有価証券報告書-第85期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇の影響等により個人消費に足踏みがみられたものの、企業収益は全体として底堅く推移し、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりにより、エネルギー価格の変動が続き、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続きました。
建設業界においては、国土強靭化対策や防災・減災関連の公共投資が堅調に推移し、民間設備投資も企業のデジタルトランスフォーメーション推進や脱炭素化対応の設備等を中心に底堅く推移しました。しかしながら、グローバルサプライチェーンの混乱による資材価格の高騰が長期化し、鉄鋼製品や建設用塗料をはじめとする石油製品の供給不足が顕在化しました。さらに、技能労働者不足による労働需給の逼迫は一層深刻化し、労務費の上昇圧力が強まるなど、厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループは持続的成長をしていくために、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、この目指す姿を実現するための5カ年の中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定し、その最終年度として計画達成に向けた取り組みを推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は160,194百万円(前期比9.6%増)、売上高は169,399百万円(前期比20.4%増)、営業利益は13,742百万円(前期比58.8%増)、経常利益は13,698百万円(前期比59.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,468百万円(前期比50.0%増)となりました。
また、当連結会計年度末の資産合計は147,662百万円(前期比2.4%増)、負債合計は71,652百万円(前期比5.0%減)、純資産合計は76,010百万円(前期比10.4%増)となりました。
受注高、売上高の部門別の内訳については、次のとおりであります。
[受注高]
[売上高]
(建設事業)
建築工事では、複数の大型マンション工事を受注したことにより、受注高は105,850百万円(前期比2.8%増)となりました。また、売上高は、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことにより、112,339百万円(前期比29.8%増)となりました。
土木工事では、複数の大型官庁工事を受注したことにより、受注高は54,343百万円(前期比25.8%増)となりました。一方、売上高は、官庁工事、民間工事ともに、豊富な手持ち工事が順調に進捗したことにより、37,817百万円(前期比17.5%増)となりました。
(不動産事業等)
不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少により、売上高は19,243百万円(前期比12.5%減)となりました。
セグメントの業績(セグメント間の内部売上高等を含む)は次のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は16,230百万円(前期比611百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、9,849百万円(前期は17,191百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を12,045百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、1,921百万円(前期は255百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入を2,967百万円計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、11,160百万円(前期は13,149百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
b. 売上実績
(注)1.当社グループでは、不動産セグメントは受注生産を行っておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
※ なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
④ 建設事業における受注工事高の状況
a. 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含めております。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
b. 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注)百分比は請負金額比であります。
c. 完成工事高
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
d. 次期繰越工事高(2026年3月31日現在)
(注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a. 経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、169,399百万円(前期比20.4%増)となりました。これは、不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少によって減収となったものの、建設事業において、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことなどによるものであります。
(売上総利益)
当社グループの当連結会計年度における売上総利益は、25,980百万円(前期比33.8%増)となりました。これは、不動産事業において販売戸数の減少により減益となったものの、建設事業は増収効果によって増益となったことによるものであります。
(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
不動産事業の減益に加え、販売費及び一般管理費の増加があったものの、建設事業の大幅な増益により、営業利益は13,742百万円(前期比58.8%増)、経常利益は13,698百万円(前期比59.0%増)となりました。
