半期報告書-第177期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、従来、「通販事業」の海外向けの売上高を「中国・台湾・輸出等」の区分に含めておりましたが、当中間連結会計期間の期首より「通販事業」の区分に含める方法に変更したことに伴い、以下の比較分析において区分変更後の数値で前中間連結会計期間との比較・分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間の我が国の経済は、インバウンド消費の増加や人流の回復による需要拡大により景気は緩やかに回復しております。一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、原材料価格の高騰や円安の進行による物価上昇が消費者心理に影響を与えるなど、事業活動を取り巻く環境は依然として不確実な状況が続いております。
このような中、当社グループは「2030経営計画」の達成に向けて、その道筋をつくる2ndステージとして「2024中期経営計画」を策定いたしました。飛躍に向けた成長軌道の確立に向けて成長性と資本収益性の好循環を生み出すべく、各事業の強化を図っております。
その結果、主に菓子食品事業、冷菓事業が好調であったことから、売上高は1,188億4千5百万円と前年同期実績に比べ92億3千7百万円(8.4%)の増収となりました。
損益については、増収効果及び価格改定効果がありましたが、原材料価格等の高騰や経営基盤の強化に向けたDXや人的資本への投資などにより、営業利益は前年同期実績に比べ3億1千2百万円(2.2%)減益の138億5千5百万円、経常利益も前年同期実績に比べ2億9千8百万円(2.1%)減益の140億9千9百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、政策保有株式の売却に伴う特別利益計上などにより前年同期実績に比べ3億7千1百万円(3.6%)増益の106億3千1百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造>菓子食品事業
ビスケットカテゴリーでは、「森永ビスケット」は、「ムーンライト」をはじめとした既存品が好調に推移する中、9月に実施した価格改定により一時的な店頭露出機会の減少もありましたが、ブランド全体で前年同期実績を上回りました。
キャンディカテゴリーでは、「ハイチュウ」は2月にブランドロゴの英語表記への変更を実施し、4月に実施した価格改定後も引き続き好調に推移しました。「森永ラムネ」は、夏場の受験生に向けたプロモーションを実施し、パウチ形態の「大粒ラムネ」、ボトル形態いずれも好調が継続し、前年同期実績を大きく上回りました。
チョコレートカテゴリーでは、「カレ・ド・ショコラ」は、ハイカカオを中心に基幹品の好調が継続し、前年同期実績を上回りました。「ダース」は、基幹品の「ダース<ミルク>」「白いダース」が好調に推移したほか、「香るダース」「焼きダース」など新たな需要を獲得するブランドエクステンション品の売上も寄与し、前年同期実績を上回りました。「チョコボール」は、大人向けの「大玉チョコボール」が苦戦する一方、基幹品は価格改定後も堅調に推移し、前年同期実績を上回りました。
食品カテゴリーでは、「森永ココア」は、引き続き健康ブランドとしての訴求に取り組む中、SNSやメディアにおけるダイエット効果に関する露出が継続し、引き続き好調に推移しました。「森永甘酒」は、前年同期実績を下回りました。
なお、原材料等のコストアップに対する収益改善策として、4月にキャンディ及びチョコレートカテゴリーの一部商品、9月にビスケット及びチョコレートカテゴリー、ココアや甘酒の一部商品において価格改定・内容量の減量を実施しております。
これらの結果、菓子食品事業全体の売上高は386億6千3百万円と前年同期実績に比べ27億4千4百万円(7.6%)増となりました。
損益については、原材料価格の高騰を収益性の高いキャンディカテゴリーを中心とした増収及び価格改定効果で打ち返し、営業利益は前年同期実績に比べ1億6千5百万円(10.3%)増益の17億7千1百万円となりました。
冷菓事業
