有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/26 13:10
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の堅調な推移や賃金上昇を背景として、個人消費を中心に緩やかな回復の動きが継続しております。一方、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まりによる原材料・エネルギー価格の高騰ならびに物価の上昇等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループの中期経営計画『Change & Challenge 80th』(2024年4月~2027年3月)は2年目の計画期間が経過いたしました。当社の存在価値である「顧客の事業活動の生命線となるインフラ(事業環境・空間)を顧客と共に創り、守り、育てる会社」であり続けるため、旧来ビジネスからの事業構造転換に向けた土台作りの3年間と位置づけ、新規ビジネスのメニュー化や人材・事業投資に引き続き取り組んでおります。さらに、変革を支える組織基盤の強化を目指し、会社風土の刷新にも本格的に着手しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して3億6百万円増加し、97億92百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して69百万円増加し、34億39百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して2億37百万円増加し、63億53百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における受注高は75億24百万円(前年同期比20.9%増)となり、売上高は67億77百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は4億38百万円(前年同期比29.9%減)、経常利益は5億20百万円(前年同期比26.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億72百万円(前年同期比13.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度におけるセグメントの概況は、次のとおりです。
(a) 情報通信事業
24時間365日対応の強みを活かし、従来のネットワークインフラの設計・提案・構築、お客様の問題解決につながるソリューション提案を展開いたしました。
既存事業であるレガシーPBX市場については、底堅いニーズに支えられ、受注高は増加に転じた一方、期初の受注残高が乏しかったこともあり、売上高は減少いたしました。顧客動向としてクラウドサービス等への志向が強まっており、かかるニーズへの対応、また、各種ネットワーク工事の拡大や映像系ソリューションの事業化等、事業ポートフォリオの見直しを進めてまいりました。
新規事業の柱として位置づけております、様々な設備をつなぐソフトウェア[マルチゲートウェイ®]につきましては、積極的な営業展開や技術研究開発への取り組みを通じ、受注・売上の拡大に向けた基盤形成が進んでおりますが、業績への本格的な貢献にはなお一定の期間が必要な状況であります。
また、安定収益の源泉である保守料・利用料の状況については、オンプレミス型PBXの減少に伴い、その保守料が減少する一方、光回線サービス[かんだ光]をはじめとした利用料収入は着実に増加を続けていることから、さらなる収益基盤の強化に向け、セキュリティ強化等のサービスメニューの拡大を図ってまいりました。
利益面では、高騰する材料価格を販売価格へ転嫁する取り組みを引き続き実施したこと、また、本社ビルの移転・建て替え費用が前期と比較して当期は大幅に減少したことによる一般管理費の負担軽減もあったことから、利益率は改善いたしました。
また、中期経営計画に掲げている事業構造転換に向けた人材投資の一環として、給与水準の引き上げ、社員のスキルアップのための社内外教育等を継続して実施してまいりました。
以上の結果、当セグメントの受注高は64億62百万円(前年同期比11.9%増)、売上高は62億26百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は5億39百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
(b) 照明制御事業
DALI制御による照明制御システムの設計・販売・施工を軸として、売上規模の拡大のため、ゼネコン・設計事務所を中心に積極的にビジネスを展開いたしました。新築ビル案件のスマートビル化対応の需要が増えており、大手ゼネコンや通信事業者との協創も進めております。しかしながら、前期においては、複数の大型案件の手持ち工事が順調に進捗した結果、業績を押し上げましたが、これらの工事が前期末までにほぼ完工したことにより、当期における大型案件の売上は大幅に減少いたしました。導入から10年程度が経過した設備の更新時期到来に伴うリプレース工事の増加など、一定の売上を確保できたものの、短納期案件による売上高上積みの取り組みが十分な成果に結びつかなかったことから、売上高は前年同期と比較して大幅に減少いたしました。
利益面では、当セグメントを将来の主力事業へ成長させるべく、体制強化のための人員増強や積極的な開発投資を進めた結果、労務費や経費などの固定費が増加しました。一方、売上が大幅に減少したため、増加した固定費を吸収することができず、利益は前年同期を大きく下回る結果となりました。
以上の結果、当セグメントの受注高は10億1百万円(前年同期比159.4%増)、売上高は4億90百万円(前年同期比35.8%減)、営業損失は99百万円(前年同期は営業利益1億46百万円)となりました。
(c) 不動産賃貸事業
不動産の賃貸を事業としており、当セグメントの受注高は60百万円(前年同期比4.7%減)、売上高は60百万円(前年同期比4.7%減)となりました。一方、所有する賃貸用建物の大規模修繕に伴う費用増加の影響により、営業損失は1百万円(前年同期は営業利益32百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は31憶66百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億57百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益5億96百万円、売上債権の減少2億21百万円等の増加要因があった一方、投資有価証券売却益1億29百万円、未払消費税等の減少63百万円等の減少要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は2億35百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入2億29百万円、リース投資資産の回収による収入69百万円等の増加要因があった一方、有形固定資産の取得による支出44百万円、無形固定資産の取得による支出26百万円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億26百万円となりました。これは主に配当金の支払額1億57百万円、リース債務の返済による支出68百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループが展開している事業の大部分を占める情報通信事業及び照明制御事業では請負形態をとっているため、生産実績及び販売実績を定義することは困難であります。
よって、記載可能な情報を「経営成績等の状況の概要」における各事業の業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は97億92百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億6百万円増加しました。これは主に、現金預金が6億75百万円増加し、投資有価証券が2億20百万円、受取手形、完成工事未収入金等及び契約資産が1億86百万円減少したこと等によります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は34億39百万円となり、前連結会計年度末と比較して69百万円増加しました。これは主に、支払手形・工事未払金等が1億83百万円増加し、退職給付に係る負債が93百万円、電子記録債務が34百万円減少したこと等によります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は63億53百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億37百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が2億13百万円、資本剰余金が16百万円増加したこと等によります。
(b) 経営成績の分析
(売上高)
連結会計年度における売上高は、67億77百万円(前年同期比5.6%減)となり、セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は19億54百万円(前年同期比12.0%減)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比2.1ポイント減少し28.8%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は4億38百万円(前年同期比29.9%減)となりました。セグメント別の営業利益については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における営業外収益は85百万円(前年同期比6.7%減)となり、営業外費用は3百万円(前年同期比34.1%減)となりました。営業利益の減少により、経常利益は前連結会計年度と比較して1億91百万円減少し5億20百万円(前年同期比26.9%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益129百万円を計上した一方、特別損失として計上した解体関連費用が前連結会計年度の115百万円から53百万円へ減少したこと等により、前連結会計年度と比較して58百万円減少し3億72百万円(前年同期比13.6%減)となりました。
(c) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
(中期経営計画の進捗状況等)
当社グループは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画(2024年4月~2027年3月)を策定しており、目標とする経営指標とその進捗状況については次のとおりであります。
<目標とする経営指標>
指 標2025年3月期2026年3月期2027年3月期
売上高6,400百万円6,700百万円7,000百万円
経常利益450百万円547百万円611百万円
ROE
(自己資本利益率)
4.9%8.5%9.0%