また、矢作地所株式会社が営む分譲マンション開発・販売事業の譲渡に伴い、同社が保有する販売用不動産の評価を見直したことによって発生した損失1,936百万円を特別損失に計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は8,468百万円(前期比50.0%増)と、前期実績を大きく上回りました。
b. 各事業の概況
当社グループは、建設事業においては、限られた経営資源の中で利益を最大化すべく、生産性の高い大型の一般建築・土木工事への取組みを強化してまいりました。
また不動産事業では、産業用地開発事業を中核とする総合不動産デベロッパーとして、産業用地開発事業のみならず、分譲マンション事業や、不動産賃貸事業、仲介・販売代理などの流通事業、マンション及びビルの管理事業に注力してまいりました。
なお、各セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(建築セグメント)
建築工事の受注高は、複数の大型マンション工事を受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高は、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことにより、前期実績を上回りました。
(土木セグメント)
土木工事の受注高は、複数の大型官庁工事を受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高は、官庁工事、民間工事ともに、豊富な手持ち工事が順調に進捗したことにより、前期実績を上回りました。
(不動産セグメント)
不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少により、売上高は前期実績を下回りました。
c. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は114,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,858百万円増加しております。これは販売用不動産が減少(21,978百万円から19,602百万円へ2,375百万円減)したものの、大型建築工事を中心に施工が進捗したことに伴い売上債権が増加(58,217百万円から66,590百万円へ8,372百万円増)したことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は33,611百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,416百万円減少しております。これは賃貸物件の売却などにより有形固定資産が減少(25,138百万円から22,596百万円へ2,542百万円減)したことが主要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は58,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,681百万円増加しております。これは売上高の増加に伴い未払消費税等が増加(84百万円から4,732百万円へ4,647百万円増)したことが主要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は13,498百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,413百万円減少しております。これは、営業活動により得られた資金を原資として長期借入金の返済を進めたことにより、長期借入金が減少(12,000百万円から7,300百万円へ4,700百万円減)したことが主要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の合計は76,010百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,174百万円増加しております。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加が主要因であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、内部留保資金と金融機関からの借入などの調達手段により確保しております。当連結会計年度末のグループ全体の現金預金残高は約162億円、金融機関からの借入は約308億円となっており、緊急時の対応を含めて、必要な量を確保しております。来期以降につきましても、適時適切な資金調達によって、安定的な資金運営を実施してまいります。
当社は財務の健全性確保と資本の有効活用のバランスを最優先に、安定的な株主価値の向上に努めることを資本政策の基本方針としておりますが、今後も収益基盤の確立に向けた成長投資を適切に行っていく考えです。
当期も継続的に開発案件への投資などを進め、その資金につきましては、当期の営業活動によって獲得した資金と財務活動による借入にて賄っております。
また、経営基盤の強化と企業価値の向上に向けて、長期的な視点に立って株主資本の充実に努めるとともに、企業収益の配分については、株主への安定的な配当を継続実施することを基本方針としております。なお、配当方針につきましては、自己資本配当率(DOE)5%以上、かつ累進配当を目標としており、毎期の具体的な配当金額は、各期の連結業績や財務状況等を総合的に勘案のうえ、決定してまいります。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、2021年度から2025年度までの中期経営計画において、加速度的成長に向けた「つくる(造る・創る)力」の増強と持続的成長への基盤構築に取り組んでまいりました。その結果、2025年度の売上高は169,399百万円、営業利益は13,742百万円となり、同計画で掲げた売上高1,300億円、営業利益100億円の数値目標を達成いたしました。一方で、収益力・資本効率のさらなる向上や新規事業領域の拡大については、引き続き取り組むべき課題であると認識しております。
これらを踏まえ、当社グループは、2026年度から2030年度までを対象とする新たな中期経営計画[2026年度~2030年度]を策定いたしました。本計画では、「多様なステークホルダーへの価値提供を通じた企業価値向上と持続的成長の循環サイクルを実現する」ことを基本方針とし、「企業価値=事業価値×無形資産価値」と定義したうえで、稼ぐ力である事業価値と、人財・技術・ブランド等の無形資産価値の双方を加速度的に増強させることで、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。