「ジャンボ」グループは、訪日外国人向けのプロモーションをはじめ、断続的な話題喚起に取り組みました。また、シニアに向けたプロモーションの実施など、さらなる購買層の拡大に取り組み、グループ全体で前年同期実績を上回りました。「板チョコアイス」は、“夏季限定”品質の好評により盛夏期も好調に推移したほか、9月に発売した「白い板チョコアイス」の販売好調も寄与し、前年同期実績を大きく上回りました。「ザ・クレープ」は、デザート感をより向上させた品質変更とパッケージのリニューアルが奏功し、前年同期実績を大きく上回りました。「アイスボックス」は、盛夏期における熱中症対策需要の喚起など、引き続き喫食シーンの拡大に取り組み、好調に推移しました。
なお、原材料等のコストアップに対する収益改善策として、主力品について、9月に価格改定を実施しております。
これらの結果、冷菓事業全体の売上高は305億7千5百万円と前年同期実績に比べ25億7千7百万円(9.2%)増となりました。
損益については、増収及び価格改定効果がありましたが、原材料価格の高騰の影響が大きく、営業利益は前年同期実績に比べ4億1百万円(8.8%)減益の41億3千2百万円となりました。
in事業
「inゼリー」は、猛暑による運動機会の減少や天災の影響もあり、主力の「エネルギー」は店頭回転が伸び悩みましたが、受験シーズンに需要を拡大した「エネルギーブドウ糖」は仕事中や勉強中の飲用シーンの定着により引き続き好調に推移し、ブランド全体では前年同期実績を上回りました。「inバー」は、引き続きブランド認知拡大と購買喚起に取り組みましたが、プロテイン摂取手段の多様化による競争環境の激化が続き、前年同期実績を下回りました。
これらの結果、in事業全体の売上高は175億6千3百万円と前年同期実績に比べ3億円(1.7%)減となりました。
損益については、原価低減の取組みにより、営業利益は前年同期実績に比べ1億9千4百万円(4.2%)増益の48億4千7百万円となりました。
通販事業
「おいしいコラーゲンドリンク」は、当期における新規顧客獲得数は伸び悩みましたが、前年下期からの戦略的な広告投下による定期顧客基盤の拡大により、売上高は前年同期実績を上回りました。通販事業の第2の柱候補の商品である「おいしい青汁」は、着実に売上高を拡大しております。
これらの結果、通販事業全体の売上高は57億4千万円と前年同期実績に比べ3億9千万円(7.3%)増となりました。
損益については、戦略的な広告投下の影響もあり、営業利益は前年同期実績に比べ3億4千1百万円(80.9%)減益の8千万円となりました。
事業子会社
㈱アントステラは、全国の直営店において詰め放題や量り売りの販売が好調に推移したほか、大手量販店の銘店コーナーへの出店増加も寄与し、前年同期実績を上回りました。森永市場開発㈱は、円安を背景とした訪日外国人の増加や夏季休暇による来場者増加により、テーマパークにおける販売の好調が継続したほか、アンテナショップにおける販売も好調に推移し、前年同期実績を上回りました。
これらの結果、事業子会社全体の売上高は52億3千6百万円と前年同期実績に比べ6億3千1百万円(13.7%)増となりました。
営業利益は前年同期実績に比べ2千9百万円(6.6%)増益の4億6千7百万円となりました。
[国内における主な商品の前年同期比 (単位:%)]
※表中の数値は国内販売実績にて算出
米国事業
「HI-CHEW」は、インフレによる消費低迷により、主にコンビニチャネルでの販売に影響がありましたが、既存品の容量ラインアップの拡充や新商品の発売により、取り扱いSKU数の増加に取り組んだほか、新たな販売チャネルへの取組みを強化し、前年同期実績を上回りました。ゼリー飲料「Chargel」は、引き続きスポーツイベントでのサンプリング活動をはじめとしたPR活動やインストアプロモーションの展開により、ブランド認知及び商品理解の促進を積極的に進めております。リアルチャネルでは米系小売業への導入促進に引き続き取り組み、ECチャネルでは着実に売上を伸ばしております。
これらの結果、米国事業全体の売上高は109億9千4百万円と前年同期実績に比べ15億5千2百万円(16.4%)増となりました。
損益については、増収効果がありましたが、原材料価格の高騰や戦略的なマーケティング投資により、営業利益は前年同期実績に比べ1億5千4百万円(7.6%)減益の18億7千9百万円となりました。
中国・台湾・輸出等
中国では、「HI-CHEW」の販売が引き続き好調に推移しましたが、日本製品の輸入販売は苦戦しました。台湾では、「HI-CHEW」「inゼリー」が苦戦したものの、「キャラメル」が好調に推移しました。探索・研究領域である東アジア・東南アジア・オセアニア地区や欧州においても、「HI-CHEW」の売上高を着実に拡大しております。
これらの結果、中国・台湾・輸出等全体の売上高は50億1千4百万円と前年同期実績に比べ9億6千6百万円(23.9%)増となりました。
