有価証券報告書-第72期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 13:03
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【項目】
115項目

対処すべき課題

建設業界を取り巻く環境は、政府建設投資の減少傾向が継続する一方、民間住宅投資は市場活性化策等による増加が期待され、民間非住宅建設投資も緩やかな回復が続くものと考えられますが、建設投資全体では前年度比減少となる見通しです。
さらに、技能労働者不足や、労務・資材費上昇によるコスト上昇も引き続き懸念されるなど、厳しい経営環境が続くものと予想されます。
当社は、平成27年度より、新たな3ヵ年中期経営計画(2015~2018)である『東鉄3D Step2018』をスタートさせました。前中期経営計画(『東鉄3D Hop2015』と命名)の確かな成果を踏まえ、基本方針、及び基本戦略である『3D戦略』(スリーディ戦略)は一部ブラッシュアップのうえ継続させ、当社の「社会的使命をしっかりと果たす」とともに、「量」を拡大させる「成長戦略」と「質」を向上させる「クォリティ戦略」のベストバランスにより、「持続的な企業価値の向上」を図り、「堂々たる成長の時代」への『Step』を切り拓いてまいる所存であります。
新たな中期経営計画『東鉄3D Step2018』の要旨につきましては、下記のとおりであります。
Ⅰ(基本方針)
(1)「経営理念(~安全はすべてに優先する~)に基づいた軸のブレない経営」
「全てのステークホルダーから信頼される誠実なCSR経営」
「攻め(収益力/資本効率)」と「守り(リスク管理)」の
「バランスのとれたコーポレートガバナンスによる経営」
により、社会やお客様の安全・安心・安定・快適・品質などの様々なニーズに的確にお応えし、当社の社会的使命をしっかりと果たします。
(2)「量」(「成長戦略」)と「質」(「クォリティ戦略」)のベストバランスにより、「持続的な企業価値の向上」を図り、「堂々たる成長の時代」への『Step』を切り拓いてまいります。
(3)「基本戦略」となる『3D戦略』(スリーディ戦略)は継続させ、(前)中計を第一期の『Hop』と位置づけ、(新)中計では第二期の『Step』としてさらなる飛躍に挑戦いたします。
前中計(2012~2015):『東鉄3D Hop2015』と命名
↓ ↓
新中計(2015~2018):『東鉄3D Step2018』をスタート


Ⅱ(基本戦略)
「基本戦略」となる『3D戦略』(スリーディ戦略)は不変とし、顧客層(X軸)と業域(Y軸)を拡げ、
質(Z軸)を向上させることにより、X×Y×Zの体積としての「企業価値」を最大化させる戦略をさらに
継続強化いたします。
基本戦略『3D戦略』
(1)X軸戦略:「顧客層」のウイングを拡大(横軸)⇒X×Y=「面積」
(2)Y軸戦略:「業域」の深堀による拡大(縦軸)
⇒「量」を拡大させる「成長戦略」
×
(3)Z軸戦略:「安全」・「品質・技術力」・「施工力」・「企業力」の強化(高さ軸)
⇒「質」を向上させる「クォリティ戦略」
(4)『3D戦略』:(1)(2)(3)の各戦略により、X×Y×Z=「体積」を拡大
⇒「企業価値」を最大化


Ⅲ(施策)
『3D戦略』の具体的な施策は以下のとおりです。
(1) X軸戦略(横軸)=「成長戦略」
JR東日本関連業務に経営資源を重点投下した上で、「土木/官公庁」「建築/民間一般」など、新たな顧客層のウイング拡大を図ります。
① 当社最大の強み・使命=JR東日本関連業務
最大最重要顧客であるJR東日本からの受注・パートナーシップは当社の最大の強みであり、 安全な工事の遂行は当社の社会的使命であります。
⇒JR東日本関連業務に経営資源を継続的に重点投下し、徹底的に強化
② 顧客層のウイング拡大
その上で、新たな顧客層のウィング拡大を図る「成長戦略」を展開してまいります。
⇒JR東日本以外の顧客からの業務量を、将来的にはJR東日本と同レベルまで拡大を展望
⇒線路/私鉄・公共鉄道、土木/官公庁・私鉄、建築/民間一般からの受注強化が成長戦略の鍵
(2) Y軸戦略(縦軸)=「成長戦略」
当社の「強み」である業務分野を徹底的に強化した上で、関連業域の深掘り/新しい成長機会に挑戦いたします。
① 当社の強みである業務分野は徹底的に継続強化してまいります。
・鉄道関連工事
・交通・社会インフラ関連工事
・防災・耐震・老朽化関連工事・復興関連工事
・住宅・非住宅建設工事
・少子・高齢化関連工事
・メンテナンス関連工事
・環境関連工事

② その上で、関連業域の深掘りによる拡大強化/新しい成長機会に挑戦いたします。
関連業務の業域拡大
新しい社会環境の変化、時代の要請に応じた業域の拡大


(3) Z軸戦略(高さ軸)=「クォリティ戦略」
「安全」・「品質・技術力」・「施工力」・「企業力」の一層の強化を図り、「質」を向上させることで、企業価値を高める「クォリティ戦略」を推進いたします。
① 「安全はすべてに優先する経営」の徹底を貫いてまいります。
・ お客様・地域社会・従業員の「究極の安全と安心」を追求
・ 実効性のある具体的な教育・訓練の継続実施
② 「品質・技術力」のたゆまざる維持・強化を図ってまいります。
・ 安全・安心で、高付加価値・高品質の技術・サービス・商品の提供により、 お客様の高い満足度と信頼の確保を図る
③ 「施工力」の強化を図ってまいります。
・ 工事量増大に伴う「施工力」の強化
・ 協力会社とのパートナーシップ強化
・ M&Aによる施工力増強も選択肢の一つ
④ 企業力の向上
・ 「全てのステークホルダーから信頼される誠実なCSR経営」を推進いたします。
・ それぞれのステークホルダーに対する取り組み方針
・ 「人」を大切にする風土づくり
・ 「環境」への取り組み
・ 「攻め(収益力/資本効率)」と「守り(リスク管理)」の「バランスのとれた
コーポレートガバナンス」による経営を推進いたします。
・ 「コーポレートガバナンス・コード」への積極的対応
・ 適時・適切な情報開示(IR/株主との対話 継続強化)
・ 資本効率/株主還元の重視(ROE・総還元性向の目標化/中間配当実施など)
・ 取締役会の実効性確保(複数独立社外取締役の選任など)
・ コンプライアンス体制(法令・ルールの遵守)、リスク管理体制の維持・強化
・ 「成長戦略」の一環としての企業力強化を図ってまいります。
・ 剰余金の有効活用
・ 利益改善に対する継続的な取り組み
・ グループ連結経営の強化
・ 海外関連事業の検討
・ 財務体質の継続的強化
Ⅳ(数値目標)
以上の施策により、中期経営計画最終年度である2018年3月期には、下記の増収増益目標に挑戦いたします。また、資本効率や株主還元重視の観点から、新たにROE、総還元性向目標も導入いたします。
2018年3月期の連結数値目標
売 上 高1400億円
営 業 利 益120億円
R O E10%以上⇒新たに導入
総 還 元 性 向30%