<当連結会計年度までの実績>
指 標2025年3月期2026年3月期
売上高7,180百万円6,777百万円
経常利益712百万円520百万円
ROE
(自己資本利益率)
7.3%6.0%

当社グループは、ROEを重要な指標として位置づけております。
(d) 今後の見通し
企業を取り巻く環境は、企業収益や雇用・所得環境の改善による、緩やかな回復基調の継続は期待できるものの、中東情勢の緊迫化をはじめとした地政学リスクの高まりに加えて、米国の政策動向、原材料やエネルギー価格の高騰および物価上昇継続への懸念などにより、依然として先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
当社は、このような環境下、情報通信事業では、レガシーPBXに対する底堅い顧客ニーズへの対応を継続しつつ、クラウドPBXによるサービス提供を強化してまいります。また、様々な設備をつなぐソフトウェア[マルチゲートウェイ®]等のネットワークインフラ構築、映像系ソリューション等の新規事業を推進するとともに、利用料ビジネスへの取り組みも加速してまいります。照明制御事業では、DALI+[マルチゲートウェイ®]により、施主や入居企業主導のDX・IoTソリューションとビル設備を連携し、省エネ・省人化・効率化と快適性を両立する環境を構築、提供してまいります。また、さらなる市場・規模の開拓を行うため、規模に合わせたDALI製品の採用や、既設ビルにも採用可能なスモールソリューションの創出に力を入れ、社会課題解決を行うための投資も継続して図ってまいります。
中期経営計画の最終年度となる次期の見通しにつきましては、売上高は71億00百万円を予定しております。利益面では、会社の持続的な発展を遂げるために必要な企業文化や風土をはじめとする会社変革のための投資、人的資本への投資を継続して見込んでいること等により、営業利益が4億00百万円(前年比8.8%減)、経常利益が4億50百万円(前年比13.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億00百万円(前年比19.5%減)を予定しております。
なお、企業を取り巻く環境が不透明であることから、今後の国内の設備投資動向等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。業績見通しに修正の必要が生じた場合は、速やかに開示いたします。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの資金需要のうち主なものは、サービス提供の為に必要な材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の費用および設備改修等に係る投資であります。
これらの必要資金につきましては、自己資金および短期借入金で賄っております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたって適用している重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成において必要とされる見積りについては、一定の会計基準の範囲内で継続して検証し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際とは異なる結果となることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。
(工事契約の履行義務の充足に係る進捗度の見積りによる収益認識)
当社グループは、工事契約に係る収益について、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法にて算出しております。
工事原価総額は、個々の案件に特有の状況を織り込んだ実行予算を使用しておりますが、工事着工後の作業内容の変更や機器材料価格又は外注価格の変動等に伴い、履行義務の充足に係る進捗度が変動することにより、認識する収益の金額に影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって見積っており、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
当該見積りは、将来の不確実な経済状況の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

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