿4丁目老人ホーム計画新築工事
西日本鉄道株式会社(仮称)グランド・サンリヤン西新 新築工事

第210期
国土交通省令和7年度 名古屋港新土砂処分場埋立護岸基礎及び余水吐設置工事
国土交通省R4久慈川右岸上大賀地区整備工事
環境省令和7年度飯舘村除染及び仮置場復旧等工事
株式会社ダイショウ(仮称)センチュリーマリーナ函館新館増築工事
東日本高速道路株式会社首都圏中央連絡自動車道 坂東PA休憩施設新築工事

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高等及びその割合は、次のとおりであります。
第209期国土交通省15,945百万円19.1%
防衛省9,189百万円11.0%
第210期国土交通省21,453百万円21.1%
防衛省12,400百万円12.2%

④ 手持工事高(2026年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)
海上土木工事21,4716,63228,104
陸上土木工事30,26715,88346,150
建築工事28,02547,00975,034
79,76469,524149,289

手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
中央日本土地建物株式会社(仮称)杉並区宮前5丁目計画2027年12月竣工予定
日本製鉄株式会社戸畑泊地桟橋更新・新設工事2029年8月竣工予定
防衛省防大(7)理工学館C棟新設建築工事2028年2月竣工予定
国土交通省和倉港・和倉港海岸護岸(西工区)(災害復旧)改良工事2027年3月竣工予定
静岡県令和5年度[第35-K1905-01号]一級河川沼川大規模特定河川対策工事(水門本体工)2028年3月竣工予定

経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループの経営成績は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(1)業績」に記載しているとおりであります。以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析しております。なお、各セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高等を含んで表示しております。
①売上高の分析
当連結会計年度の連結売上高は1,047億円であります。これをセグメントごとに分析すると、建設事業の売上高は、前連結会計年度に比べ21.2%増加の1,028億円となり、不動産事業の売上高は、前連結会計年度に比べ5.0%減少の4億円となりました。
建設事業の売上高の増加は、大型工事の進捗が高水準で推移したことによるものです。今後も工事生産性の向上に取り組むとともに、民間取組案件の多様化を図り、風力発電・バイオマス発電等の再生可能エネルギー関連工事及び維持・修繕工事等の分野において顧客の拡大を図ってまいります。
官公庁・民間別受注工事高実績(提出会社)
区分官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
官公庁比率
(%)
民間比率
(%)
2021年度47,40544,17491,58051.848.2
2022年度60,36529,20689,57167.432.6
2023年度67,10832,55699,66567.332.7
2024年度54,85347,637102,49053.546.5
2025年度71,84355,968127,81156.243.8

官公庁・民間別完成工事高実績(提出会社)
区分官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
官公庁比率
(%)
民間比率
(%)
2021年度48,70736,38585,09357.242.8
2022年度44,18335,82880,01155.244.8
2023年度58,56532,52091,08664.335.7
2024年度48,21534,01882,23358.641.4
2025年度61,98738,132100,12061.938.1

②販売費及び一般管理費の分析
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に比べ5.9%増加の79億円となりました。これは主にDX投資・人的投資の拡大に伴う経費の増加によるものです。
③営業利益の分析
営業利益については、主に完成工事高の増加により前連結会計年度に比べ27.4%増加の66億円となりました。
当社は、2024年度を初年度とする「中期経営計画(2024年度-2026年度)」を策定し、中期経営計画の目標数値として最終年度での単体営業利益を65億円以上と設定しております。2年目に当たる2025年度の単体営業利益は62億円となりました。
④経常利益の分析
経常利益については、前連結会計年度に比べ22.9%増加の64億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因によるものであります。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益の分析
親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に比べ18.4%増加の43億円となりました。これは主に③営業利益の分析の原因及び④経常利益の分析の原因によるものであります。
(2)財政状態、資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び純資産の状況に関する分析
(資産)
流動資産は、主に現金預金が64億円増加、受取手形・完成工事未収入金等が139億円増加及び未収入金が61億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ279億円増加し、981億円となりました。
固定資産は、主に投資有価証券が17億円増加及び退職給付に係る資産が14億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ26億円増加し、242億円となりました。
主に上記の影響により、資産合計は前連結会計年度末に比べ305億円増加し、1,224億円となりました。
(負債)
流動負債は、主に支払手形・工事未払金等が51億円増加、短期借入金が39億円増加、未払法人税等が14億円増加、未成工事受入金等が47億円増加及び預り金が52億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ208億円増加し、587億円となりました。
固定負債は、主に長期借入金が49億円増加したことにより前連結会計年度末に比べ47億円増加し、89億円となりました。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ256億円増加し、676億円となりました。
(純資産)
純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末より49億円増加し、547億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況は、「第2事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
資金需要の動向と株主還元への支出
当社の資金需要の動向につきましては、資本効率性の観点から、獲得した資金を今後の当社グループの成長に向けた投資と株主還元に振り分けることを目標としております。成長に向けた投資につきましては、作業船をはじめとする施工能力拡大を図るための設備投資、競争力強化に繋がる研究・開発費用の支出、基幹システムの連携強化を図る等のDX投資、人員の確保・育成、活力の向上のための社員教育の充実等を計画しております。株主還元への支出につきましては、「中期経営計画(2024年度-2026年度)」に記載の通り、純資産配当率DOE3.6%を下限とする配当性向40%以上(単体)を目標としております。
財務政策
当社グループの運転資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費・外注費等の営業費用であり、当該支出は、工事代金及び長期借入、短期借入で賄っております。また、設備投資資金等については、工事代金及び長期借入等により調達することにしております。なお、重要な設備投資として、建設事業においてフローティングドッグの建造への投資、不動産事業において賃貸資産の取得、人的資本経営に資するための投資、ソフトウェア等への投資を計画しております。
2026年3月31日現在の主な有利子負債は、短期借入金161億円、長期借入金53億円となっており、前連結会計年度末に比べ89億円の有利子負債の増加となりました。今後は財務体質の改善・資産の効率化を推し進め、有利子負債の圧縮を図る方針であります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し総合的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、販売用不動産の評価基準、工事損失引当金の計上基準に関する見積りについては「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
①一定の期間にわたり認識された収益に係る工事原価総額の見積り
当社グループの完成工事高の計上は進捗度を合理的に見積ることができる場合には、当該進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識しております。一定の期間にわたり収益を認識する際の主要な見積りである工事原価総額については、過去の工事の施工実績を踏まえ、個々の案件に特有の状況を織り込んだ実行予算を基礎とするとともに、様々な状況変化を適時適切に見積りに反映しておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因によりその見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。
②固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候把握、減損損失の認識や測定にあたっては慎重に検討しておりますが、市場価格の著しい下落、経営環境の変化による企業収益の大幅な低下等の要因により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
③繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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