本計画における経営戦略として、
① コア事業における稼ぐ力の追求と価値創出の最大化
② 成長領域への挑戦と未来に向けた事業変革の加速
③ 積極投資による人財価値の最大化と組織風土改革による生産性向上
④ 企業価値を持続的に向上させる経営基盤の強化
を掲げております。
本計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、2030年度において、営業利益180億円以上、自己資本当期純利益率(ROE)12%以上、自己資本比率40%以上、D/Eレシオ1.0倍以下を目標としております。また、成長投資については、中期経営計画期間累計でNET500億円を計画し、人的資本経営の進捗を測る指標として、エンゲージメントレーティングAAの達成を目指してまいります。
a. 数値目標

b. 配当方針


c. 投資計画

④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。
a. 収益及び原価の処理
当社の主要な事業である建築事業、土木事業において、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、工事原価総額を基礎として期末までの実際発生原価額に応じた進捗度に工事収益総額を乗じて完成工事高を算定しています。
一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、以下の理由により、収益及び原価が変動する場合があるため、適時適切な見積りを実施する必要があります。
Ⅰ.工事収益総額・・・施工中の工法変更あるいは施工範囲の変更に伴う契約変更や対価の変動などにより、請負金の変動が発生する可能性があること
Ⅱ.工事原価総額・・・施工条件や資材、労務費、外注費等に係る価格変動などにより、工事原価総額の変動が発生する可能性があること
Ⅲ.工事進捗度・・・・工事原価総額を基礎として算定されるため、工事原価総額の変動により工事の進捗度の変動が発生する可能性があること
b. 退職給付
当社グループでは、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び企業年金基金制度を採用しております。
従業員に対する確定給付費用及び確定給付制度債務は、
・債務の割引率
・企業年金の期待収益率
・退職率及び死亡率などの数理計算上の基礎率
などにより見積られており、実績と見積りとの差異は「その他の包括利益」として認識され、包括利益及び純資産へ影響を及ぼします。
したがって、これらの変数(見積り)については適時適切に見直しを実施しておりますが、実績との差異や仮定の変動は確定給付費用や債務に影響を与えます。
なお、これらに関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」を参照願います。
c. 販売用不動産の評価
当社グループは、建設事業に加えてマンション販売や開発事業など不動産事業も手掛けており、これに係る資産を「販売用不動産」として連結貸借対照表に計上しております。
個々の販売用不動産の評価に係る会計方針としては、原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、毎期行う収益性の評価の結果、評価額が帳簿価額を下回る場合は、評価損を計上することとなります。
販売用不動産の評価に際しては、個々の特性に応じて一定の評価手法で評価額を算定しておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、販売用不動産の評価に影響を及ぼす可能性があります。
d. 繰延税金資産の評価
当社グループにおいて繰延税金資産の計上に当たっては、個々の発生原因ごとにその解消時期の予測及びこれらを考慮した将来の課税所得予測に基づき、その回収可能性が確実でない場合については「評価性引当額」を計上し減額しております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りや発生原因の解消時期の予測に依存するため、その前提とした条件や仮定に変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼし評価性引当額の増減が発生します。
当社グループの繰延税金資産及び評価性引当額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」を参照願います。
e. 減損損失
当社グループは、固定資産の減損損失の判定に際しては原則として継続的に損益の把握を実施している建築、土木、不動産の3つの報告セグメント区分をベースに、資産のグルーピングを行っております。また、賃貸用不動産と遊休資産については個々の物件ごとにグルーピングを行い、本社・福利厚生施設等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。
これらのうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
なお、減損を認識した当該資産の回収可能価額は、主として正味売却価額(不動産鑑定評価に基づく鑑定価額)により測定しております。
f. 投資有価証券の評価
当社グループが保有する有価証券については、投資その他の資産に「投資有価証券」として計上しておりますが、個々の有価証券の実質価値が帳簿価額を著しく下回り、その低下が一時的でないと判断される場合には、評価損を計上しております。
評価損の計上に際しては、下落の期間や下落の程度など一定の基準により四半期ごとに計上の判断をしておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、有価証券の評価に影響を及ぼすおそれがあります。
g. 工事損失引当金
当社グループは、請負工事契約に基づく工事について損失が見込まれる場合には、将来の損失としてその金額を合理的に見積り、当該見積金額を工事損失引当金として計上しております。
なお、工事原価総額については、各工事の進捗状況や原価の発生見通しを織り込んだうえで、決算日時点で見直しを行っており、調達価格の変動、人件費の増減、下請工事の進捗遅延などにより、見積金額を上回る原価が発生する場合には、将来の業績に影響を及ぼすおそれがあります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇の影響等により個人消費に足踏みがみられたものの、企業収益は全体として底堅く推移し、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりにより、エネルギー価格の変動が続き、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続きました。