営業利益は前年同期実績に比べ2億2千9百万円(49.8%)増益の6億8千8百万円となりました。
以上の結果、<食料品製造>の売上高は1,138億9千2百万円と前年同期実績に比べ8.2%増となりました。セグメント利益は134億7千4百万円と前年同期実績に比べ5億5千2百万円の減益となりました。
<食料卸売>売上高は、36億2千3百万円と前年同期実績に比べ19.8%増となりました。セグメント利益は4億1千9百万円と前年同期実績に比べ3億1千6百万円の増益となりました。
<不動産及びサービス>売上高は、9億2千5百万円と前年同期実績に比べ2.3%減となりました。セグメント利益は4億1千5百万円と前年同期実績に比べ6百万円の増益となりました。
<その他>売上高4億4百万円、セグメント利益7千7百万円であります。
当中間連結会計期間末における総資産の残高は2,201億2千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億2千万円減少しております。主な要因は、商品及び製品や原材料及び貯蔵品、DXプロジェクトの進捗によるソフトウェア仮勘定が増加した一方で、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものであります。
負債の残高は829億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億8千4百万円減少しております。主な要因は、未払金や未払法人税等、流動負債のその他に含まれる設備関係未払金が減少したことなどによるものであります。
純資産の残高は1,372億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億6千4百万円増加しております。主な要因は、配当金の支払や自己株式の取得により減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上や為替換算調整勘定が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.9ポイント増加し、61.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ33億9千5百万円減少し、437億6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は107億9千6百万円(前中間連結会計期間は178億6千8百万円の増加)となりました。主な内容は、税金等調整前中間純利益150億4千7百万円、減価償却費47億7千1百万円、売上債権の減少額23億4百万円、棚卸資産の増加額25億2千1百万円、及び法人税等の支払額61億7千万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は72億8千5百万円(前中間連結会計期間は84億2千7百万円の減少)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出80億3千7百万円、及び有価証券の償還による収入25億円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は77億4千9百万円(前中間連結会計期間は103億8千8百万円の減少)となりました。主な内容は、自己株式の取得による支出24億5千5百万円、及び配当金の支払額49億8千7百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は14億5千9百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が13億9千1百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が6千7百万円であります。
当中間連結会計期間は、「2024中期経営計画」に掲げる、2030経営計画達成に向けた「飛躍に向けた成長軌道の確立」の1stステージとして、グローバル視点で「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、中長期視点での研究開発力の強化と共創により「既存技術深化」と「新規技術探索」を進め、価値の創出へのチャレンジを継続いたしました。