建設業界においては、国土強靭化対策や防災・減災関連の公共投資が堅調に推移し、民間設備投資も企業のデジタルトランスフォーメーション推進や脱炭素化対応の設備等を中心に底堅く推移しました。しかしながら、グローバルサプライチェーンの混乱による資材価格の高騰が長期化し、鉄鋼製品や建設用塗料をはじめとする石油製品の供給不足が顕在化しました。さらに、技能労働者不足による労働需給の逼迫は一層深刻化し、労務費の上昇圧力が強まるなど、厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループは持続的成長をしていくために、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、この目指す姿を実現するための5カ年の中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定し、その最終年度として計画達成に向けた取り組みを推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は160,194百万円(前期比9.6%増)、売上高は169,399百万円(前期比20.4%増)、営業利益は13,742百万円(前期比58.8%増)、経常利益は13,698百万円(前期比59.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,468百万円(前期比50.0%増)となりました。
また、当連結会計年度末の資産合計は147,662百万円(前期比2.4%増)、負債合計は71,652百万円(前期比5.0%減)、純資産合計は76,010百万円(前期比10.4%増)となりました。
受注高、売上高の部門別の内訳については、次のとおりであります。
[受注高]
| 区分 | 受注高 | 構成比 | 前期比増減率 | |
| 建設事業 | 建築工事 | 105,850百万円 | 66.1% | 2.8% |
| 土木工事 | 54,343百万円 | 33.9% | 25.8% | |
| 計 | 160,194百万円 | 100.0% | 9.6% | |
[売上高]
| 区分 | 売上高 | 構成比 | 前期比増減率 | |
| 建設事業 | 建築工事 | 112,339百万円 | 66.3% | 29.8% |
| 土木工事 | 37,817百万円 | 22.3% | 17.5% | |
| 小計 | 150,156百万円 | 88.6% | 26.5% | |
| 不動産事業等 | 19,243百万円 | 11.4% | △12.5% | |
| 計 | 169,399百万円 | 100.0% | 20.4% | |
(建設事業)
建築工事では、複数の大型マンション工事を受注したことにより、受注高は105,850百万円(前期比2.8%増)となりました。また、売上高は、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことにより、112,339百万円(前期比29.8%増)となりました。
土木工事では、複数の大型官庁工事を受注したことにより、受注高は54,343百万円(前期比25.8%増)となりました。一方、売上高は、官庁工事、民間工事ともに、豊富な手持ち工事が順調に進捗したことにより、37,817百万円(前期比17.5%増)となりました。
(不動産事業等)
不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少により、売上高は19,243百万円(前期比12.5%減)となりました。
セグメントの業績(セグメント間の内部売上高等を含む)は次のとおりであります。
| (建築セグメント) | 耐震補強工事を含む建築工事全般及び建設用資材販売事業等から構成され、セグメント売上高は113,365百万円(前期比26.9%増)となり、セグメント利益は8,535百万円(前期比300.5%増)となりました。 |
| (土木セグメント) | 土木・鉄道工事全般及びゴルフ場の経営・コース維持管理に関する事業から構成され、セグメント売上高は38,746百万円(前期比20.2%増)となり、セグメント利益は6,111百万円(前期比38.4%増)となりました。 |
| (不動産セグメント) | マンション分譲事業を中心とした不動産の売買、賃貸等に関する事業から構成され、セグメント売上高は18,841百万円(前期比13.0%減)となり、セグメント利益は4,935百万円(前期比22.2%減)となりました。 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は16,230百万円(前期比611百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、9,849百万円(前期は17,191百万円の資金の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を12,045百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、1,921百万円(前期は255百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入を2,967百万円計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、11,160百万円(前期は13,149百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円)(増減率) |
| 建築セグメント | 103,000 | 105,850( 2.8%) |
| 土木セグメント | 43,182 | 54,343( 25.8%) |
| 合計 | 146,182 | 160,194( 9.6%) |
b. 売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円)(増減率) |
| 建築セグメント | 87,214 | 112,494( 29.0%) |
| 土木セグメント | 32,092 | 38,481( 19.9%) |
| 不動産セグメント | 21,392 | 18,424(△13.9%) |
| 合計 | 140,699 | 169,399( 20.4%) |
(注)1.当社グループでは、不動産セグメントは受注生産を行っておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | ||
| 建築・不動産セグメント | 野村不動産株式会社 | 35,811 | 25.5 | 55,620 | 32.8 |
※ なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
④ 建設事業における受注工事高の状況
a. 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期別 | 区 分 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 建 築 工 事 | 98,498 | 92,048 | 190,547 | 78,717 | 111,829 |
| 土 木 工 事 | 29,673 | 34,715 | 64,388 | 23,275 | 41,113 | |
| 計 | 128,171 | 126,764 | 254,936 | 101,992 | 152,943 | |
| 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 建 築 工 事 | 111,829 | 88,668 | 200,498 | 101,001 | 99,497 |
| 土 木 工 事 | 41,113 | 42,077 | 83,190 | 27,197 | 55,993 | |
| 計 | 152,943 | 130,746 | 283,689 | 128,198 | 155,490 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含めております。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
b. 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 建築工事 | 76.6 | 23.4 | 100.0 |
| 土木工事 | 20.1 | 79.9 | 100.0 | |
| 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 建築工事 | 87.9 | 12.1 | 100.0 |
| 土木工事 | 21.5 | 78.5 | 100.0 |
(注)百分比は請負金額比であります。
c. 完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 建築工事 | 1,613 | 77,104 | 78,717 |
| 土木工事 | 7,308 | 15,966 | 23,275 | |
| 計 | 8,922 | 93,070 | 101,992 | |
| 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 建築工事 | 35 | 100,966 | 101,001 |
| 土木工事 | 9,704 | 17,493 | 27,197 | |
| 計 | 9,739 | 118,459 | 128,198 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
| センコー株式会社 | (仮称)センコー新小牧第2PDセンター新築工事 | |
| 野村不動産株式会社 | (仮称)中区丸の内一丁目計画新築工事 | |
| 大和ハウス工業株式会社 | (仮称)DPL高崎新築工事 | |
| 前田建設工業株式会社 | 南知多道路 武豊北インターチェンジ(仮称)新設工事 | |
| 国土交通省 中部地方整備局 | 令和3年度 国道23号蒲郡BP金野IC 道路建設工事 |
当事業年度
| 野村不動産株式会社 | Landport東海大府Ⅰ新築工事 | |
| 三井不動産レジデンシャル株式会社・トヨタホーム株式会社 | パークホームズ刈谷ANESIA新築工事 | |
| 内浜化成株式会社 | 内浜化成豊田福受工場新築工事 | |
| 国土交通省 中部地方整備局 | 令和4年度設楽ダム国道257号4号橋下部工事 | |
| 名古屋鉄道株式会社 | 名古屋鉄道河和線養父森岡線鉄道交差事業に伴う本線軌道工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
| 野村不動産株式会社 | 28,256 | 百万円 | 28 | % |
| 三井不動産株式会社 | 10,438 | 百万円 | 10 | % |
当事業年度
| 野村不動産株式会社 | 55,587 | 百万円 | 43 | % |
d. 次期繰越工事高(2026年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 建築工事 | 140 | 99,356 | 99,497 |
| 土木工事 | 31,593 | 24,400 | 55,993 |
| 計 | 31,733 | 123,757 | 155,490 |
(注)次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
| 野村不動産株式会社 | Landport東海大府Ⅱ新築工事 | 2027年3月完成予定 | |
| オパール合同会社 | (仮称)CREDO野田プロジェクト | 2028年1月完成予定 | |
| 三菱地所株式会社 | (仮称)錦三丁目5番街区計画(N3-5計画)/既存建物地下解体工事及び新築工事 | 2026年12月完成予定 | |
| 名古屋高速道路公社 | 市道高速1号他栄工区改築事業(工事) | 2034年3月完成予定 | |
| 名古屋鉄道株式会社 | 名古屋本線 新清洲駅付近鉄道高架化事業に伴う仮線土木(五条川橋梁)工事 | 2030年12月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a. 経営成績の分析
(売上高)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、169,399百万円(前期比20.4%増)となりました。これは、不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少によって減収となったものの、建設事業において、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことなどによるものであります。
(売上総利益)
当社グループの当連結会計年度における売上総利益は、25,980百万円(前期比33.8%増)となりました。これは、不動産事業において販売戸数の減少により減益となったものの、建設事業は増収効果によって増益となったことによるものであります。