なお、従来、「通販事業」の海外向けの売上高を「中国・台湾・輸出等」の区分に含めておりましたが、当中間連結会計期間の期首より「通販事業」の区分に含める方法に変更したことに伴い、以下の比較分析において区分変更後の数値で前中間連結会計期間との比較・分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間の我が国の経済は、インバウンド消費の増加や人流の回復による需要拡大により景気は緩やかに回復しております。一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクに加え、原材料価格の高騰や円安の進行による物価上昇が消費者心理に影響を与えるなど、事業活動を取り巻く環境は依然として不確実な状況が続いております。
このような中、当社グループは「2030経営計画」の達成に向けて、その道筋をつくる2ndステージとして「2024中期経営計画」を策定いたしました。飛躍に向けた成長軌道の確立に向けて成長性と資本収益性の好循環を生み出すべく、各事業の強化を図っております。
その結果、主に菓子食品事業、冷菓事業が好調であったことから、売上高は1,188億4千5百万円と前年同期実績に比べ92億3千7百万円(8.4%)の増収となりました。
損益については、増収効果及び価格改定効果がありましたが、原材料価格等の高騰や経営基盤の強化に向けたDXや人的資本への投資などにより、営業利益は前年同期実績に比べ3億1千2百万円(2.2%)減益の138億5千5百万円、経常利益も前年同期実績に比べ2億9千8百万円(2.1%)減益の140億9千9百万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、政策保有株式の売却に伴う特別利益計上などにより前年同期実績に比べ3億7千1百万円(3.6%)増益の106億3千1百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造>菓子食品事業
ビスケットカテゴリーでは、「森永ビスケット」は、「ムーンライト」をはじめとした既存品が好調に推移する中、9月に実施した価格改定により一時的な店頭露出機会の減少もありましたが、ブランド全体で前年同期実績を上回りました。
キャンディカテゴリーでは、「ハイチュウ」は2月にブランドロゴの英語表記への変更を実施し、4月に実施した価格改定後も引き続き好調に推移しました。「森永ラムネ」は、夏場の受験生に向けたプロモーションを実施し、パウチ形態の「大粒ラムネ」、ボトル形態いずれも好調が継続し、前年同期実績を大きく上回りました。
チョコレートカテゴリーでは、「カレ・ド・ショコラ」は、ハイカカオを中心に基幹品の好調が継続し、前年同期実績を上回りました。「ダース」は、基幹品の「ダース<ミルク>」「白いダース」が好調に推移したほか、「香るダース」「焼きダース」など新たな需要を獲得するブランドエクステンション品の売上も寄与し、前年同期実績を上回りました。「チョコボール」は、大人向けの「大玉チョコボール」が苦戦する一方、基幹品は価格改定後も堅調に推移し、前年同期実績を上回りました。
食品カテゴリーでは、「森永ココア」は、引き続き健康ブランドとしての訴求に取り組む中、SNSやメディアにおけるダイエット効果に関する露出が継続し、引き続き好調に推移しました。「森永甘酒」は、前年同期実績を下回りました。
なお、原材料等のコストアップに対する収益改善策として、4月にキャンディ及びチョコレートカテゴリーの一部商品、9月にビスケット及びチョコレートカテゴリー、ココアや甘酒の一部商品において価格改定・内容量の減量を実施しております。
これらの結果、菓子食品事業全体の売上高は386億6千3百万円と前年同期実績に比べ27億4千4百万円(7.6%)増となりました。
損益については、原材料価格の高騰を収益性の高いキャンディカテゴリーを中心とした増収及び価格改定効果で打ち返し、営業利益は前年同期実績に比べ1億6千5百万円(10.3%)増益の17億7千1百万円となりました。
冷菓事業
「ジャンボ」グループは、訪日外国人向けのプロモーションをはじめ、断続的な話題喚起に取り組みました。また、シニアに向けたプロモーションの実施など、さらなる購買層の拡大に取り組み、グループ全体で前年同期実績を上回りました。「板チョコアイス」は、“夏季限定”品質の好評により盛夏期も好調に推移したほか、9月に発売した「白い板チョコアイス」の販売好調も寄与し、前年同期実績を大きく上回りました。「ザ・クレープ」は、デザート感をより向上させた品質変更とパッケージのリニューアルが奏功し、前年同期実績を大きく上回りました。「アイスボックス」は、盛夏期における熱中症対策需要の喚起など、引き続き喫食シーンの拡大に取り組み、好調に推移しました。