(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
不動産事業の減益に加え、販売費及び一般管理費の増加があったものの、建設事業の大幅な増益により、営業利益は13,742百万円(前期比58.8%増)、経常利益は13,698百万円(前期比59.0%増)となりました。
また、矢作地所株式会社が営む分譲マンション開発・販売事業の譲渡に伴い、同社が保有する販売用不動産の評価を見直したことによって発生した損失1,936百万円を特別損失に計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は8,468百万円(前期比50.0%増)と、前期実績を大きく上回りました。
b. 各事業の概況
当社グループは、建設事業においては、限られた経営資源の中で利益を最大化すべく、生産性の高い大型の一般建築・土木工事への取組みを強化してまいりました。
また不動産事業では、産業用地開発事業を中核とする総合不動産デベロッパーとして、産業用地開発事業のみならず、分譲マンション事業や、不動産賃貸事業、仲介・販売代理などの流通事業、マンション及びビルの管理事業に注力してまいりました。
なお、各セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(建築セグメント)
建築工事の受注高は、複数の大型マンション工事を受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高は、大型物流施設工事を中心に、当期中に施工の最盛期を迎えた複数の大型工事が順調に進捗したことにより、前期実績を上回りました。
(土木セグメント)
土木工事の受注高は、複数の大型官庁工事を受注したことにより、前期実績を上回りました。また、売上高は、官庁工事、民間工事ともに、豊富な手持ち工事が順調に進捗したことにより、前期実績を上回りました。
(不動産セグメント)
不動産事業では、分譲マンション事業において、新規供給戸数の減少に伴う販売戸数の減少により、売上高は前期実績を下回りました。
c. 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は114,051百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,858百万円増加しております。これは販売用不動産が減少(21,978百万円から19,602百万円へ2,375百万円減)したものの、大型建築工事を中心に施工が進捗したことに伴い売上債権が増加(58,217百万円から66,590百万円へ8,372百万円増)したことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は33,611百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,416百万円減少しております。これは賃貸物件の売却などにより有形固定資産が減少(25,138百万円から22,596百万円へ2,542百万円減)したことが主要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は58,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,681百万円増加しております。これは売上高の増加に伴い未払消費税等が増加(84百万円から4,732百万円へ4,647百万円増)したことが主要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は13,498百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,413百万円減少しております。これは、営業活動により得られた資金を原資として長期借入金の返済を進めたことにより、長期借入金が減少(12,000百万円から7,300百万円へ4,700百万円減)したことが主要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の合計は76,010百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,174百万円増加しております。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加が主要因であります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、内部留保資金と金融機関からの借入などの調達手段により確保しております。当連結会計年度末のグループ全体の現金預金残高は約162億円、金融機関からの借入は約308億円となっており、緊急時の対応を含めて、必要な量を確保しております。来期以降につきましても、適時適切な資金調達によって、安定的な資金運営を実施してまいります。
当社は財務の健全性確保と資本の有効活用のバランスを最優先に、安定的な株主価値の向上に努めることを資本政策の基本方針としておりますが、今後も収益基盤の確立に向けた成長投資を適切に行っていく考えです。
当期も継続的に開発案件への投資などを進め、その資金につきましては、当期の営業活動によって獲得した資金と財務活動による借入にて賄っております。
また、経営基盤の強化と企業価値の向上に向けて、長期的な視点に立って株主資本の充実に努めるとともに、企業収益の配分については、株主への安定的な配当を継続実施することを基本方針としております。なお、配当方針につきましては、自己資本配当率(DOE)5%以上、かつ累進配当を目標としており、毎期の具体的な配当金額は、各期の連結業績や財務状況等を総合的に勘案のうえ、決定してまいります。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年度の目指す姿を「課題解決&価値創造型企業」と定め、2021年度から2025年度までの中期経営計画において、加速度的成長に向けた「つくる(造る・創る)力」の増強と持続的成長への基盤構築に取り組んでまいりました。その結果、2025年度の売上高は169,399百万円、営業利益は13,742百万円となり、同計画で掲げた売上高1,300億円、営業利益100億円の数値目標を達成いたしました。一方で、収益力・資本効率のさらなる向上や新規事業領域の拡大については、引き続き取り組むべき課題であると認識しております。