なお、原材料等のコストアップに対する収益改善策として、主力品について、9月に価格改定を実施しております。
これらの結果、冷菓事業全体の売上高は305億7千5百万円と前年同期実績に比べ25億7千7百万円(9.2%)増となりました。
損益については、増収及び価格改定効果がありましたが、原材料価格の高騰の影響が大きく、営業利益は前年同期実績に比べ4億1百万円(8.8%)減益の41億3千2百万円となりました。
in事業
「inゼリー」は、猛暑による運動機会の減少や天災の影響もあり、主力の「エネルギー」は店頭回転が伸び悩みましたが、受験シーズンに需要を拡大した「エネルギーブドウ糖」は仕事中や勉強中の飲用シーンの定着により引き続き好調に推移し、ブランド全体では前年同期実績を上回りました。「inバー」は、引き続きブランド認知拡大と購買喚起に取り組みましたが、プロテイン摂取手段の多様化による競争環境の激化が続き、前年同期実績を下回りました。
これらの結果、in事業全体の売上高は175億6千3百万円と前年同期実績に比べ3億円(1.7%)減となりました。
損益については、原価低減の取組みにより、営業利益は前年同期実績に比べ1億9千4百万円(4.2%)増益の48億4千7百万円となりました。
通販事業
「おいしいコラーゲンドリンク」は、当期における新規顧客獲得数は伸び悩みましたが、前年下期からの戦略的な広告投下による定期顧客基盤の拡大により、売上高は前年同期実績を上回りました。通販事業の第2の柱候補の商品である「おいしい青汁」は、着実に売上高を拡大しております。
これらの結果、通販事業全体の売上高は57億4千万円と前年同期実績に比べ3億9千万円(7.3%)増となりました。
損益については、戦略的な広告投下の影響もあり、営業利益は前年同期実績に比べ3億4千1百万円(80.9%)減益の8千万円となりました。
事業子会社
㈱アントステラは、全国の直営店において詰め放題や量り売りの販売が好調に推移したほか、大手量販店の銘店コーナーへの出店増加も寄与し、前年同期実績を上回りました。森永市場開発㈱は、円安を背景とした訪日外国人の増加や夏季休暇による来場者増加により、テーマパークにおける販売の好調が継続したほか、アンテナショップにおける販売も好調に推移し、前年同期実績を上回りました。
これらの結果、事業子会社全体の売上高は52億3千6百万円と前年同期実績に比べ6億3千1百万円(13.7%)増となりました。
営業利益は前年同期実績に比べ2千9百万円(6.6%)増益の4億6千7百万円となりました。
[国内における主な商品の前年同期比 (単位:%)]
菓子食品事業 | 冷菓事業 | ||
森永ビスケット | 105 | ジャンボグループ | 101 |
ハイチュウ | 112 | 板チョコアイス | 133 |
森永ラムネ | 128 | ザ・クレープ | 127 |
カレ・ド・ショコラ | 118 | アイスボックス | 109 |
ダース | 109 | in事業 | |
チョコボール | 101 | inゼリー | 101 |
森永甘酒 | 85 | inバー | 88 |
森永ココア | 118 | 通販事業 | |
おいしいコラーゲンドリンク | 102 |
※表中の数値は国内販売実績にて算出
米国事業
「HI-CHEW」は、インフレによる消費低迷により、主にコンビニチャネルでの販売に影響がありましたが、既存品の容量ラインアップの拡充や新商品の発売により、取り扱いSKU数の増加に取り組んだほか、新たな販売チャネルへの取組みを強化し、前年同期実績を上回りました。ゼリー飲料「Chargel」は、引き続きスポーツイベントでのサンプリング活動をはじめとしたPR活動やインストアプロモーションの展開により、ブランド認知及び商品理解の促進を積極的に進めております。リアルチャネルでは米系小売業への導入促進に引き続き取り組み、ECチャネルでは着実に売上を伸ばしております。
これらの結果、米国事業全体の売上高は109億9千4百万円と前年同期実績に比べ15億5千2百万円(16.4%)増となりました。
損益については、増収効果がありましたが、原材料価格の高騰や戦略的なマーケティング投資により、営業利益は前年同期実績に比べ1億5千4百万円(7.6%)減益の18億7千9百万円となりました。
中国・台湾・輸出等
中国では、「HI-CHEW」の販売が引き続き好調に推移しましたが、日本製品の輸入販売は苦戦しました。台湾では、「HI-CHEW」「inゼリー」が苦戦したものの、「キャラメル」が好調に推移しました。探索・研究領域である東アジア・東南アジア・オセアニア地区や欧州においても、「HI-CHEW」の売上高を着実に拡大しております。
これらの結果、中国・台湾・輸出等全体の売上高は50億1千4百万円と前年同期実績に比べ9億6千6百万円(23.9%)増となりました。
営業利益は前年同期実績に比べ2億2千9百万円(49.8%)増益の6億8千8百万円となりました。
以上の結果、<食料品製造>の売上高は1,138億9千2百万円と前年同期実績に比べ8.2%増となりました。セグメント利益は134億7千4百万円と前年同期実績に比べ5億5千2百万円の減益となりました。
<食料卸売>売上高は、36億2千3百万円と前年同期実績に比べ19.8%増となりました。セグメント利益は4億1千9百万円と前年同期実績に比べ3億1千6百万円の増益となりました。
<不動産及びサービス>売上高は、9億2千5百万円と前年同期実績に比べ2.3%減となりました。セグメント利益は4億1千5百万円と前年同期実績に比べ6百万円の増益となりました。
<その他>売上高4億4百万円、セグメント利益7千7百万円であります。
当中間連結会計期間末における総資産の残高は2,201億2千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億2千万円減少しております。主な要因は、商品及び製品や原材料及び貯蔵品、DXプロジェクトの進捗によるソフトウェア仮勘定が増加した一方で、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものであります。
負債の残高は829億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億8千4百万円減少しております。主な要因は、未払金や未払法人税等、流動負債のその他に含まれる設備関係未払金が減少したことなどによるものであります。
純資産の残高は1,372億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億6千4百万円増加しております。主な要因は、配当金の支払や自己株式の取得により減少した一方で、親会社株主に帰属する中間純利益の計上や為替換算調整勘定が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.9ポイント増加し、61.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ33億9千5百万円減少し、437億6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は107億9千6百万円(前中間連結会計期間は178億6千8百万円の増加)となりました。主な内容は、税金等調整前中間純利益150億4千7百万円、減価償却費47億7千1百万円、売上債権の減少額23億4百万円、棚卸資産の増加額25億2千1百万円、及び法人税等の支払額61億7千万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は72億8千5百万円(前中間連結会計期間は84億2千7百万円の減少)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出80億3千7百万円、及び有価証券の償還による収入25億円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は77億4千9百万円(前中間連結会計期間は103億8千8百万円の減少)となりました。主な内容は、自己株式の取得による支出24億5千5百万円、及び配当金の支払額49億8千7百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は14億5千9百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が13億9千1百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が6千7百万円であります。
当中間連結会計期間は、「2024中期経営計画」に掲げる、2030経営計画達成に向けた「飛躍に向けた成長軌道の確立」の1stステージとして、グローバル視点で「技術を基軸に、未来に向けて新たな顧客価値を創造する」という基本方針のもと、中長期視点での研究開発力の強化と共創により「既存技術深化」と「新規技術探索」を進め、価値の創出へのチャレンジを継続いたしました。