これらを踏まえ、当社グループは、2026年度から2030年度までを対象とする新たな中期経営計画[2026年度~2030年度]を策定いたしました。本計画では、「多様なステークホルダーへの価値提供を通じた企業価値向上と持続的成長の循環サイクルを実現する」ことを基本方針とし、「企業価値=事業価値×無形資産価値」と定義したうえで、稼ぐ力である事業価値と、人財・技術・ブランド等の無形資産価値の双方を加速度的に増強させることで、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。
本計画における経営戦略として、
① コア事業における稼ぐ力の追求と価値創出の最大化
② 成長領域への挑戦と未来に向けた事業変革の加速
③ 積極投資による人財価値の最大化と組織風土改革による生産性向上
④ 企業価値を持続的に向上させる経営基盤の強化
を掲げております。
本計画の達成状況を判断するための客観的な指標として、2030年度において、営業利益180億円以上、自己資本当期純利益率(ROE)12%以上、自己資本比率40%以上、D/Eレシオ1.0倍以下を目標としております。また、成長投資については、中期経営計画期間累計でNET500億円を計画し、人的資本経営の進捗を測る指標として、エンゲージメントレーティングAAの達成を目指してまいります。
a. 数値目標

b. 配当方針


c. 投資計画

④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。
a. 収益及び原価の処理
当社の主要な事業である建築事業、土木事業において、一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、工事原価総額を基礎として期末までの実際発生原価額に応じた進捗度に工事収益総額を乗じて完成工事高を算定しています。
一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約の収益認識については、以下の理由により、収益及び原価が変動する場合があるため、適時適切な見積りを実施する必要があります。
Ⅰ.工事収益総額・・・施工中の工法変更あるいは施工範囲の変更に伴う契約変更や対価の変動などにより、請負金の変動が発生する可能性があること
Ⅱ.工事原価総額・・・施工条件や資材、労務費、外注費等に係る価格変動などにより、工事原価総額の変動が発生する可能性があること
Ⅲ.工事進捗度・・・・工事原価総額を基礎として算定されるため、工事原価総額の変動により工事の進捗度の変動が発生する可能性があること
b. 退職給付
当社グループでは、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び企業年金基金制度を採用しております。
従業員に対する確定給付費用及び確定給付制度債務は、
・債務の割引率
・企業年金の期待収益率
・退職率及び死亡率などの数理計算上の基礎率
などにより見積られており、実績と見積りとの差異は「その他の包括利益」として認識され、包括利益及び純資産へ影響を及ぼします。
したがって、これらの変数(見積り)については適時適切に見直しを実施しておりますが、実績との差異や仮定の変動は確定給付費用や債務に影響を与えます。
なお、これらに関する見積りや前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」を参照願います。
c. 販売用不動産の評価
当社グループは、建設事業に加えてマンション販売や開発事業など不動産事業も手掛けており、これに係る資産を「販売用不動産」として連結貸借対照表に計上しております。
個々の販売用不動産の評価に係る会計方針としては、原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しており、毎期行う収益性の評価の結果、評価額が帳簿価額を下回る場合は、評価損を計上することとなります。
販売用不動産の評価に際しては、個々の特性に応じて一定の評価手法で評価額を算定しておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、販売用不動産の評価に影響を及ぼす可能性があります。
d. 繰延税金資産の評価
当社グループにおいて繰延税金資産の計上に当たっては、個々の発生原因ごとにその解消時期の予測及びこれらを考慮した将来の課税所得予測に基づき、その回収可能性が確実でない場合については「評価性引当額」を計上し減額しております。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りや発生原因の解消時期の予測に依存するため、その前提とした条件や仮定に変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼし評価性引当額の増減が発生します。
当社グループの繰延税金資産及び評価性引当額については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」を参照願います。
e. 減損損失
当社グループは、固定資産の減損損失の判定に際しては原則として継続的に損益の把握を実施している建築、土木、不動産の3つの報告セグメント区分をベースに、資産のグルーピングを行っております。また、賃貸用不動産と遊休資産については個々の物件ごとにグルーピングを行い、本社・福利厚生施設等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから共用資産としております。
これらのうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
なお、減損を認識した当該資産の回収可能価額は、主として正味売却価額(不動産鑑定評価に基づく鑑定価額)により測定しております。
f. 投資有価証券の評価
当社グループが保有する有価証券については、投資その他の資産に「投資有価証券」として計上しておりますが、個々の有価証券の実質価値が帳簿価額を著しく下回り、その低下が一時的でないと判断される場合には、評価損を計上しております。
評価損の計上に際しては、下落の期間や下落の程度など一定の基準により四半期ごとに計上の判断をしておりますが、予測を超えた市場変化などが発生した場合、有価証券の評価に影響を及ぼすおそれがあります。
g. 工事損失引当金
当社グループは、請負工事契約に基づく工事について損失が見込まれる場合には、将来の損失としてその金額を合理的に見積り、当該見積金額を工事損失引当金として計上しております。
なお、工事原価総額については、各工事の進捗状況や原価の発生見通しを織り込んだうえで、決算日時点で見直しを行っており、調達価格の変動、人件費の増減、下請工事の進捗遅延などにより、見積金額を上回る原価が発生する場合には、将来の業績に影響を及ぼすおそれがあります。